2014年11月30日日曜日

「指揮官が悪いと部隊は全滅する」

――とは、プロ野球史上最多勝監督である鶴岡和人が、南海を退団するときに口にした言葉。この名言の価値、重さをズッシリと感じられるゲームが、中世村社会建設シミュレーション『Banished』ですよ。

11月初めにSteamにて半額セールだったので早速開発、日本語化MODを入れて遊び始めたわけなんですが……。チュートリアルをせずに「難易度ノーマル&小さい渓谷マップ」でチャレンジして30余回、連続で村を全滅させました(><)。

ゲーム開始時に4~5家族(20人弱)の人員と極僅かな食料、薪、服、道具と木材、石材、鉄材などの資源を持ってスタートするんですが、調子に乗って家を作ったりすると、人口が増えて薪、食料が足りなくなり全滅するし、猟師小屋ばかりを建てていると、不安定な食糧供給と薪不足により全滅するし、家、木こり小屋、薪切り小屋、漁師小屋などをバランスよく建てても、そこに働く人がいない&建物を建てすぎて資源不足に陥り薪がなくなり全滅……という感じで、簡単に全滅します。追放者の行く手に立ちはだかる大自然――舞台は開拓時代のアメリカだろうね。物々交換が基本でトウモロコシの種もあるってことは、少なくとも貨幣経済が成り立っていてトウモロコシのトの字もなかった中世ヨーロッパではないものね――は、本当に容赦ありません。

こんな感じで600人以上もの犠牲を払った結果、ようやくにして「ノーマルなら10回中10回は初年度の越冬を成功させられる」まで上達。ここまで腕を上げたことで、本格的な村の建設に着手すべく、「ノーマル&大きい山岳マップ」にて、Rorikstead――『Skyrim』で最も辺鄙な山村。馬泥棒のロキールと虐殺者エリクの出身地にして、赤のラグナルも滞在していたらしい隠れた名所――と名づけた地に桑を入れたわけです。

が、3~5年くらいは楽々と進められるものの、人口が100人近くになると、ちょっとした慢心及び環境の変化により、重いもよらぬ形で村が全滅するわけですよ(><)。

具体的に言うとですね……

・食料を多く備蓄すべく、6年ほど人口を増やさずに回していたら、熟練労働者が高齢化によりバタバタ死亡。
・労働力不足により一次産業に優先して労働者を配置し、二次産業を後回しにしていたら、道具不足により生産効率がガタ減り。
・結果、当年度の食料生産高が前年度比で30%減。薪の生産もカツカツだったため冬に餓死、凍死者が続出。
・学校を稼動停止にして、学生を無理矢理に猟師や漁師にするものの、非熟練労働者であるために思うように生産高が上がらない。
・その後も餓死者がコンスタントに増え続け、最後には人っ子一人いなくなる。

……みたいな感じですよ。このほかにも「ほんのちょっと家を作りすぎた結果、食料の生産が追いつかずに餓死者が発生。薬草小屋の熟練労働者を農家に回した結果、村人の健康度が下がり出生率が低下。少子高齢化が進んだ末に全滅」とか「移民を受け入れた結果、薪の備蓄が一切なくなり熟練労働者に凍死者が発生。これが食料生産に響き、数年後に村が壊滅」とか「竜巻により8人働いていた鉱山が壊滅。これにより鉄の生産がストップした結果、道具不足となり生産効率がガタ減りして、数年後に村が崩壊」とか。とにかく「安定軌道って何?」ってな感じでポンポンと全滅してしまいます。

とまぁ、このようにシビアなゲームなんですが、だからといって理不尽に難しかったりゲームバランスが悪かったりするわけじゃぁないんです。てか、システム、バランスともこの手のゲームのなかでは図抜けて素晴らしいんですね。人の配置とモノの生産、その結果起きることが、極めて論理的かつ厳密にマネジメントされているので、仮に村を全滅させたとしても、運やシステムのせいにすることなく、「村長である自分の采配が悪かったせいなのだなぁ」と100%納得できるわけですよ。

で、現在、Rorikstead建設(3日振り5回目)に邁進しているわけですが、20年目にしてようやく安定軌道に乗りつつあるようです。といっても、食糧生産高と消費量はギリギリで均衡していたり、近隣の森林を伐採しつくしたものの、ちょうど良い木こり小屋建設予定地が見つからなかったり、いつまでたっても交易商人が家畜を持ってこないので、中々良い服が作れなかったりと、潜在的な問題を抱え込んでいます。つまるところ死と隣り合わせの村ってこと。といっても、近代までは世界中どこでも餓死と凍死が身近にあったことを考えれば、いまのRoriksteadは“平時”ってことなんでしょう。日本語MODを使わず、Steamの実績解除を目指したこの村がどこまで発展できるのか? まぁ、仕事やHulu視聴の合間にちょくちょく進めていくつもりです。

追記:5~6年振りくらいに『Total War』シリーズを遊ぶ。Steamの“探索セール”で75%引きだったので、日本語化MODの導入が簡単であることを確認したうえで、『Total War:Rome2』を開発。前に遊んだのは『Medieval 2:Total War』だったんだけど、AIがあまりにもバカ――目の前で包囲機動をとられているのに全然動かないのね。まるで名乗りを上げているゴレンジャーに手出しをしない黒十字軍の面々くらいに無能――で、CPUが操作する教皇庁がムスリムと同盟を結んだことを確認した時点で、ソッ閉じ&ソフマップに販売したものです。翻って今作はAIがそこそこ賢く、映像も抜群にキレイで、「これはキャンペーンを完走してみなくては」という意欲を沸かせるくらいの出来にはなっています。実際にやってみたら、戦場で同数の相手に粉砕されたり、内政に時間をかけて磐石な体制を築いたと思ったら、隣国が2~3州を制覇していて太刀打ちできなくなっていたりと、久しぶりのプレイに四苦八苦。こんな感じで「やられながらコツを覚えるとき」ってのが、シミュレーションゲームをやっていて一番面白いときだからね。