2010年5月31日月曜日

*TV覚書:5/31、スッキリ!! 普天間問題に対する勝谷誠彦のコメント

最初に政治的に見ると、今の着地点が10年もかけて橋本首相が大田知事と13回会って、岡本行夫さんが沖縄に50回以上足を運んで根回しをしているわけだ。だから落とし所としては、とりあえずはよ。ただし言わなきゃいけないのは、将来的に東アジアが平和になれば、いらないわけだ。なッ。

だからそういう出口まで見て、将来なくなるけども、10年くらいちょっとガマンしてくださいよ、というお願いの仕方だったらわかるはなしだ。それをちょっと、ああいう浮気したみたいな話し方でいってしまったら問題になったわけで――ここで居丈高なツラで――ボクね、敢えて言うけど、何が悪いの?

普天間の危機は、とりあえずテリーさん反論あると思うけども、とりあえずは無くそうという話であるわけだ。なッ。で、海側にあるもうちょっと安全なとこに行こうという話だ。民主党政権、鳩山さんをかばうわけじゃないよ。だけど、現実を見たら少しマシになるわけでしょ? それを、そこまでにどういうプロセスにあったかということで、そこまでどうして日本中足引っ張るの?

加藤:ン? ンーーーー?

なんで足引っ張るの? で、結論。事実だけ言うと、普天間という町の真ん中にあるとこで、ヘリが離発着しているところが、海に行くわけでしょ?

加藤:それは鳩山さんはわかっていたんですか?

いや、そうじゃない方法があると思って話したわけだよ。でも、結局そこしかなかったわけだよ。だけど事実だけ見たらこっちが向こう行くわけで、少しようなるわけだろ? 何で文句いうの?

加藤:いや、沖縄県民とかの気持ちを……だって来なくていいんだってなっていきますよね。

だから、そこは大問題だよ。だけどいま仲井間知事が辺野古を認めないって、オマエほんまに知事か、コラ! なんで認めない! 自分の県民が少し安全になるわけでしょ? とりあえず暫定的でもそれを認めたらいいじゃないですか。で、次をちゃんと考えてくださいよというのは……そうじゃなくてイデオロギーを持ち込んでるからおかしいんですよ。基地そのものがイヤだ、米軍そのものがイヤだ、それはそれで主張したらいいんですよ。いいけども、それと地元の人たちの安全は、より負担になる軽くなるとは別じゃん!

テリー:勝谷さんの言ってることはわかるところあるけども。

わかるじゃなくて理屈でしょ?

テリー:でもね、鳩山さんは最低でも県外って選挙のとき言っちゃったわけじゃない。それを沖縄の人は信じていたわけだよ。そこは一番ポイントなわけで、そしてですね辺野古の自然を壊すのは自然への冒涜だと言ってですね、すぐにそこに基地を持ってくというのだね。

(話をさえぎるように)そこでね、そこで青山さんに聞きたいけども、鳩山さん辞めると思うんですよ。(得意そうに)僕は今日鳩山さん辞めると思っているんですよ。

感想:今日も勝谷センセーは絶好調! 勝谷と日刊ゲンダイは民主党と小沢にとっての最後の希望ですね。

八丈シナーズ通信(サカつく日記):その4

プロローグその1その2その3

八丈島初のプロサッカークラブである「八丈シナーズ」は、カリオカを中心に中央突破の一点張りでJ1上位を窺うチームである。チーム名に相反して前科者は一人もいないけど、スタジアム店舗の商品価格は犯罪的なボッタクリ価格――スタジアム内のラーメン屋の日商が、人気ラーメン店の月商を超えるほど――だという……。

・12年目。スポンサーはチュルソフト。フレンドリーマッチはジュビロ。那須、西の契約延長を狙うも……獲れたのは川口。別に欲しくないし!
・2月2週にはオフィスを改築。これによりチームコストが+6となり、全施設がLV2になった。
・J1は開幕戦から3連敗OTL。世代交代は難しいなぁ。一方、カップ戦は絶好調で、4月2週にはワールドウィナーカップを制覇! これでJリーグで戦えるカップ戦は全て制覇したことになるのか?
・なお、この勝利によりオフィスLV3の改築が解禁、キッツベルト監督との契約も可能となった。
・秘書曰く、「世界レベルの監督」ってことなので、早速監督を替えたら今季J1初勝利。監督の差って本当にあるものなのかね?
・未制覇のカップ戦がないので、そのまま惰性でワールドウィナーカップに挑戦。なんとはなしに試合を見ていたら、相手チームに「ジョホールJSC」というのが出る。
・メンバーを見たら……ジョホールバルの奇跡の日本代表だった。平塚浪馬(中田ヒデ)、赤野(岡野)以外は実名OBだし。
・リーグ戦は勝ったり負けたり引き分けたり。上位は無理だけど降格の心配はないという緊張感のない展開。
・有力選手がなかなか引けない。平塚とか小野とかがいたけど、スクラッチで引けるのは“ハズレ”ばかり。まぁ、彼らについては獲れても使わないけどね。
・J1最終成績は14位。世界ランキングは78位。

・13年目。スポンサーは元禄製菓。フレンドリーマッチは浦和。鈴木、細貝、高原の契約延長を狙い、見事、鈴木の契約延長に成功。
・世代交代がそこそこ上手くいき、契約更改でも大幅な戦力ダウンを回避できたので、そろそろ本気でJ1優勝を狙うことにする。
・開幕戦から勝ちまくる我がチーム……しかし、4月2週に井原を発見! 丁度センターバックが欲しかったので、ここはピンポイントを使って一本釣り。直後のリーグ戦に投入する。
・もちろん、DFに穴のあるチームが上位チームに勝てるはずもなく……今年も優勝は無理か。
・6月2週にスタジアムを改築。剰余資金が246億7013万円もあるからね。しかし、施設コンボが「ラーメン」「スイーツ」以外見つけられない。パエリア、カレー、ケバブとかでコンボになると思ったんだけどなぁ。
・J1は井原の成長と爆発に合わせて、ようやく成績が安定するように。10月からは4連勝も達成。
・J1最終成績は4位。

・14年目。スポンサーはパスタコッコロ。フレンドリーマッチは鹿島。曽ヶ端の契約延長を狙い見事に成功。
・今年こそ本気で優勝を目指す。もう育成とか何とか悠長なことは言ってられない。レベル10に満たないのは、井原、槙野、アカニ、那須、ケイタのみ。井原以外は全員LV5以上だ。カップ戦? そんなの飾りです!
・開幕戦は川崎相手に4-0。やっぱり本当の本気を出せば、Jリーグレベルでは敵じゃないなぁ。
・その後、一度引き分けがあったものの10月3週までに10連勝を記録。11月1週、優勝を決める一戦が始まった。
・相手は鹿島。1-0で92分までリードしていたものの、ロスタイムで失点。1-1の引き分け。なんか補正が働いてないか?
・気を取り直して臨んだ11月3週の大分戦は、2-1で勝利。見事、J1初優勝を決める! 日本一の特典はコスト+4とか。
・J1最終成績は優勝。15勝2分0敗だった。世界ランキングは69位。エンドロールの風船割りでは32億3千万円ゲットした。この0.1%でも手前の懐に入ってくれたらなぁ。なお、ジーオ監督との契約が解禁となった。中央突破LV2が魅力だ。

★最新のベストメンバー

FW:ケネディ、高原
MF:ケイタ、ラモス、細貝、森崎
DF:遠藤、松田、槙野、加地
GK:曽ヶ端

★ここまでの感想――J1優勝に14年掛かるとはね。お金のやりくりをあまり気にしなくていいのとゲームオーバーがないので、難しいとは思わなかった(多分、攻略する気になれば、5年くらいで優勝できた)けど、ダラダラやっているといつまでも優勝できないというゲームバランスは見事の一言。油断してたら「LV1の選手」と「手元の選手に合わせたフォーメーション」で戦わなければならなくなるし。昔のサカつくみたいに「10年連続優勝」みたいな常勝チームが作りづらくなっている点は良いと思いますよ。

2010年5月30日日曜日

八丈シナーズ通信(サカつく日記):その3

プロローグその1その2

八丈島初のプロサッカークラブである「八丈シナーズ」は、カリオカを中心に中央突破の一点張りでJ1昇格を決めたチームである。ホームゲームには1万人を超える観客が訪れるが、彼らの1/2はフェリー、1/4は飛行機、1/4は泳いで来るという……。

・8年目。スポンサーは穴森サイクル。はっきりいって胸広告のデザインはダサいけど、3年継続のスポンサーがここだけなので契約。
・フレンドリーマッチは横浜FM。当然、松田の契約延長を狙うものの、獲れたのは中澤。ま、いいか。
・J1昇格により緒方監督の契約ができることに。でも、戦術がクソなのでスルー。ウチはあくまでも中央突破にこだわっているわけで、サイド攻撃&守備は必要ないのですよ。
・J1では開幕から3連敗。初勝利は4戦目。壁は高いなぁ。
・カップ戦は絶好調。5月2週にニューイヤーカップ、7月2週にワールドトライアルカップ、11月2週にワールドトライアルリーグを制覇。ニューイヤーカップの報酬としてトムシエ監督をゲットする。
・結局、J1最終成績は14位。1年で降格しなかっただけマシか。

・9年目。スポンサーは穴森サイクル。フレンドリーマッチは浦和。高原の契約延長を狙うも鈴木をゲット。なかなか狙い通りにいかないなぁ。こんなところでスクラッチ用アイテムを使うのも業腹だし。
・で、問題の契約更改。今回は主力に契約切れが続出。一応、この事態を見越してしこしこと契約書を買っておいたけど……全部使っても契約漏れの選手が出てきてしまう。手元の契約書? もちろんゼロですよ。
・こういうことがあるから、なかなかメンバーを固定できない。リーグ戦でガンガン新陳代謝しないと戦力を維持できないので、「誰を使い、誰を見切るか」がゲームの肝なのだなぁ。
・J1に昇格したためか、スタジアムがかなり埋まるようになってきたため、ここでスタジアム改築を決断。全施設で初の改築(これまでは増築もしてなかった)をすることに。
・カップ戦をは昨年に引き続き絶好調。4月4週にはジャパンスプリングリーグを制覇する。8月2週には本山をゲット。ラモス、西に続く有力なOMFなので、早速リーグ戦に投入することに。でも、これで更に負け込むんだろうなぁ。
・12月2週にはジャパンサマーカップを制覇。真冬なのにサマーとはこれいかに。
・J1最終成績は13位。世界ランキングは114位。

・10年目。スポンサーは穴森サイクル。フレンドリーマッチは鹿島。いつのまにか土肥の後継GKとして頭角を現してきた曽ヶ端の契約延長を狙うも……ゲットしたのは青木。
・10年目の記念として何か大きなことをしたいと思い、クラブハウス改築を決断。手元の資金は154億4083万円。このうち50億円を使う。
・ここで秘書よりヘルプ情報が! なんでもユースが使えるという。スクラッチ後、ユース契約を決断すると契約年数を消化しない――つまり、選手を冷凍保存できる――ということか。こりゃ便利。てか、さっさとクラブハウスを改築or増築しておけば良かった。
・カップ戦は引き続き絶好調。3月4週にジャパンオータムカップ、6月2週にはジャパンウィンターカップを制覇。これによりヨーン監督との契約が可能となる。“デミオダンス”じゃないけど「もう、私が止まらない!」
・10月2週にはワールドチャレンジリーグを制覇するも、J1での成績は惨憺たるもの。12月1週には、「この一戦に負けたらJ2降格」という瀬戸際に追い込まれる。
・ここに至ってカップ戦メンバーをJ1に投入。これが本当の負けられない戦い。というわけで、当たり前のように4-1で勝利。J2降格は免れた。
・J1最終成績は14位。世界ランキングは107位。

・11年目。スポンサーはチェルトソフト。理由はロゴがカッコイイから! フレンドリーマッチは浦和。高原、細貝、鈴木といつの間にか浦和出身選手が多くなってきたので、彼らの契約延長を狙う。で、狙い通り高原の契約延長に成功。これは嬉しい。
・3月2週にはワールドチャレンジカップを制覇。景品としてクラブミュージアムを手に入れる。
・4月3週、何の気なしにヘルプを見ていたらサポートミッションというのがあるのに気付く。てか、これまでヘルプを見ていなかったので、全然気付かなかった。
・で、これをやってみたんだけど……ほとんどのミッションを済ませていたため、クリア報酬がモリモリ貰えることに! ここで初めて抽選券を貰う。
・ランダム抽選券で風船を割ると……Jリーグ初年度MVP発表時のカズの時みたいな演出で真っ赤なスーツでポーズ(アノ時のカズと同じポーズ)をとった選手が! 手に入れたのはルイス・ブリエト(ランク4)とかいう奴だった。ディフェンダーは間に合ってるからなぁ。
・5月4週にワールドウィナーリーグを制覇。もう、世界に敵はいない? 一方、今季はJリーグでも好調のようで、6月4週時点での順位は5位。これから連勝街道を続ければ優勝も夢ではないかも。
・10月4週には槙野のレアをゲット! 初のレア選手! 初期能力が30後半……って即戦力じゃん!
・結局、J1最終成績は3位。育成しながらもこの成績というのは立派だけど、優勝までの道のりは長いなぁ。この間、曽ヶ端が地味に3回大爆発。来年からは土肥に代わってカップ戦メンバーかな。世界ランキングは93位。

★最新のベストメンバー

FW:高原、ケネディ
MF:ラモス、西、大谷、橋本
DF:大岩、遠藤、河端、堀之内
GK:土肥

★ここまでの感想――サターン、DC、PS2のサカつくなら、10年もあれば常勝チームになっていたけど、ここまでJ1優勝が難しいとはね。まぁ、カップ戦メンバーで全戦戦えばいつでも優勝できるけど、それをやると来年、再来年が大変なんだよなぁ。油断するとアッサリ降格するというゲームシステム&バランスは実に面白い。これまでのサカつくは10年もやったらお腹一杯だったからなぁ。

八丈シナーズ通信(サカつく日記):その2

プロローグその1

八丈島初のプロサッカークラブである「八丈シナーズ」は、カリオカを中心に中央突破の一点張りでJ2中位をウロウロするチームである。Jリーグのチームから有力選手を掻き集めているが、彼らのほとんどは単身赴任だという……。

・5年目。スポンサーは光明飲料。スポンサー料は更に跳ね上がる! 今後は2~3年目に報酬のあるスポンサーと優先的に契約しよう。
・フレンドリーマッチは横浜FM。当たり前のように負けるものの、必殺の「50%カード」を使って見事に松田直樹をゲット! 手前にとって顔と名前が一致している数少ない選手だ。
・ランク1~2、LV7~8の選手が揃ったので、今年はカップ戦を捨てJ2優勝を目指すことにする。ラモスも佐藤も久しぶりのリーグ戦復帰。下位チームには鬼のような強さを見せる。
・しかし、11月4週までの順位は4位。優勝は絶望となったため、メンバーを大幅に入れ替える。下手に連勝して「3位→J1昇格」ってなったら、J2優勝のトロフィーがもらえないからね。
・というわけでリーグ戦最終順位は4位。J2で圧倒するのがここまで難しいとはね。レベルアップと契約期間、カップ戦での選手獲得のバランスを上手にとるのが肝ということか。

・6年目。スポンサーはナランジャエウロパ。複数年契約が見込めるスポンサーだ。フレンドリーマッチはロアッソ熊本。藤田狙いだったけど、獲れたのは西。
・去年、全力を尽くしてJ2優勝が成らなかったので、今年はチームの底上げを目指すことにする。去年リーグ戦に出ていたラモスらの主力がLV8~9まで育っていたので、彼らでカップ戦無双を目指し、ランク3~4の選手をリーグ戦で大きく伸ばすことにする。
・結果、4月4週にトライアルリーグ、6月2週にローカルカップ、10月2週には何度も挑戦しては跳ね返されてきたジャパンイースタンカップを制覇。12月2週にはトライアルカップを制覇する。
・7月3週にはカップ戦で浦和を破り、ブッシュバル監督との契約に成功。ついにねんがんの体力&精神回復を手に入れたぞ。12月2週にはトライアルカップ制覇の報酬としてファルカン監督との契約権を手に入れる。
・カップ戦における栄光の日々は、Jリーグでの屈辱と表裏一体であって……リーグ最終順位は17位。わかっていたことではあるけどくやしいです。世界ランキングは136位。ここまで来るとチームのキャパシティ(コスト上限)にも余裕が出てくる。

