2010年4月30日金曜日

立浪和義、「負けん気」:その4

手前が考える星野のやり方(以下、星野スタイル)とは、以下のようなものだ。

・扱いづらい中堅、ベテランのポジションに若手を抜擢する。
・抜擢された若手は忠実な子飼いになり、押しのけられた中堅、ベテランは不満分子となる。
・自チームの不満分子は、他チームの不満分子とのトレードで放逐する。
・トレードで来た他チームの不満分子を積極的に起用して、忠実な子飼いにする。
・これを繰り返して子飼いを集め、統制しやすいチームを作る。

彦野利勝の抜擢に伴う平野謙の放逐(小野和幸とトレード)、中村武志の抜擢に伴う中尾孝義の放逐(西本聖のトレード)などは、星野スタイルの典型だろう。現在では原辰徳監督が、星野スタイルの正統的な後継者のように見える。

一方、立浪からレギュラーを剥奪した落合は、星野スタイルとは対照的なやり方だ(以下、落合スタイル)。

・全てのポジションで競争させる。レギュラー保証は3年以上規定打席に立ち続けた選手のみ。
・レギュラーは、結果が出なくても一年間使い続ける。それで結果が出なければ、翌春キャンプから競争させる。
・競争結果に将来性は勘案されない。現時点で一歩でも上の選手が起用される。
・トレードはあまり使わない。
・「子飼いはいないが、不満分子も出てきにくい」統制しやすいチームを作る。

05年に立浪、07年に山本昌を使い続けて優勝できなかったように、ベテランに配慮し過ぎて勝ちきれないことがあり、他チームよりも若手の台頭が目立たないのが、落合スタイルの特徴だ。

単純に「勝つチームを作る」のであれば、落合スタイルがベターだろう。11年で2回しか優勝できず、3回Bクラス落ちした星野と、6年間で優勝2回、日本一1回、Bクラス落ちゼロの落合とでは、比べるまでもない。しかし、「ファンに支持されるか否か」や「マスコミが取り上げやすいか否か」で見ると、――四半世紀来の落合ファンとしては認めたくないことだが――星野スタイルがベターだ。

星野がなぜファンやマスコミに受けるのか?

端的に言えば、ファンにとってもマスコミにとっても「わかりやすい“ストーリー”」を提供できるからではないか(“オムライス記者”も理由の一つかも知れないが、それだけではないだろう)。

「スター候補がレギュラーに!」(=中堅、ベテランを追いやり若手抜擢)
「大型トレードで新戦力加入!」(=不満分子を放逐し、新たな子飼い候補を抜擢)
「ヒーローインタビューで『監督のために』という浪花節炸裂!」(=抜擢された選手が「意気に感じて」監督を支持)

こうしたファンの琴線に触れ、マスコミが取り上げやすいネタは、落合スタイルでは絶対に望めないものだ。「勝ち」「負け」「技術ごと」だけで紙面を埋められない力不足のマスコミと、泣けて笑える“ストーリー”を求める世間一般の人々にとって、星野の提供する“ストーリー”は使いやすいものだ。つまり、紙面を埋めるに便利であり、感情を動かすのに便利であり、表面的な理解でも話題にするのに便利であるということ。

そんな星野スタイルの後継者として、早ければ再来年にも中日の監督に就任するであろう立浪は、落合が残したチームをどのように率いていくのか? 荒木雅博選手、森野将彦選手あたりがトレードで出され、まだ見ぬ新人がレギュラーの位置を確保し、シーズンごとに成績が乱高下する“立浪軍団”――のようになっているのかも知れない。

2010年4月29日木曜日

立浪和義、「負けん気」:その3

星野監督に引き立てられ、新人の頃からショートのレギュラーに据えられ、以来18年に渡ってレギュラーを守り続けた立浪。彼の野球の原点は新人時代にあり、その理想は星野野球にあるようだ。

「プロ野球の監督、コーチは、好き嫌いに流されて選手を贔屓してはいけないが、『この選手にかけてやりたい』、『この選手ならきっとやってくれる』、そういう感情というか、直感で選手を起用したり、思いを注ぐことは勝利の鍵にもなるはずだ」
「野球は確率のスポーツであると同時に、確率的には少ない選択が勝利をもたらす場合もしばしばある。監督が、どの選手に運命を託し、戦う選択をするか。その心がファンの方々にも通じ、必死の思いで勝負に挑めるチームだったら、勝っても負けても、誇りを持って前に進んで行けるだろう」(237頁)

いまの中日でたとえれば、森野将彦選手をライトにコンバートして、堂上直倫選手をサードで使い続けるような感じになるのだろうか? こうした若手の抜擢はファンの受けこそ良いものの、若手に追い出される中堅、ベテランにとってはたまったものではない。

山本昌投手は、自伝『133キロ怪速球』でこのように語っている。

「『落合博満監督』としては、今も感謝している言葉がある」
「『年齢はグラウンドに立てば関係ない。ひとつでも多くのアウトをとれるやつを、オレは使う。力のあるやつが、このグラウンドに立つことができるんだ』」
「若い者にチャンスを与えたい、世代交代…。確かにそういう部分も必要なのだろうが、それはベテランには『死』と同義語だ。だけど、力で劣っていると思えたら、この世界はあきらめがつく。その違いが、僕たちの救いとなる」(147頁)

競争の結果、レギュラーの地位が奪われるのであれば納得するが、最初から競争もなく奪われるのは理不尽ということだ。

では、若手の抜擢によりレギュラーの地位を剥奪された中堅、ベテランはどうなるのか? 有無を言わせずトレードにより放逐する――これが星野監督のやり方だった。
(つづく)

2010年4月28日水曜日

私家版・兵頭二十八の読み方:その5

私家版・兵頭二十八の読み方:その1
私家版・兵頭二十八の読み方:その2
私家版・兵頭二十八の読み方:その3
私家版・兵頭二十八の読み方:その4

**「私家版・兵頭二十八の読み方」のエントリでは、日本で唯一の軍学者である兵頭二十八師の著作を、独断と偏見を持って紹介します**

『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』(光人社NF文庫。以下『X島』)をようやく購入しました。NF文庫の棚で、「海岸で日本兵が竹槍@サンパチ式を持って睨んでる表紙っと!」と探していたら……ない、ない、どこにもない! って表紙がアノ凄い写真じゃなかったですね。



いやしかし、この本に限っては文庫版が超便利ですよ。何しろ四谷ラウンド版は「厚い、重い、表紙が凄い」でしょう。部屋で読むならいざ知らず、電車内や喫茶店で読むには少々不便でしたからね。じっくり読むタイプの本なので、四谷ラウンド版を持っていても購入する意味は大アリです。あとがきも“DVDの音声解説”的なおまけで読み応え十分。

というわけで、以下の写真(四谷ラウンド版のカバーと著者近影)の意味を知りたい人は、『X島』の文庫を買おう!

立浪和義、「負けん気」:その2

立浪がレギュラーを喪うきっかけとなった、「三塁へのベースカバーが遅れ、三盗を許してしまったシーン」の回想は、以下のようなものだ。

「私は、引っ張ってくる強打者を迎えて、やや深めにポジションを移した。二塁ランナーの東出輝裕がスタートを切った。新井が強振した。空振り、三振。盗塁を察知して私は、新井の空振りを確認してすぐに前進し、ベースに入った。キャッチャー・谷繁の送球はやや低く、勢いよく前進した私はつんのめって捕る形になった」
「その体勢を見たためか、東出は二塁から三塁への盗塁だというのに、滑らずに立ったままベースに走り込んできた。捕球してすぐタッチに行ったが、通常とは違うそんな様相の中、空タッチになってしまった。それでツーアウト二塁、三塁。次のバッターにヒットを浴びて、同点に追いつかれた」
「私の動きが緩慢で、それで失点を許したような冷たい視線をどこからともなく感じた。打席に立ち、ファーストゴロに終わると、何も言われず代えられた」
「(えっ?) 私はギクシャクしたものを感じた。私自身はあのタッチプレーを、今でもミスとは思っていない。流れの中で起こったことだと考えている。だが、ベンチからは明らかにミスと映ったようだ。内心、釈然としなかった」
「だがまさか、それがレギュラーとして出場する現役生活最後の試合になるとは、まだ夢にも思わなかった」(173~174頁)

この話をどのように読むか。手前は、「プロは結果が全て。どう弁解しようが、ベースカバーが遅れてやすやすと三盗を許したのは、立浪の責任じゃないか?」と考えている。一方、落合博満監督はこのように回顧している。

「立浪が3割を打っていれば、代えづらかった。状態が上がってこなかったし、7月1日の広島戦で二塁走者が三盗をした際、立浪がサードベースに入りきれなかった時には考えさせられた部分もあった(翌2日から立浪はスタメン落ちしている)。前日(6月30日)に立浪は5打数5安打を放っている。でも、ウチは守りで失点を防いできた。まして両サイド(一塁・ウッズ、三塁・立浪)に爆弾を抱えてるワケだから…。それを見過ごして、そのままにしておくのは監督としての怠慢になる」(中京スポーツ:06年10月17日。落合監督の言葉を全て記録している素ン晴らしいサイト『落合語録』より引用)

ここで落合からスタメン落ちについてのフォローがあれば――星野のように怒鳴りつけるような形でもいいから、何らかの説明があれば――、立浪も少しは救われたのかもしれないが、あいにく落合は一人一人の選手をプロとして扱う(=結果だけを見て判断する)ので、スタメン落ちのフォローは一切しなかった。

レギュラーを剥奪された頃のことを、立浪は、「私は傷ついた。宣告もされずに代打専門にかわることなど、受け入れる気持ちにはれなかった」(176頁)と吐露している。
(つづく)

2010年4月27日火曜日

立浪和義、「負けん気」:その1

昨年、惜しまれながら引退した立浪和義の自伝『負けん気』をようやく読んだ。技術的な話も名勝負のエピソードもない「典型的な野球選手の自伝」で、読み物として面白いものではなかった。ただ、長い現役生活を一つの球団で全うした“天皇”の心境が垣間見えた点と、理想の監督像を語っているところは興味深く、いろいろと考えさせられた。

第七章:転機<レギュラー争い>の一節に――

「2006年、首脳陣から、はっきりと森野将彦とのレギュラー争いを宣告されてキャンプが始まった」(163頁)
「若い頃からレギュラーで試合に出してもらっていたので、チームメイトをライバルと認識したことは一度もなかった。抜かれる選手はいないと思ってやってきた。競争を宣告されたその年も、誰かを意識することはなかった。~~中略~~競争して後輩に負けるとはまだ全然思っていなかった」(164頁)

――とある。

「チームメイトをライバルと認識したことは一度もなかった」という言葉。新人の頃、不動のレギュラーだった宇野勝をセカンドにコンバートさせてまで、ショートとして使いたがった星野仙一監督の厚遇を受け、20年近くに亘って「レギュラーを失う恐怖」を一度も味わったことのなかった“天皇”ならではのものだろう。

入団時からエースを約束されていた江川卓でさえ、西本聖をライバル視していたように、どんな大物選手であってもレギュラーの座は保障されるものではないし、チーム内のライバルの存在を脅威に感じているものだ。にも関わらず、敢えてこのようなことを書いたことについては、レギュラーを守り続けてきた男の<プライド>とも取れるし、新人の頃からスターとして扱われてきた男の<思い上がり>とも取れる。

ただ一ついえることは、チーム内でアンタッチャブルな存在であり続けなければ、こうした境地には辿りつけないのだろうということだ。

そんな立浪がレギュラーの座を失ったのは、06年7月1日のこと。この日、スタメンサードで出場した立浪は、相手チーム(広島)に三盗を許してしまう。この日の試合は手前もTVで見ていたが、「おいおい立浪何やってんの? あ~あ、谷繁スゲー目で睨んでるし……」と、その粗雑なプレーに呆れていた。

この日のことを立浪は、実に詳しく述懐している。
(つづく)

2010年4月26日月曜日

グランプリモード通信(第三回)

グランプリモード通信(第一回)
グランプリモード通信(第二回)

PS2の野球ゲーム『プロ野球スピリッツ2010』を購入して3週間。ようやく理想のメンバーが揃ってきたチームを、ここで晒すことにします。

スタメン:
8:村田和哉(日本ハム)
4:田中賢介(日本ハム)
3:小笠原道大(巨人)
DH:ブランコ(中日)
7:スレッジ(横浜)
5:中村紀洋(楽天)
9:糸井嘉男(日本ハム)
6:石井琢朗(広島)
2:大野奨太(日本ハム)

