2010年10月31日日曜日

試合よりもフクシ君のUSのが面白かった

HR2本で勝とうなんてムシの良いことを考えてちゃダメだね。てか、こんな試合で何を書けと。エースさま未満な投手が3回で見切られた時点で敗戦処理モードだものね。鈴木正人投手、清水昭信投手を虫干しできただけで良しということかな。ま、監督も試合後の生電話で言ってた通り、「あと2つ負けるまでに4つ勝ちゃいい」ハナシなんで、その言葉を信じることにしましょ。

「クラナドまでな」
「大正野球娘も一緒に見てた」
「ハリーポッターの新作は3Dじゃない方に行こうな」

それにしてもフクシ君のユーストリームは一々最高すぎだった。声も無駄に良かったしね。しかし、フクシ君も23歳かぁ……そりゃ手前もトシをとるはずだ。

2010年10月30日土曜日

今中慎二、「中日ドラゴンズ論」:その3

「情理的な星野仙一と合理的な落合博満との対比」、「落合のメディア対策」、「中日選手が一様に地味に見える理由」など、読みどころの多い本だが、コアなファンにとって一番面白いポイントは、「第5章:中日ドラゴンズと未来」で語られている後輩への叱咤だろう。とりわけ川上憲伸投手、高校の後輩である平田良介選手に対する愛の鞭は、実にクリティカルなもの。

「ドラゴンズでいえば川上がいい例です。彼は毎年サイパンで自主トレを行っているため、キャンプ直後での仕上がりはいいですが、ゲームになると思うような結果を出せない。耳にしたことがある人もいるでしょうが、よく『川上はドーム球場以外では勝てない』と言われていました。事実その通りです。ブレーブスへ移籍した2009年、特に2010年など顕著ですが、屋外球場の多いメジャーリーグで思うような結果を得られていません」
「~~中略~~温暖な地域で自主トレを行うことを完全に否定するわけではありませんが、このようにシーズンでのパフォーマンスが出ない理由をもっと考えれば、おのずと改善策は見つかるはずです」(185頁)

「かつてのドラゴンズでは川上がその典型でした。肩に不安があったこともありますが、川上はシーズンに入るとほとんど投げ込みをしませんでした。当時のコーチたちもその点については指摘していたみたいですが、それでも改善できていなかったようです」
「だから川上はよく夏場にバテてしまうのです。ゲームでのペース配分は分かっていても、シーズン通してのそれは理解していない」(189頁)

「本人には厳しいようですが、今のドラゴンズですと平田がいい例でしょう。現在の彼は、ロッテの西岡剛と日本ハムの中田翔とともに自主トレを行っています。3人とも私の高校の後輩ですし、その縁もありみんなで行っているのでしょうが、平田は将来、どんな選手になりたいと考えているのでしょうか。本心はわかりませんが、少なくとも今のままではチームが求める選手にはなれないでしょう」
「~~中略~~もちろん、西岡はプロ野球界を代表する素晴らしい選手です。一生懸命努力もしますし、その過程で得たプロとして生きていくための秘訣は持っているでしょう。であれば、平田はそれを活かすことができているのでしょうか。聞いていたとしてもプレーに活かせていないのでしょうか。そもそも西岡は足を活かして出塁する、いわば平田とはまったくタイプが違う打者です」
「だったら、同じ高校のOBである西武の中村剛也のところへ行けばいいのでは、と私は思います。彼は2008、09年と2年連続でパ・リーグの本塁打王になっており、日本人では一番のホームラン打者です。ドラゴンズが平田に求めている長打力に磨きをかけるには、もってこいの選手といえるでしょう」
「~~中略~~自主トレは遊びではありません。その年の自分がどのように成長していくかを図るうえで最も重要な時期です。平田に限らず、他の若いせんしゅについても他球団の選手とともに行うのは構いませんが、明確な目的意識をもってやってほしいものです」(183~184頁)