・7年目。スポンサーはナランジャエウロパ。フレンドリーマッチは広島。佐藤をとって契約更新したかったけど、結局とれず。ま、いいか。
・今年は何があってもJ2で優勝することを決める。成長? 知るか! リーグ戦メンバーにLV10メンバーをズラリと揃え、全勝を目指す。
・J2無双。連勝街道を驀進するチームにとって、ただ一つの壁は同じく無敗の大分トリニータ。両雄が激突した天王山は7月3週。この試合だけは等速で采配。中央突破と体力回復を駆使して見事1-0で勝利!
・11月3週にJ1昇格を決め、12月1週にJ2優勝を決めた。リーグ戦最終成績は16勝2分1敗。ただし、カップ戦では負け続け、世界ランキングは144位に後退してしまう。それでもキャパシティが下がらなかったのが救いか。

★最新のベストメンバー

FW:高原、ケネディ
MF:ラモス、西、大谷、橋本
DF:大岩、遠藤、河端、堀之内
GK:土肥

2010年5月29日土曜日

八丈シナーズ通信(サカつく日記):その1

プロローグ

八丈島初のプロサッカークラブである「八丈シナーズ」。名前が名前だけに、ガスコインとかとか菊池とか茂原とかを集めたくなるけど、ガスコイン以外は多分、収録されていないと思うので早々に諦める。

・1年目。チームの初期セットは「守備セット」。GKの杉本、サイドバックの伊藤というのが良いらしい。
・最初のフレンドリーマッチは広島。もちろんサクッと敗北。サカつくというゲームの性質上、当面は勝てないのがデフォだろうと当て推量し、以後、試合は3倍速で流すことにする。
・スクラッチで手に入れたのは佐藤寿人! ボーナスコードでゲットしたラモス瑠偉と共存させるには伊藤を外さなきゃならんか……。
・というわけで伊藤を外し、佐藤、ラモスを入れたチームで連戦。まずはレベルを上げなきゃ話にならなさそうなので、チームのメンバーはリーグ、カップとも固定する。スカウト、コーチはタダの人を使う。無駄な出費はしたくないし。
6連敗、5連敗と気持ちよいくらい負ける。勝ち始めたのは11月頃から。この頃にはリーグ戦メンバーのレベルが4~5程度に上がっていた。
・ 1年目はリーグ19位で終わる。もちろんカップ戦は一つも獲れず。

・2年目。スポンサーは米々味噌。フレンドリーマッチは磐田。負けるものの西紀寛をゲット。そのまま留学させる。
・レベルアップした去年のリーグメンバーの半分をカップ戦メンバーに移行。これによりカップ戦でそこそこ良い戦いができるようになる。
・7月4週には初めてフレンドリーグを制覇。11月2週にはフレンドカップを制覇する。なお、リーグ戦の最終成績は13位。
・西紀寛が帰国。グラサンをかけたチャラい格好に噴く。

・3年目。スポンサーは光明飲料。フレンドリーマッチは横浜FC。狙いはもちろんキングカズ! でも獲れたのは片山……。
・10月4週にイースタンリーグを制覇。12月3週には高原直泰をゲット! 初めての5ランクFWなので、来年以降リーグ戦で起用することに。
・リーグ戦は序盤から快進撃。もしかしたらこのシーズンでJ1昇格成るかも? と思うものの秋口に失速。最終成績は4位。

・4年目。スポンサーは光明飲料。継続契約だとスポンサー料も跳ね上がるのね。これはラッキー。
・ここで初期メンバーの契約期間が一斉に切れる。ナ、ナンダッテー!! 編成を見るとフォーメーションがスッカスカOTL。
・継続契約には「●年契約書」が必要らしい。時々、セールスマンが売ってくるのを買っていたけど、こういうときに使うのね。3年契約書を3枚貰ったので、これで杉本と佐藤、ラモスの契約を更新。残りの大多数のレベル8~9メンバーは契約更改しないことに。
・なわけで、リーグ戦メンバーが一気に弱体化してしまう。ま、仕切りなおしだ。仕切りなおし。フレンドリーマッチでは乾をゲットする。
・リーグ戦は順調に負け続ける。昨年までの快進撃はウソのようだ。一方、西、ラモス、佐藤らのハイレベルなメンバーを集めたカップ戦は健闘する。
・6月4週にはウエスタンリーグを制覇。ケネディをゲット。10月2週にはウェスタンカップを制覇する。
・リーグ戦最終順位は10位。世界ランキングは143位となった。

★最新のカップ戦メンバー

FW:李、佐藤
MF:ラモス、西、国分、栗澤
DF:冷泉、川島、澤口、松下
GK:杉本

★ここまでの感想――説明書とレビューを読んで始めたものの、「カップ戦で戦った相手チームの選手」を「スピードくじで引いて獲る」というシステムには面食らった。煩わしい年俸交渉がない代わりに、常日頃から契約書をシコシコ勝っておかないとヒドい目にあうのね。これもセールスマンに薦められるままに買っていたら、財務状態が悪化するし……という感じで経営シミュレーションとしてのバランスをとっているんだろうけど、PS2のサカつくに比べれば難易度は随分やさしい感じだ。なんといっても「5年以内にJ1優勝しないとゲームオーバー」「J2最下位でゲームオーバー」みたいな条件がないのがいいね。

野球部は暴力で強くなるのか?:その3

野球部における殴る蹴るシゴキがやっかいなのは、これをしないチームとの「対照的な成績の比較」が難しいことにある。同じ環境、同じ才能を揃えることが不可能であり、指導方針の変更が成績低下(監督解任、部員の進路変更など)を招くリスクを内包していることから、どうやっても対照的な比較ができないということだ。

結果、経験的には殴る蹴るシゴキをしたチームが勝ち続けていることをもって、「殴る蹴るシゴキは有効」と正当化されてしまう。暴力というファクターが、「勝ち続けるだけの豊かな才能を揃えていた」「暴力とは無関係に膨大な練習量をこなした」というファクター以上に重視されるといっていい。

しかし、殴る蹴るシゴキをしないチームとの対照的な成績の比較という、“科学的な検証”をしていないということは、同じレベルのチームを3年間率いて<非暴力のシゴキ>をすれば、より高い成績を残す可能性もあるといえる。これを“科学的に否定”できないからこそ、ド素人の手前でも偉そうな口をきける(=仮説を立てることができる)のだ。

PL学園野球部のOBで、ただ一人、暴力に否定的な意見を持つのは桑田真澄だ。

「入学後に一番驚いたのは寮生活だったな。上下関係、いろいろな決まりごと、すべてが驚きだった。食事していても食堂に皿が飛び交っていたからな。一年生は先輩たちにこっちで怒られ、あっちで怒られて、しっちゃかめっちゃか。先輩に『チャーハン作れ』って言われて、チャーハン作ってても皿がバンバン飛んでくるような状態。だから、一年生の寮生活は、もう二度と送れない。お金をいくらもらっても無理だね」
「でも、上下関係はすごく大切だし、精神野球は絶対に大事なものと思っているんだよ。絶対服従や暴力はあってはいけないから、そこが違う点ではあるけどね」
「上下関係や礼儀を教えるにしても方法はいくらでもある。PLの寮生活では説教が当たり前だったけど、それは僕の理論とは反するやり方だった。その経験があるからこそ、僕が三年生になってからは変えたよね。少なくとも、僕の目の前で一切なかったね。僕のいないところでやっていたかもしれないけど、少なくとも僕の目の前では誰一人やらなかった」
「厳しいというのはすばらしいことだと思っている。厳しさがなければダメ。ただ、厳しさの質が問われると思う。どんなときでも暴力はダメなことだけど、たとえ殴ってしまったとしても、殴られた側が『ありがたい』と思えるくらい、質の高い指導ができるかどうかが大事なんだよね」(17~18頁)

桑田のように考えられるOBが少数派どころか異端――少なくとも手前の知る限りでは、桑田と落合博満しかいない――であることは、野球界(というか体育会系部活全体)の悲劇ではないか? このあいだ読んだ高校時代の江川卓を描いたノンフィクション『真実の一球――怪物・江川はなぜ史上最高と呼ばれるのか――』(松井優史著。竹書房)で、著者は、江川が作新学院野球部に馴染めなかった原因について、このように書いていた。

「私はこう思った。江川と作新ナインは試合以外での共有する思いが足りなかったのでは。“集合”もそのひとつである。名門校になればなるほど同窓会で盛り上がる話題は、甲子園で勝った云々よりも誰々がヘマして殴られた“集合”話である」
「1年のときから江川が“集合”に参加しているのをほとんど見たことがない」
「“集合”を受ければいいというわけではないが、一緒にヤラれた苦痛から、仲間としての団結心がどこかに生まれてくる。『おまえはこんな苦しみ味わってないだろう!』『なんで俺たちだけが!』共有できる感情があまりにも江川とほかのナインのあいだで少なすぎたのではないか」(235~236頁)

このような素朴な暴力の肯定論を、それなりに名前の知られているライターが公刊されている本で堂々と述べているのだ。暴力そのものを肯定しているわけでないのであれば、「同調圧力に身を任せなければ仲間として認められない、日本の体育会系部活の閉鎖性」を礼賛しているということなのだろう。いずれにしても褒められた話ではないと思うのだが……。

野球部が暴力で強くなったのは過去の話――と、堂々と言えるようになるまでには、まだまだ時間がかかるというのだろうか?



2010年5月28日金曜日

サカつくDS 2010日記:プロローグ

昨日発売された『サカつくDS ワールドチャレンジ2010』をゲットしました。W杯には世間並みの興味しかありませんが、5~6年ぶりのサカつく(前にやったのはパッケージが小野伸二のやつ)は別。というわけで、しばらくハマることにします。なおゲーム内容についてはこちらを参照のこと。

まずは、我がチームの紹介。

・代表者:都築 有
・チーム名:八丈シナーズ
・ホーム:八丈町(八丈島)

代表者といっても、ゲームの性質上監督も兼ねているので、立場としては欽ちゃん球団の欽ちゃんのようなものか。一番近いイメージは、ダイエーホークスの中内正オーナーかも知れない。VIP席で観戦しながら「王さん、ここはバントだろう!」と叫ぶと、きちんとバントしてくれたらしいし。

ホームを八丈島にしたのは、「いま住んでいる場所にはスタジアムがないし、実家にはサッカーチームがあるし……なら、絶対に他チームがホームにしないところにしよう!」という考えから。チーム名はFCでも良かったんだけど、まぁ、八丈島といえばオーストラリアと同じようなところだからね。徳川幕府にとっての“大罪人”だった宇喜田秀家が“終の棲家”にした地でもあるし。

次に、大まかなチームコンセプトを考える。

まず、このゲームで何がやりたいんだろうか?
答えは、思い入れのある選手が縦横無尽の大活躍をするところを眺めたい! だ。

思い入れのある選手は誰か?

マラドーナ!
前園さん!

この2人かなぁ。

じゃぁ、この2人をどうすればいい?
つまりだ、「マラドーナが戦術」「前園さんが戦術」というチームを作ればいいんだよ!

と、脳内会議を終えたところで、大まかなチームコンセプトを考えた。

・古典的な司令塔(1.5列目)を置く。
・サイド攻撃はしない。
・ポストプレイヤーは置かない。
・1.5列目より下は、守備能力を最重視。

つまり、戦術は「中央突破」「カウンター」をメインにすることで、1.5列目に置いたマラドーナor前園さんが心置きなくドリブルできるようにすることを目指す。そのためにはサイドから駆け上がる選手や、司令塔の行く手を阻むポストプレイヤーは“邪魔”なんであり、そんなことをするヒマがあったらマラドーナor前園さんのためにキリキリとボールを追えということだ。

で、こうしたことを前提にフォーメーション、戦術、獲るべき選手のタイプを考えてみると、こんな具合になるだろうか?

・フォーメーションは4-4-2or4-3-3
・戦術は中央突破。あるいはカウンター。
・ボランチはトリプルボランチかダブルボランチ。
・DFはデカイくて固いのを3人、ロングボールが蹴られるのを1人揃える。
・FWはスピードスターとごっつぁんゴーラーの2人。

ボランチはDF能力を最重視。DFのうち1人は効果的なカウンターや1.5列目へのボール供給のため、正確なロングボールが蹴られる選手(ミハイロビッチみたいのが理想)を置く。FWはスピードスターが1.5列目のためのスペースを空け、ごっつぁんゴーラーがこぼれ球を拾う――という感じチームを目指すことに決めた。

さて、W杯が始まるまでに、このコンセプトが実現したチームを作れるかどうか……。

野球部は暴力で強くなるのか?:その2

PL学園野球部をはじめ、なぜ、古い時代の体育会系部活では殴る蹴るのシゴキが当たり前だったのか? そもそもなぜ殴る必要があるのか? その理由は大方以下のようなものだろう。

A:口で言っても聞かないから
B:身体で覚えさせた方が早く身につくから
C:殴られる怖さで命令に従わせる
D:殴られ蹴られという極限状態に追い込むことで、クソ度胸を身につけさせる

ただ、これだけの理由で殴ることが正当化できるのだろうか? こうした理由には以下のように反論できる。

A’:口で言って聞かないなら、即退部させれば良い。
B’:覚えられないなら覚えるまで教えれば良い。できなければ即退部させれば良い。
C’:指導者が教え子を実力で圧倒していれば、教え子は素直に言うことを聞くものだ。
D’:殴らなくても厳しい練習で身体、精神を極限状態まで追い込むことは可能だ。

もう少し突っ込んで言うと――

「口で言って聞かない奴は殴ってもイヤイヤ従っているだけ。モチベーションが上がらないなかでいくら練習しても、レギュラーを奪うことはできないだろう」
「技術習得には個人差がある。1週間で伸びるのもいれば、1年かかるのもいるし、全く伸びないのもいる。根気よく教え、才能を見切ったら別の道を提示すれば良い」
「例えば落合博満やイチローが打撃技術を教えるなら、多分、教え子は殴られなくても素直に言うことを聞くだろう」
「千本ノック、長距離走など、身体をいじめる練習はいくらでもある。これを命じ、マジメに取り組まない部員はレギュラー降格や退部というペナルティを課せば、身体的、精神的な強さを身につけさせられる」

――のであり、早い話、別に殴らなくても代替できそうな指導法は多いということだ。

なぜ、このような取り組みをせず、殴る蹴るのシゴキを続けていたのか?

