2013年11月25日月曜日

兵頭二十八師よりblog終了の正式なご挨拶

2013年7月付で『MIL短blog』に掲載する予定だったのが、どうしてもアップロードできず、そのまま放置していたとか。というわけで、以下、軍師からいただいたテキストファイルをそのまま転載します。

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兵頭二十八からのご挨拶 2013年7月

 読者の皆様と管理人様、愈愈ご清栄のこととお慶び申し上げます。
 ところで小生、さいきんトシのせいか、2009年にJSSEOを立ち上げたときのような元気がなくなってきました。心身ともに老人になったようです。(ウソだと思う人は宇都宮講演の動画でも見てください。わたしは自分の動画は心臓に悪いので見ませんが。)
 思い起こせばこのHPは、2010年に小生が退任したJSSEOで小生がやるべきだとはじめより考えていながら遂に果たせずじまいだったネットラジオ放送を実現できる場として今の管理人様にお願いしてわざわざ立ち上げていただいたのでありましたが、ラジオ講演のための草稿を書いていますと、本業の書籍の執筆が進まなくなって家族を養えぬという現実にぶつかり、立ち上げと同時に困り果てたような次第でした。すべては、現実的なビジネスモデルを計算する頭脳の無いこの兵頭の不始末・不徳でございます。
 せめて人々の役に立つ情報を世の中に付加しようと、英文ニュースの抄訳やコメントをテキストとしてこれまで製造して参りましたが、ご承知のような出版不況で、この無償奉仕活動も、いささか整理しませんことには活計が成り立ちそうにない瀬戸際です。
 また、HPを維持するためには毎年何万円もかかるものだと聞いております(この前ネット検索して承知をして驚きました。数千円で済むのだろうと思ってました)。この負担を管理人様にずっと続けてもらうというのは何とも心苦しいことです。
 わたしは、わたしとかかわる人には全員に幸せになってもらいたい。苦労をして無理な犠牲を払ってもらいたくない。実生活を険悪にしてほしくない。できるだけ気楽にやってもらいたい。あるいは面白がってやってもらいたい。楽でなくなったらそれは止めてもらいたい。――と、思っています。
「史実を世界に発信する会」(2012年7月に兵頭は顧問等一切の肩書を拝辞し、以来、小生はただの外野の声援者です)のように、言いだしっぺのわたしが運営会議に一度も顔も出さず、放っておいてもひとりでに運行して行くような活動こそ、意義深い上に愉快であると思っています。
 趣味もしくは一種の楽しみでわたくしにHPの書き込みの場をご提供くださる方々や、「篤志つうじ倶楽部」のように文字通りの篤志活動でご協賛くださる方々に、あらためてこのことはお願いし直したいと思います。この大不況下です。失業中の方も居られるだろう。家業の見通しが暗い方も居られるだろう。資産にも所得にも余裕のない方も多いだろう。忙しい人も多いだろう。だから、あくまで、楽に続けられる範囲でやって欲しい。無理をする継続は早死にへの道です。歳をとれば皆様にもこれはしぜんにお分かりになるでしょう。
 わたくしのもともとの能力不足でアフィリエイトを稼げないことに加え、わたくしの加齢に伴うここ数日間の体調不良で、わたくしは、JSSEOの継続のステージとして個人的に位置づけてきたこの「ポッドキャスト_28」を、最終的に店仕舞いしていただくよう、管理人様にお願い申し上げねばならないと決意するに至りました。3年前にわたくしの無謀な希望にただひとり協賛してくださり、これまで筆紙に尽くせぬ御苦労を一方的にご負担いただきました管理人様には、重ねまして、深甚の御礼を申し上げたい。ありがとうございました!

