2014年6月25日水曜日

あえて書くけど、大口叩いていた奴らはどの面下げて帰ってくるんだ?

TVがないので観戦できたのは1試合目の前半だけだったけど、スコアやスタッツ、試合評などを見るに、どうも本来の戦い方ができていなかったorさせてもらえなかったことは確かなようで、その結果、グループリーグ敗退となったのは順当な結果ということかもね。強豪国のイタリアでさえ敗退するような大会において、120%どころか100%の実力すら発揮できなかった日本代表が勝てなかったのもむべなるかな。

で、1998年以来、曲がりなりにもW杯における日本代表を見続けてきた一素人が、今回大会の戦いぶりを見終わって思うことは、「発展途上の日本代表とて永遠に成長し続けるわけではない」「日本らしいサッカー=パスサッカーでは勝てない」ということ。

いまさらこんなことを告白するのは恥ずかしいんだけど、手前は今大会の日本代表の実力について、他のマスコミと同じように歴代最強と思っていました。実際――

・欧州トップリーグの主力が中心メンバーにいて、その他のメンバーも欧州リーグでレギュラーを張っていて、Jリーガーが数えるほどしかいないという陣容

・コンフェデ杯においてイタリアに4-3と善戦、親善試合でベルギーを破りオランダと引き分け、直近の親善試合で全勝という充実した結果

――から見れば、どこをどう見たって歴代最強というしかない。メンバーの過半数がJリーガーだったジーコジャパンや、親善試合で欧州中堅国にチンチンにされていたトルシエジャパンに比べれば明らかに強いチームでしょ? というのが手前の考えであり、恐らく日本国民の大多数もこのように考えていたはず。

で、歴代最強の日本代表が本来の実力を発揮できれば、グループリーグ突破も夢ではない。実際、南アフリカ大会で快挙を達成した岡田ジャパンよりも、個々の力が高く、かつ洗練されているチームなんだから。グループリーグ突破しなきゃウソ! というマスコミの報じ方についても、「今回ばかりは商売用のアオリではなく、中身の伴った応援っていえるんじゃないか」と思っていたものです。

が、蓋を開けてみれば1分2敗。試合内容も2点取られたら3点取るという“殴り合いジャパン”スタイルは影を潜め、3試合で2ゴールという有り様。精神面か身体面か技術面か、どういう理由かはわからないけど、ハッキリしていることは、W杯において本来の実力を発揮できず、決勝トーナメントに進めなかったという事実ですよ。

というわけで、何も出来なかった98年大会は置いておいて、自国開催の利があったとはいえ、グループリーグを突破したトルシエジャパン、完全アウェーでグループリーグを突破した岡田ジャパンと、歴代最強と謳われながら無様な戦いぶりで負けたジーコジャパン、ザックジャパンを見るに、「ジーコやザッケローニが志向したパスサッカー、コンパクトなサッカーでは結果を出せなかった。結局、戦術で選手を縛り、ガチガチに守って一発マグレを期待するのが日本の身の丈にあったサッカーなんじゃないか」と思わざるをえない。

ジーコジャパンが失敗した時点では、「所詮ジーコは監督として素人だった」「ポゼッションサッカーをするにはメンバーの実力が足りなかった」という言い訳ができた。でも、ザックジャパンは、「欧州トップリーグで結果を残した監督が、世界レベルの選手たちを指導したチーム」だからね。それでこの結果ということは、結局、日本代表は“パスでつないでパンパンパーン”(金子達仁©。それにしても頭の悪い表現だなぁ)みたいなサッカーで世界を勝ち抜くには実力が足りないってことなんでしょう。

ってことを書くと、「いや、日本代表はまだまだ発展途上。もっと強くなるはずだし、“日本らしいサッカー”を追求する姿勢は間違っていない」なんて反論が来そうだけど、これ以上日本代表が強くなるには、日本のスポーツエリートを根こそぎ持っていく野球から、より多くの才能を引っ張ってくるしかないと思うのですよ。実際、本田選手や香川選手、長友選手のような<世界レベルの選手>では勝てなかったわけでしょ? これ以上強くなるためには、エトーとかファンペルシー、イブラヒモビッチみたいな<世界屈指の選手>が必要だと思うのですよ。実際、こういった<世界屈指の選手>と比べて、日本代表の選手は貧弱な体躯とスタミナしか持ち合わせていないわけだから。これはもう技術以前の問題。

言葉を換えれば、田中将大投手やダルビッシュ有投手みたいな才能が幼少時からサッカーをやっていれば、多分、<世界屈指の選手>になっていたであろうことは容易に予想がつくし、このような感じで国内のスポーツエリートが根こそぎサッカーをやっていれば、今頃は人口で同じくらいのドイツ程度の強豪国にはなっていたはず。でもまぁ、これは夢物語――このような想像が現実のモノとなるためには、まずは甲子園のNHK中継が廃止される一方、高校サッカーが全試合NHK中継されることが大前提――だからね。

となると、日本代表選手の体力、体格がDeNAの2軍選手にすら遥かに劣る状況はしばらく続くわけで、ようするに本田選手や香川選手のような<世界レベルの選手>クラス以上の選手が出てくる可能性は低そうだということ(もちろん突然変異でマラドーナクラスの選手が出てくるかも知れないけど)。となれば日本代表の個々の選手のレベルがこれ以上高くなる可能性は限りなく低いと見積もれるわけで、つまるところ右肩上がりに強くなってきた日本代表の成長曲線が踊り場に差し掛かりつつあるってこと。

ということを前提として考えるなら、歴代最強チームで玉砕してしまったパスサッカー、ポゼッションサッカーを追求――個々の選手の実力に依存するスタイルを追求――するのは無駄な努力といえるわけで、今大会を契機に「日本らしいサッカー=超守備的カウンターサッカー」と、そのドクトリンを転換してもいいんじゃないだろうかね? 実際、W杯のプレッシャーに負けるようなハートの弱い選手を率いるには、余計なことを一切考えさせず、システマチックにサッカーさせた方がいいとも思うのだけどね。


ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。