手前の考えは、「殴る蹴るのシゴキが結果を出していた」ということと、「指導者や先輩に、教え子を圧倒するだけの実力がなかったから」というものだ。

「Never change a winning team」という言葉の通り、結果を出しているチームを積極的に変えることは難しい。また、野球の世界で飛びぬけた才能は、しばしば思春期における1~2歳の年齢差を超越するほど目立つものだ。つまり、実力で後輩に遅れをとる先輩が少なくないということであり、そこで先輩のメンツを立てるためには、殴る蹴るしか道はないと思い定めている者も多いということ。

指導者にしても、古くからのメソッドから脱却できない者か、選手時代の実力で教え子に劣る者であれば、殴る蹴ることでしか言うことを聞かせられないのだろう。そうした環境では、結果が出なくても「殴る蹴るシゴキを止めて、別の指導法を試そう」とはならず、「今までのやり方はヌルかった。もっと厳しくしよう」と、より過激で安易な方向に進んでしまう。結果、最後には傷ましい事件が起きて出場停止……という憂き目に遭ってしまうのだ。(つづく)

2010年5月27日木曜日

野球部は暴力で強くなるのか?:その1

「殴る蹴るのシゴキがあったチームが、これまでの大会で高い実績を残している」ことは確かだ。その一番の好例が、90年代初頭までのPL学園野球部だろう。

『PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?』(ぴあ)は、野球部OBで元巨人投手の橋本清が、桑田真澄、宮本慎也選手、立浪和義、清原和博、木戸克彦、金石昭人、吉村禎章、片岡篤史、野村弘樹、前田健太選手という10人のOBと、黄金期の監督だった中村順司にインタビューした本だ。OBのインタビューを読むと、その結論は明らかだ。「暴力前提の厳しい寮生活のお陰で強くなれた」となる。

・立浪和義
「PLは全員寮だから、一年生にとって、息を抜く場所はまったくない。朝起きてから寝るまで。寝ていても、目覚まし時計が鳴る直前に起きないといけないっていうプレッシャーもあったし。とにかく、24時間、『はぁ~』と息をつける場所はなかったね」(53頁)
「PLの厳しい環境に耐えてきたからやろうね。野球に揉まれてきたから。やっぱり、厳しいところで耐えると、厳しい場面で力が出せると思う」(65頁)

・清原和博
「PLの卒業生はみんな勝負強いって言われた時代があったけど、そういうところでメンタルが鍛えられたっていうのがあるよな。野球の失敗より、どつかれるほうが怖いっていう世界やったからね」
「寮での生活はフィジカルとメンタルのトレーニングとしては、そうとう役立ったと思う。でも、お金をいくらもらっても、PLの一年生をもう一度やるのは無理やね。あの1年間はいい思い出でもあるけど、心の傷として残っている」(72~73頁)

・木戸克彦
「一年生の頃はとにかく、毎日の寮生活のことで精一杯だった。三年生のための食事の用意、掃除、洗濯、マッサージに追われるから、当然だけど、寝るのは深夜。それでいて朝は早いし、練習も厳しいから、授業中は居眠りすることもあったね」
「でも、今思えば、寮生活で教えられた躾けが、ものすごく役に立ってるよ。~~中略~~団体に入ったら、団体のなかで生活するための躾けや規則がある。それを親よりも厳しく教えられた」(91~92頁)

・吉村禎章
「全部が苦しかったよ。特に入学してからの1年間は寮生活が本当に苦しいし、練習もきつい。すべてのことがすごくつらかった」(131頁)
「45歳になった今でも野球で家族を養えているのは、原点にPLの野球があるからだね。寮生活をしながら野球をすることで、忍耐力や気遣いといったものを学ばせてもらった。野球を通して人間性が鍛えられたと思う」(134頁)

・片岡篤史
「殴ることは当然よくないけど、やっぱり気合を入れるのは大事やと思うよ。今のこどもは、自分が殴られたことないから、ムチャクチャしばいてしまうでしょ。『痛み』をわかっていたら、ムチャなことはしないと思う。殴ることがいいことだとは言わんけど、『殴られてもやる』くらいの根性がなかったら、一発勝負のスポーツで勝つことは難しい。勝負の世界はそんなに甘くない」(153頁)

アマでもプロでも一流~超一流の実績を残したOBが、「オレがこんなに強いのも、寮生活で殴られたから」と言ってるのだ。何の実績もない手前が、これに正面から異議を唱えることは野暮なことかも知れない。

それでも敢えて言わせてもらうなら、「それは殴られたから強くなったのではなく、単に死ぬほど練習したから強くなったのでは?」ともいえるのでないだろうか?(つづく)

2010年5月26日水曜日

怪我を言い訳にする奴は、一流じゃありません

中村俊輔が戦線離脱 決断迫られる岡田監督

曰く「左足首痛は中村俊にとって古傷で、韓国戦後には「チームに迷惑をかけた。リーグ戦ではだましながらやってきたけど、代表戦ではダメだった」と、完敗の理由に自らの故障の影響をあげていた」と。

中村俊輔には、掛布雅之のこの言葉の意味をかみ締めて欲しいものだ。

「そうすると弱いもう一人の掛布という人間が目を覚ましてしまった。ダメな時に言い訳をするってあるじゃない」
「あの一つの怪我で、そういう自分が出てきてしまった。怪我が云々だと言い訳をする自分が嫌で、そこでずっと葛藤していた。自分の体が悪いからという言い訳を全部捨てることができなくなっていたんだよね。そうなった時に、もう辞めることがちらついてきた。『膝が痛い』、『手首が痛い』と口にするようになっていたんだよ。今までも痛かったのに『痛い』なんて口にしたことなかった。それが、打てなければ『ちょっと膝が痛いんだ』とか、『手首がちょっと』とかね。そういう自分がもう許せなかった」(巨人―阪神論。127~128頁)

つまり、サッサと辞めて他の選手に席を譲れってことです。こういう腐った根性の奴は大嫌いです。てか、お前が02年W杯以降、代表に定着してからずぅーーーーーっとチームが弱くなり続けてるんじゃね?

*読書メモ:人類最後のタブー

カリフォルニア工科大学のロジャー・スペリーは、メスで単一の心をふたつに切り分けられることを実証した。この研究で1981年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。てんかん治療の最終手段として神経外科医が行なう「交連切開術」(脳の左右の半球をつなぐ脳梁を切断する)ことで、心が二つに分けられる。

スペリー曰く、「各半球は、それぞれ固有の感覚、認識、思考、発想を持つようになり、そのすべてが反対側の半球がそれに対応して経験したこととは切り離されている……多くの点で、切り離されたそれぞれの半球は別々の“独自の心”を持っているように見える」と。

スペリーの教え子のマイケル・ガザニガの研究。左右の視野にそれぞれ別の写真を提示されると、各半球は解釈と反応は独立して活動を行なう。音感、触覚も同じ。左半球と右半球の知的能力は患者によって違いがある。ある患者は口に出して言えるスペルを右手で書くことができない。ある患者は右手と左手がハンドルの支配権を争うので運転できない。

言語を扱う能力のあるふたつの独立した脳を持つのだから、このような患者には二人の人間が存在すべきと考えるのが合理的だ。しかし、一つの顔から一人の人間を連想する感情的反応が合理的な知的分析を凌駕することと、メスで心が切り分けられるという発想への戸惑いから、多くの人はこの結論を受け入れがたいと考えている。

19世紀末の科学者はパスツールのおかげで、非遺伝性疾患の原因に微生物が関与していることを確信した。しかし、壊血病、脚気などはパスツールの雛型にあてはまらないことも理解していた。

こうした疾患の患者は、“あるもの”を供給(ライムジュース、麦飯など)することで予防、治癒される。“あるもの”は確認されていなかったが、米国の科学者であるカシミール・ファンクは、これらが活力を維持する化学物質であるということを踏まえ「ビタミン」という新語を案出した。vita-という接頭辞は、vital force(生命力)、vitalism(生気論)と同じ接頭辞。

数年というあいだに大衆はビタミンに夢中になった。「ビタミンは分離することも分析することもできない」と伝えられたが、言外の意味は「すべてのものが取り払われたあとに残っているもの」であり、すなわち人間の霊魂が持つ無形の要素ということ。だからこそ夢中になった。

ビタミンの化学物質は比較的単純な有機化合物で別個の化学名を持つ(レチノール、チアミンなど)。しかし、消費者に売り込むためには、生気論用語としてのビタミンを使った方が効果的だ。

なぜ、人は体内でビタミンを生成できないのか? 答えは簡単。「ごく少量しか必要とされない」「たやすく数カ月、数年間体内貯蔵できる」「たやすく手に入れられる食物から得られる」ためだ。祖先は体内で生成できたが、進化するうちにこうした“ムダな能力”を持たなくなった。今日、典型的な食生活を送るアメリカ人がビタミン欠乏症になることはない。食事から十分なビタミンを得られているからだ。

葉酸サプリメントは、新生児1000人中2~3人に決定的な利益を及ぼす。妊娠したアメリカ人女性の約0.4%の胎児が先天性神経管欠損症となっていたが、サプリメント摂取後は約0.1%に低下した。

これ以外に補助ビタミンが有益だったという主張がFDAに承認されたことはない。調査期間は70年以上に及ぶ。補助ビタミンが有益だという主張は、よくてもプラセボ効果、悪く言えば文字通り詐欺的なものだ。

ホメオパシーは、ポスト・キリスト教的世界観が広く受け入れられているフランスでメジャーな存在。フランスの薬局では、普通にホメオパシー療法薬が本物の医薬品と同じだけの棚スペースを与えられている。

例えば、重要な革新と発明が一年間に1%の割合で技術交代をもたらすという前提で計算すると、翌年の技術は99%が同じで、翌々年は98%同じだ。これが470年続くと、西暦2480年に利用されている技術の99%が、今日生存している人々には認識不可能なものになる。1000年後には0.005%=おおむねゼロとなる。

2010年5月25日火曜日

明治維新かと思ったら建武の新政だったでござるの巻

このあいだ知り合いと話していて、「小沢一郎は、去年の総選挙を戊辰戦争に位置づけている」なんて話題になり、「いや、元弘の変でしょ。どう考えたって」と答えたわけですが……。いま、建武の新政でググってみると、「建武の新政 民主党」が推薦ワードになっているんですねぇ。やっぱり考えることはみんな同じってことか。

blogでもこのテーマを書いている人が結構いるようで、なかには面白いエントリも数多くあります。いくつかのblogをザッと眺めてみたなかでは、松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOGというblogの民主党政権の誕生は<明治維新>か<建武新政>かというエントリが良い感じでした。ちょっとわかりにくかったけど、その主張には大体同意ですよ。

ただ、この「民主党政権=建武の新政」説を手前の視点で見たときに、一番問題と感じるのは、「足利尊氏がいない」ことなんですよ。

09年政権交代の配役を鎌倉幕府末期に素直になぞらえてみると――

・鎌倉幕府=自民党
・朝廷=民主党
・後醍醐天皇=鳩山由紀夫or小沢一郎

――となるんでしょう。でも、肝心の「足利尊氏=自民党からの離反者」がいないわけです。

で、思い返してみたんですが、本当の意味での建武の新政(元弘の変)は、17年前にあったんじゃないでしょうかね? つまり、小沢一郎が自民党を割って、非自民連立政権をとったときこそが、建武の新政(元弘の変)だったってことです。

そう考えると、このハナシは物凄くわかりやすくなります。つまり――

・鎌倉幕府=自民党
・北条得宗家=経世会(旧田中派)
・安達泰盛らの有力御家人=清和会(旧福田派)
・足利尊氏=小沢一郎
・後醍醐天皇=細川護煕

――ってことです。こう見立ててみると、こんなストーリーになります。

~~~~~~~~~~~~~

鎌倉幕府を実質的に支配していた北条得宗家。彼らに不満を持つ安達泰盛らの有力御家人衆は、霜月騒動などにより排斥された。結果、北条得宗家支配は磐石なものとった。我が世の春を謳歌する北条得宗家。しかし、体制内にいながら不満を持つ足利尊氏は、後醍醐天皇を奉じて反旗を翻す。


自民党を実質的に支配していた経世会(田中派)。彼らに不満を持つ清和会(旧福田派)は、角福戦争、四十日抗争などにより排斥された。結果、経世会(旧田中派)支配は磐石なものとった。我が世の春を謳歌する経世会(旧田中派)。しかし、体制内にいながら不満を持つ小沢一郎は、細川護煕を奉じて反旗を翻す。

~~~~~~~~~~~~~

結構、いい具合に当てはまってるんじゃないでしょうか。
ただ、その後の展開までを鎌倉末期になぞらえるのは、ちょっと無理がありそうだけど。

建武の新政(非自民連立政権)はすぐに瓦解したものの、尊氏は下野して1年後、湊川の戦いで勝って復活します。一方、小沢一郎は下野して15年近く雌伏(途中、自自公連立があったけど)した後、昨年の総選挙で勝ち復活しました。1年と15年では大違いだけど、あえて昨年の総選挙を湊川の戦いに位置づけると、その後の展開はどうなっていくのか?

鎌倉末期の歴史では、尊氏は弟の直義に裏切られて一度敗北(観応の擾乱)することになっています。となると、民主党の反小沢勢力が小沢を裏切って内閣不信任決議案に賛成するという流れになるんですがね。

まぁ、その後、尊氏は復活するわけで……。それにしても天下に太平をもたらす足利義満はいつ現れるんだろうなぁ。って本当に義満みたいなキャラクターが現れたら、女系天皇を認めるどころか自ら成り代わりかねないわけで、それはそれで問題かぁ。



2010年5月24日月曜日

5/24朝、幹事長室にて(ウソ)

小沢「フフフフ。ここを攻めるにしてはやはり数が少なすぎたようだな。フジテレビめ、よく支えてくれる。ニッポン放送への支援を増強させよ」
山岡「鳥越だと? テレビ朝日のか?」
小沢「なに?」
山岡「それは確かなのか?」
民主党員「スパモニです。視聴します」
山岡「自民党もよくやります」
小沢「そうかい? 所詮は生き残り部隊の最後の悪あがきだろ」
山岡「……でしょうね。勝谷大佐のスッキリ! はどうなってるか?」
勝谷「何か?」
山岡「スッキリ! はどうか?」
勝谷「行けます」
山岡「ならば地上波に新たな敵が発見された。世論社と共にこれを」
勝谷「は、地上波に侵入する敵を撃滅します」

グランプリモード通信(第六回)

グランプリモード通信(第一回)
グランプリモード通信(第二回)
グランプリモード通信(第三回)
グランプリモード通信(第四回)
グランプリモード通信(第五回)

PS2の野球ゲーム『プロ野球スピリッツ2010』を購入して2カ月弱。エキスパートグランプリを前に停滞しているチームの現状を、ここで報告することにします。

スタメン、ベンチは第三回の時と変わらず。若手選手のほとんどは3~5段階覚醒。カードを見るとみんな虹色でピカピカ。この光景はなかなかに壮観。

・あまりにもエキスパートグランプリの壁が高かったので、しばらくゲームを休む。ていうか、理不尽さにやる気がしなくなった。
・5~6日の休養期間をおいた後、ふと思い立ち決勝戦を棄権。また初めからエキスパートグランプリ制覇を目指す。やっぱりリセットプレイで勝っても、自分に負けてしまっては意味がない。
・で、初めから監督モードでやってみたら、あれよあれよという間に決勝戦に勝ってしまう。アイテムの「つながる打線」が効いたのか、手前の采配が良かったのか? 勝てるときはアッサリ勝てるのね。
・新たに登場したマキシマムカップでは、若手全員が大覚醒! 滅茶苦茶強い布陣でライバルを一蹴! やっぱり勝てると面白い!
・その勢いでマスターグランプリに挑戦。2戦目に登板した吉川がまさかの完投。これで残りの試合のピッチャーのやりくりが楽になる。
・と思ったら、準決勝、決勝ともマー君、ダルが好投! 鉄壁のリリーフ陣涙目! てか、一回でマスターグランプリを制覇してしまう。なんてこった!
・村田、田中の1、2番コンビが走りまくり、ガッツ、ブランコがキレイに返す。今回は相手の二番手以降はダメなピッチャーが多かったので、さらにダメ押し……という好循環が続き、終わってみれば大勝続き。
・開放されたカップ戦はスターピッチャーズにフォーマルカップ。フォーマルカップのエントリー条件はと……一軍登録の9人以上がベースチームの選手! 楽勝じゃん! 無駄にこだわってきた甲斐があった。

というところで今回はおしまい。残るはツイスターカップ、スターピッチャーズ、フォーマルカップ、そしてプロスピグランプリの4大会のみ。粒ぞろいのメンバーに露骨なCPU補正があっても、マキシマムにまで強まった当チーム(仮チーム名は「あるべき日本ハム」)にとっては越えられない壁ではないはず。

といっても、さすがに2カ月近く同じゲームをやっていると、どうしてもモチベーションが上がって来ないんだよなぁ。27日にはサカつくDSの最新作が発売されるから――ソフマップポイントがかなり溜まっているので、これを開放してタダでゲットするつもり――、来週以降は多分、プロスピをいじることもないだろう。果たしていつになったらプロスピグランプリを制覇できることやら……。