2013年11月3日日曜日

DeNAのノリさんに対するやり方は居直り強盗レベル

DeNAはノリさんに対して年俸アップを提示しました。球団が選手に年俸アップを提示するというのはどういう意味か? 球団にどんな思惑があるにせよ、形式上は次のような意味を持ちます。

すなわち「ノリさん君。君の契約期間内での活躍と翌年度の期待値を加味して、我々はこれだけの年俸アップを提示します。翌年度も引き続き我が球団の戦力として活躍してください」です。どこをどう解釈しても「お前はいらない」「君はクビ」という意味はあり得ません。

たとえ球団が、「ノリもおっさんだし来年は今年以上の成績は望めまい。といっても若手が伸び悩んでいるから“保険”として置いておくには格好の選手だ。ただ、バカみたいに年俸アップはできないし、ゴネるならクビだ。どーせクビにしたってノリみたいなトラブルメーカーはどこの球団もとらないだろう。となれば“はした金”で契約できるんじゃね?」と思っていたとしても、年俸アップを提示した以上、「ゴネるならクビ」とは形式上絶っっ対に言えないんですよ。クビにするなら黙って戦力外通告をするか、25%以上の年俸ダウンを提示すりゃいいんですよ。

もちろん年俸提示は下交渉のことであって、本交渉ではありませんよ。球団としては「どんな経緯があったにせよ、第二次通告までにどこの誰を戦力外にするか否かは球団が勝手に決めることであって、文句を言われる筋合いはない」ってことでしょう。実際、ルール違反じゃないですからね。

でも下交渉であったとしても、実際に契約する段になれば現状維持以上の年俸を提示するのは間違いないわけでしょ? 2013年の成績でダウン提示というのはありえないし、仮にそういうふざけた提示をするのであれば、ノリさんは年俸調停を申請して、十中八九ノリさんの希望が容れられる――少なくとも現状維持以上になる――ことでしょう。

こんな具合に現状維持以上の年俸を提示する。もっといえば選手の同意なしに減額できるダウン幅(=ノリさんの場合は年俸1億円以下なので25%以上のダウン)よりも高い年俸を提示する考えがある以上、名実ともに「DeNAはノリさんを戦力外とは見なしていない」って見られるということです。

で、ノリさん戦力外と見なしていないのであれば、たとえ年俸のアップ幅について交渉する余地がゼロだとしても、来年1/9までの保留期間まで年俸交渉を続け、物別れに終わったら年俸調停にかけて白黒つける――というのが、これまでに積み上げられてきた球団と選手間の交渉の慣習でしょう?

DeNAとノリさんとの年俸交渉の行方について、70年以上に渡って積み上げられてきた球界の慣習に照らし合わて見ると、以下のようになるはずです。

①:下交渉で決裂。ただし、DeNAはノリさんに対して現状維持以上の評価をしている。すなわち戦力外とは見なしていないので、本交渉で年俸を提示する。

②:DeNAとノリさん、年俸アップ幅について交渉を重ねる。

③:越年交渉の結果、決裂する。

④:ノリさんは年俸調停を申請する。

⑤:調停はノリさんに不利な結果となった。

⑥:ノリさんは調停を結果を受け入れず任意引退扱い。メジャーリーグはもちろんのこと独立リーグにもいけず、ひっそりバットを置く。

以上は最もこじれた場合にどうなるかをシミュレートしたものですが、いずれにせよ②~⑤の段階で妥結すればDeNAで現役を続けることになり、最後まで妥結しなければ選手にとっても最も怖い任意引退の道が待っているということ。

こういう風に、球団にとっては「戦力外通告をしない選手に対しては、誠実に交渉を続けなければならず、好き勝手にクビは切れない」というリスクがあり、選手にとっては「戦力外通告されていないにも関わらず、コネにゴネまくれば強制的に引退させられる」というリスクがあるわけです。こういうことで球団と選手間のパワーバランスをとっているわけですよ。

もちろん下交渉段階で、「このアップ幅が飲めないならクビな!」なんて乱暴な交渉をしてはいけない――なんてことは、野球協約や統一契約書や選手会との取り決めで明文化されているわけではないですよ。

でもねぇ、球団の地位を濫用して、「(中村らの交渉は)あくまでも特例。みんながみんな、そうはならない」(高田GM)なんてことをほざくのであれば、これはもう居直り強盗みたいなものであって、そんな強盗まがいの交渉を許すなら、選手側の権利をより露骨に拡大――極端なハナシ、選手にタンパリングを認めてもいいくらい――しなきゃ、球団と選手とのパワーバランスがとれないでしょ。だいたいGM自ら「特例」なんて言ってるんだから、これはもう語るに落ちるってやつでね。てか、こういう交渉はダメってことを明文化しなきゃダメじゃね? もっといえば選手会はもっと迅速に対応すべきことだと思うね。