なぜ彼らが自らの才能をフルに発揮できないでいるのか? 現時点では、この今中の批評以上に説得力のある論を手前は知らない。このような容赦のない“愛の鞭”は他にも所々で炸裂している。

落合ファン的な読みどころとしては、「現役時代、守備位置の変更については逐一ベンチが指示するようにお願いしていた」「間違った憶測記事を書いた記者を呼び出し『お前のところは嘘を書くのか?』と内容の説明を求めている」といった、この本で初めて明らかにされた事実もさることながら、落合自身が「打たなければ良かったHR」と後悔している91年9月1日の広島×中日戦について、今中視点で回顧しているパートがハイライトといえるだろう。

「私は3日前の巨人戦で投げていたのですが、星野監督、コーチから『ベンチに入ってくれ』と頼まれたため、リリーフに備えてスタンバイしていました。試合は、3点差で劣勢。『登板はないかな』と思っていたところ、9回表に見事同点に追い付き、私もいよいよ登板かとブルペンで気持ちを盛り上げていました。しかし、結局登板したのは当時のストッパー、森田幸一さんでした。残念ながら、森田さんが打たれてしまい、試合はサヨナラで負けてしまいました」
「私はそそくさと帰りのバスに乗り込むとすぐ落合さんに呼ばれ、こう言われました」
「『何のためにお前はベンチに入ったんだ? 投げるためだろ。なんで9回に行かなかったんだ』。~~中略~~落合さんが私を責めたのは、なぜ大事なゲームでベンチに入りながら自ら『投げさせてください』と志願しなかったのか、ということだったのだと思います」
「落合さんはあの広島戦がシーズンの今後を占ううえで大事な試合で、勝たなければいけない試合ということを分かっていて、だからこそ、私を怒ったのです」(82~83頁)

ここで落合が今中を責めていたことは初めて知った。落合自身も『プロフェッショナル』で以下のように回顧している。

「天王山に臨むにあたり、最も大切なことは何か。それは、首脳陣と選手が共通した認識を持って戦い、勝利を挙げることだ。この日の中日で言えば、投手陣を総動員してでも勝つということだった。ところが、そうした展開に持ち込みながらも切り札の今中を使わずに敗れたことで、首脳陣と選手の認識には微妙なギャップが生まれた。これは、見えないブレーキとなってチームを失速させてしまう」
「シーズン終了後、私は大野から同点3ランを放ったことを後悔した。あの場面で凡退し2対5で敗れていれば、それは『ただの1敗』になった。ところが、同点にしたことで今中投入の機会を作り、ここで首脳陣と選手の認識のギャップを露呈させ、さらに敗れたことで『優勝の行方を決める1敗』にしてしまった」
「一打席ごとに全力で勝負に挑んだ結果とはいえ、これは私が記録した510本の中でも『打たなければよかった』という思いにさせられた唯一の本塁打である」(260~261頁)

このほかにも巻末の川相昌弘×中村武志×今中の鼎談――この3人が揃えばイヤでも出てくるのが10.8の回想!――など、読みどころは本当に数多くある。野球解説本としてだけでなく、2010年に出版された全ての野球本のなかでも1、2を争うほど面白いといえる。中日ファン、落合ファンであれば文句なしに楽しめる一冊だ。

2010年10月29日金曜日

*TV覚書:洋楽倶楽部80’s(レギュラー第五回)

テーマは「感動のバラード」。ゲストは伊藤政則。

放映されたPVは以下の6本。ニコニコ動画のソースで紹介。

【ニコニコ動画】Whitney Houston - 「Saving All My Love For You」
・ヒットしていた当時は、ありとあらゆるところでかかっていたような気が。こう、これみよがしに歌い上げるスタイルは苦手だけどね。