2010年5月23日日曜日

貴乃花一派潰しのリークと思ってバカにしていたら……

琴光喜を警視庁が聴取…野球賭博疑惑で

先週の週刊新潮を読みましたが、正直、貴乃花派つぶしのリークであることがバレバレな内容だったので、「都合の悪い相手を追い落とすいつもの手ですね。ハイハイ」と静観していたのですが……警察が動くとなると話は別。てか、リーク元の関係者もここまで話が大きくなるとは思ってなかったんじゃないでしょうかね。発売されて3日経ち、情報の新味も薄れてきた頃なので、以下、週刊新潮の記事の概要を紹介します。

~~~~~~~~~~~

・事情を知る相撲協会の関係者の話「琴光喜はあるトラブルに頭を悩ませている。それは恐喝。5年以上前から違法なプロ野球賭博に手を染めている。これまでの通算の負け金は数千万円。それが暴力団関係者に漏れてしまい、“口止め料を払え”と脅されている」

・先の協会関係者の話「琴光喜に野球賭博を持ちかけたのは、ある床山。琴光喜とは別の部屋の所属だが同じ一門」。野球賭博の仲介者は阿武松部屋の元力士(ここでは仮に「山科」)。

・先の協会関係者の話「試合予想と賭金をメールで山科に伝え、清算は1週間ごと。トータルで負けたら“ゆうパック”で金を払い、勝ったら床山の口座に振り込まれた金を受け取っていた」。

・先の協会関係者の話「昨年末、琴光喜は自分が受け取るべき勝金数百万円の支払いを山科に求めた」。すると山科は、同じく自分を仲介役とする客である阿武松部屋の現役力士(ここでは仮に「木下」)に、野球賭博の貸金が数百万円以上あるから、木下に請求してくれと答えた。

・先の協会関係者の話「困った琴光喜は床山と千代大海に相談。結果、床山が木下サイドに金を請求した」。ここで木下の兄(元力士。廃業後、九州でデリヘル経営に携わったことのある暴力団元構成員)が登場。「世間に知れたらどうなる? 口止め料を払え」と脅す。

・琴光喜は脅しに屈して床山を通じ数百万円を支払う。当然脅しはエスカレート。「筋を通すためには1億円が必要」と脅される。ここにいたって琴光喜は大嶽親方に相談。野球賭博の上客だった大嶽親方は、琴光喜、時津風親方を伴い、木下兄弟と九州の暴力団員を事象する男と対峙。その場でも木下サイドから“口止め料として1億円払え”と脅された。

・琴光喜の話。
木下兄弟を知っているか?「知っていますよ」
野球賭博に興じていたのか?「知らないです」
口止め料として1億円払えと脅されているのでは?「ないっスね」

・木下の兄の話。
「自分が暴力団にいたのもデリヘルをやっていたのも事実。でも琴光喜を脅したことはないし、金を受け取ったこともない」

・大嶽親方、千代大海、山科の話。
「知らない。分からない」

・先の協会関係者の話「山科や床山を仲介役とする野球賭博の客は、琴光喜、大嶽親方以外にも少なくとも2人以上、幕内力士の名前が挙がっている」

・別の協会関係者の話「今回の騒動に登場するのは、今年2月の相撲協会理事選挙で貴乃花親方を推したグループの関係者ばかり」「大嶽親方は貴乃花グループの“首魁”。阿武松部屋もグループの一員。琴光喜も一門の意向に反して一票を投じた一人」

・武蔵川理事長の話「事実とすれば大変な問題。野球賭博も恐喝も犯罪。暴力団と付き合うどころかドップリと浸かってしまっているとは情けない。関係者と師匠から話を聞くことになるでしょう」

~~~~~~~~~~~

このように情報元が一人(事情を知る相撲協会の関係者=先の関係者)だけで、記事のまとめで別の協会関係者に、「貴乃花グループだけなんよ。やってんのは」と語らせ、締めに理事長が憤慨する――という、絵に書いたようなライバル潰しのリーク記事だったのと、報じていたのがここ最近誤報を連発している週刊新潮だったもんだから、「ぶっちゃけガセナタじゃないの?」と思ってましたよ。でも、警察が動くからには、ただのガセネタじゃないことは確かなんでしょうね。

8回8失点の何がアカンのですか!

完投負け。高橋聡文投手と浅尾拓也投手を休められたから、まぁ、いいや……ってことで、あまりにも見所がなかった試合を見続けた無聊を慰めることにしますよ。

「休みたい奴は休んで結構。でも、空いたポジションを獲られたらお前の責任だからね」という落合博満監督の方針には基本的に大賛成なんだけど、昨日の井端弘和選手の冴えなさ加減を見ているとねぇ。確かに失点の遠因となった中田賢一投手の“記録に残らないエラー”(片岡易之選手のヒット)だって、井端選手がサッサとベースカバーに入っていれば、何の問題もなかったわけで。

大局を見通せないファンの立場から言わせてもらえば、「監督命令で休ませてもいいじゃないの」ってとこだけど。まぁ、落合監督に言わせれば、使い続けているうちに何とかなる、てか、何とかできる能力があるからレギュラーを張っているってことなんでしょう。ディオニス・セサル選手が打てない? まだ、寒いんじゃないの? 30℃超えてから本領を発揮するんですよ(棒)。

追記:リプトンのストロベリーティーバッグ。コモディイイダで特価品だったため、コーヒー派であるにも関わらず値札に負け購入。ストレートで飲む分には単なる「ストロベリー香りつき紅茶」であるものの、パルスイートをスプーン山盛り(砂糖ならスプーン山盛り3杯超)に入れた激甘仕様にすると、イチゴ味のソフトドリンクでもなく紅茶飲料でもない「ストロベリーフレーバーの何か」に化けることを発見。甘いモノスキーにはたまらんホットドリンクですよ。

2010年5月22日土曜日

私家版・兵頭二十八の読み方:その6

その1その2その3その4その5

**「私家版・兵頭二十八の読み方」のエントリでは、日本で唯一の軍学者である兵頭二十八師の著作を、独断と偏見を持って紹介します**

ここ最近、新聞やTVは朝鮮半島の話題で持ちきりです。

曰く、半島がきな臭くなってきている
曰く、戦争が起きるかもしれない
曰く、米国、中国の出方が注目される

今回の事態がどのくらい深刻なレベルのことなのか? 正直、手前には何とも判断がつきません。タイのクーデター騒ぎと同じように“アジアの風物詩”的な感じもしないではないし。ただ一つ明らかなことは、マスコミの論調が以前の半島危機と同じように、「他人任せ」であることでしょうか。ミサイルが飛んだときも、核実験をやられたときも、相変わらず、「米国はこう動くだろう。中国の今後に注目」というように。

こうしたマスコミの論調は、そのまま大多数の国民の考えであり、多くの政治家の考えでもあります。そのことは米国、中国、韓国、ロシア、北朝鮮も見透かしているわけで、つまるところ、日本がスペック(経済力、軍事力)で見れば“大国”であるにも関わらず、誰からも“プレイヤー”として見なされていないってことですよ。

そんな“プレイヤー”に成りきれない日本が、国民は飢え、しょぼい兵器しか揃えていないにも関わらず、立派な“プレイヤー”として米中を相手にタメを張っている北朝鮮のことをバカにできるのか? むしろ学ぶべき点もあるんじゃないのか? という超斬新な視点から、日本人に必要な精神、心の持ちようを説いた本が『逆説・北朝鮮に学ぼう! ヘタレの日本に明日はない』(並木書房)です。

「軍人や役人が、政権政党のしもべとして、確実に統制されているか? 軍人や役人の秩序紊乱や抗命や独走や涜職に対して、政権が銃殺刑を厳格に適用できているかどうか? また外国のスパイも、確実に処罰されるかどうか?」
「これができる国は、小国といえども、かならず一方の大国からは、地域の一勢力として評価され、中距離核ミサイルによる武装すら、是認されるのである」(2頁)

北朝鮮にあって、いまの日本には何一つないことです。

「いや、あっちは共産主義……というか金王朝による完全独裁国家で、こっちは民主主義国家だからね。統制だの何だのといっても条件が違うっしょ」

だったらイスラエルは? アメリカは? フランスは?

結局のところリーダーに、リーダーを選ぶ国民に<ガッツ>――独立心であり、武侠精神であり、つまるところ「ただじゃ殴らせねぇ!」という気概――があればできることであって、これがなければ高級官僚がのさばり、スパイが暗躍し放題になり、与党政治家が敵国のエージェントになってしまうということです。

「じゃぁ、どーすりゃいいの?」

という問いに兵頭師は、北朝鮮の軍事・外交戦略を独自の視点で紐解きながら、タイトル通り「逆説として北朝鮮に学ぶ」という形で答えています。

・なぜ、朝鮮総連に破防法を適用できないのか?
・なぜ、国民をいわれなく誘拐されても国軍が動けないのか?
・なぜ、パチンコ屋が脱税したカネが北朝鮮に流れていってしまうのか?

これらの問題の本質的な答えは、同書のなかで明快に書かれています。是非、手にとって確かめてみてください。

では、いまの北朝鮮は、米国にとってどんな“プレイヤー”なのか? これについて兵頭師は、このように書いています。

「北鮮の人民を金王朝の圧制から解放してやっても、その結果、北鮮の人民が、今の韓国人のようになるだけとすれば、アメリカに何のメリットがあるのか? どうせ、恩を仇で返されるだろう――とアメリカ人は計算しています」
「そんなところに、北朝鮮政府から、<オレたちは極東のイスラエルになってやるよ!>とアメリカ政府へ耳打ちがあったとしたら……?」
「アメリカ合衆国が、北朝鮮を北東アジアに地域限定した軍事的パートナーとすることが、アメリカ有権者にとって『安全・安価・有利』に権力を維持・増進する方途であるならば、とうぜんそれを選択するのが、『政治』というものなのです」(122頁)

端的にいえば、米国にとっては最大のライバルである中国を押さえ込む“尖兵”にしようとしている(すでに尖兵にしている)という見方です。一見、奇をてらった説――ぶっちゃけて言えばトンデモ説――に聞こえるわけですが、この、一見“トンデモ”に聞こえる説を、米国や中国の政治決断やヘンリー・キッシンジャーの『核兵器と外交戦略』を敷衍しながら論証していく過程は、実にスリリングで説得力があります。

追記:落合博満監督、500勝おめでとうございます! それはそれとしてこの記事の最後の4行に注目。予定稿で行くはずが……どうしてこうなった! ってとこっすかねぇ。それにしても脈絡なさすぎ。てか手抜きだろ、これ。

2010年5月21日金曜日

山口那津男首相が誕生する!?

玄葉議員 参院選は民主大敗も

「鳩山総理大臣も小沢幹事長も辞めなかったときは、民主党は30台後半の議席しか取れないのではないか」ってことだけど、ヌルい。ヌル過ぎる予測でしょう。前回参院選で自民党が得た議席が「37」。直前の安倍内閣の支持率は30%強だった。「支持率=得票数=議席数」ってわけじゃないけど、一定の相関関係はあるわけで、支持率が2割を切ろうかという中では、30台後半の議席が取れれば万々歳でしょ? あと2カ月弱で支持率が回復するかもって? つつがなく政権運営できればあり得るかもしれないけど、今日まで一日でもつつがなく政権運営できたことがあったっけ?

ともあれ民主党にとって30台後半の議席数は、文字通り“絶対国防圏”だ。もちろん大敗であることは間違いないけど、このくらいの議席が取れれば公明党、みんなの党との連立で過半数を握ることができる。でも、30台前半に止まってしまうと、自民党と大連立しない限り「ねじれ国会」となってしまう可能性が極めて高い。現在の連立与党に自民、共産以外の全ての党が参加すれば過半数はとれるだろうけど、その交渉・調整は難しいでしょう。第三局にしても“本番”は次の総選挙だから、よほど魅力的なポストを提示されない限り参加しないんじゃないかなぁ。

……って書いているうちに最悪の想定を思いつきましたよ。

「民主党が37議席しか獲得できずに大敗。小沢一郎幹事長は公明党、みんなの党との連立を模索。結果、山口那津男内閣総理大臣、渡辺喜美大蔵大臣が誕生しました!」

実際、細川護煕を首相にした奴だからね。こういうイヤな未来が現実になる可能性も皆無とはいえないんじゃないでしょうかね? 常に勝ち馬に乗ることを旨とする公明党だって、首相の座を提示されたら大いに悩むでしょう。このあと他の政党のコバンザメになっても首相の座を得られる可能性はゼロなんだから。

その後、解散をせっつく世論に押されて民主党の反小沢派から内閣不信任決議案に賛同する勢力が現れて……みたいなことになればいいんだけどね。民主党は自民党以上の選挙互助会だから、勝っているうちは団結しているけど、足元が危なくなったら、内包している問題――憲法、安保、労組etc――が顕在化するわけだし。もちろん小沢は、ねじれようが支持率が0%になろうが3年間政権維持する気マンマンだけど、<赤松口蹄疫事件>の対策で川南町の畜産業者がワクチン接種に同意していないように、政府への信頼がなくなればこうした事態は頻発するからね。普天間移転だって現行案に戻したところで地元の同意は得られない。もし強制執行なんてしたら、多分、三里塚みたいになるでしょう。3年間解散せずにいられるかどうか。

民主、自民に限らず、次の総選挙で代議士さんが議席を確保することを考えたら、どう考えても「ダーティな小沢からの距離の遠さ」が勝利への近道でしょう? だいたい心臓に持病を持った還暦過ぎのじいさんが、いつまでも現役バリバリで仕事できるわけないんだし。民主党プロパーの政治評論家のセンセーたちも、そろそろ次の就職先を考えた方がいいと思うけどなぁ。

2010年5月20日木曜日

赤松口蹄疫事件のことを書くのは、もうウンザリ!

赤松口蹄疫事件を積極的に取り上げるのは、ひとまずこの辺で打ち止めにします。当blogは、日々思いついたことや野球、本とかについてつらつら書きたいblogであって、ネトウヨみたいにカリカリするためのblogじゃないしね。政府もようやく具体的な対策を出したし。

この対策を巡って「ワクチンを打って清浄国認定がなくなる!」「ワクチン使う前に殺処分しろよ!」とかいう批判もありますが、これはさすがに無理な批判。埋める場所がないから時間稼ぎするんでしょ? 殺処分対象が11万頭を超えるという現状を受けての対策としては、ベストの一手だと思うけどなぁ。ネトウヨが大嫌いな民主党がやることであっても、良いことは良いことと評価しなきゃならないんじゃないでしょうかね。

でも最後に一言。

TV、新聞は、「初動の失敗が悪い」「いまは感染拡大を止めるのが先決」という反論のできない正論で正面突破しようとしているけど、それはそれ。畜産行政の最高責任者が「事態が史上最悪の状況であることが明らかになったあと、満を持して外遊に行った」という事実が消えるわけではない。しかも、今朝のニュースでは、こんなヒドイ実態が明らかになっているし。クズで無能な赤松農水相は、又吉イエス風に言うところの「地獄の火で焼かれるべき存在」であって、これを糾弾し過ぎて悪いことはない! ということを申し添えておきます。

さて、赤松口蹄疫事件で、民主党の下からは九州の票が全部逃げちゃったわけだけど、小沢一郎はどうするんだろうねぇ。北教組の不正資金提供事件の件で、“革新王国”の北海道の地盤だって揺らいでる。民主党プロパーの政治評論家が言うような、「子ども手当てが出て、景気が回復すれば支持率が回復する」なんて話は、大東亜戦争末期に、「レイテ海戦でアウトレンジ戦法がハマれば、アメリカに勝てる」って話くらい無理筋なことでしょ? 沖縄の一人区の候補を決めたら、参院選敗北の責任回避のために選挙前に幹事長を辞任(=後任の幹事長に大敗の責任をおっ被せる)するのかもなぁ。

追記:民主幹部のゴルフ発言、赤松大臣が否定
でもこれ、写真とか出てきたら一発でアウトじゃないかなぁ。ところで5月2日は何をやっていたんでしょうかね?