翻って、昨日から話題になっている井端弘和選手への仮借なきダウン提示について。これは明らかに「君を戦力とは見なしていない。納得できなければ自由契約にするからどこにいっても結構。もちろん調停にかけてもかまわんよ」というだけのハナシであって、どうのこうのという感想はない。ただまぁ、「今の時代、功労者だからといって5000~6000万円も貰える時代じゃないのだなぁ」という感慨は抱いたけどね。

ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。

追記:怒りに任せて書いたのでわかりにくいところが多々有り、ちょっとリライトしました。

<参考>
●NPBと選手会とのあいだで決められた戦力外通告期間のルール
・第一次通告は10/1からレギュラーシーズン翌日まで。
・第二次通告はクライマックスシリーズ終了翌日から日本シリーズ終了翌日まで。
・12月までにトライアウトが行われ、12/2にコミッショナーが保留選手名簿を公示する。ここから漏れた選手は自由契約となる。

●統一契約書
・球団は2/1から11/30まで契約により選手を拘束できる(第3条:参稼報酬)
・契約期間及び保留期間中はトレードできる(第21条:契約の譲渡)
・球団は翌々年1/9まで契約更新する権利を保留できる(第31条:契約の更新)
・球団は年俸1億円以上の場合は40%、1億円以下の場合は25%まで選手の同意なしに翌年度の年俸を減額できる(第31条:契約の更新)
・上記減額幅を超えた契約更新を選手が拒否した場合、球団は契約更新する権利を喪失する(第31条:契約の更新)

2013年11月1日金曜日

いまの人にとって「ドン」ってのは誰になるんだろうか?

川上哲治死去。あれだけの偉人なのに、スポーツ紙が一日騒いでおしまいってくらいに過去の人になっていたのだね。19歳での首位打者とか、試合数の少ない1シーズン時代を過ごしながら、かつ選手としてのピーク時に戦地に行きながらも2000本安打を打ったりした超一流の選手にして、監督としてはV9を果たした屈指の名将という、NPB史上“最強”の野球人――史上“最大”の野球人は言うまでもなく長嶋茂雄。手前は、NPBの「生みの親」は大下弘で、「育ての親」は長嶋茂雄だと思っています――なのにねぇ。

とはいえ人格的には最低なので、これはこれで仕方のない事なのかもしれない。丹波哲郎のハナシとか湯口事件とか、色々と悪いハナシはあるけど、こうした類のハナシについては「まぁ、そんなこともあるでしょ」としか思わない。記者の名刺を受け取らないことだって、野村克也が散々やっていることだし。

ただねぇ、息子が書いた本で関係各所をディスりまくっていたことだけはねぇ、実にどうも卑怯千万なんじゃないかと。いえね、自分の名前でディスるならいいんですよ。それこそ小正力に対しては、悪口の一つくらい言ってもバチは当たらないわけだし。でもねぇ、息子の本(=『父の背番号は16だった』)で、「息子が忖度した心情」という形にして、あらかじめテメェへの反論の余地を封じたうえで、水原や小正力や長嶋を散々腐すのはのはねぇ……。他の著書で悪口を一切書かないで聖人君子ぶっているからこそ、手前はこういう態度は卑怯極まりない! と思ってしまうのですよ。

それにしても長嶋にしても王にしても、かなり深刻な病気をこじらせたにも関わらず元気なのは、やっぱり青年~中年期に半端無く鍛えていたからなのかね。故人も先月楽天優勝にコメントだしていたくらい元気だったわけだし。やっぱり超一流の野球人は寿命も長いのだね。合掌。

ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。



追記:DeNAがノリさんにまたヒドい仕打ちをしている件について。企業間の交渉としても、あそこまでアコギなことはしないだろう。ひょっとしてITビジネスの世界では、ああいうやり方が普通なのか? よしんばそうだとしても、ベテランをああいう風に扱うことがバレたら、有望なFA選手は誰も見向きしないだろうね。だって3~5年後にあんな風にぞんざいに扱われることがわかっているのであれば、「もうちょっと大事にしてくれるとこに行きたい」って思うのが当然だもの。少なくとも日ハムの鶴岡選手や西武の涌井投手みたいなビッグネームの争奪戦に勝つことはできないでしょ。つまるところ優勝できる補強が限りなく難しくなるってわけだけど、本当にそれでいいのかね?