ベンチ:
・鶴岡慎也(日本ハム)
・松田宣浩(ソフトバンク)
・飯山裕志(日本ハム)
・荒木貴裕(ヤクルト)
・紺田敏正(日本ハム)
・中田翔(日本ハム)
・長野久義(巨人)

先発:
・ダルビッシュ有(日本ハム)
・田中将大(楽天)
・吉川光夫(日本ハム)
・中村勝(日本ハム)

リリーフ:
・押本健彦(ヤクルト)
・金森敬之(日本ハム)
・武隈祥太(西武)
・宮西尚生(日本ハム)
・林昌勇(ヤクルト)
・岩瀬仁紀(中日)
・武田久(日本ハム)
・MICHAEL(巨人)

ここまでの簡単な経緯:
・スタートから2日でルーキーグランプリまではクリアしていたものの、その後はメンバーを揃えるため「ビギナーズカップでチームプレイ→1回コールド連発」を継続。
・小笠原以外、だいたい欲しい選手が揃ったので、満を持してクライムグランプリに挑戦。軽く優勝。ここまではチームプレイでも十分に勝負できた。
・続くユニバーサルグランプリで、チームプレイの限界に到達。難易度が「強い」以上になると途端に打てなくなるヘボなので、ここからは監督プレイに変更。
・が、監督プレイだと中々勝てない。3度目の挑戦でようやく優勝。これはちょっと嬉しかった。
・この後に引いたお得パックで小笠原をゲット! 以降は積極的にメンバー入れ替えはしないことを決める。
・と思ったものの……なんだよセリーグカップ、パリーグカップって。聞いてないよ!
・ここで慌ててセリーグ、パリーグのメンバーを収集。SCもすぐなくなったので、またもやビギナーズカップで俺tueeeごっこ。いい加減飽きてきたぞ。

というわけで先ほどようやくセリーグカップとパリーグカップを制覇。“弱い助っ人ども”は全員売り払ってやりました。しかし、エキスパートグランプリは辛いなぁ。相手チームが強い上に、4試合だからなぁ。準決勝=マー君、決勝=ダルは確定としても、初戦、二戦目のピッチャーがなぁ。吉川はそこそこやるけど中村はまだまだ。早めの継投となると中継ぎがパンクしちゃうし。チームプレイで相手をボコれるくらいのウデがあればいいんだけど、ファミコンのスーパーマリオすらクリアできなかった手前には無理な相談だ。まぁ、中村のレベルを上げながらボチボチやるとするか……。

2010年4月25日日曜日

*読書メモ:怪しい科学の見抜きかた

「もっともよく癒されるものは、もっともよく信じるものである」。クラウディウス・ガレヌスの言葉。

1950年に行なわれたある実験では、吐き気を訴える妊婦に、医師が「それを抑えるための薬」といって嘔吐を誘発する薬を投与した。しかし、それでも嘔吐を抑制する結果を出した。倫理的な問題と方法論に疑問があるため、現在では再現できない実験だが。

プラセボ効果のかなりの部分は、単純に時間につれて症状が治まることと関係している。

痛みを訴える患者は、その痛みが最悪のときに診察を受けることが多い。そのときに間髪入れず治療をすれば、その治療がどんなもの(手かざしでも祈りでも)でも効果が出る可能性が高い。最悪だった痛みが時間につれて治まるためだ。

こうした「平均への回帰」は、あらゆる局面で起きる。多くの症状では、どこかの平均値はさんで状態が好悪するものだ。

扁桃腺切除、ヒステリー治療のための子宮摘出、動脈血栓を除去するレーザー外科処置、いずれもプラセボ手術と効果は変わりない。

精神病治療ではプラセボが絶大な効果を発揮する。向精神薬はプラセボ薬よりも効果があるが、それでも精々1.2~1.5倍程度だ。となれば、2ドル47セントの実薬と、0.11セントのプラセボ薬との費用対効果は、どのように合理化できるのだろうか?

能動的プラセボ(アクティブ・プラセボ)とは、実薬の副作用を模倣したプラセボのこと。治験の盲検状態を確実にするための工夫だ。

製薬企業にとって、重大な副作用は避けねばならない。しかし、穏やかな副作用はその限りではない。簡単に見極められるが深刻ではない副作用は、非常に大きな経済的価値がある。治験を非盲検的なものにする大きな要因となり、その薬が実際以上に効果的であるように見せかけることができるからだ。

治験において参加者に容易に識別させる副作用として望ましいのは「口腔乾燥症(ドライマウス)」だろう。

2010年4月24日土曜日

ベテランの扱いは本当に難しい

2005年は成績の上がらない立浪和義を我慢して使い、優勝できなかった。
2007年は成績の上がらない山本昌投手を我慢して使い、優勝できなかった。

05年に立浪を使い続けていたときは、「落合なにやってんだ! さっさと外せよ!」って思ったけど、翌春のキャンプから「サードは森野と競争」って言葉を聞いて納得した。だから、07年に辛抱強くマサを使い続けたときには、「なるほど、結果が出なくても使い続けて、ベテランに腹の底から“自分は通用しない”って納得させているのね」と理解した。

昨日はチェン・ウェイン投手で谷繁元信選手を使った。相性の良い小山桂二選手を使わずに、敢えて谷繁選手を使ったってことは、「2010年は谷繁選手を我慢して使う年」ってことだね! じゃぁ、優勝できないのもしょうがない……って納得できるかぁ! 

この感じだと2011年は新たな正捕手を据えるって流れだけどね。まぁ、正捕手の挿げ替えは本当に難しいからなぁ。岡田彰布監督は紛うことなき名将だけど、新監督だからできるんであってね。まして谷繁選手の実績は日高剛選手とは比較にならないし。

2010年4月23日金曜日

野球人気オワタ\(^o^)/

堀内前巨人監督 自民“救援”登板「剛速球勝負」

一昨日、耳にしたときには「ないないありえない(笑)」と思ってたけど、昨日、真実であると知り愕然。直後、絶望とも諦観ともいうような沈んだ気持ちになりましたよ。「ああ、これで手前が大好きだった野球中継は、二度とゴールデンタイムの花形番組に返り咲くことはないんだなぁ……」って。

いや、いくら野球好きでも狂信者じゃないんだから、ここのところ視聴率が激落ちしていることは知っているし、野球人気の低迷がヤバいレベルに達しているっていう事実も知っている。でもねぇ、それでも「もしもイチローが日本球界に復帰したら、一時的とはいえ野球中継も増えるんだろうなぁ」とか「次のWBCでイイトコに行けば、やっぱりみんなTVを見るんだろうなぁ」みたいな甘い夢も見ていたわけですよ。

今回の堀内恒夫の参院選出馬は、そんな甘い夢を綺麗サッパリ吹き飛ばしてくれました。何があろうと野球人気は復活しないどころか、人気凋落の傾向が加速度的に進みつつあるっていうイヤな事実を認識しなければならない――ってことに気付いて、もう何というか立ち直れないくらいに打ちのめされたわけです。

うん。聞きたいことはわかってる。

「堀内が政治家を目指すことと、野球人気の低迷にどんな関係があるの?」

でしょ?

プロ野球OBが政治家を志すことと野球人気の低迷は、確かに表面的には関係のないことだ。でも、ちょっと視点を変えると、骨がらみってくらいに深い関係が見えてくると思うんですよ。

「スポーツでも芸能でも、その世界で“食えなくなった奴”が政治家を目指す」

芸能人でもプロ野球OBでも、選挙に出るのは小物ばかりだ。江本孟紀だって「しょせん100なんぼしか勝ってないピッチャー」(鈴木啓示)だし、長崎慶一だって一応首位打者だけど、みんなの記憶に残っているのは「そういえば田尾安志が延々敬遠されたよね」ってくらいだ。石井浩郎も選挙に出るらしいけど、これも大物じゃない。

彼らについていえば、講演やTV、解説、指導者などの仕事で、自分のプライドと懐を満たせなかったから選挙に出たんでしょう。実際、昭和名球会のメンバーは誰一人として選挙に出たことはないし、それに準ずる大物OBも右に同じだ。本当の大物OBは野球周辺のビジネスで食えているから、敢えて選挙に出るなんてリスクを背負う必要はないのだ(念のためにいいますが、ここでいう“食えている”とは、現役時代に肥大したプライドを満たせるだけの生活水準を維持できているか否かであって、慎ましい生活ができているか否かじゃないです)。

……ったはずが、今回、堀内が出るという。プロ野球70年の歴史で、初めて大物OBが選挙に出るってことだ。それも中途半端な大物じゃない。

・V9巨人のエース
・名球会メンバー
・前巨人監督

のスリーカードを揃えた大物中の大物だ。そんな彼が“食えなくなった奴”になっているとは……。これほどの大物が稼げなくなっているくらい、プロ野球周辺のビジネス――講演料の相場、お呼ばれの回数、企業・団体の顧問料、出演料、原稿料、指導者の口……etc――が不振を極めているってことであり、それだけプロ野球人気が落ちるところまで落ちているってこと。30年来のプロ野球ファンだから、こんなことは絶対に認めたくないし、目を逸らしてきたけど、今回の堀内出馬で認めざるを得なくなったってところです。

思えばプロレスも、馳浩が政治家になった頃から人気凋落の傾向が加速度的に進んだっけ。インディーズ団体が乱立し、ゴールデン放送がパッタリなくなったし。

2010年4月22日木曜日

日本一不毛な作業に挑戦!

【党首討論詳報】(2)「愚かな総理かもしれません」と首相

この人は一体何を言ってるのだろうか? 文字起こしを見てもいまいちわからない。

「確かに、ワシントンポストのいわれるように、私は愚かな総理かもしれません。それを、昨年の12月において、もし、『エイヤ』と、辺野古という場所に新たな普天間の移設先を決めていれば、どんなに楽であったか、はかりしりません。そしてそのことでオバマ大統領との間で、日米関係が一見、良くなったようにみえたかもしれません」

・もともと約束していたことを履行するだけだから、日米関係が良くなる、悪くなるって話じゃないでしょう。良好な関係が維持されるってだけのことだ。

「しかし果たしてそうでしょうか。私はそうは思わなかった。決して、愚かだったから、愚直だったから、あるいはそうかもしれません」

・これはその通り。ちゃぶ台を返したのは愚かな判断だった。

「しかし、結果として辺野古の海、果たして工事が進んだでしょうか」

・??? A:現行案で行く→工事は進んだだろう。過激派が妨害しても、粛々と進められていた可能性が極めて高い。B:現時点で工事が進んでいない→君が約束を破ったからだよ。……で、どっちの話をしてるんだ?

「私は結果としてあと数年間、何も動かなくなる。結果として日米関係が一見よくなったにもかかわらず、結局は日米安保、おかしくなったね。あの結論、間違いだったじゃないか、そのようにいわれたかもしれない」

・?????? これは……。最大限好意的に読むなら、「現行案履行→どういうわけか工事が進まなくなる→約束は守ったから日米関係は損なわれないけど→結局、どういうわけか工事が進まなくなってしまった結果→日米関係は悪化してしまうことになるはず」ってこと? でも、大前提として「現行案で行く→工事は進んだ可能性が高い」わけだから、この話自体成立しないでしょう。

「私はだからこそ、沖縄の県民の負担をできるだけもっと少なくしていかなきゃいけない。今日までの沖縄の皆様方の大変なご負担を考えたときに、少しでもそれを和らげることができた、愚直にそう思ったのは間違いでしょうか。私は決して間違いだとは思っていない」

・ちょっとまて、少なくとも今日時点で沖縄県民の負担は和らいでないぞ。まだ、普天間に基地があるし、移転も決まってないじゃん。

「私はその思いの下で、オバマ大統領に核セキュリティーサミットの時に、むしろ、私は日米安保を大事にしたい、日米同盟というものを大事にしたい、日米同盟というものをさらに維持発展していきたい。そのためにも、沖縄のみなさんの負担をもっと軽減させる道はないか。今、その思いで努力をしているところである。そのことが結果として、日米安保の将来にとってもいいことになるはずだ。だから、5月末までに必ず私として責任を持ちますから、だからぜひオバマ大統領にも協力を願いしたい。そのことを10分間、わざわざオバマ大統領が核セキュリティーサミットワーキングディナー、冒頭の時間を鳩山に与えていただいて、そのことを申し上げたところでございます」

・要するに、「オバマ、ボールはオマエに投げるから。あとはよろしくな!」って言ったってこと? こんなの真に受けるわけないじゃん。ボールはまだアンタの手許にあるんだよ!