2010年5月19日水曜日

10年前は報道規制より大事なことをしていたようです

このあいだはこんなことを書いたけど、どうやら手前の認識が甘く、間違っていたようです。報道規制は本当にあったんだねぇ。だって、赤松農水相が自ら言ってるんだから間違いないでしょうよ。

【ニコニコ動画】赤松農相「マスコミにお願いした風評被害対策はうまくいった」

「ま、あとは風評被害を心配してましたので、マスコミの皆様方にもそれをお願いして、これについてはかつてのBSEと比べていただければわかりますが、非常に冷静に見ていただいておりまして、これは、まぁ、上手くいったと思うんですけれども」(赤松農水相。2010年5月17日決算行政監視委員会第三分科会、民主党網屋信介議員の質問への答え)

クズ。しみじみクズ野郎だねぇ。

マスコミの皆様方にもお願いして風評被害が起きなかったとほざいてるけど、10年前の口蹄疫のときだって風評被害はほとんど起きなかった。自民党政権下で報道規制なんてやろうものなら、マスコミ総掛かりで袋叩きにしていた――しかも、当時は小渕内閣から森内閣への移行期間。最も叩かれていた頃だ――だろうから、恐らく報道規制はなかったんでしょう。それでも風評被害はほとんどなかった。

と、記憶頼りにこんなことを言ってもしょうがないので、昨日、市立図書館で朝日新聞の縮刷版(00年3~6月)と日経テレコンを引っ繰り返してみましたよ。そしたらこんな記事がありました。

~~~~~~~~~~~~

日本経済新聞地方経済面(北海道)(2000年6月1日)
口蹄疫、来週にも安全宣言、感染経路特定に課題残す――道などの対応、評価も

十勝地方の本別町で口蹄疫(こうていえき)に感染した牛が発生した問題で、九日にも道が安全宣言を出す見通しになった。家畜市場も順次再開され、懸念された道内農家の経営への影響は深刻には出ていない模様だ。
~~中略~~
報告の翌日には関連農業団体が消費者対策等に乗り出すなど、関係者の対応も比較的早い。九七年三月の台湾北部の口蹄疫発生では、一カ月あまりで台湾ほぼ全域に広がり、豚など約三百八十五万頭が処分された。
~~中略~~
発生当初、流通業者から道産の食肉、乳製品販売への影響を懸念する声があがったが、「十勝産の和牛を取り扱っていません」などの張り紙をしたのは道内でも一部のスーパーだけ。「消費者から質問があれば対応するが、張り紙を出せば逆に不安を与えかねない」(コープさっぽろ)と静観した店が大半だ。“風評被害”への警戒は依然必要なものの、少なくともパニック的事態は起きていない。

~~~~~~~~~~~~

この記事が出るまでに、北海道では705頭の牛を殺処分しているけど、それでも大部分の店は静観したという。

なぜ、風評被害が起きなかったのか? 

報道が控えられていたわけじゃない。口蹄疫が確認された3月26日には、各紙とも社会面で報じている。手前が縮刷版を確認した朝日新聞、日経新聞の見出しは――

●肉牛、口蹄疫に感染? 92年ぶり 宮崎県、10頭処分へ(日本経済新聞3月26日社会面)
●宮崎市の和牛 口蹄疫感染か 92年ぶり、殺処分(朝日新聞3月26日第2社会面)

――というもの。朝日新聞は1段記事だけど、日経新聞は7段ものスペースをとっている。全文引用するのは控えるけど、大まかな内容は以下の通り。

・3月25日、宮崎市の農家で飼育する肉牛10頭が口蹄疫の疑い。
・宮崎県畜産課によると、13日に獣医師が症状を確認し、同課に連絡した。
・農水省畜産局で組織検査したところ23日に口蹄疫であることを確認した。
・26日に10頭全てを殺処分する。
・25日より同飼育農家より半径50km以内を立入禁止。半径20km以内の家畜市場を最長3週間閉鎖。半径50km以内の地域から地域外への家畜の移動を禁止した。
・同課によると口蹄疫は人に感染せず、感染牛の肉、乳を食しても人体に影響はない。

さらに石川清康・農水省農林水産技官の談話として、「口蹄疫は国際獣疫事務局で最も警戒度の高いランクのリストAに指定される重大な病気」とのコメントも掲載している。

その後も、4月5日、6日と事態の進展にあわせて刻々と報道している。少なくとも報道規制があったようには感じられない。ただ、比較的小規模な感染に止まっていたため、派手な報道ではなかったことも確か。ていうか、この頃は小渕首相が倒れたり、有珠山が噴火したりと結構わやな頃だったので、こうしたニュースに押し出された感もある。

ただ、小さなニュースで終わったから風評被害が出なかったというわけでもない。風評被害を予防するために、政府、農水省が結構重要な一手を打っていたみたいです。

~~~~~~~~~~~~

朝日新聞第3社会面(2000年4月21日)
検証:家畜伝染病「口蹄疫」広がる波紋

今月六日の朝、農水省の会議室にスーパーや卸業者を含む食肉流通業者約八十人が急きょ集められた。牛から口蹄疫ウイルスが確認されたのを受けた説明会だった。
~~中略~~
説明会はこれまでに四回を数え、玉沢徳一郎農水相も記者会見などで「誤解が誤解を生む事態があってはならない。理解に時間がかかったとしても正確な説明が大切だ」と繰り返している。
~~中略~~
しかし、複数の大手スーパーでは、宮崎産牛肉の取り扱いを見合わせる動きも出ている。ある大手スーパーは感染の疑いが明らかになった翌二十六日から、一部の店舗で宮崎牛の取り扱いを中断した。「人体に影響がないのは分かるが消費者感情を考えた」という。
ただ、肉類全体の売り上げや価格動向は今のところほとんど変わっておらず「消費者は冷静に行動している」(肉類卸関係者)とみている。

~~~~~~~~~~~~

つまり、マスコミに報道規制を強いるのではなく、流通業者を集めて正確な情報を提供するという一手を打っていたということ。

こういうことをせずに(赤松農水省の記者会見の文字起こしをザッとナナメ読みしてみたけど、これに類する発言は見当たらないねぇ)、マスコミ対策を優先する(もし同じようなことをやっていたら、とっくに報じられているはずですよねぇ)――。つくづく赤松は無能だねぇ。これで反省一つしないんだから、本っっ当にクズですよ。

2010年5月18日火曜日

宮崎県に米軍基地を置かないと、口蹄疫の対応しないぞ

とか言ってそうだ。それどこじゃないのに。

口蹄疫拡大阻止へ国が対策本部 経済支援などに1千億円

何をいまさらって感じだけど。少なくとも県知事が赤松農水相に支援要請した4月28日には、このくらいの体制を作っておくべきだった。この物言いは、決して後だしジャンケンじゃない。その時点で「殺処分1000頭超という過去最悪の状況」にあったからだ。少しでも危機意識を持ったトップがいれば、この程度の判断ができたはずだもの。

今回の<赤松口蹄疫事件>について、真偽が確認できない話――アンテックビルコンSの確保を巡るよもやま話(消毒薬なんて工業用のものでいいんだから、モノや量自体は国内に十分ある)や、3月末に病状悪化した牛がいたなど――を廃した状況を振り返ってみると、こんな感じになる。

・4/9:都農町の和牛1頭に口腔びらんなどの症状を確認。
・4/16:同じ症状の牛が見られると報告。
・4/17:立入検査の実施により、別の2頭にも同様の症状があることを確認。
・4/19:口蹄疫の疑似疾病の検査では全て陰性を確認。口蹄疫が疑われる。
・4/20:都農町の和牛3頭に口蹄疫の感染が疑われることを確認、公表。口蹄疫防疫対策本部を設置。当該農家の半径10kmを移動制限区域。半径20kmを搬出制限区域に指定。
・4/23:都農町の1頭について口蹄疫と確定。
・4/25:新たに4頭の感染が確認。殺処分予定1108頭(過去100年で最多)。
・4/27:都農町に隣接する川南町の豚5頭で口蹄疫感染の疑いが確認。
 同日:東国原宮崎県知事、赤松農水相、谷垣自民党総裁に支援を要請。
・4/28:当初感染例から約70km離れたえびの市で、牛に口蹄疫感染の疑いが確認。これにより移動・搬出の制限区域が鹿児島県の一部にも拡大。
 同日:自民党谷垣総裁が現地訪問。
 同日:FAO(国際連合食糧農業機関)が「アウトブレイク」と発表。
・4/29:山崎農水副大臣が来県。現地入りはせず。
・4/30:感染報告が12例に拡大。殺処分予定4369頭。移動・搬出制限区域が宮崎、鹿児島、熊本に拡大。
 同日:赤松農水相、外遊へ出発。
・5/1:宮崎県、自衛隊に災害派遣を要請。
・5/5:東国原宮崎県知事、非常事態宣言。
・5/8:赤松農水相、帰国。その足で栃木県佐野市を訪問。目的は、民主党・富岡よしただ議員の後援会発足の祝辞を述べるため。
・5/10:赤松農水省、来県。現地入りはせず。

以降、政府は今日まで手をこまねいていた。

いまさら言っても詮のないことだけど、4/25時点で過去最悪の事態であることがわかっていて、1000頭以上の殺処分も確定していたんだから、この時点で速やかに殺処分を行なっていれば、その後の状況はかなり変わっていた可能性が高い。もっとも、「殺処分対象が10万頭レベルから数万頭レベルで抑えられた」とか「もしかしたら宮崎県だけで口蹄疫を終息できた」とかいうレベルだけど。今朝のニュースでは、もう11万頭を超えてるからね。現時点で隣県に飛び火していないのが奇跡みたいなものでしょう。

4/27に知事が支援要請に来ているわけだから、このタイミングで自衛隊派遣を逆提案(知事に派遣要請を出すよう促す)という手もあった。1000頭以上の牛を殺して、埋めて、消毒できるような、人員、資材、ロジスティクスを持った組織なんて自衛隊しかない。口蹄疫のことを少しでもわかっていたら――病状が悪化するに従って撒き散らされるウイルスの量も飛躍的に増える――速やかに殺処分する、予防的に殺処分することがいかに大切かってことがわかりそうなものだけど……。

でも、自衛隊派遣については、「自衛隊の協力は、国民に不安を与えかねないので、慎重に考えたい」(舟山康江大臣政務官。このあとデンマークへ外遊。信じらないほど無責任!)と悠長なことをいってたわけで……。

百歩譲って、こうした議論を後だしジャンケンとするとしても、4/28にFAOが「アウトブレイク」を宣言し、自民党総裁が(パフォーマンスとしても)現地訪問しているにも関わらず、畜産行政の最高責任者が満を持して外遊に行くなんてことが許されていいわけはない。この赤松農水省の無責任振りに比べれば、えひめ丸事件における森首相の対応には一分の利――少なくともゴルフ場に行く決心をした時点で、えひめ丸の事故は全く予測できなかった。もちろん、事故を知ってから3ホール回ったことは批判されるべきだろう――があったとさえいえる。

ちなみに、2000年の口蹄疫は、こんな感じでした。

・3/12:宮崎市で風邪状の症状のでた牛が発見される。その後、口蹄疫が疑われる症状が発症。
・3/21:宮崎家畜保健衛生所に通報。農水省は動物の隔離、施設消毒などの措置の実施を指示。
・3/24:国の専門家を現地に派遣。23日から実施していた血清検査で口蹄疫ウイルスの抗体を発見。
・3/25:口蹄疫の疑似患畜と診断。口蹄疫防疫対策本部を設置。疑似患畜発生農場を中心として半径50mの地域の通行遮断。同半径20kmの地域の移動制限。同半径50kmの地域の搬出制限を実施。
・3/26:疑似患畜の殺処分、埋却、消毒終了。近隣2戸3頭全頭も自衛的に殺処分。
・3/28:周辺農場の立入検査で採血。異常は認められず。
・4/1:農水省家畜衛生試験場での血清検査の結果、3頭に口蹄疫ウイルスの抗体を確認。
・4/2:再度立入検査、血清検査を実施。
・4/3:当該農場で9頭中6頭に抗体を確認。疑似患畜と診断。
・4/4:疑似患畜9頭全頭を殺処分、埋却、消毒終了。
・4/9:高岡町の農家で3/29に採血した血清を検査した結果、口蹄疫ウイルスの抗体の存在が疑われる。
・4/10:当該農場で疑似患畜16頭を殺処分、埋却、消毒終了。
・4/23:空気伝播の可能性が極めて低く、感染力も従来知られているものに比べて低いと考えられることから、半径50mの地域の通行遮断を解除。同半径20kmの地域の移動制限を10kmに変更。
・5/2:移動制限地域をすべて解除。

(以上、「わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点」(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 動物衛生研究所九州支所臨床ウイルス研究室 津田知幸室長)を参照)

口蹄疫防疫対策本部を設置するまでは、10年前とほぼ同じ。口蹄疫か否かを確認するためには、どうしても10日前後かかるということなんでしょう。自民党政権であっても共産党政権であっても、ここまでの流れは変わらなかった可能性が高そうに思えます。つまり、初動の失敗という議論は正しくないということ(ただし、一部で噂されているように「3月末に病状悪化した牛がいた」ということが事実であれば、話は変わってくる)。

それにしても、こういう防疫政策は「やり過ぎて悪いことはない」んでしょうね。去年の新型インフルエンザ騒動も終わってみれば羊頭狗肉だったし、防疫政策の無駄だってとっても多かった。でも、こうしたことは終わってみて初めてわかったこと。仮に強毒性だったらどうなっていたか? その良い実例が今回の<赤松口蹄疫事件>だったんじゃないのかと思えてならないなぁ。

追記:【ニコニコ動画】バットマンが口蹄疫問題で農水大臣を取り調べた模様
うまいなぁ。これほど人をむかつかせるなんて。

追記その2:口蹄疫、「生き地獄」の現場から~好転の兆し見えない宮崎県川南町から町職員が報告
現地職員のレポート。必読。

2010年5月17日月曜日

ショック。仕事が手につかない……

(´;ω;`)

*TV覚書:5/17、スーパーモーニング(口蹄疫特集)におけるコメンテーターのコメント

鳥越俊太郎:ただ人には感染しない、食べても大丈夫といいながら、そこまで厳重に殺処分しなきゃならないのか。

アナ:感染力が強くて畜産そのものに影響がある。広まる前に殺処分して対処するのが基本だから。

田中喜代重:結局みんなある意味での人間のご都合なんだよね。実際、罹っていなくても罹っちゃうと大変だから、まとめて殺してしまうと。そういう意味ではかわいそうといえばかわいそう。政府がある程度保障するにしても、そのあいだ、繋ぎの期間はどうするんだと。そういうことを考えるとどうなっちゃうんだろうと。農家の方は気が気じゃないでしょうね。

吉永みち子:米や野菜が台風や異常気象で大変なことになることもある。こういう宝(種牛)は長い時間かけて育てているわけですよね。でも、避けられないリスクとして、こういうものがあるとしたら、最初の一頭をどれだけ早く発見するかが勝負なんですね。これが遅れましたよね今回は。二頭、三頭になってからになったんでは、その影響は物凄く大きくなるわけで、そういうことの管理をこれから先しっかりしなければいけない。前にあった教訓がどれだけ活かされているのかということもありますし。このリスクを実際に起きたときに農家に対して安心を与えられるかっていうことも。募金箱も必要ですけど、県なり何なりがキチッとセーブしなきゃならない問題ではないか。

鳥越俊太郎:防ぐ手はあるでしょ。もう殺処分するしかない。

アナ:10年前に発生したウイルスは封じ込めたはずだ。今回はウイルスがどこからやってきたかはわからない。そういう意味では防止策は難しい。

吉永みち子:来るものだと思ったときに、8万とか10万とかなったときに、これ殺処分とかで何とかしていけるというものを超えてしまいますから。やっぱり早さなんですね。

*感想:国と民主党と赤松のことは口に出してもダメなのかね? この点、フジの方が、「国と地元では深刻さ(の感じ方が)違う。国の考え方も甘かった」(おすぎ)。「放送では啓蒙しかできない。政治が解決しないとどうにもならない」(小倉)と、まだマシでしたね。

川口和久、「反逆の左腕」

『反逆の左腕』(ネコ・パブリッシング)は、川口和久の2冊目の著書だ。このあいだ『投球論』について書き、アフェリエイトのことで川口の本を検索していて初めて知った。で、いつものようにblogに書こうと思い、手にとってみたものの……これ、トンデモ本じゃねぇか!

この本の内容を一言でいうなら、「左利きはsugeee、左利きはtueeee、だからオレのことをリスペクトしろ!」という内容の本です。前著『投球論』でも独りよがりな論があったけど、この本は独りよがりな論しかない!