【ニコニコ動画】【99】Cheap Trick - The Flame
・「バラードはバンドを救う」――何でHM/HR特集に続いて伊藤政則なのかと思ったら、このバンドを出して、この言葉を言わせるためだったか! 確かに起死回生の一発だったもんなぁ。最近ではアステラス製薬のCMで使われていたっけ。サビのキーボードがモロ80’sチックだ。この曲もいいけど、個人的には売れ線転向第一弾アルバムに収録されていたTonight it’s Youのがもっと好き。

【ニコニコ動画】Spandau Ballet - True
・ニューロマンティックのバンドは大体好きだけど、このバンドだけは苦手だった。この曲もどこが良いのかサッパリわからない。理由は詳しく考えたことがないので割愛。

【ニコニコ動画】Phil Collins - One More Night
・リアルタイムで聴いていたときは、この曲の良さが理解できなかったけど(MTVの録画を見ていたときに大概早送りしていた)、今になって少しだけ理解できた気がする。「売れ線ばかり書きやがって!」と、アーティスト仲間からも過小評価されたりしているけど、こうした評価の多くが嫉妬なんだよねぇ。

【ニコニコ動画】The Cover Girls - Show Me (ショウ・ミー)
・PVは初見。サビの振付といい、メイク、髪型といい80’s臭さで窒息しそうだ!(もちろん褒め言葉です)。

【ニコニコ動画】221 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Foreigner - I Want To Know What Love Is
・ルー・グラムのルックス以外は非の打ち所のないバンド。ネスカフェのCMみたいなPV(ってCMがパクったんだけど)が懐かしい。In my life~♪からサビまでの流れは、歌詞、映像、メロディ、演奏が見事に融合していて本当に素晴らしい。

この企画は深夜だからこそ成立するものだよなぁ。それにしても伊藤政則の話術と解説は、他のゲストと比べるまでもないほど図抜けてるわ。もう、高嶋兄と伊藤政則、ジョン・カビラのローテでいいんじゃね?

今中慎二、「中日ドラゴンズ論」:その2

ここまで書いてきた<今中のスタンス>を踏まえたうえで、同書の内容を振り返ってみると、この<今中のスタンス>こそが、“落合中日”(落合博満は「監督+チーム」という呼び方を人一倍嫌っているが、ここでは「2004年から2010年の中日」を指す言葉として便宜上使わせてもらう)の強さの深層を掘り下げるためのカギとなっていることが良くわかる。

なぜなら、“落合中日”の強さの深層は極めてシンプルなものだからだ。

「なぜ、ドラゴンズは勝てるのか」
「その答えは、簡単です。そしてこれは、今回の本を出すにあたって、落合監督からいただいたコメントがすべてを言い表しているでしょう」
「『プロにとって当たり前のことをしているだけ。それが中日の強さ』」(16頁)

そのうえで、「当たり前のことができるチーム、選手は、プロでさえ本当に少ない」とし、“落合中日”がどのような当たり前のことをやっているのかを詳らかにしていく。

恐らく今中は、やろうと思えばいくらでもひねった書き方をしたり、ハッタリをかましたり、穿った視点で切り込めたことだろう。NHk野球中継での話し振りや、TV解説者としては珍しいほど日頃からマメに取材している姿勢を見れば、テクニカルな書き方で読者を説得することも簡単にできたはずだ。

それでも敢えて当たり前のことを当たり前に書き、“落合中日”の強さをありのままに伝えてくれたからこそ、“落合中日”の強さの理由として多くのファンが議論し、推測していたファクター――「軸が2人だけのローテーション」「4~6月までは若手試行期間」「かけがえのない岩瀬の存在」「選手起用の明確な基準」「メディア対策の計算と意義」……etc――が、ほぼ事実であったことが確かめられたわけで(今中はシーズン中に何度も落合取材し、確証を得た上で書いている)、この点だけをとって見ても、「中日や落合に興味がある野球ファンであればすべからく読むべき本」と言えると思うのだ。