全部読み込んでみようと思ったけど、最初のページで挫折OTL。てか、常習的嘘吐きの話から何がしかの真実を拾い集めようという作業自体が虚しいね。5月末には、「今年の5月末と誰がいいましたか?」とか言い出しそうだし。

2010年4月21日水曜日

*TV覚書:4/21鳩山×谷垣党首討論

谷垣:オバマと10分間で何の話をしたの?
鳩山:安保を大事にしたい。沖縄の負担軽減をする道がないか、その思いで努力している。是非、協力願いたいといった。
谷垣:なんで正式会談を申し込まなかったの?
鳩山:外務省が申し込んだと思うよ。でも、オバマが10分でいいと判断した。
谷垣:2014年の危険除去ってのは返還じゃないの? 危険除去の意味は?
鳩山:普天間の危険除去が一番大事。結果として返還になれば一番いい。
谷垣:それだったら現行案より大きく後退してねぇか?
鳩山:旧政権なら2014年の返還はなかった。
谷垣:腹案ってなに?
鳩山:米国に対して理解されるかやりとりしなきゃならない。その前にはいえない。
谷垣:徳之島は腹案なの?
鳩山:それはいえないよ。
谷垣:奄美の振興予算を23%カットした。基地移設で補償しようって考えてんじゃね?
鳩山:札束で頬を叩くようなことはしない。
谷垣:長崎県知事選ではやってたよね。5月末決着ってできるの?
鳩山:努力しているところ。5月末に決着させる(一際暗い声)。
谷垣:連立与党、地元、米国の合意を得る。これを5月末までにやるんだよね。
鳩山:5月末までにやるよ。
谷垣:北沢大臣はできないっていってるよ。
鳩山:楽な道じゃないけどがんばるよ。
谷垣:最低でも県外なの?
鳩山:県外という思いは変わっていない。
谷垣:海兵隊の抑止力ってどう考えている。
鳩山:日本を防衛する大きな力だと思っている。
谷垣:地政学的な意味を問うているんだけど。
鳩山:空軍、海軍などトータルな抑止力で考えている。
谷垣:極東の安全を守るという意味では、選択肢は限られているよね。
鳩山:沖縄から遠くに移設するのは適当ではない。
谷垣:あなたの答弁は日本だけでなく世界を混迷させている。
鳩山:日米安保は重要。その考えの中で移設先を考えている。
谷垣:職を賭して5月末までに解決すると約束してよ。
鳩山:一つ一つの政策について、その実現に向けて覚悟を示しながらやっている。

私家版・兵頭二十八の読み方:その4

私家版・兵頭二十八の読み方:その1
私家版・兵頭二十八の読み方:その2
私家版・兵頭二十八の読み方:その3

**「私家版・兵頭二十八の読み方」のエントリでは、日本で唯一の軍学者である兵頭二十八師の著作を、独断と偏見を持って紹介します**

『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』(光人社NF文庫。以下『X島』)が今週末にも発売されるとのこと。今回は、数ある兵頭本の中で一番多く読み返したこの本について、店頭に出回るよりちょっとだけ早く紹介してみたいと思います。

数ある兵頭本のなかで、何でこの本だけ一番読み返しているのか? といえば、兵頭本の中でも一番難物だったから。何がそんなに難しかったのかといえば、「マニヤックなミリタリー情報が盛りだくさん」であることと、「良くも悪くも内容がとっ散らかっている」ため。で、何度か読み返していくうちに、何となく兵頭師が敢えてこういう本を書いた狙いというものが、ぼんやりと見えてきたわけですよ。

「本書は、これからおそらく15年くらいは苦境にあえがなくてはならぬはずの日本人に、『第二次大戦末期の昭和19年の南洋の孤島で、優勢な米軍を迎え撃って戦争して勝たなければならぬとしたら、キミはどうするか?』という思考訓練を厭というほどしていていただき、以て、これからの苛烈な国際競争を乗り切るのに必要な『最悪事態の想像力』を養ってもらうことを、主たる眼目にしている」(4頁。以下、ページ数は「四谷ラウンド版」より)

と、最初からクライマックスだぜ! な書き出しから379頁ノンストップで突っ走る『X島』。2010年の手前はこの本を、「自殺する前に読む本」であると見つけました。

え? そんなメッセージなんてこめられてないし、著者の考えと違うって? いいのいいの。私家版・兵頭二十八の読み方なんだから!

引用した文章にもあるように、『最悪事態の想像力』を養うってことは、「今のこの絶望的な局面を打開するためにどうすればいいか?」を考える“頭”を養うってことでもある。もっと噛み砕いて言えば、「一面的な見方、考え方にとらわれず、多面的に物事を見つめる習慣を身につける訓練をしてみよう」ってこと。

例えば目の前の壁があったとして、これを乗り越える手段は「壁を壊す」ことだけが“正解”というわけではない。「ハシゴを掛ける」「トンネルを掘る」「左右から回りこむ」「ヘリコプターを調達する」など様々な手段が考えられる。このように、様々な事象、局面に対して多面的な見方ができるようになっていれば――

お金がねぇ
仕事がねぇ
手形が落ちねぇ

――みたいな絶望的な局面(=最悪事態)に立ち至っても、「こらあかん!」とクビをくくる前に、何か打開策を見つけられるのではないか? ってことです。もちろん「簡単に打開策が見つかるような局面ってのは、絶望的な局面じゃぁないんだよ」って声もあるでしょう。でも、一面的な見方しかできない人は、「簡単に打開策があるにも関わらず絶望的な局面であると誤断する」わけだから。そんな誤った判断をしなくなるだけでも、『最悪事態の想像力』を養うことの意義はあるんじゃないでしょうかね。

『最悪事態の想像力』を養うのに、ミリタリーネタととっちらかった話を読まなきゃならない必要性はどこにあるのか? って疑問に思う人もいるだろうけど、この辺のことについては、「究極のどん詰まり、本当の意味での絶望的な局面を想像して、この打開策を考えるため」じゃないでしょうかね。

『最悪事態の想像力』を養うのであれば、例えば「リーマンショック後の不景気を乗り切る一手」でもいいのかも知れない。でも、この設定だと時代性が高く、10年後に同じメソッドは通用しない。何より命までとられるわけではないから、最悪事態ともいえない。それに比べれば、『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』を考えることは、文字通り『最悪事態の想像力』を養うことに繋がるでしょ。

溢れんばかりのミリタリーネタは、『X島』でサバイバルするための知識のみならず、「最悪事態を打開するためには、ここまで突き詰めて情報を仕入れ、選別して、最適解を見つける努力が必要だ」というメッセージでもある。とっちらかった内容も、読者の視点、頭の働きを故意に動かす意図があってのことだろう。読み手としては、あっちこっちに飛んでいく内容を追いながら、多面的なモノの見方を身に付ける訓練――なまじまとまった内容だと、ストレートに頭に入ってきて一面的な解釈をしやすくなってしまう――ができるというものだ(もちろん、兵頭師が書きたいことを書いた結果、ああなったという可能性は否定できないケド……)。

「しかし竹槍だけは推奨しない。あれは、先端を斜めにカットして焼いたぐらいのものでは壮兵でも相当熟練しないと人体に突き刺すことなどできんと、旧軍が昭和20年2月に作ったマニュアル『簡易投擲器(弓及弩弓)説明書』に明記してある。明智光秀を仕留めたのはやはり土民の鉄砲なのだ――という話は脇に逸れすぎだからやめておく」(16頁)

「『人間だけ送れば後はなんとかなるものだ』という当時の参謀エリートの発想パターンはどこから来たかというと、それは西日本型の水稲作農業、つまり狭い土地と水利の整備によりたくさんの労働を集約し、自我を水利共同体に縛り付けておけばそれだけの実入りが必ず上がるという、多年に亘る民俗的な経験則だったろう」(83~84頁)

「ライスを兵糧にするなら、どうしても火を使った炊爨が必要であった。~~中略~~室町時代の戦争だって、兵隊の携行食にはもっと配慮があったものだよ」(97頁)

「日本人は気付かないが、米を焚く匂いは、200mくらい遠くから、白人にはわかるそうだ。沖を通りかかった魚雷艇からその匂いで日本軍の位置が分った、という戦記がある」(100頁)

「比較的ミリタリーっぽくないけど類書には書かれていないネタ」をチョロっと紹介しようと思ったら、どうにも止まらなくなってしまったのでここで打ち止めにします。ともあれ、序章~一章までの内容だけでも軽く新書一冊分の質と量がある『X島』。「ゴールデンウィークにじっくりと腰を据えて読書をしてみよう!」という人には、「多分、連休いっぱい楽しめまっせー」とオススメしたいですね。もちろん、今の境遇に「こらあかん!」と絶望しかかっている人にもオススメします。

2010年4月20日火曜日

江川卓が美化した思い出、「巨人―阪神論」:その2

最新刊である『巨人―阪神論』(どうでもいいことだけど、“はんしんろん”ってそのまま変換したら、やっぱり“汎神論”になるよなぁ)と、22年前の自伝『たかが江川されど江川』で、言ってることが全然違う件について。

3つのエピソードの語り口は、いずれも見解の違いというレベルではなく、事実関係ベースで話が違っていることがポイントだ。ここまであからさまに違うので、「もしかしたら江川の記憶違いか?」と考えたくもなるが、以下のエピソードを見る限りは、記憶違いともいえなさそうなのだ。

D:公式戦デビューでの山本和行との対戦

「あれは昭和五十四年六月二日、プロ入りデビュー試合の対阪神戦だった。僕の二百勝への自信が、それもマウンドの上でではなく、バッター・ボックスの中で音をたててくずれ落ちたのだ」
「山本和行さんの投げた一球目が、ひょいとストレートに来た。なんだ、これは。ヒョロヒョロ球だな。これで通用するんなら、俺は三百勝だってかたいぞ。――見逃しのストライクをとられたものの、僕は内心ほくそえんだ。バッティングにもそれなりの自信があった僕は、本気でホームランを狙った」
「そして二球目。同じような球が来た。フルスイング。その直後自分の目を疑った。ボールが忽然と消えてしまったのだ。そんなバカなことがあるはずがない!?」
「三球目もストレートだった。よし、今度こそもらった、と思った瞬間、ボールはまたしても消えた。結果は三球三振。三打席全部三振だった」
「種を明かせば、このとき山本さんが投げていたのはフォーク・ボールだ。が、僕の足は震えた。それまで、あれほど落差のあるフォークに出会ったためしのない僕にとって、それは“魔球”としか思えなかった。マウンドから自信を持って投げた球をホームランされるのより、ずっと大きなショックが僕を襲った」(たかが江川されど江川:120~121頁)

「で、僕は、バッティングに凄く自信があったんですよ。東京六大学でも結構打っていた。それで初球にヤマカズさんがピュッと投げたんですよ。あの人はそんなに速いピッチャーじゃないでしょ」
「ピューッと来て、ど真ん中にストレートがポンと入ったのね。本当に『ポン』なんですよ。『パシッ』じゃないですよ。それを見た時に、『プロってこんなレベルか』と思ったんです」
「こんなレベルのボールで勝っているの? と本当に思った。こんなんでいいの? とまで思った。正直、『オレはプロで30勝できるな』と思った。これは今だから言えるんだけどね」
「初球を見て30は勝てるなと思っていたら、2球目に同じボールが来たの。ピューッとね。僕の感覚では完全にホームランボールですよ。バッティングに自信があったからフルスイングしたら、ボールがパッと消えたの。『あれ?』と思った。『なんでミスったんだろう?』と思ったの。『最近バットを振っていないから打ち損じたのかな』と思った。気持ちを引き締めていたら、3球目に、また同じボールが来たの。ホームランボールだよね」
「そう。パッと消えたの。フォークだよね。たぶん、三球三振だと思うんですけど、真っ青になりましたよ」
「その落ち方と消え方。本当にそれまでの野球人生の中で見たことがなかった。僕は、あの試合でラインバックに打たれはしたけれど、自分のピッチングでプロのレベルにびっくりしたんじゃなくて、バッターボックスに入って『これは、やばいぞ。プロはこんな高いレベルなのか』と思ったんですよ」(巨人―阪神論:166~168頁)

少し長い引用だが、よく読み比べてもらいたい。この山本和行との初対戦のエピソードについては、細部に至るまで驚くほど正確に一致しているのだ。

それだけ印象深かったから、細かく覚えていたとも言えるが、前述の3つのエピソードだって、このエピソードに勝るとも劣らないほど印象深いものだ。また、他のOBの自伝などを読む限り、一流選手のほとんどは試合や展開を左右した勝負の局面は驚くほど正確に覚えている。そのくらいの記憶力がなければ一流にはなれないのだろう。江川が、記憶力や頭の良さで他のOBに劣るとは考えにくい。

そんなことから手前は、このエピソードだけ正確に語っていることについて、「打者江川が衝撃を受けたハナシであって、投手江川の沽券に関わるハナシではないから、“加工”せずそのまま話している」と見ている。

ではなぜ、江川は昔の思い出を美化するのか?