例えばこの文章。

「日本の野球史上、一流と呼ばれた左ピッチャーは全員が全員、カーブの曲がりがすばらしいピッチャーばかりです。カーブというのは少し語弊があります。左ピッチャーのカーブというのは、右ピッチャーの投げるカーブとはまったく別のボールです」(44頁)

としたうえで、右ピッチャーのカーブが「横のカーブ」であるのに対し、左ピッチャーのカーブは「縦のカーブ」、すなわちドロップであるとする。金田正一、江夏豊、新浦寿夫、大野豊……いずれもドロップの使い手である一方、右ピッチャーでは、指に障害のあった堀内恒夫を例外として、佐々木主浩、松坂大輔投手、木田優夫投手らのカーブはほとんど武器になっていないと説くわけですよ。

だったら、“懸河のドロップ”と謳われた沢村栄治はどうなんだと。別所毅彦、権藤博だってドロップで鳴らした本格派でしょう? 手前が現役時代を知っている選手でも、江川卓、桑田真澄のカーブは教科書通りの「縦のカーブ」だし、これ以外にも右ピッチャーの「ドロップ使い=古典的な本格派」は数多くいたと思うんだけどねぇ。

この他にも――

「大部分のサウスポーが日本の東側ではなく西側に存在しているのです。ウエストポーと呼んでもいいぐらいの数の多さです」(24頁)

「ファーストにいても気にせず、スローカーブを投げることができるのです。~~中略~~それに加えてサウスポーには人をおちょくったようなボールを投げるのが好き、という習性があればこそなのです」(90頁)

――という具合。なもので、この本について、手前の乏しい知識と表現力では、冒頭で書いたことくらい書けません。というわけで今回は、興味深いところだけを「読書メモ」として紹介することにします。

・タブーとされていた水泳トレーニングを始めたのは、日本球界では広島カープが最初だった。

・「川口、じつはワシはサウスポーのことはわからんのじゃ。サウスポーは博打なんよ」 伝説のスカウト・木庭教の言葉。

・サウスポーに綺麗なフォームの持ち主が少ないのは、少年のことからサウスポーを教えられる指導者が少ないというのが一番の理由。

・ピンチの場面で巨人ベンチは、アウトコースに外すリードをバッテリーに期待している。

・ウォーレン・クロマティのバットは、グリップが極端に細く芯が極端に太い1kgを超えるバットだった。これほど扱い難いバットを使っても、ほとんどバットを折らなかったのは、スイングがナチュラルで腕の振りぬきが良かったからではないか。

・現役時代一番イヤだったバッターは高木豊。突然バントの構えをしたり、一球ごとに打席を外したりされる。バットコントロールも良く、インパクトの瞬間のハンドワークで打球を飛ばす位置を変えられた。

・高木豊に比べれば落合博満を打席に迎えたときのほうが気が楽だった。読みを優先させるバッターで、何より自分より給料が高かった。ホームラン以外なら勝ちと考えていたので、結果を気にせず投げられた。読みが外れれば三振もするし。

・カーブを待っていてストレートを投げられたら、どんなバッターでも対応できない。しかし、落合博満は対応できた数少ないバッターの一人だった。長嶋茂雄もそうだったろう。彼らは天才。

2010年5月16日日曜日

久しぶりに言ってみます……負ける気がしねぇ!

ドラゴンズ2010_05_06「中日VSオリックス」 4回裏.mp4

このミラクル打法で試合を決めてしまいました。セサル、スゲー喜びよう! 落合と森繁、メッチャ笑ってるし。これで交流戦4連勝。次からビジターなんで、こう上手くはいかないだろうから、今日くらいは言わせて欲しい。「負ける気がしねぇ!」

神様、仏様、ブランコ様

これまでなら絶対に負けるはずの展開を全部引っ繰り返してくれたのは、一打席目以外の全てのチャンスをことごとくモノにしてくれた四番打者のおかげですよ! 森野将彦選手が見て、トニ・ブランコ選手が返す。最後は小池正晃選手がサヨナラ打! ディオニス・セサル選手がバントを決めてくれれば、多分、いつものように勝てる展開だったとは言うまい。本当にダメなら、いつでも落とせるだけビョン様よりはマシですよ……ってか、彼を完膚なまでに叩きのめせる若手が新人一人だけってのが問題ですよ! 

中田賢一投手? もう一、二回は見てあげないと。5回までのピッチングを見る限り、去年までとは違うんじゃないでしょうか? 甘い? 甘いかもしれませんけどね。

で、問題は和田一浩選手のケガが深刻だった場合、5番を誰に打たせるかなんですが……。見事なほどに適任者がいない! 昨日の今日ってわけじゃないけど、一番近いのは小池選手になるのかなぁ。これがDHが使えるビジターなら福田永将選手を呼んできて打たせたいねぇ。

2010年5月15日土曜日

本当に拳を振り上げちゃって、どうすんだ?

自民・甘利氏に懲罰動議=民主

こんなことで戒告、陳謝なんかさせたら、ますます民心が離れていくでしょ? 押したかコケたかの問題じゃなくて、このレベルの問題で正式な議題なんかにしちゃったら何らかの形で落とし前をつけなきゃならないわけで……。

もし、この問題で本当に処分を下しちゃったら、これまで公式には認められていなかった “小沢幕府”の独裁を、政権交代以来初めて「公的な形」で認めてしまうことになっちゃうんじゃないかね? これを数の横暴で通したら、強行採決よりも遥かにわかりやすく、ワイドショー的にもおいしい独裁の構図でしょ。もしかして、「都合が悪くなると逃げ出すのは公党の責任ある立場にある人物としてはもちろん、人間としても恥ずかしい」(by新潮社)と痛罵されても、後でこっそり取り下げるつもりなのか?

時事通信の調査で支持率も20%を切っちゃったし、これから上がる要素も一切ない。5月までに普天間移設の道筋をつけないと、アメリカ議会のスケジュールから見て普天間継続使用はほぼ確定だ。こうなっちゃうと参院選後の民公連立だって難しい。勝ち馬に乗ることしか考えていない公明党を説得できるかどうか。連立したら最後、次の総選挙で一緒に大敗するのは目に見えているわけだし。そもそも10%台の支持率で3年間政権運営できるかどうかも怪しいし。

連立与党が参院で過半数をとれなくても衆議院の数で強行突破できるけど、これを連発したら竹下内閣以来の支持率1ケタもアッという間でしょう。もちろん、支持率0%でも法的に解散する必要なんて何もない。でも、国民合意が必要な施策で、合意が得られなくなることは目に見えている(全国各地で三里塚闘争みたいのが起きると思うとワクワクしないわけでは……ってことは絶対にありません!)。遠からず解散せざるを得なくなるんじゃないかなぁ。

鳩山内閣支持率低下 菅副総理は「今が底」(09/12/27)
岡田外相 内閣支持率「今が底」(10/2/14)
*これからの予定↓









追記:相変わらず<赤松口蹄疫事件>は全然報道されませんなぁ。キッチリ仕事をしているのが東スポだけってのはどうよ?

2010年5月14日金曜日

きょうはちょっと暴論を言いたい気分

・1500万円の子供手当てではビクともしなかった。
・脱税しても持ちこたえた。
・秘書が3人逮捕されたらちょっとグラついて、
・普天間問題のちゃぶ台をひっくり返したらフラフラになったけど、
・それでも何とか踏みとどまった。

でも、<赤松口蹄疫事件>は、政権を倒す最後の一撃になりかねないんじゃないかなぁ。日本人は大抵のことに寛容だけど、こと食い物のこととなると本気で怒るし。感染した肉からヒトに感染しないからOK! ってハナシでもない。だって、下手したら宮崎牛どころか鹿児島黒豚もなくなりかねないんだから。水産庁とマスコミのプロパガンダに乗せられているとはいえ、クジラごときでああまで怒っちゃうし。

マスコミが積極的に報道しないのはニュースバリューが小さいからとか(少なくとも畜産業者にとっては、ペストとコレラが一遍に来たくらいのインパクトがある事件なんだけど)、報道規制がかかっているからとかじゃなくて、単純にニュースに取り上げる“だけ”でマズい事例だからじゃないでしょうか。報道しなければ、郷ひろみじゃないけど「なかったこと」にできるわけだし。報道規制をしていたからなんだね。社会主義政権を一日でも長く維持するためには、こうでもしないとね。

ネットではデマ――小沢が岩手に消毒薬を手配したとか、ウイルスのオリジンが韓国産だとか……もうね、そんな日頃の鬱憤とレイシズムとを満たすネトウヨに都合の良い話があるわけないじゃん! ソースも全く存在しないし――も随分飛び交っているけど、ただ一つ言えることは、「えひめ丸事件で森喜郎を袋ダタキにしていたマスコミは、赤松広隆も同じように袋ダタキにすべき」ってことっすかね。

正直、「初動が遅い」とか「菌が強毒性」とかいう話はどうでもいい。この辺のことは事態が終わってみないと真実はわからないから。でもね、リーダーってのは、いるべきときにいなきゃダメでしょ。事態がわかっていたのに外遊なんてもってのほか。

・日本シリーズ第七戦の日に、対戦チームの監督がドラフト候補の視察に行く
・ソロモン要塞攻撃の日に、レビル将軍がルナツーの視察に行く
・ケンシロウがサザンクロスで戦っているとき、シンがミスミ爺さんの村に行く

というようなものだからね、赤松のやったことは。何もできなくたって、別に床の間に座ってるだけでいいんだから。それすらできなかった(しなかった)ってのは、その一事だけで袋ダタキにされてしかるべきですよ。

追記:山本弘先生も書いてたのね。先生の政治姿勢や思想には全く同意できないんだけど(トンデモ本批評と小説は本当に素晴らしい)、ことこのハナシについては全く同意見。一々新聞の検証をしているあたりが素晴らしい。

2010年5月13日木曜日

プロ野球の監督よりは向いていると思います

・世界のビッグワンのことを酒席で「ワン公」と呼ぶ。
・打撃コーチとして「高目に気をつけろ」と指示するも、「高目を狙うのか? 外すのか?」をハッキリ指示せず、三振してきた選手に「なんでオレの指示通りに打たないんだ」と怒鳴る。
・五輪代表ヘッドコーチ(事実上の監督代行)のとき、次の対戦相手であるオーストラリアの試合を偵察せず、「世界の戦いを知るため」といって谷亮子の試合を見に行く。結果、オーストラリアにまさかの敗退。
・五輪で銅メダルに終わり、おめおめ帰ってきたと思いきや、「銅は金と同じと書く」とほざく。
・野球解説の時の常套句は、「これは気持ちで打ったヒットです」「誰もがエラーをしたくてエラーをするわけじゃありません」

という、頭を抱えたくなるようなエピソードが物語るように、お世辞にも頭脳派とは言い難い中畑清。そんな彼が、「たちあがれ日本」から出馬することを正式に表明しました。野球の実力は“超二流”レベルだったけど、打撃コーチ(長嶋巨人のチーム打率をリーグ最低に爆下げ)、解説者(精神論しか語れない)、ヘッドコーチ(銅メダル。でも星野仙一よりは立派)としてはことごとく満足な結果を残せなかった。

このように一見、「脳筋」「体育会系バカ」のように見えるため、ほとんどの人は「本当に政治家がつとまるのか?」と思ってることでしょう。でも、本質的に根暗であるにも関わらず、典型的な体育会系キャラを演じてきた生き方を見れば、還暦過ぎてもお山の大将な堀内恒夫よりは、かなりマシなんじゃないでしょうかね。

政治家に大事なことはたくさんあるだろうけど、そのなかでも最も大切なことの一つは「自分に求められるキャラクターをいかに演じるか」でしょう。他人を説得したり、票を集めるためには、何よりも感情に訴えることが一番大事なことだし。やっぱり、したり顔で正論を言うくらいなら、見え透いていても田んぼで土下座する方が効果もあるしね。個人的には大嫌いなやり方だけど、残念ながら嫌悪感を示す人よりも共感する人の方が多いのが世の常だし。

と考えれば、30年以上、「親しみやすい体育会系キャラ」という仮面をかぶり続け、どんな大人数のクソガキにサインを頼まれても快諾し、断りなしに家に詰め掛けてきた記者にも喜んで酒を飲ませてきた中畑であれば、案外、政治家らしい政治家になるのかも知れないと思うわけですよ。

ちなみにワン公呼ばわりの件は、自伝『これからも絶好調で』(ベースボール・マガジン社)で、以下のように書いています。

「六十一年のオフだったと思う。中畑清の“舌禍事件”である。月刊誌の対談を行なった後、その場で飲み、その雑誌の記者もまじえて語り合った。いろいろいって、盛り上がった。なごやかなムードだった。それから、一か月ぐらいして、週刊誌に中畑が王監督を軽蔑する呼び方をして、批判したというのだ」
「大体、二日に一度ぐらいの割合で“舌禍”という感じのオレだけど、監督批判など記者たちの前で、あからさまにいうほどアホじゃない。しかし、ちゃんとテープがあるという」
「『テープ? そんなものどこにあるんだ?』というと、雑誌の記者が答えた。『いつか、月刊誌で対談されたでしょ。そのあと、みんなでワイワイやったようですが、そのときの様子をテープにとってあるんです』」
「なんと汚いヤツらだろう。そんなときの様子をテープにとるなんて、ふつうでは考えられないことだ」
「『監督、すみません。相変わらずオッチョコチョイで……。酔っ払った勢いでつい、いろんなことをいってしまったようです。申しわけありません』。電話で王さんに謝った」
「電話で謝ったとき、王監督は寛大だった。『酔えばだれでもあることだ。だけどこれからは気をつけろよ。来年は絶対優勝だからな。一生懸命やってくれよ』。独特の低音で、よく響くやさしい声だった」(210~212頁)

この自伝の半分以上は、入団から一軍定着までの苦労話で占められていて、打撃論に関しては、王監督に伝授された「ハンマー打法」について語っている部分のみ。

「その翌日からポイントをひとつ前におく打撃に取り組んだ」
「名づけてハンマー打法。要するにバットがボールを捉えるインパクトの瞬間から、その先のフォロースルーを大きくとる打法である」
「思い切り腕をのばしたままでボールをとらえるようにする。手首の返しは意識して遅らせる。いや考えない、といったほうが適切かもしれない。フォロースルーを行なえば、要するにバットを振れば、手首なんか自然に返るものだという」(204頁)

この「ハンマー打法」に転換した84年、キャリアハイとなる31本塁打を記録しています。それにしても、引退後の著書でこれだけ大雑把な説明――この説明だけを素直に聞くと、始動を早くしたドアスイングとしか思えない――しかできないのであれば、「そりゃコーチとして成功するわけないな」と大納得。多分、監督になっても成功はおぼつかなかっただろうから、政治家への転身はアリなんじゃないでしょうか。

といっても、手前の持つ貴重な一票を中畑に捧げる気は、これっぽっちもありませんが。

2010年5月12日水曜日

自民党が参院選で勝つ方法

総裁選を前倒しして、小池百合子を総裁にして、小泉父子に選挙応援させて「聖域なき構造改革をもう一度」と唱えればいいんじゃないかなぁ。だいたい、前の参院選で安倍晋三が負けた一番の要因は、郵政民営化造反組を復党させたことにあるわけで、これを素直にとらえれば、国民の多くが小泉改革路線の継続を望んでいたということでしょう?(この辺は、菅原琢氏の名著『世論の曲解』の受け売り)

だったら、中曽根康弘も真っ青な風見鶏であるにも関わらず、あえて空気を読まずに中川秀直についていった筋金入りの構造改革派である小池百合子を立ててやれば、自民党が変わった――というか高い支持を受けていた頃の自民党に戻った――という一番のメッセージになるんじゃないかと思うんですけどね。

まぁ、そんな手の込んだことをしなくても、参院で連立与党を過半数割れに追い込むことは十分可能でしょうが……。

……以上、小沢先生を連呼する谷亮子の出馬会見を見ながら思いついたことです。タレント候補云々なんてのは、手前が産まれる前からあった話だから、今更どーのこーの言うつもりはありません。谷亮子云々だって、あの野村沙知代を新進党の候補にしようとした小沢一郎のことだからね。むしろ、「小沢にしては、良くやってるじゃねぇか」と思ったくらいだもの。

でもこれで、谷が国民栄誉賞を貰うことは未来永劫ないのだろうなぁ。ロンドンで金メダルとったら貰えるかもって? まず、金メダルを取れる実力がないし、よしんば取れたとしても、その頃には民主党政権がなくなっている(解散してなくても政界再編でgdgdになってるのでは?)だろうし。てか、谷にあげたら「なんで3連覇した大天才である野村忠広にやらないんだ!」ってことになるし。

てか、“地球を覆うほどの愛”ってフレーズを聞いて、脳裏に「デデーデデー、デッデッデッデッデッデッデデー、デデーデデー♪」てなギターリフが流れたのは手前だけですか?