「発刊当時は、2.5枚目なキャラを意識していたけど、時代が変わって2枚目なキャラに作り直したんじゃね?」
「いや、年をとってカドが取れたのかも。案外、最新刊の話の方が真実で、昔はわざと2.5枚目のキャラを演じてたんだって」
「ということは2.5枚目キャラで話していた昔のエピソードを、ここにきて2枚目キャラで話しなおしているってことか」
「そもそも何で2.5枚目を演じていたのかね?」
「22年前はなんとなく脱スポコンというか、“新人類”が流行った頃だし、そういう風潮に合わせていたんじゃね」
「ああ、『タッチ』が流行って『巨人の星』が本格的にバカにされ始めた頃だなぁ」
「最近は2枚目でも全然OKでしょ。だって25年前は『練習なんてしねぇ』って言ってた落合が、『誰よりも練習しました』なんて言う時代なんだし」

つまり、『たかが江川されど江川』の頃は、その時代の空気にあわせて「剛球投手だけど少し抜けたところのあるキャラ(2.5枚目)」を演じていたけど、最近はそういうキャラを演じる必要がなくなったので、本来の「ストレートの勝負にこだわった誇り高い投手キャラ(2枚目)」として語りなおしているのではないか――というのが、江川が想い出を美化している(ように見える)ことに対する、手前の考えだ。

ところで『たかが江川されど江川』は、バブル最盛期に発刊されている(単行本は88年。文庫は91年)。江川が、青年実業家としてブイブイ言わせていた頃だ。文庫の最後の章(延長戦「たかが、されど」再び)では、本をまとめたスポーツ紙記者3人と対談しているが、そこでの発言を読むと、「青年実業家として成功しつつあるオレ」というキャラ設定の江川の言葉一つ一つが上滑りしていて……何というか「イタタタタ」という気持ちになる。あまり紋切り型を使いたくはないが、江川は、昔から今に至るまで、いわゆる“劇場型”のキャラクターであり続けているのではないだろうか。



2010年4月19日月曜日

*TV覚書:ビートたけしのTVタックル、麻生太郎前総理がスタジオ緊急出演

・鳩山政権の問題
権力の私物化。
日本のイメージを悪くしていることで、国の利益を貶めている。
国内的には景気対策はどうなのかなぁ。
総理の仕事は大変だけど、決断しないと。決断して指示しないことが問題

・核兵器テロサミットにおける鳩山総理の扱い
最悪な雰囲気。この数十年では最悪。その非は、信頼を裏切ったこちら側にある。

・たちあがれ日本
平沼と与謝野は同級生だけという共通点しかない。政治行動は近くなかった。
野党と与党は違う。民主党に対する不満が燻っているなか、野党は固まって反対しなければ。
いまのタイミングで新党はない。(阿川曰く、「おバカさんってこと?」)う~ん、僕は阿川さんほど正直じゃないんで(笑)

・総理就任直後に解散しなかった理由
経済が落ち込むなか、これを盛り返すには2~3倍の金がかかる。
想像以上に厳しい状況のなか、選挙どころではないと考えた。

・ぶら下がり取材
質問内容がその日の事象とは関係なく、「解散はいつですか?」しかない。
毎日同じ質問。3日続くと、TVの向こうに1億2千万人がいると思っても、「目の前にいるのは3日間、同じ顔だよな」と思った。
(ぶら下がり取材は小泉首相が始めたことだが)迷惑でしたね。

・定額給付金を巡るブレ
与謝野に聞いたら「所得制限する必要がある」。
所得補足が難しいのではと聞いたら「できる」という。
やらせてみたらできなかった。だったら所得制限かけずにやろうという話になった。

・いわゆる“アニメの殿堂”
(19兆円規模のコンテンツ産業という)これだけ巨大なものがあって、これを世界に発信しようと。アキバからハリウッド、ハリウッドからアキバというように考えればいいのではないか、というのが元々のアイディア。そこのところからスタートさせたら、いつのまにかマンガ喫茶という話になってしまった。今でも残念。

・これからの政治目標
いまの政権は国益を損ねている。政権を奪還したい。
私の在任中に政権を喪ったから、私が生きているあいだに政権を奪還したい。

・小泉進次郎
政界の石川遼。さわやかで礼儀もしっかりしている。

江川卓が美化した思い出、「巨人―阪神論」:その1

先ごろ発売された江川卓と掛布雅之の対談本『巨人―阪神論』(角川oneテーマ21)が実に面白かった。といっても、別に目新しい話があったわけではない。掲載されているエピソードの多くは、既刊本や雑誌、TVなどで語られているもので、新味という点では乏しいものだ。ではなぜ面白かったのか? 

「江川さん、アンタ前に言ってたことと全然違いまっせ!」

22年前に上梓された江川の自伝『たかが江川されど江川』(新潮社)と読み比べてみると、かなりの部分で話が食い違っているのだ。以下、江川を巡る代表的なエピソードについて、『たかが江川されど江川』と『巨人―阪神論』の内容を比べてみたい。

A:20勝達成時のガッツポーズ

「だから、僕はあの日、早のために、正子のために、ノーヒット・ノーランを狙って、後楽園のマウンドに立ったのだった」
「ノーヒット・ノーランはできなかったが、試合終了と同時に、僕は思わずガッツ・ポーズをとってしまった」
「それまで、自分はガッツ・ポーズとは無縁だと思っていた。九回二死になれば、ほぼ試合の行方はわかっている。わかっているものに対して僕は感動しない。が、この時ばかりは、意識とは別の回路で体が動いてしまった」(たかが江川されど江川:126頁)

「闘志が出ないって? マウンドでですか? 僕はね。ガッツポーズをやる瞬間を決めていたんですよ。例えば日本シリーズ。あれは、まあ、たまたまできたんですけどね」
「それと20勝した瞬間ね。その時だけやると自分は決めていたから。普段勝ってもガッツポーズやら闘志を見せる仕草は別にやる必要はないというふうに自分で決めていたんですよ」(巨人―阪神論:110頁)

B:オールスター8連続三振時における大石大二郎への投球

「初球、二球目と真っ直ぐを投げたが、彼のバットはピクリとも動かない。大石君はカーブを狙っているのではないか、そう思った。よし、それなら裏の裏をかいてカーブをボールにしてやろうと考えた。この日の僕の女房役、中日の中尾君(現巨人)のサインも『カーブをボールに』だった。こうして僕は、迷わずモーションに入った」
「しかし、ここで欲が出てしまったのである。ボールが手を放れる瞬間まで『カーブをボールに』のつもりだったのに、ふと、それまでの八人のうち栗橋さん、石毛君、伊東君の三人を外角のカーブで三振に仕留めていたことが頭をよぎったのだ。~~中略~~外角のカーブがストライク(空振りするかも)に行ってしまった」(たかが江川されど江川:144頁)

「いやあ、本当の話を言うと、迷いながら投げちゃったというのが正解なんですけどね」
「ここでインコースにストレートを投げたら三振だというのは、もう分かっていたんです。これは、さっきの話じゃないけど、自分で分かるんですよ。でも一瞬、こう思ったんですよね。『三つ目にドーンといったら三振で9連続だけど江夏さんの記録に並ぶだけだな』と。『江夏に次いで2人目』と書かれた次の日の新聞がちらついたんです」
「あわよくばカーブを振ってくんないかなと思ってね。それなら振り逃げってあるじゃないですか?」
「あの時は、キャッチャーが山倉和博じゃなくて中日の中尾孝義(現阪神スカウト)だからね。中尾君のサインは真っ直ぐだったのよ」
「そう。クビを振ってカーブを投げちゃったわけ。~~中略~~思わずパスボールになんないかなとカーブを投げちゃったんだけど……」(巨人―阪神論:110~111頁)

C:ランディ・バースに献上した場外ホームラン

「投手には思わぬところに“落とし穴”があるものだ」
「捕手とのサインのやりとりの中にも、その“落とし穴”はある。例えば僕の場合、マスクをかぶっているのは山倉であることが多いが、自分が投げたいと思っている球と、山倉が僕に投げさせたいと思っている球とが、見事に一致する――そんなケースは、一試合に何度もあるわけじゃない。それでも、たまたま一致したときに、僕の言う“落とし穴”が口を開ける」
「『よし、山倉も同じことを考えてくれた。あいつと同じなら大丈夫だ』」
「これが曲者である。決して油断するわけではないけれど、打者へ集中すべきときに、『これで打者より優位にたった』と思わず知らず気がゆるんでいるのだ」
「この気のゆるみがコントロールを微妙に狂わせてしまうことがある」
「バースに打たれた球も、まさにそれだったように思う」(たかが江川されど江川:149頁)

「8回のバースに5打席目が回ってきちゃたんですよ。これは計算外。打席の様子をパッと見たら、バースがバッターボックスで半歩下がったんです。バースは認めないかも知れないけど、確かに半歩下がっていたんです。それを見た山倉が、アウトコースの真っ直ぐを要求して構えていたんだけど、自分で『5打席目になって、アウトコースに投げるのか』と思ってね。インハイに行った」
「ダメだとは分かっているけど、そこに行った。ここで打ち取ったら最高だと思って勝負に行ったら、もう場外でしたよ(笑)」(巨人―阪神論:115頁)

・20勝達成時のガッツポーズは「思わずやってしまった」のが「やることを決めていた」へ
・大石大二郎へのカーブは「サインは一致していたが気の迷いで」が「サインが合わず気の迷いで」へ
・バースへのインハイ勝負は「サインの一致により甘い球を投げた」が「サインを拒否し勝負を強行」へ


以上、3つのエピソードの語り口は、22年を経て、このように変わっている。いずれも、「剛球投手だけど少し抜けたところのあるキャラ(2.5枚目)」から、「ストレートの勝負にこだわった誇り高い投手キャラ(2枚目)」へと美化しているように見えるのだ。
(つづく)

2010年4月18日日曜日

トラファンの皆様の喜びの声

111 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:20.78
工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工

112 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:20.79
新井4番キタア

113 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:21.67
おおおおおお!

114 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:23.76
金本はずるたああああああああ

115 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:23.99
感動の瞬間キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!!!!!

120 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:43.83
http://live22.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/up/s/341747.jpg
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!

123 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:50.90
なにこのしらじらしい実況www

126 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:51.95
アニキ、ついに男になったか…

128 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:55.97
昨日の金本ぽp→新井さんのHRがとどめになったのか

130 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:58.05
ベンチwwwwwww

131 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:06:59.29
フルイニングオナニー終了きたあああああああああああああああ

134 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:07:01.81
これは金本が自分からベンチを申し入れたな

136 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:07:05.08
Xデーきたあああああああああああああ

140 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:07:08.10
このまま出てくるな!!頼む!!!!
阪神のためや!!!

142 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:07:10.77
9番 ピッチャー 金本

152 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/04/18(日) 13:07:31.78
>>142
可能性あるでwww

追記:阪神金本の連続フルイニング出場がストップ

次の中日戦まで居座ってほしかったのに……

アニキ、ついに陥落。

落合vs野口、「故意死球疑惑」の伏線とは?:その2

今中慎二の『悔いは、あります。』(ザ・マサダ)は、今中自身が生い立ちから引退までを綴った自伝本だ。大産大付属高校でしごかれた日々や、中日でエースに上りつめるまでの道程、伝説となった「10.8決戦」の真相などが、余すところなく記録されている。

なかでも、自身がライバルと認める前田智徳選手と落合との勝負の内幕を明かしている第6章は、一番の読みどころだろう。落合については、「よき先輩だった落合さん」から「ミスター三冠を敵にまわす」まで11頁に渡って書き綴っている。

そのなかで、今中自身が忘れられない試合と述懐しているのが、96年8月10日、東京ドームでの巨人戦だ。

松井秀喜選手に3ランを打たれ、スコアは2-3。1点リードを許しているものの、巨人先発の川口和久は4回でマウンドを降りていた。中日ベンチには、このまま抑えていれば逆点の目も十分あるという雰囲気が満ちていたという。

7回裏、2アウトランナー2塁で打席に立つのは落合。ヒットで1点を奪われれば、決定的な追加点となる場面だ。

「『絶対に抑えてやるぞ』 僕は心に決めた。一塁ベースは空いていた。それに相手が相手だ。勝つためには歩かせるのが定石だろう。もしボール、ボールと2球続いてしまったら、その時は歩かせてしまっても仕方がないかな、との思いも頭によぎった」
「しかし次の瞬間、そんな弱気は吹っ飛んだ。バッターボックスに入った背番号60(ママ)の落合さんは、じっと僕をにらんでいたのだ。静かに闘志が湧き上がってくる。よし、勝負だ――。」(160~161頁)

マンガのように燃える場面! しかし、キャッチャーの矢野輝弘選手はインサイドの真っ直ぐを「ボールになるように」と要求する。そのサインに首を振る今中。しかし、サインは変わらない。要求通り、インサイドへ明らかにボールとなるストレートを投じた。2球目のサインは何か? また、インコースへボールとなるストレートだ! ここで今中は、ベンチが最初から落合を歩かせようと考えていることに気づく。

「歩かせるのであれば、アウトコースに外せばいい。~~中略~~しかし、当時のドラゴンズは、いや星野監督はそうは考えていなかった。『タダで歩かせるな』 監督はいつも口にしていた」
「『同じ歩かせるにしても、インコースに投げて外せ。相手に怖い思いくらいはさせろ。その姿勢を持つか持たないかが、次の勝負を左右するんだ』 厳しい人だった」(162頁)

ベンチの考えを理解した以上、サインに首を振るわけにはいかない。今中はバッターボックスに引かれているラインを目がけて全力でストレートを投げ込んだ。投げ損じではない、胸元をえぐるボール。コントロールミスも全くなかったという。しかし、今中が投げた瞬間、落合は思い切り身体を開いて構え、腕をたたんでフルスイング! 打球はレフトスタンドへ消えた。

「初球、インコースにボールとなるストレート。これを見逃した時点で、もう一球インコースに来ることを予測していたのだろう。かつてはドラゴンズのユニフォームを着ていた落合さんだ。こちらのベンチが考えていることは、すべてお見通しだったに違いない。だから投げる瞬間、めいっぱい身体を開いたオープンスタンスに切り替えたというわけだ。~~中略~~ボールになるコースに投げたのに、完璧に読みきられてホームランを打たれたのは、激しくショックだった」(163頁)

今中の回想したシーンは、Youtubeにもアップロードされている。
今中慎二 vs 落合博満 他(該当シーンは5:50頃から)

野口が落合に死球を与えたのは、この11日後のことだ。つまり、この今中の“恐怖を与える敬遠”の大失敗こそが、11日後の死球の伏線だったと考えられるのではないだろうか。星野仙一監督は、同じような局面で同じような失敗を繰り返したくないという考えから、バッテリーに対して「今中の時より、より厳しく攻めろ」(身も蓋もなくいえば「恐怖を与えるんじゃなく、ぶっ壊しちまえ!」)と命令したと思われるのだ。

あの死球が故意か否かは、野口自身に聞かなければわからないことだ(仮に口を開いても故意死球を認めるわけはないが)。ただ、残されている映像だけでなく、こうした伏線があったことを知った以上、手前の中では、「あの死球は限りなく故意に近かったものだろうな」ということを確信しています。

2010年4月17日土曜日

落合vs野口、「故意死球疑惑」の伏線とは?:その1

落合博満の選手生命を事実上奪った、96年の死球禍。中日のサウスポー・野口茂樹から喰らったものだ。

プロの一線級の投手が死球を与える場合、その多くは「すっぽ抜けを当てる」というものだ。すっぽ抜けは利き手側に球が抜けてしまうことで、右投手であれば右打者に、左投手であれば左打者に向かってすっぽ抜けた球が飛んでいく。これが打者にあたって死球となることが多い。

当時の野口はコントロールが悪いピッチャーだったので、左打者にすっぽ抜けを当てることは十分考えられた。が、右打者へのクロスファイヤーとなるストレートを当てるほど、コントロールが悪くはなかったとは断言できる。そこまでストライクが入らなければ、一軍に上がれるはずもないし、ノーヒットノーランもできなかったであろうからだ。

左投手が右打者に投げる場合は、内角のストライクゾーンに「打者という基準」を置くことができる。例えば、「内角高めならグリップエンド近くに投げる」「内角低めならヒザ近くに投げる」というように、目に見えるターゲットに向かって投げられるということ。しかも、仮に利き手の逆にすっぽ抜ける――右打者に向かってすっぽ抜ける――としても、多くの場合はワンバウンドになってしまう。つまり、すっぽ抜けが打者に当たる可能性はほとんどないため、より正確にコントロールできるということだ。

こうした事情を踏まえた上で、当時の映像を見てみると……。

【ニコニコ動画】落合博満 故意死球?事件 1996年(本編は5:00から)

……手前の一番穏当な感想としては、「少なくともコントロールミスではないようだね」というところ。当てられた落合は、このように語っている。

「ちょうどいい場面だよな。俺の前に松井が凡退して、あとは俺に打たれなきゃいいわけだから、ぶつけにくることもあるなと想定して打席に入ったんだよ。だから心持ち後ろに立ったんだ。でも、まさか本当に当たるとは思っていなかった。もうちょっと慎重になっていれば良かったな、と後で思った。そうすればぶつかっていなかった」
「打ちにいったんじゃないよ。打ちにいって(多少でも踏み込んで)いたら、頭か顔に当たっているんだ。~~中略~~(頭に当たって)蝶々が飛ぶより、指を1本折る方がずっとましでしょ」(『不敗人生~43歳からの挑戦』124頁)

*前掲動画の3:50近く(山本昌との対戦)では、いつものようにホームベースギリギリまで前に立っている。

当てに来るだろうけど、まさか頭へ一直線に来るとは思わなかった――と考えていたようだ。もし故意に当てるのであれば、肩や背中? くらいに思っていたのかもしれない。実際、“報復死球”(狙って当てる)の場合は、当てても深刻なケガにならない箇所に与えるのが“マナー”となっている(“報復死球”やその“マナー”は、プロ野球では「ないこと」になっているので、これらはあくまでも手前の経験則に基づいた見解だ)。

なぜ、今になってこんなことを書いているのか? といえば、つい先ごろ今中慎二の自伝『悔いは、あります。』(ザ・マサダ)を読んで、実に興味深いエピソードを見つけたからだ。
(つづく)

2010年4月16日金曜日

グランプリモード通信(第二回)

グランプリモード通信(第一回)

PS2の野球ゲーム『プロ野球スピリッツ2010』を購入して2週間。着実に強くなってきたチームを、ここで晒すことにします。

スタメン:
8:村田和哉(日本ハム)
4:田中賢介(日本ハム)
7:糸井嘉男(日本ハム)
3:ブランコ(中日)
DH:スレッジ(横浜)
5:中村紀洋(楽天)
9:長野久義(巨人)
6:石井琢朗(広島)
2:大野奨太(日本ハム)

ベンチ:
・鶴岡慎也(日本ハム)
・松田宣浩(ソフトバンク)
・飯山裕志(日本ハム)
・荒木貴裕(ヤクルト)
・紺田敏正(日本ハム)
・中田翔(日本ハム)

先発:
・ダルビッシュ有(日本ハム)
・田中将大(楽天)
・吉川光夫(日本ハム)
・中村勝(日本ハム)

リリーフ:
・押本健彦(ヤクルト)
・金森敬之(日本ハム)
・武隈祥太(西武)
・木塚敦志(横浜)
・宮西尚生(日本ハム)
・岩瀬仁紀(中日)
・武田久(日本ハム)
・MICHAEL(巨人)

ここまでの簡単な経緯:
・相変わらず、ビギナーズカップで俺tueeeをしながらお得パックを引きまくり。
・併せて投手パックを中心に引きまくった結果、MICHAEL、岩瀬仁紀をゲット!
・MICHAELは弱いけど、最後まで覚醒させたら何とか使えるレベルになるようだ。
・ってしばらくやっていたら、武田久キターーーーーーーッ!
・MICHAELと武田久の二枚が揃ったらどうするかって?
・そりゃセットアッパー=久、抑え=MICHAELしかないっしょ!
・というわけで、ここからはMICHAELをガンガン先発させて育てることに。
・この間、内海、西岡、川崎、井端、田中浩などのピカが出まくるも、涙を呑んで売却。
・上記は「同じ背番号の選手は在籍させない」というローカルルールを設定しているため。
・つまり、中田と井端と宮本、坪井と長野と田中浩らは共存できないということ。
・そんな具合でシコシコと続けて2週間。さっき引いたお得パックにマー君が!!

だいぶいい感じになってきました。長野は初めてのドラフトですんなり入団したというオレ設定。戦力的に見るとスレッジが大きい。現実でも得点圏打率“だけ”はいいからなぁ。でも、これだと中田翔の使いどころがないんだよね。実際、使い勝手悪いし。こんなことなら井端を残しておけばとも思ったけど、井端がいると途端にオールスターチームっぽくなっちゃうしなぁ。

さて、そろそろ本気でグランプリを勝ち進めるとするか。

2010年4月15日木曜日

久しぶりに下種な本を読んだ

*このエントリは敬称略とします*

『イチローvs松井秀喜~相容れぬ2人の生き様』(小学館101新書)。帯を見た瞬間、「うはぁ、この本には絶対に週刊ポストの野球記事以上の内容はないだろうなぁ」と直感したものの、blogのネタになるならと思い購入。結果、720円をドブに捨ててしまったけど、こうしてblog一回分のネタにはなったので「まぁ、いいか」……ってわきゃぁない。正直、内容は週刊ポストどころか日刊ゲンダイ並みだった(>_<)。

どんな内容かって? 君も720円をドブに捨ててみたまえ。こういう類の本は、その金銭的損失と心の痛み込みで味わうものだ! と、19世紀の欧米の偉い人っぽく上から目線で言い放ってみたいけどね。まぁ、生贄の義務として簡単にご報告すると、「焼肉記者が書いた2人の比較論」ですよ。焼肉記者って何かって? そんなのサッサとググってください。

一応、イチローと松井、両人を公平にみようという努力は見える。新書とはいえ天下の小学館が出してるんだから、ある程度、体裁を取り繕わなきゃいけないってことだろう。 でもねぇ、以下のような文章を読んでどう思う?

「一方の松井は、親から一度たりとも『こうしなさい』と言われたことがなかった。常に、一人の人間として尊重されてきたため、松井は心の広い、大らかな人間になった。松井家の放任主義は自らの意志で考え、行動する人間に松井を育てたのだった」(67頁)

これがね、『松井秀喜、その栄光の人生』みたいな本の一フレーズであれば全然OKですよ。「ああそうか、松井ってそんなに良い人柄なんだ」で済むから。でも、『イチローvs松井秀喜~相容れぬ2人の生き様』って本の内容だからね。しかも、対照的な半生をテーマにした章(第2章:相容れぬ半生)に収録されたフレーズだ。そこで敢えてこう表現するってことは、相容れぬもう一方の存在は、「心が狭く、神経質な人間。他人に言われて行動する人間になった」と理解してくれってことだ。

アンタの邪推じゃないのかって? じゃぁ、これを読んでみてよ。

「(引用者注~イチローと松井の日本時代の成績を比較して)イチローはシーズン210安打に代表されるように、誰もたどり着けない前人未到の領域に到達したが、松井は個人記録にプラスして巨人の3度の日本一に貢献している。日本時代は、野球はチームスポーツという原点を考れば、私は鼻差で松井に軍配が上がると考える」(102頁)

人間って心の底から「しゃらくさい」と思うと、本当にマンガみたいに「プッ」と噴出すんだね。そういう反射行動が手前のなかにもあったってことを知っただけで、もしかしたら720円を支払った価値があったかもしれない、って2秒くらい思ったもの。

張本勲が言うとおり、バットマンは数字で人格が決まるんだよ。どこをどうひねったって「イチローより松井が上」なんてことにはならないんじゃね? それにチームスポーツだといっても、元々のチーム力を考慮しなきゃ何ともいえないだろうよ。

一つ例を挙げようか。20年位前にね、ACミランにルート・フリットって選手がいた。彼のいたACミランはそりゃ強いチームで、国内外のタイトルをとりまくった。フリットも世界最優秀選手になった。フリットは確かに素晴らしい選手だけど、だからといって「ディエゴ・マラドーナより上」ってことはないでしょ? 弱小チームのナポリにいて、ACミランほど優勝はできなかったことをもって、「チームスポーツという原点を考えれば、私は鼻差でフリットに軍配が上がると考える」なんて言ったら、世界中のスポーツファンからハナで笑われるだろう。

って柄にもなく熱くなっちゃったけど、まぁ、全編こんな感じなんですよ。こんな本でも、「なるほど、焼肉記者の論理はこういうものなんだな」ということを、腹の底から納得させてくれたって意味はあったかも知れないけどね!

2010年4月14日水曜日

いっそのこと禁止薬物にしたらどうか?

「科学的根拠ない」と断罪 世界的な嫌煙運動はつくられた陰謀!?