2010年5月11日火曜日

「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」を読みました

テリー伊藤氏の新刊『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』を読みました。テリー伊藤氏にはさして興味はないけど、こんなタイトルの本を書かれたら、四半世紀来の落合ファンとしては買わざるを得ないでしょう。というわけで、発売日の昨日、近所の本屋でジャンプの立ち読み後(バクマン。の大展開に胸を躍らせた後)、購入しましたよ。

で、ザッと読んでみたのですが、一読後の感想は、「あぁ、いつものテリー本」。つまるところ、好きな対象をいろんな角度から賞賛しつくした後、対象の生き方と自分の境遇を重ね合わせながら、「だから、こういう風になろうぜ!」と説教する本ということであり、同氏の長嶋本、王本、ダメ監督本と同じパターンってことです。

なもんだから、アンチ落合の人は、多分3行も読めばアレルギーが出て読みすすめられなくなるはず。なんせ、四半世紀来の落合ファンである手前でも、読んでて背中がこそばゆくなるくらいなんだから。

それでも落合に関する知られざるエピソードが満載! ってことなら読む価値もあるんだけど、結構、いろんなところで書かれていることしか載ってないんだよなぁ。

個人的に初めて知ったエピソードは以下の通りです。

「あそこで岩瀬が打たれて負けたらしょうがない。逆に山井が続投して負けたら、あのシリーズは落としていたと思う。うちの連中は、全員、そう思っていたよ」(167頁)
*07年日本シリーズの第5戦。8回までパーフェクトピッチングをしていた山井大介投手から岩瀬仁紀投手に交代した理由について。大筋では既存媒体で話されていたことばかりだけど、「選手全員が交代を是と思っていた」と語っていたことは初耳。

「落合博満がタイトルをはじめて獲ったころ、彼は上がった年俸で1台の車を買った」
「ところが、落合が買ったのは国産車で、なんとそれを改造して装甲車のようにしてしまった。ドアを分厚くして、タイヤもガラスもほかのパーツも、できうるかぎりに頑丈なつくりに改造していた」
「つまり、たとえ車がぶつかってもケガをしないように、どう見ても装甲車にしか見えないような自家用車を注文して、それに乗っていたのだ」(171頁)
*落合の自著には書かれていないエピソード。もしかしたら他の媒体で書かれていて、それなりに有名なエピソードなのかも知れないけど、個人的には初耳だった。

残りのエピソードは、既刊本か横尾弘一氏の『落合戦記』に載っているものでした。ただ、落合らしいエピソードを話の中で上手に拾い上げているので、落合のことを全く知らない人には、良いガイドブックになるかも知れませんね。週刊文春の記名記事の長編版(週刊ポストや週刊現代より少しだけ高級っぽい感じ)という趣の本なので、通勤通学の電車内で読むには最適の一冊ってとこでしょうか。落合マニア以外で落合のことに興味を持っている人にはオススメです。



2010年5月10日月曜日

グランプリモード通信(第五回)

グランプリモード通信(第一回)
グランプリモード通信(第二回)
グランプリモード通信(第三回)
グランプリモード通信(第四回)

PS2の野球ゲーム『プロ野球スピリッツ2010』を購入して1カ月余。越えられない壁に苦しんでいるチームの現状を、ここで報告することにします。

スタメン、ベンチは第三回の時と変わらず。荒木貴裕がかなり覚醒してきたので、二遊間が固くなっています。ただ、監督モードではパラメータほどの鉄壁振りが全然実感できない。

・というわけで先週に引き続きエキスパートグランプリに挑戦するものの……全然、勝てない!
・何度挑戦してもダメなので、とうとうリセットプレイを解禁。中村、吉川、マー君と武隈、宮西しか使わずに決勝まで勝ち抜いた状態でセーブ。ここから決勝戦だけを繰り返し挑戦することに。
・先発がダルで、リリーフに好調のイム、岩瀬、絶好調の武田久がいて勝てないわけがない!
・と勢い込んで決勝戦に臨むも……壁に跳ね返されてしまう。どうもイムと岩瀬が額面通り仕事してくれない。
・覚醒したMICHAELはいい具合に仕事をするけど、回を跨いだら火達磨に。妙なところでリアルだなおい。
・打つほうはガッツ、ブランコの3、4番はいい仕事をするも、なぜかチャンスで湿りがちなんだよなぁ。
・中田翔? そこそこ覚醒してるけど扇風機ですわ。

一日、1~2試合くらいチャレンジしてるけど、勝てないなぁ。何が悪いのかすらわからない。「足の速い選手だけを集める」「長打力のある選手だけを集める」みたいな、いかにもゲーム攻略用のチームは作りたくないしなぁ。 “ごっこ遊び”なのにゲームに主導権を握られるのはシャクだしね。

とはいえ、あまりに勝てなくてストレスも溜まってきたので、チーム編成をやりくりして「オレさまペナント」を始めることに。チーム編成のコンセプトは、「強奪はなかったことにする」というもの。つまり、グライシンガー、ゴンザレス、ラミレスはヤクルト、クルーンは横浜……というように、FA以外の金銭移籍をチャラに編成しなおすということ。

プレイ球団は横浜。フィールドプレイでダメ球団を優勝に導いてやるぜ……って、いきなり開幕から3連続完封してしまい一気に萎える。やっぱりアレだ、なにか縛りプレイしなきゃダメってことだね。

2010年5月9日日曜日

投手戦というより貧打線だったような……

初回ヘロヘロだった新人をむざむざと立ち直らせて、9回で2安打しかできないなんてヒドイ!――とはいわないよ。最後の最後、和田一浩選手が一発で決めてくれたから、まぁ、いいか。山内壮馬投手は回を追うに従って目に見えて球威が落ちていたけど、良く抑えたわ。中澤雅人投手は元エース様の名言をいう資格があるでしょうね。「9回2安打の何がアカンのですか!」って。でもまぁ、ひどいケガでもしない限り、今年の新人王はほぼ確定でしょう。てか、この2連敗で高田監督の進退はかなり微妙になってきたんじゃないでしょうかね。もし休養なら、ヘッドコーチだからって小川淳司の横滑りかな? 途中から荒木大輔にやらせるとは思えないけど……。

なんてことを寝ぼけ眼で考えていたら、衝撃のニュースが。

中畑清氏参院選!「たちあがれ日本」が擁立へ

知名度という点では、間違いなく堀内恒夫より上――80年代に週1回くらい野球中継を見ていた程度のヌルいファンでも、「もえろキヨシおとこなら、ここでいいっぱつキ・ヨ・シ♪ とソラで歌えるはず――なので、出れば多分通るんだろうけど……。希望的観測だけど出ないんじゃないかなぁ。てか出ないで欲しいよ、ホント。体育会系の権化(もちろん駒大出身)という手前が一番嫌いなはずのキャラクターなんだけど、こと中畑についていえば嫌いじゃない。むしろ好きかも、というくらいなんで。できれば野球人として人生をまっとうしてもらいたいんだけどなぁ。そういう状況じゃないのかも知れないのかねぇ。

2010年5月8日土曜日

その“奇習”はウチの近所でもありましたよ

ここ最近、海外の最新軍事情報を紹介しまくっている兵頭二十八師の放送形式を見ていたら、師が在住している函館の “奇習” について紹介していました……って、コレって確かウチでもあったような……。

そうそうあったよあった! ウチじゃロウソクなんてほとんど使わなかったけど、七夕のときだけは、「一応、買っておかないとね」ってロウソクを用意してたもの。四半世紀前はお菓子といっても小袋のものはあんまりなかったからアメ(ラグビーボールの形をしたアーモンドっぽい味のアメ。あ~なんてやつだったっけ? ググッても全然見つからない!)を良く配ってたなぁ。子ども会に入ってからはたかる方に回ったっけ。

函館では7月7日ってことだけど、ウチの近所では8月7日でしたよ。北海道の七夕は一カ月遅れだから。花見も天皇誕生日――って今は「みどりの日」だったか――前後だし。それにしても最近は小袋入りのスナックやチョコが腐るほどあるから、昔のように「両手一杯にアメを貰って大喜び」みたいな牧歌的な風景ではなくなってるんだろうなぁ。

てか、昔のことを思い出してたら、ノスタルジックな気分が止まらない(;^_^ やきそば弁当をコアップガラナで流し込んで、締めにいちごカルミンを食いてぇ!

追記:中田賢一投手! 昨日の君は堂々エースの投球だった。8回を投げきったのは本当にエライ! あと、新人に期待し過ぎるのもどうかと思うけど、「大島最高や! 藤井なんか最初からいらんかったんや!」……いや、一度このフレーズを使ってみたかっただけなんです。悪気はないです。

2010年5月7日金曜日

川口和久、「投球論」:その4

「十八年の現役生活で、数多くの打者にめぐり合いました。その中で、もっとも印象深いというか、駆け引きの楽しさ、配球の楽しさを味わえたのは、中日時代の落合博満さん(現・評論家)でした。三冠王に三度も輝いた当時の日本球界最強打者から、いかに三振を奪うか。ここが重要です。打ち取るのではなく、いかに三振を奪うか。考えに考え、工夫した投球術をお話します」(44頁)

同書の一番の読みどころである「第2章:右の強打者・左の強打者」は、落合との対決のエピソードから始まり、ランディ・バース、ウォーレン・クロマティ、駒田徳広、原辰徳と続き、高橋由伸選手との仮想対戦で終わる。内容は全て、「オレはこんな配球で抑えた」「この配球の意図はこうだ」「アイツは凄かった」ということを、川口自身の言葉で語っているもの。

「1-2というカウントは、明らかに打者に有利です。打者という生き物は、こういうとき必ずストレート系を狙う習性があります」(46頁)
「当てて乗せられるとスタンドまで持っていかれるから、当てさせない。それでインハイばかり投げていたんです」(55頁)
「そ知らぬふりをして打席に入り直すんだけど、よく見ると、さっきよりベースから離れて立っている。要するにインコースを真ん中くらいにするために、バレないようにベースから離れたわけです」(57頁)
「必ず、どんなボールでも引っぱる。こういう打者に対しては、アウトコースが攻めの中心になります」(59頁)

と、川口の視点から語られる名勝負の数々。

・彼はどのようなバッターか?
・そんな彼をどのように攻略したか?
・なぜこのような方法で攻めるのか?

その全てに技術的な理由を書いている。根拠は全て川口本人の経験のみであるため、技術書として参考になるものではない。しかし、その分、他の選手やOBが書かない踏み込んだことまでガンガン書いているので、読み物としては圧倒的に面白い。詳しい内容は、是非、同書を読んでもらいたい。野球好きであれば間違いなく満足できるはずだ。

さて、第二章で最も大きなスペース(5頁)を割き、良きライバルとして紹介している落合だが、実は落合も川口のことを著書『プロフェッショナル』で詳述している。

「対戦成績を見れば極端に悪いわけではないのに、その数字すら信じ難くなってしまう『精神的な天敵』が一人だけいる。昨年限りで引退した川口和久だ」(140~141頁)
「ひとことで言えば、彼は天才肌の投手である」(142頁)
「ところが川口については、フォームや雰囲気からストレートの呼吸で始動しても、キレ味鋭いカーブが来ることが多かった。ある時、その理由がわかって驚いた。彼はストレートのサインに頷いて振りかぶってから、打者とのタイミングが合っていると危険を察知すると、フォームの途中で握りを変えてカーブを投げるのだ」(144頁)

このようにほとんど手放しで賞賛している。ここで触れられている「危険を察知したら握りを変えるテクニック」について、川口は具体的には語っていない。ただ、達川光男との間でノーサイン投球を度々していたことは『投球論』で言及している。

「コミュニケーションが進んだバッテリーがどこに行きつくかというと、これはもう『ノーサイン』でのピッチングです」
「口を開けたら変化球で、口を閉じていたらストレート系。~~中略~~実はボクの口がサインなんです」
「ボクが持っているカーブとスライダーとフォーク(=抜きシュー)、それをすべて『変化球』で表すわけです。『それさえわかりゃあ何とかなる』。達川さんはそう言ってました」(118~121頁)

このエピソードを紹介した後に、プロ野球で使われているサインの基本(フラッシュ、ポンプ、カウント)を解説しているが、これもまた実に読み応えがある。多分、サインについてここまでキチンと説明している野球本は、この本くらいだろう。他にも先発からリリーフの技術的な違い(投球の際のステップ、配球など)、広島、巨人でのエピソードなど、全編これ全て読みどころの傑作だ。

プロ野球の投球術について、ここまで深く、かつ面白く書けるのに指導者の口がないのは、同書で徹底的に自分の経験に即した話しか書かなかったために、「本人と同じタイプの投手しか指導できなさそう」と見切られてしまったためだろうか? だとしたら野球界にとって大きな損失だと思うのだが……。

2010年5月6日木曜日

*TV覚書:日本の、これから「草食系で何が悪い 若者と語るニッポンの未来」

番組で行なわれるはずだった議論は、12:20くらいからの宇野常寛の意見で事実上結論が出てしまった。

曰く、「最近の若者は消費しないという意見に、そもそも疑問がある。さっきのVTRではわざわざ会社が終わってから、6000円払って自主的にスイーツ教室に行ってる。これめちゃめちゃアクティブですよ。ステージの方でも、美術館巡りをやりTVゲームをバリバリやっていると。つまり、お酒とか車とか、上の世代にとってわかりやすい“定番モノ”に従ってないだけで、今の若者は多様化した価値観に従って、いろいろなところに欲望が分散しているだけではないか。消費するとこでは消費している。めちゃめちゃアクティブ。酒、車とか定番モノに従ってないだけ。今の若者は欲望が多様化している」と。

以下、気になったキャラクター。

足立:何でもかんでもクレクレは良くないと思うぞ。
室井:いつものキャラ。ギャラ分の仕事をしっかりしていました。
日栄:典型的団塊おやじ。君の時代とは社会の前提条件が違っているんだよ。
橋本:誰もがブラック企業で奴隷になりたがっているわけじゃないんだよ!
宮本:女の成功者って、奥谷禮子も小池百合子もそうだけど、どうして過剰に攻撃的になるんだろうね。それくらいにギスギスしていないと性差別の厳しい社会での成功が望めなかったってことか?
小野:「幸せすぎ。甘えすぎ。普通を目指すなら普通以上の努力をしろ」は正しいけど、努力って歯を食いしばることか? の問いにクリアな答えを出せなかったのは残念。

個人的なハイライト

カンフー映画のやられ役みたいな髪型の男性(以下、カ):室井さんの提示している人というのはモテる人だと思う。でも別にモテなくてもいいし、逆にナンバーワンばかりだと凄いウルサい感じになると思う。
室井(以下、室):違う。そこでモテるって考えて、どうして自分で完結するんだっての。子孫を残すっていうことをいってるのアタシは。
カ:それが正論だとは限らないと思う。別に種を残すためだけに生きているわけではないし、(子供は)他の国で生まれるだろうし。
室:じゃぁいままで凄いがんばって働いてきた人たちを誰が支えるの。自分たちだけ逃げようとしているわけ。

室井佑月のキャラだってことは十分承知しているし、TVでの戯言に一々神経を尖らせることは生産的ではないということも理解しているけどね、この発言には鶏冠に来ましたよ!