夕刊フジの記事より。こういう人は、30年前から今日まで一度も「追試」が行なわれていないと思っているのかねぇ。マイケルソン・モーレーの実験だって幾度となく「追試」が行なわれ、結果、一度たりともエーテルの存在が確認できていないように、受動喫煙の危険性に関する疫学調査だって古今東西いたるところで「追試」が行なわれ、結果が学会で発表され、その全てがどう控えめに見たって「まぁ、健康に良くねぇよな」って結論付けられているのにね。大体、嫌煙モンスターの陰謀だってんなら、その陰謀に加担したメンバーからの内部告発が何でないのかね? タバコメーカーからの内部告発者はいるのに。

てか、民主党が支持率を回復したいなら、起死回生の一手として「タバコの禁止薬物指定」をやりゃぁいいのに。文字通り世界に先駆けた一手だし、喫煙者を除く大多数の有権者の支持も得られることだろう。ゆくゆくはモルヒネや覚醒剤が禁止薬物になったように、タバコも禁止薬物になるんだろうから、先にやっちゃえばいいのに。

2010年4月13日火曜日

小笠原道大、「魂のフルスイング」

今のプロ野球の世界で、掛値なくプロと呼べる数少ない選手の一人が小笠原道大選手だろう。毎年コンスタントに「3割30本80~100打点」という成績を上げるのは至難の業だ。実際、近年ではロッテ~中日時代の落合博満くらいしか成功していない。当時よりも動作・データ分析が進展した現在において、これだけの成績を上げ続けるということは、文字通り超人的なもの。文句なしに「国内最高のバットマン」だろう。

これだけの実績を残せる秘訣はどこにあるのか? 口数が少ない小笠原選手が唯一上梓した著書『魂のフルスイング』(KKロングセラーズ)から探ってみたい。

といっても、同著に技術的な話は一切書かれていない。あえて一つだけ挙げるなら以下の一文だろう。

「加藤コーチはあれやこれやといろいろアドバイスするわけではなかった。口を酸っぱくして僕に言った打撃の本質はたった一つ。『コンパクトに、そしてしっかりと最後まで振れ』」(134頁)

超一流のスラッガーに共通する答えだ。トップの位置を目一杯深くし、腕を伸ばして思い切り振る“ドアスイング”ではなく、トップの位置を深く取りながらも、スイングに当たってはしっかりヒジをたたみ、フォロースルーまで最短距離で振りぬく――いわゆる日本野球における古典的な“正しいスイング”のことだ。実際、これを忠実に守り抜いてフルスイングを繰り返した結果、現役13年の通算打率で0317を残す一方、被三振率は.177に止めている(スラッガーの被三振率は2割を切れば優秀とされる。典型的なスラッガーのアレックス・ロドリゲス選手は.209。三振の多かった清原和博は.255となっている)。

ちなみに、小笠原選手と同じように三振の少なかったスラッガーであった落合博満の通算被三振率は.149。個性的な打撃フォームであるところも共通点がある。

「僕の打ち方は、小さい野球少年にはあまりお勧めしない。それはヒルマン監督も『見習ってほしくない代表格』と語っているとおりだ。なぜかというと、僕のは基本がしっかりあって、体ができ上がっているからこそのバッティングフォームなのだ。それが、まだ体が小さくてバットを振るというよりバットに振り回されているようなちびっ子がこのうち方をしても上達するのは難しいだろう」(168頁)

と、「良い子がマネしちゃいけない手本」であることも一緒だ。

このように技術的な話が一切書かれていない同著は、典型的な「野球選手の自伝本」(オレさま語り)であり、正直、読んで面白いものではない。しかし、この面白くないことこそが、小笠原選手がプロ中のプロであることを証明しているといっていい。

現役引退して二度と真剣勝負をしないのであれば、自分の持つ技術、思考をつまびらかにしてもいいが、プロとして最高の成績を上げ続けるためには、ほんの少しでもライバルにヒントを与えないという心構えが必要となる。例えば、「自分のバッティングは軸足のタメがキーポイント」みたいなことを書いたとする。これを読んだ同一リーグの投手が、選手のクセやフォームから苦手なコース、ボールを探り、次の対戦で万全の対策を取って向かってきた――。こうした事態を避けるために、自分の情報を統制する必要があるということだ。

実際、小笠原選手はヒーローインタビューやホームラン後の談話でも、「打った球は覚えていない」「タイミング良く打てた」くらいのことしか言わない。他の選手のように、「スライダーを完璧に捉えた」みたいなことはほとんど口にしないし、ベースランニングの途中でガッツポーズもしない。いずれも次の対戦で「万全の対策を取らせない」「相手の闘志をいたずらにかきたたせない」ための用心だ。

どんな小さなリスクであっても最大限に注意しなければ、足をすくわれてしまう可能性があるということを身に沁みてわかっているのだろう。だからこそチームのムードや試合の流れに惑わされず、自分の仕事を着々とこなすことができ、毎年ハイレベルな実績を残せるのではないだろうか。

第1回WBCの回想やレギュラー獲得までの道程など、そこそこ興味深い内容もあるが、ファン以外には読みすすめるのがツラい内容であることは否定のしようもない。ただ、発刊から3年経って読み返すと、いろいろと新たな発見がある。

トレイ・ヒルマンが監督に就任して、ファーストからサードへのコンバートを通達されたときのことを回想して、

「僕は決して器用なほうではないだけに、新しいことにチャレンジするのは大きな刺激にもなる。だから、自分の可能性を広げられるチャンスを逃してなるものかという意欲を持って取り組んだ」(162頁)

と語っている部分や、

「青天のへきれき、新天地札幌……。タイミングの悪いことに、そのことが明るみに出たのは僕らが賃貸マンションを出て自宅を建てることを決め、手頃な土地を見つけて地鎮祭を行なうわずか三日前の出来事だった。~~中略~~移転がもう半年でも早くわかっていれば、また違った選択があっただろう」(158~159頁)

と札幌移転の直前に千葉に自宅を建てることを明かしていたりする部分も、「なるほど、この年のオフに出て行くことをこうやって暗示していたのだな」と深読みできたりする。

追記:この本を読んでいてフト思ったんだけど、プロ野球選手として大成するためには、年上の嫁を貰うことも一つの条件なのかなぁ。もっともサンプルが少ないので何ともいえないけど。

2010年4月12日月曜日

一回り終えて

一回り終えて状態を見ていたんだがな。まぁこの15試合でよく貯金がある方だ。ちなみにこちらから見えるチーム状態は最悪だ。一番チーム状態がいい所と一番悪い所が戦って1勝2敗なんだからまぁ御の字としなきゃいけないのかもな。

精々森野と和田ぐらいだろ? あと他に誰がいる? まぁ二人ぐらいのバッターだけでこういう戦いができているんだから、よしとしないといけないんじゃないのかな。先発が崩れてこれだけの試合にしてるんだがらまぁよしとしましょう。

ただ一回り終えた。手は入れます。入れ替えます。まぁ何かします。


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以上は、昨日の試合を終えての落合監督のコメント。まぁ、大敗というか完全なる力負けだったわけだけど、昨日の試合に限っていえば不思議と冷静に見ていられましたよ。ハイ。

どこに投げてもヒットにする1、2、3番。甘いところに投げたらガツンと行く4番。一人たちとも気の抜けない下位打線。しかも舞台はホームランが乱発する東京ドーム……となれば、これは勝てない。てか、15試合で90得点――1試合平均6点――なんだから、ある意味、全勝しててもおかしくないわけで。巨人のチーム状態はプロスピでいう「いきなりクライマックス状態」なんだから、途中までそこそこ見られる試合にできただけマシってことなんでしょう。

もちろんこんな良い状態がずぅーーーっと続くわけがないんで、GW当たりを境にチーム状態も落ちてくるんでしょう(希望的観測含む)。中日についていえば、全ては荒木雅博選手の状態次第なんじゃないでしょうかね。荒木選手に対する手前の見解は、「調子の波が異様に大きい選手。どん底状態が続いても、しばらくしたら固め打ちで打ちに打ちまくる」というもの。使っているうちに荒木選手の状態が戻ってくれば、打線の方はしっかりとかみ合ってくるものと思います。クリンアップは悪くないんだし(トニ・ブランコ選手もそこそこ活躍している)。というわけで、打線についてはそこまで心配はしていません。

ただ、この一回りで結構中継ぎを酷使したので、これが後でボディブローのように効いてくるんじゃないでしょうかね? まぁ、その頃には頼りになる男・河原純一投手が上がってくるだろうけど、彼一人で中継ぎ全てをカバーするわけじゃないからなぁ。次は裏ローテだから完投を期待するのも無茶だろうし……。

伊藤準規投手の炎上ぶりは、新人投手には良くあること。明らかに緊張していて全部の球を置きにいってたもの。こればっかりは慣れていくしかないんだろうなぁ。ただ、チャンスはあまり残されていないと思うので、次の登板あたりがローテを守れるか否かの分水嶺になるんじゃないでしょうかね。森コーチは二度と先発はないっていってるけど、あと一回はチャンスが与えられるんじゃないでしょうかね。

それにしても伊藤投手の投球を始めてじっくりと見たけど、何というか今時珍しいくらいのクラシックスタイルの本格派右腕だわ。今流行のスリークォーター気味の“なんちゃってオーバースロー”じゃなくて、70~80年代のエースみたいなオーバースローだし、ピッチングスタイルも「ストレートを軸にカーブでタイミングを外す」っていう江川卓や川口和久、今中慎二あたりで事実上絶滅した“本物の本格派”でしょう。これは大きく育ってほしいなぁ。

2010年4月11日日曜日

なんで亀井5番じゃないんだよ。ずるいぞ!

チェン・ウェイン投手で負け。昨日の試合はなんというか負けるべくして負けた試合だなぁ。クリンアップについてはああいう日もあるって納得できるし、チェン投手だって毎回毎回完封できるわけでもない。あれくらい点数を取られることもあるだろう(まぁ、巨人戦だけガツンとやられている気がするけど)。でもなぁ、結局、上位打線の「もう一人」が足りないんだよなぁ。

・6番に井端弘和選手を置けばクリンアップの破壊力が最大化される=1、2番に井端選手を置けないから1、2番が機能しない。
・1、2番をアライバコンビで組めば上位打線の攻撃バリエーションが広がる=6番に井端選手を置けないからクリンアップの破壊力が著しく減少する。

この悩ましきトレードオフ。井端選手がもう一人いたら、中日が独走で優勝するはずなんですよ!

まぁ、無いものねだりをしても仕方ないけど、新人の大島洋平選手に大きな期待はできないだろうし、小池正晃選手が案外小技が効かないことは重々承知だし、ディオニス・セサル選手はいわずもがな……。このうち誰かが1番を張れたら、荒木雅博選手を2番に置けるんだろうけど、3人とも1番打者にするには脚も打力も物足りないしなぁ。藤井淳志選手? 2軍で基本的なことをみっちり身につけてから戻ってきてください。

じゃぁ、彼らが井端選手の代わりに6番を打てるか? といったらもっと物足りない('A`)。

って具合に足りないポジションはハッキリしてるんだから、誰でもいいからココのポジションを埋めてくれ!

追記:開幕以来、落合監督がよくしゃべると伝えられていますが、その理由は「2年連続で殿堂入りできなかったから、記者に愛想良くしている」のではなく、多分、マスコミ対応について、オーナーと明文化した約束をしたんだと思います。フクシ君曰く、「ウチのとーちゃんは決められたことは守るけど、それ以外のことは絶対NGだから(笑)」らしいし。

2010年4月10日土曜日

亀井5番? 意味わかんねぇ(笑)

昨日の巨人vs中日戦。先発の吉見一起投手がグダグダだったけど、なんというか勝つべくして勝った試合かねぇ。とうとうディオニス・セサル選手も外したし。

荒木雅博選手のバットがずぅーーーーーっと湿りっぱなしだけど、その分、クリンアップの破壊力が凄すぎる。この確変が終わる頃には、荒木選手も当たりを取り戻しているでしょう。元々調子の波の大きい選手だし。それにしても8回の守備はよかったなぁ。てか、普通以上にショート守備上手いじゃん。

高橋聡文投手は、多分、4月10日時点で世界最高の左ピッチャーでしょうね。あんなの誰も打てるわけがない。もっとも今日投げたらどうなるかわからないけど。

それにしても今年の落合監督は動きが早い。05年から09年まで「本当の勝負は7月」って采配――6月一杯までは中継ぎを無理づかいしない。スタメンもあまり変えない――だったけど、今年は04年みたいにガンガン使い、ガンガン変えてくからね。やっぱりビョン様、立浪和義、井上一樹といったベテランがいなくなったことで、駒を自由に使えるようになったことが大きいのかねぇ。

2010年4月9日金曜日

グランプリモード通信(第一回)

PS2の野球ゲーム『プロ野球スピリッツ2010』を購入して1週間。グランプリモードでシコシコと育ててきたチームがようやく人様に見せられるレベルになってきたので、ここで晒すことにします。

ベースチーム:日本ハム(中日にすると中日選手でコンプしたくなるので)
監督:ツヅキ☆ユウ(CPUの対戦相手の名前にあわせてみました)
是非とも欲しい選手:
・田中将大(彼は北海道のチームで18番を背負うべきなのです! キリッ)
・押本健彦(彼を放出したのは大間違いだったのです! キリッ)
・田中賢介(総合力で見れば球界最高のセカンドなのです! キリッ)
・小笠原道大(巨人小笠原? ご冗談を! キリッ)

スタメン:
9:福地寿樹(ヤクルト)
8:村田和哉(日本ハム)
4:田中賢介(日本ハム)
3:ブランコ(中日)
5:中村紀洋(楽天)
DH:中田亮二:1(中日)
7:清田育宏:2(ロッテ)
6:飯山裕志(日本ハム)
2:大野奨太(日本ハム)

先発:
・ダルビッシュ有(日本ハム)
・中村勝:1(日本ハム)
・武隈祥太:1(西武)
中継ぎ:
・金森敬之(日本ハム)
・古谷拓哉(ロッテ)
抑え:
・押本健彦(ヤクルト)

ここまでの簡単な経緯:
・初期メンバーに入っていた二岡、糸数はサクッと売却。
・一日目に引いた三枚に田中賢が入っていて大興奮。
・ビギナーズカップで俺tueeeをしながらお得パックを引きまくり。
・グライシンガー、岩隈、青木、荒木らは血涙を流しながら売却。
・中村紀は小笠原が来たらベンチor売却の予定。
・でも一週間たっても引けないのでしょうがなく4番に。
・で、昨日、お得パックでブランコと押本を同時に引く僥倖に恵まれる。

それにしてもブランコ強すぎ。やっぱり4番にデカいのを打てるのが入ると、チームもグンと強くなるなぁ。マー君、小笠原にはいつ会えることやら……。

2010年4月8日木曜日

懐が暖かくなったら参加したいねぇ

『FREE』を読み終えました。冒頭のFREE黎明期のエピソード――ゼリーの誕生、キングジレット――にはハートを鷲掴みにされたんだけど、その後のお話は、「ネット時代の経済について良く整理しているなぁ」と大いに感心はしたものの、それ以上のインパクトはなかったかなぁ。

「単にオマエの読解力が足りないんじゃね?」といわれればそれまでのこと。理解力に欠けることを認めるのは恥ずかしいことだし、適当な屁理屈をつけてわかった風な口をききたくもあったりする。でも、一読後の感想を虚心坦懐に書くと、「ようするに『損して得とれ』ってハナシでしょ。で、何か?」にしかならないんですよ。ええ。

良いモノを作っているだけではダメですよ。売り方も考えなきゃ! っていうのは、100年前も現在も変わらない。その販路やマーケティングが劇的に変わってきているのは確かだけど、それに対応するためにアイディアを出す(出せない人は金で買う)必要があるという事情も変わっていない。ネットの時代でマーケティングが劇的に変わるのは確かだろう。だからといって、こうした変化が「貨幣経済を終わらせる」ってことにはならないんじゃないでしょうかね?

なんてことを考えながら、岡田斗司夫先生の新しいプロジェクト『オタキングex』のサイトをダラっと眺めていたわけですが……。

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『仮面ライダー』のナレーションぽく読むこと:
「岡田斗司夫はオタキングex社長である!
 彼は貨幣経済→評価経済社会へシフトするための拡張型組織・オタキングexを立ち上げた!
 exはエキスパンドすなわち拡張を意味し、「会社」「学校」「家族」の属性を併せ持つ組織なのだ
 オタキングex社長は、人類の苦痛0.3%の軽減目指して、今日もパソコンの前に張り付くのだ!」

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(オタキングex の社長日記より引用)

実は旧blogでこの大長編を読んでいたときに一番納得できなかったのが、この「貨幣経済社会から評価経済社会へのシフト」というハナシ。

「パラダイムシフトらしいから、今のパラダイムにどっぷり浸かっている人間には何がどう変わりつつあるのかが見えないんじゃね?」
「ていうか岡田先生がしきりに薦めている『FREE』を読めば、言ってることの真意もわかるんじゃないかなぁ」

と思い、大枚¥1900(前のエントリで¥1800って書いたけど、¥1890だから\1900ってのが正しいね)を出して『FREE』を買って、しこしこと読んだわけです。

「創造的かつ評価される方法で貢献する機会は、マズローがすべての願望の中で最上位に置いた自己実現にほかならず、それが仕事で叶えられることは少ない。ウェブの急成長は、疑いなく無償労働によってもたらされた。~~中略~~ウェブがそれらのツールを提供すると、突然に無料で交換される市場が生まれたのである」(251頁)

その通りだと思うけど、これがイコール非貨幣経済のことだというのであれば、ちょっと納得できないよなぁ。単に内容を理解できていないのかも知れないけど。ウェブ上の評判が非貨幣経済の中心になるというけど、それだけでお腹が膨れることはないでしょ。それに人の評価や信用だって、かなりの部分は「貨幣の多寡」で図ることができることだし。ロバート・フランクの『ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態』(ダイヤモンド社)って本によれば、アメリカでは個人の評価や信用の99%は金で判断されるそうだ。

いうまでもないことだけど、貨幣は完全に定量化されていて、どこでも誰とでも交換できる。そのシステムも安価で――『FREE』風に言うなら、各国の造幣局や為替市場のコストは、貨幣経済全体の規模から見ればタダのようなものだ――、いまのところ誰も困ったプレイヤーはいない。金持ちも貧乏人も、共産国家もバナナ共和国も貨幣経済というリングの上にのっている。

一方、評価経済はどうだろう。確かに『FREE』で言うように評価は定量化できるだろうけど、それを交換するとなると一旦貨幣に換えるしかないのでは? ここのところを気持ち良く説得してくれれば、すぐにも『FREE』信者になったんだけどなぁ。将来は全部電子マネーに移行するから、実体としての紙幣や貨幣はなくなるってことなら「そうかも知れないねぇ」とは思うけど。

結局、岡田先生が『FREE』と『オタキングex』に何でそこまで熱くなっているのかは良く理解できなかったわけです。だからといって『オタキングex』は悪い! ってハナシには全っ然ならないわけで、あれはあれで良いことだと思います。

邪推しようと思えばいくらでも邪推できるし、胡散臭いといえば胡散臭い。ただ、ハッキリしていることは、“社員”として参加するとしても、その損失は「月1万円=年間12万円」だけで、この損失さえ覚悟していれば、後は何をしてもいいんだし。『FREE』風に言うなら、「一番優良なスポーツクラブの会員は、会費だけ払って後は一切来ない会員だ」ってこと。何かをしたければすればいいし、黙ってニヤニヤ眺めていたければ眺めていればいい。金を払う価値ナシ! と判断すればいつでもやめられる。MIBに追い込まれたり、新撰組のように辞めるなら切腹ってこともない。

というわけで、手前の中で『オタキングex』の位置づけは、新たな形式の会社でもなく、貨幣経済→評価経済社会へシフトするための拡張型組織でもない、「ファンクラブex」ってことに決めました。毎月1万円払えばアイドルor教祖or講師……etcに会えるだけでなく、一緒におしゃべりをしたり仕事をしたりできるという、ファンクラブのエキスパンドすなわち拡張版であると。

なので、手前に経済的余裕ができたら、入社を申し込むことにします……ってそこ頃までに『オタンキングex』が存続していればいいけどなぁ。


2010年4月7日水曜日

星野伸之、「真っ向勝負のスローカーブ」:その3

さて、星野といえば、中嶋聡捕手に素手でボールをキャッチされたという伝説を持つ「球界最遅のストレート」だが、ではなぜ、この遅いストレートが打たれなかったのだろうか? 星野曰く、「本当のところはよくわからない」としたうえで、自分なりの推測を披露している。

「僕の遅い球は、プロだからこそ通じた面がある」
プロ野球は、いつも同じ相手と対戦する世界だ。~~中略~~こういう限られた相手と野球をやっていると、お互いに長所も弱点も知り尽くしているわけだから、勝負のポイントは読み合いになる」
「そういう駆け引きの中で、“待たれていない”球は、そう簡単には打たれないものだ」(68頁)

狙っていなかった球に手を出して凡打にしたくない――心理が働くことに加え、コーナーぎりぎりの球を見逃す余裕や、打ちにいってバットを止める技術があるプロだからこそ、あえて見送る球、見逃す球があるという。そこをつけさえすれば、130km/hのストレートと90km/hカーブだけでも抑えられるとしている。

つまり、プロの投手に必要なのは、「アウトローに確実に決められるコントロール」、「一流でも打ち難いウイニングショット(ストレート、変化球どちらでも良い)」だけというのが星野の結論だ。

打者との勝負のなかでカウント2-0とした後に投げる、いわゆる遊び球についての持論も面白い。2-0と追い込んだ後に、明らかなボールを投げることは、高校野球では「初回ノーアウトのランナーがでたらバントをする」のと同じくらい教条化されている。プロ野球でも3球勝負は珍しく、ギリギリに外すのはもとより明らかに外すこともよく行なわれている。こうした遊び球に対して最近の解説者は、「あれは意味のないボールですね」と否定的に見ることが多いが、星野の意見は「2-0からの迷いを吹っ切るために必要なときもある」というものだ。

「(3球勝負は必要だが)調子の悪いときなどは特に、それができない。勝負にいっても、もし打たれたらもったいないな、とどうしても考えてしまう。それでは、インコースへ見せダマを投げておくか。いや、ちょっと手元が狂って当てたりしたら、これももったいない……そんなふうにして、有利なはずなのに、どんどん弱気になっていったりする」
「そういう意外な苦しさが、2-0というカウントにはある」
「2-0であるからこそ生じている迷いを吹っ切るために、カウントを2-1に作り変えてしまおう、そういう明確な意図がこの1球にはある。~~中略~~勝負にいく踏ん切りをつけるために、バッテリーはあえて、明らかなボール球を投げるのだ」(77~78頁)

投手の技量、性格によっても感じ方、考え方は違うのだろう。自分の球に絶対的な信頼を置いている投手であれば、このような弱気な姿勢は見せないはずだ。しかし、この星野の考え方は、一握りの“怪物”ではない、大多数の投手の心の内を代弁しているものといえるのではないだろうか。

実はここまでの紹介は2章(全体の4割程度)までで、3章以降は、松井秀喜選手、イチロー選手、清原和博、落合博満らとの勝負や、山田久志、佐藤義則を初めとするOBにまつわるエピソードを中心とした読み物となっていて、これがまたとても面白かったりする。野球好きであれば誰にでも楽しめる一冊だ。

2010年4月6日火曜日

星野伸之、「真っ向勝負のスローカーブ」:その2

「(アウトローへ投げ込むフォームが)体の使い方としては一番難しい。力を上手く抜き、ボールをリリースするポイントもかなり捕手よりなので、最後までボールを持っている感覚をつかまなくてはならない。イメージとしては、ホームベースのアウトコースの縁から垂直に伸びる一本の線を思い描き、その線の中に体を入れていく感じで投げる。そして、高低の調節は、リリースポイントによって行なう」
「このフォームが固まって、右打者へのアウトロー、左打者へのアウトローへ、高い確率で投げられれば、ほかのコースへも自在に投げ分けられる」(46~47頁)

コントロールをつけるためにはどうすればいいか? 投手であれば誰もが抱く根源的な問いに対する星野の回答だ。江夏豊を始め多くのOBが、アウトローに投げ込む練習の必要性を説き、その意図を解説している。星野の回答は極めて簡潔だ。つまるところ、「一番辛く、一番難しいことをやっておけば、他のことは難なくできる」ということ。

これだけなら類書でも良く見られることだが、星野の真骨頂は「そもそもストライクが入らない」という投手に対して、具体的な解決法を提示していることにある。

「自分にとって一番自然なフォームで、ホームベース目がけて思い切り投げてみよう。どんなにはずれてもいいから、変に小細工せずに、自然に、思い切り、である」
「そのときにボールがどこへ行ったか。仮に外へボール2~3個分はずれたとしよう。ここで、『じゃぁ次は、ボール2~3個中へ入れれば外角いっぱいのストライクになるな』と考えないことだ。~~中略~~それよりも発想を変えて、『もう1球、同じ感覚で同じボール球を投げてみよう』と考えてみてはどうか。つまり、“自分にとって一番自然な投げ方”をしたときに、狙った目標からどこへどのくらいボールがはずれてしまうのかを把握しよう、と考える」(50~51頁)