じゃぁいままで凄いがんばって働いてきた人たちを誰が支えるの。自分たちだけ逃げようとしているわけ。

●●っ! ●●っ! ●●ぇぇっ!(自主規制)

若いときは革命ごっこにうつつを抜かし、バブル期に調子こいて金を使いまくり、失われた10年のあいだにせっせと借金をこさえまくって、経済の縮小傾向がハッキリしてきたときに定年迎えて、「オレたちを支えろ」だ? そんな寝言を言い続けて、いつまでも大人しくしていると思わない方がいいと思うけどなぁ。忠臣蔵、水戸黄門、東宝任侠モノを見てもわかるとおり、日本人ってのは「開巻してから5/6まではガマンにガマンを重ねて、残り1/6で大爆発する」って習性があるんだから。アンタらみたいに革命ごっこで発散させてない分、大爆発したら大変なことになるぞ。

川口和久、「投球論」:その3

<タテの投手>にこだわり続けた川口は、「ピッチングには、本線のボールと枝葉のボール」があるとした上で、自らのピッチングの基本パターンからその意図を説明している。

「初球は大体ストライクになるような変化球。初球はそんなに打ってこないという判断です。二球目はボールでいいから、バッターの打ち気を誘う。もしこの二球でカウント2-0になれば、もう一球ボール球で誘えます。1-1だったら、ストライクになる変化球」
「仮にはずれて1-2になったとします。ここでもし打者が外国人だったら、次は百パーセント小さな変化球です。外国人は1-2からは絶対にストレートを待ちますから、小さく曲がる変化球には必ずひっかかってくれます。日本人だったら、ストレートです」
「ここで大事なのは、このストレートを必ずインコース高目、いわゆるインハイ。この球で凡打に打ちとる。あるいは、もしファールでもされて2-2になったら、こう一球高目にストレートを投げて三振。あるいはカーブで三振」
「あのパターンの中で、一番かんじんなボールはどれでしょうか。すぐおわかりになると思いますが、1-2、あるいは2-2から投げるインハイのストレートです」(19~21頁)

つまり、本線のボールである“インハイのストレート”で打ち取るためにはどうすればいいか? そこから逆算してピッチングを構築しているということだ。なぜ、“インハイのストレート”にこだわるのかといえば、最も打者を打ち取れる可能性の高いボールであると同時に、川口自身の美学――フォーク、スライダーで打ち取るのではなく、ストレートとカーブを武器に三振を取り捲る――にかなうこともでもあったからだ。

決め球からの逆算のピッチングは、稲尾和久、牛島和彦らも持論としている「投手サイドの配球論」のスタンダードでもある。ただ、ピッチングの本線をインハイに置くという川口の考え方は、日本球界におけるピッチングのスタンダード――すなわち“アウトローのストレート”を基本にピッチングを組み立てる思想――とは正反対のものだ。

「大野さんや江夏さんの本線はアウトコースなんです。これはインコース本線のボクとは別の思想に生きているとしか言いようがありません。大変貴重なアドバイスをもらいました。大野さんはこう言ったのです」
「『川口よ、アウトコースっていうのは、コントロールだけでいいんだ。球の速さは要らない。だから、インコースを全力で投げるとしたら、アウトコースは七分くらいの力でいい。そのかわり、コントロールできるようにしたほうがいいよ』」(26頁)

ただ、ピッチングの幅を広げるためにはアウトコースの球も必要と考えているものの、江夏豊のように「困ったときはアウトコース」ではなく、とにかくインコース勝負という姿勢は変わらなかったようだ。

「たとえばバースとか、最近では巨人の松井秀喜のような強打者は、バットがボールをとらえるインパクトの瞬間に、バットを持つ両腕がパーンと伸びているんです。インパクトの瞬間に腕が伸びた形でバットをスイングするから打球に飛距離が出るわけです。~~中略~~強打者に対してインコースを攻める理由はここにあります」
「基本的にはインコースを的確に攻めれば、打者の腕が伸びないから打球は飛ばない。ホームランなんか打たせないぞ、というボールです」(23頁)

正直、牽強付会な論に思わなくもないが、不思議と説得力のある言葉でもある。確かに腕を伸ばしてフルスイングさせることは危険だろう。しかしホームランは、「ボールを力任せのスイングで遠くに運ぶ」だけでなく、「ストレートをタイミング良く弾き返す」ことでも打てる。インハイのストレートは、一流の打者であれば身体の反応でタイミング良く当てられるボールであり、スピードが速く反発力も高いことから当てれば飛ぶボールでもある。つまり、並みの投手のストレートであれば、完全に狙いを外さないと絶好球になってしまうということだ。

にもかかわらずこれだけのことが言えるのは、インハイのストレートに絶対の自信を持ち、実際に強打者を牛耳ってきたからなのだろう。一流の本格派投手だからこそ成立する理屈というべきか。
(つづく)

2010年5月5日水曜日

川口和久、「投球論」:その2

「プロの投手の魅力とは一体何でしょうか。やはり、真っ向から打者にストレートで勝負にいって三振を奪う、あるいはホームランされる、そういうだいご味ではないでしょうか」(14頁)
「いくらフォアボールを出しても、三振取って〇点におさえりゃ文句ないだろ、というのがピッチャーとしてのボクの信条ですから」(15頁)
「とにかく、自分のボールはバットにかすらせたくない。そのためにバッターと真剣勝負をしているのであって、ストライクが入らなかったくらいで自分の気持ちを偽りたくない。そういう考え方なのです」(16頁)

この14~16頁にかけての文章。ここに川口という投手の本質が全て言い表されている。並み居る強打者を牛耳るために投げる。究極的には審判、キャッチャー、試合すら二の次。野球選手である前に“戦士”に近い意識で試合に臨んでいたのだろう。四球を出しても意に介さず、マイペースで三振を取り捲る――監督にとっては一番使いづらい投手であると同時に、誰よりも頼りになる存在でもあったはずだ。もちろん無責任な観客、ファンにとっては一流のエンターテイナーだ。

そんな川口は、投手のタイプを<タテの投手>と<ヨコの投手>という2つのタイプに分けて考えていた。

「タテというのはボールを高目、低目に投げ分けて、タテに曲がる変化球を武器にする投手。ヨコというのは、スライダー、シュートなどヨコに曲がる変化球を武器にして、打者の内・外角を攻める投手です」(12頁)

<タテの投手>は自分自身、<ヨコの投手>には先輩だった北別府学を典型例にあげている。そのうえでタテの投手には、威力抜群の高目のストレートと同じ高さから落ちるカーブ、ヨコの投手には左右の変化球(スライダー、シュート)に加え、自由自在にベースを掠められる抜群のコントロールが必要と説いている。

こうした<タテの投手>は、今中慎二の引退以降ほぼ絶滅種に近い存在となっているが、その理由について、川口はこのように分析している。

「近年、日本の野球のストライクゾーンはかなり低くなっています。八〇年代や九〇年代初頭とくらべるとボール一つか二つ分低くなっています。これはどういうことかというと、高目のストレートで勝負するピッチャーが不利になったということです」
「かつては、キャッチャーの顔くらいの高目はみんなストライクでした。いまはボールにとられるケースもあるでしょう」
「高低差が使いにくい分、低目の変化に活路を見出すことになるのです。ですから、近年活躍している日本の投手は、スライダーと低目に落ちるフォークを武器にする人が圧倒的に多いでしょう。これは当然といえば当然の帰結です」(14頁)

こうしてスライダーピッチャー(打たせて取るタイプ)とフォークボーラー(一か八かで三振を取るタイプ)だけが生き残った結果、投手と打者の勝負の醍醐味が少なからず削がれてしまっているように感じるのは手前だけだろうか? 

もっともこういった思いが郷愁であることは十分承知しているつもりだ。サッカーに例えれば、「一対一の勝負から組織的な多対一の勝負になってしまい、ファンタジスタの生きる道がなくなった」というような言説と同じ類のものといえる。川口のような古典的本格派が消えつつあるのも、野球が競技として進歩した結果なのだと受け止めなければならないということなのだろう。
(つづく)

2010年5月4日火曜日

川口和久、「投球論」:その1

川口和久の『投球論』は、投手が書いた野球本のなかで一番好きな本だ。なぜ、一番好きなのか? 「類書にはない突っ込んだ技術解説がなされている」「驚くほど素直に投手心理を吐露している」「本人の人柄がそのまま顕れたような、独特のクセのある文章で綴られている」など、理由はいくらでも挙げられる。ただ、こうした理由はいずれも枝葉の話であって、突き詰めれば「手前が一番好きだった投手の本だから」となる。

・最速140km/h後半、常時140km/h台のキレの良いストレート。
・大きく縦に割れるカーブ
・この2つの球を武器にバッタバッタと三振を取り捲るサウスポー

これが全盛期の川口だった。コントロールが悪く、初回から四球を連発して、どれだけランナーを溜めても、残りのアウトを連続三振で斬ってとる。先発完投して一試合当たりの球数が140~150球を数えることもザラという典型的な「フルハウスピッチャー(常にフルカウントで勝負する投手)」。窮地に追い込まれたときに奪う「緩いカーブでの見逃し三振」や「インハイのストレートでの振り遅れの三振」は実に見ごたえがあった。こういった類の三振は、投手が打者を圧倒していなければ奪えないものだからだ。

フォークボール全盛の昨今では、空振り三振といえば「フォークでの豪快な三振」が定番だろう。ただ、豪快な空振りを奪うフォークのほとんどは見逃せばボールに外れる球だ。その勝負は打者が振るか振らないかだけに左右される、いわば「一か八か」の大味なものといえる。

翻って本格派の武器であるカーブは、一流打者に狙い打たれれば確実にヒットされるものの、狙いを外せばストライクが取れ、なおかつ投手の技量次第では打ち取れる球でもある。ストレートとカーブしか持たない本格派投手の勝負は、フォークのような丁半博打ではなく、技量と配球、度胸の全てを賭けたギリギリの勝負になるということ。

言葉を換えれば、フォークボーラーの三振は、投手の実力に関係なく偶然で取れることもあるが、本格派投手の三振は、実力で相手を上回らないと絶対に取れないものともいえる。ハイレベルな本格派投手――若き日の江夏豊、江川卓、今中慎二など――が、面白いほど三振を奪っていた所以だ。

本格派サウスポーである川口は、自身をどのようなピッチャーであると考えていたのか?

『投球論』は、川口自身の経験から導き出した「投手とは何か」という定義付けからスタートする。
(つづく)

2010年5月3日月曜日

グランプリモード通信(第四回)

グランプリモード通信(第一回)
グランプリモード通信(第二回)
グランプリモード通信(第三回)

PS2の野球ゲーム『プロ野球スピリッツ2010』を購入して1カ月。ようやく理想のメンバーが揃ってきたチームの現状を、ここで報告することにします。

スタメン、ベンチは第三回の時と変わらず。ショートだけは微妙だけど、荒木貴裕が最後まで覚醒すればレギュラー確定なので、チームが“完全体”になるのも時間の問題だ。

・というわけでエキスパートグランプリに挑戦するものの……か、勝てない!
・10回くらい監督プレイで挑戦するものの、準決勝か決勝でことごとく跳ね返されてしまう。
・相手に戦術が合わせられているか? と疑い、早い回から「コーチ指示」を使ったら、終盤の勝負どころで岩瀬滅多打ち。
・相手に戦術が合わせられているようだけど、ここは終盤のピンチのためにガマンと思ったら、中盤でマー君が滅多打ち。
・満塁でノリ。調子も絶好調。戦術も相手に合っている「長打を狙え」。ここで一発逆転だ! と「ここで勝負だ!」を使っても、内野安打で一点しか返せない。
・絶好調のダル。相手は松本啓二郎。こんなん打たれるわけがない! 安心して風呂に言ってこよう……って三塁打?

こんな感じで、正直、勝てる気がしない。チームプレーに切り換えて自分の腕で勝ち抜こうにも、ベストピッチ連発されたらガッツと糸井のミート打法でしか打ち返せない。ピッチングではMICHAEL無双ができるんだけどなぁ。

追記:権藤博の落合評。まさに我が意を得たりってやつです。それと昨日のサンデースポーツの雄星選手特集。雄星選手のシステム手帳にあった「幕末志士の写真」。あれって有名なニセ写真じゃねぇか! 誰か教えてやれよ。

2010年5月2日日曜日

『龍馬伝』を見直した

「ひでぇ大河だなぁ。ま、前の奴とか前の前の奴よかはマシだけど」

手前のなかではこの程度の評価だった大河ドラマ『龍馬伝』ですが、この回だけは面白かった。特に35分過ぎからの展開。ああいう形で土佐勤皇党への切り崩し工作を表現するとはね。多分、史実的には間違ってるんだろうけど、ああいうウソならOKですよ。見てて、「この手があったか!」ってヒザ打ったもの。おんな大河にありがちな“わしが育てた”的展開――桶狭間の戦いも姉川の戦いも朝鮮征伐を止めたのも全て「まつ」のお陰とか、維新回転は西郷、大久保の手柄じゃなくて小松帯刀と将軍家を通して工作した「篤姫」のお陰とかいうやつ――がないのもイイですよ。

近藤正臣の山内容堂も思いのほか素晴らしかったし(他がダメだから良く見えているだけかも知れないけど)、海軍操練所の賑やかさと土佐勤皇党の侘しさを対比させた演出もベタだけど良い。

この回に限ってだけど、ちょっと見直しました。

日刊ゲンダイより又吉イエスの方が偉いと思います

仕事に行き詰ったり、人間関係に疲れたりして自分に自信が持てなくなったとき、人間は他人を見下すことで精神の均衡を保ち、心の平穏を取り戻そうとすることがある。アンタが同じような精神状態になったときにどうするかって? 手前の場合はゲンダイネット(日刊ゲンダイのネット版)を見て心の平穏を保ってますよ。これを見て、「ああ、手前はどうしょうもない人間だけど、それでも、それでもこいつらよりはマシかも知れない!」と思い直し、失いかけた自信を取り戻す。健康的ではないかも知れないけど、お金をかけず他人にも迷惑をかけないという点では、悪くない方法じゃないでしょうかね。

・「小沢起訴相当」でも参院選で有権者は民主党に投票する
・鳩山首相は誰にハメられたのか
・政治的に悪用乱用される検察審査会
・子ども手当「トンデモ申請」で大騒ぎするマスコミの悪意
・オトナとガキのケンカ 国交省に丸め込まれてよく言うよ前原大臣
・鳩山首相は米国に媚びる必要ナシ
・新党乱立「第3極の票」食い合い みんなの党のバブル人気もこれで終わりだ
・バッシングに負けて「電波オークション」政策を引っ込めたら連中の思うツボだ
・電波独占を民主党にジャマされたくない
・民主党を弱体化し支配下に置きたい
・麻生、谷垣 呆れた妄言
・「日本創新党」何が目的なのか不純な動機と下心ばかり
・バラ色の公約並べた自民党にはホトホト呆れた
・参院選新党乱立 自民の溶解が早まる
・青木幹雄よ お前も辞めろ!
・小沢幹事長辞任要求 拒否は当然だ

先月1カ月間に掲載された「小沢擁護、自民叩き」記事の見出し。内容は陰謀論と曲解のみ。要するに「自民党、アメリカ、官僚は地獄に落ちろ。こいつらにケンカを売ってる小沢は正しい」ってことを言いたいだけだ。で、こうした一連の記事を読みながら――

「こんな内容なら、同じことをよりわかりやすく主張している又吉イエスの方が絶対に偉いよなぁ」
「こういう下らないことを必死こいて書いておまんま食ってる連中もいるんだから、手前も頑張らないと!」

――と、思いにふけたあと、気分を新たにして仕事に臨むわけですよ。

追記:【ニコニコ動画】チャンドンゴンがドラえもんのうたを唄ったカラー!!
久しぶりに声を出して笑ってしまった。ハイパーメディアクリエイターの100倍才能あるよなぁ。

2010年5月1日土曜日

エース候補が戻ってくれば劣勢を跳ね返せる……かも知れない

これで開幕ローテのうち3人が全滅か。チェン・ウェイン投手も勝ちきれないし、ほとんど新人の山内壮馬投手に期待するのも酷だろうし……額面通り仕事をしているのが吉見一起投手だけじゃぁ、Aクラス維持も難しいよなぁ。

去年までは4~5月に最下位になっても「ま、夏から秋の本番に向けて戦力を見極めているところだから」と意に介してなかったけど、今年に限っては開幕戦から動きが早いからなぁ。しばらく見られなかった「04年型采配」をしてるってことは、それだけ戦力不足を感じているってことなのかも。早く動くことが、戦力の見極めでなくて勝ちにいってるのだとすれば、現状の5割が精一杯という状況は悲観的だよなぁ。“絶対に外せない4番打者”という拘束具を外した阪神も強いし、横浜も怖いし。

いい材料を見つけるなら、

・新人2人が数少ないチャンスを必死に掴みにいって結果を出していること
・戦力として期待していなかった山内投手が、2戦続けて計算できる働きをしたこと
・クリンアップが額面通りの仕事をしていること
・気付いたら荒木雅博選手の打率が例年通りになってきたこと
・中継ぎ、セットアッパー、抑えが良い結果を出していること

かなぁ。結局、先発投手の問題であり、突き詰めると中田賢一投手が出てこないことなんだよなぁ(川井雄太投手は去年一年だけだから、過度の期待は禁物でしょう)。悩める次代のエース候補……って、もうすぐ28歳でしょう? そろそろ“候補”を外してくれよ。

追記:近所のダイエーでやっていた「昭和の日セール」にて、明治デラックスチョコレートを購入。甘さ一辺倒で攻めるフレーバーが懐かしすぎ。甘いけど甘ったるくないところがイイ。一枚250kcal(茶チョコは320kcal)なのに食べきった後の満足感がパネぇっす。