そのうえで、同じように投げた球は同じように外に外れたのであれば、そこで初めて“自分の基準”ができることになる。この基準をベースにできるだけフォームをいじらず、身体の向きを変えたり、プレートを踏む位置をずらしたりしながら、“自分の基準”球がストライクになるように工夫せよ――という。

この提案は、ピッチングをとことん考え抜いた人にしかできないものだろう。言われてみれば当たり前のことだが、こうした“コロンブスの卵”を発見するのは誰にでもできることではない。ストライクが入らない投手を片っ端からサイドスローに改造するような、どこかの投手コーチに聞かせてやりたい言葉だ。

野球のピッチングは、思い切り腕を振りぬいて投げた拳大のボールを、18.48m先にある空き缶にクリーンヒットさせるようなことだ。あらゆるスポーツの中で最も難しい技術の一つであり、背の高さ、腕のリーチはもとよりツメの長さ、指先の湿り具合一つで、ストライクゾーンに入らなくなるほどデリケートなものでもある。技術的なブレークスルーや解決方法は人それぞれであり、これを普遍的に通じる形で簡潔にまとめることはとても難しいことだ。星野が誰にでも通用する“コロンブスの卵”を自信を持って提言できるのは、それだけピッチングを探究し、その理論を完全に消化しきったからなのだろう。

ここで紹介した事例以外にも、「ピッチングに対する発想の転換と簡潔で的を射た説明」は数多く掲載されている。
(つづく)

2010年4月5日月曜日

星野伸之、「真っ向勝負のスローカーブ」:その1

元プロ野球投手の書いた投球術の本は数多くあるが、その中でもわかりやすさと普遍性の高さで見れば、星野伸之の『真っ向勝負のスローカーブ』(新潮新書)が筆頭だろう。

OBの書いた技術論は、「野球少年や草野球愛好者のために」と謳い、なるべく普遍的な内容を目指して書かれたものであっても、その内容は自分の経験から導き出される特殊なものが多い。より踏み込んで言うなら、「オレはこの方法で成功したんだから、オマエもこの方法で成功するはずだ」という成功体験の押し売りということ。典型例は川口和久の『投球論』(講談社現代新書)で、その内容は、これ全編自分の成功体験のみに裏打ちされた――左投げでコントロールが悪いものの肩のスタミナは化物クラス。持ち球は素晴らしくキレの良いストレートと落差の大きいカーブというピッチャー限定の――技術論だ(念のために言いますが、『投球論』はべらぼうに面白い本です)。

一方同著は、自分の経験に基づく技術論をそのまま提示するのではなく、いったん噛み砕いて素人向けにリファインしている。このような作業ができたのは、本人の地頭の良さや編集者の力量も去ることながら、「130km/hそこそこという平凡以下のストレートしか持てず、考え続けなければ勝てなかった投手」だったからこそ、自らの経験や技術を深く掘り下げて考えていた(=素人にもわかるレベルに還元できた)という事情もあったのだろう。

星野の投球術の基本は、「何はともあれウイニングショットを持て!」に尽きる。

「強打者、好打者はそう簡単に凡打してくれない。一握りの超一流投手と、その打者と相性のいい投手が彼らの打率を下げているのであって、凡庸な投手にしてみれば、『10回投げれば10回打たれる』くらいの恐怖感にとらわれているはずである」
「そういう世界で生き残るために、超一流でなに投手はどうしたらいいか。それは、この球さえ決まればそう簡単には打たれない、というウイニングショットをたった一つでいいから持つことだ」(13頁)

極論すれば、ストレートと変化球の2つを持てばいいという。打者の目先を外すには、多種多様な変化球を持っていたほうが有利に思えるが、なぜ“七色の変化球”が必要ではないのだろうか? 星野の説明はとてもユニークで説得力がある。

例えば3種類の球(ストレート、カーブ、フォーク)を持つ場合は、6パターンの練習が必要となる。「ストレート後のカーブ」「ストレート後のフォーク」「カーブ後のフォーク」。それぞれ逆のパターンも加えると3×2=6パターンの想定が必要となる。

実戦では、前の球と違う球を投げるとき微妙に感覚が狂って失投することがあることから、この6パターンの練習は必須となる。もし、持ち球が4種類になれば12パターンの練習が必要となり、結果、「肩やヒジの消耗」「練習時間を短くすることで球種を磨けない」ということになってしまう。こうした観点から、様々な変化球にチャレンジするよりも、数少ない球種を磨きに磨いてウイニングショットにすることを薦めている。

全ての分野で80点を取るより、何か一つ100点を取る――というセオリーは、どの分野でも通じることだが、その必要性を「練習時の時間配分」から説明するというのが星野らしいところだろう。
(つづく)

2010年4月4日日曜日

いじめ、かっこわるい?

765 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:51.21
レフトかわれや!!!!!!!!!!
766 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:51.66
レフトに犠牲フライ打って止めさしてくれ
767 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:52.68
レフト代えろボケ
768 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:52.96
いやレフトを変えろよwwwwwwwwwwwwwwwwwww
769 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:53.44
↓メッセンジャーが最初におぼえた日本語
770 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:53.56
レフト変えろよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
771 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:53.90
いやレフトをかえろやwwwwwwwwwwwwww
772 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:53.92
レフトかえろやまじでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
774 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:56.70
レフト変えろやwww
775 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:57.12
レフトも代えろカス
776 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:58.03
どう考えても無理
777 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:58.46
レフト代えて
778 名前:虎の勝利の神 ◆7.RnfIvcFodx [sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:58.57
ここでさらっとライトもレフトも変えろよ
779 名前:風吹けば名無し[sage] 投稿日:2010/04/03(土) 17:28:58.83
ライトwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもうええわw

(2ch野球実況版より)

9回、ライトへの守備固めにトラファンの皆様が “反逆の叫び” のような咆哮を……。

結構長く野球を見てきたつもりだけど「レフト前二塁打」ってのは初めて見た気がします。誰だよあの中学生みたいな返球は……ってアニキか!

12球団で一番野球を知っている中日だけあって、弱点を攻めるのに容赦がない。この2連戦、レフト前に狙いすぎです。「おまえ、ラシュワンか!」(古いね)ってくらい、金本知憲選手の前に攻撃を集中。浅いフライをショートの鳥谷敬選手が捕りにいくという涙なしでは見られない献身っぷりもあったりしましたが、そんなことで攻撃の手を休めるほどお人よしじゃないのよ。中日ナインも落合も。

まぁ、プロの真剣勝負なんだから、こういう攻め方は当然っちゃぁ当然でしょう。イヤならアニキを代えればいいだけだし。

でも、生粋の中日ファンとして言わせて貰えば、やっぱりフルイニング出場記録の更新っていうのは偉大な記録だから、これを止めちゃいけないと思うんですよ(棒読み)。せめて明日まではデンと「四番レフト」に座っていてください。

2010年4月3日土曜日

全ては『FREE』を読んでからってことか?

『オタク学入門』でオタクコンテンツの正しい見方を示し、『いつまでもデブと思うなよ』でダイエットを成功に導いてくれた我が心の師・岡田斗司夫先生が、なんだか凄いことになっています。

あなたのFREE世界(最終回)

興味のある人は、是非、第1回のバックナンバーから目を通してください。手前が心からの尊敬を込めて「先生」という敬称を付けるのは、岡田斗司夫氏と兵頭二十八師の2人だけなんですが(「センセー」と呼ぶ人はたくさんいます)、そんな岡田先生が今後の仕事の方向性について、斜め上どころでない突き抜けた提案をしています。『FREE――<無料>からお金を生みだす新戦略』(NHK出版)を読んであてられたのか、出版大不況を乗り切る術を考えているうちに誇大妄想がもりもり膨らんできたのか……。

「社員が上納金を納め、社長を無条件に尊敬しろって、ようするに『ヤクザ』か?」
「日本の誇る『ヤンキー』文化を導入するとか言ってるし」
「でも、ファンクラブと考えれば、年間12万円は安いと思う人もいるだろうね」
「懐に余裕があったら社員になってる。てか、兵頭師がやったら倍でも払う」
「宗教団体としては破格の安さかな。壷なんて年会費の3倍くらいするし」
「この値段だとありがたみが感じられないよ。お金=信心だから」
「セミナーでももっとお金取れるしね」
「●間●代の阿漕な商売と比べてもずっと良心的な価格設定だし」

月1万円、年間12万円を社長に支払うだけで、岡田先生と一緒に仕事ができる――というのは、熱烈なファンにとっては魅力的な提案だろう。ファンクラブの会費としては破格だけど、会報やチケット割引どころじゃなくて、本人に会えたり、SNSを通して頻繁に本人と連絡できたり、本人と一緒に仕事ができるのであれば安いものだ。

なので「お金の取り方」をもってこの話を叩くのは間違っていると思うけど、かといって評価経済社会の先駆けという話には素直に乗れないんだよなぁ。心から尊敬する「先生」の話であっても眉唾をつけざるを得ない。

といっても、この辺の認識は『FREE』を読んでいないからかも知れない。この本を読んで説得させられれば、岡田先生の言うことにも「その通り!」と膝を叩くことになるのかも知れないし。

で、ついに買ってしまいましたよ、『FREE』を。大枚¥1800(昼飯3食分換算)をはたいて! 

というわけで、オタキングexについては、『FREE』読後に改めて書いてみたいと思います。

2010年4月2日金曜日

「岩瀬にセーブつけさせ隊」は今年も健在

2カード終わって5割。荒木雅博選手、朝倉健太投手、中田賢一投手がいないなかで、まずまずの結果じゃないでしょうか。落合監督就任以来、毎年6月までは「戦力の見極め」という感じで、新人や若手を順繰り順繰り使いながら5割前後で凌ぐというパターンが続いてますから。キーマンの荒木選手を欠いて負け越してないだけで良しとすべきなんでしょう。

相手がエースの石川雅規投手、こっちはエドワード・バルデス投手だから、「知ってた。負け負け」と気楽に見てたんだけど、いい具合に逆転&猫の目継投で凌いだなぁ。てか、清水昭信投手がピリっとしていれば、こんなことにはならなかったんだろうけど。あと、8回のトニ・ブランコ選手は、去年に引き続き「岩瀬にセーブつけさせ隊」隊員としての仕事を立派に果たしました……って、そういう“イイ仕事”はしなくていいから。

ディオニス・セサル選手を外野に配転、二遊間を井端弘和選手、岩崎達郎選手で固めたら、センターラインもいい具合に締まってきた感じだし(井端選手のエラーはご愛嬌……と思いたい)、新人2人も良く頑張ってるし、野手陣はようやく「足が動いてきた」ってとこですかね。

ただ、「6番井端」を改め「1番井端」に戻したのは残念だったなぁ。まぁ、1番を打てる選手が他にいない――本来なら藤井淳志選手がデンと1番に座っているべきなんだけど、打席、走塁でのクレバーさ欠けるからねぇ――ので、しょうがないといえばしょうがないんだけど。

2010年4月1日木曜日

忙しい人のための「普天間基地を巡る関係各所の態度」

・米国政府:「現行案しか認めません」
・平野官房長官:「ホワイトビーチがいいです」
・社民党:「グアム。ホワイトビーチは認めません」
・国民新党:「キャンプシュワブ陸上案。ホワイトビーチは認めません」
・岡田外相:「現行案じゃダメですか?」
・北沢防衛相:「みんなの意見を全部取り入れましょう」

・沖縄県(各市):「県外しか認めません」
・鹿児島県(徳之島):「ウチは受け入れません」
・他の都道府県:「候補地になったら反対運動するよ」

・鳩山首相:「私には腹案がある。5月のある程度前に公表する」

鳩山首相の「3月までに政府案を固める」ってのは、一応、各自治体が新年度に入る前に候補地へハナシを持っていかないと、5月一杯までに地元を説得するのは(バラマキまくって金で合意を買うとしても)難しいというエクスキューズがあったはずなんだけど……。昨日の党首討論を見る限り、「単に面倒くさいことを先送りしていただけ」ってことが透けて見えるよなぁ。普通に考えれば「腹案=現行案の手直し版」(去年の日米首脳会談でオバマ大統領が示した妥協案)なんでしょう。

まぁ、民主党としては、「5月に小沢幹事長が訪米してハナシ(現行案の手直し版)をまとめて万々歳!」ということなんだろうけど。

これからどうなるのか? については、いまのところ2月に書いたことを大幅に変える必要はない感じですかね。