と、ここまではコアな中日ファン向けのハナシ。中日、あるいは落合のことを良く知らない野球ファンや、「なんでアノ貧打、アノ陣容で優勝できたの?」と、中日の強さについてぼんやりとした印象しかないライトな中日ファンにとっては、“落合中日”の最高の入門書となろう。一々、スポーツ紙や専門誌、ファンblogをチェックせずとも、これ一冊を読めば“落合中日”の強さの理由がたちどころに理解できるはずだ。
(つづく)

2010年10月28日木曜日

今中慎二、「中日ドラゴンズ論」:その1

◆目次
・第1章:中日ドラゴンズが勝つ「当たり前の理由」~明確なシーズンプラン~
・第2章:中日ドラゴンズの「不気味」さの理由~先入観を作りだすメディア対策~
・第3章:中日ドラゴンズの監督力~星野イズムと落合イズム~
・第4章:中日ドラゴンズの伝統力~なぜ、投手力が強いのか~
・第5章:中日ドラゴンズと未来~ファンと一体感のあるチームに~
・特別収録:川相昌弘×中村武志×今中慎二 「鼎談 外から見たドラゴンズ、内から見たドラゴンズ」

同書の内容は、中日のエースだった今中慎二が「2010年のドラゴンズの強さ」について、自らの体験(80年代後半~90年代にかけてのドラゴンズ)を振り返りつつ、「現在の強さ」と「伝統の強さ」を選り分けて検証しているというもの。

正直なところ、書かれている内容には何ら目新しいところはない。2010年のドラゴンズがなぜ強かったのか? について、具体的に語っている点は、すでにスポーツ紙や他の論者が言い尽くしていることでもあり、コアな中日ファンにとっては言わずもがなのことしか書かれていないといっていい。

実際、第1章の内容にしても、「全選手が一塁まで全力で走っている」「キャンプ時からシーズン後半に合わせて調整している」「練習量が極めて多く、かつ豊富」――といったことを今中の言葉で語りなおしているだけで、読者のなかには「こんな中身のない本を出して、バカにしているのか?」と思う人もいるかも知れない。

しかし、同書で今中が書いているような「いわずもがなのことを書く=当たり前のことを当たり前に書く」ことは、実のところ誰にでもできることではない。

自分の主張、言葉がビジネス(ギャラのランク、解説者としての“格”など)に直結する野球解説者の多くは、「読者へのサービス」「自身の能力の誇示」を目指し、当たり前のことを当たり前には書かかない。ほとんどの場合、ひとひねりして書いたり、ハッタリや長広舌をかましたりするものだ。最近の野村克也の著書は、その典型例だろう。このようなスタンスで書けば、信者からは「こういうことは彼にしか書けない」と支持されるものだ。批判的なファンからは様々な誹謗中傷を浴びるものだが、このようなスタンスで書いていれば、少なくとも「お前はこんな当たり前のことしか書けないのか?」という非難だけは浴びせられることはない。

当たり前のことを当たり前に書かないということは、ある意味で、自分のプライドを守る“安全”なやり方といえる。

翻って同書は、ともすればファンからバカにされかねないストレートな書き方を通している。この潔い姿勢! そして何より事実を事実として書く、自分の都合で捻じ曲げない筆致は、近年の野球解説者の解説本にはほとんど見られなかったものだ。
(つづく)

2010年10月27日水曜日

「中日ドラゴンズ論」が凄く面白い件

「仕事も一段落したし、そろそろデータクラッシュした『noriの決断』の残りを書き直さないとナ」と思いつつ、八重洲ブックセンターのスポーツコーナーを眺めていたら今中慎二の新刊『中日ドラゴンズ論』(ベスト新書)を発見。いかにも中日優勝の便乗本くさかったので立ち読みで済まそうとしたら……何コレ、超面白いんですけど!

というわけで、なけなしの¥780を支払ってゲットしたわけですが、この本、今年出た野球解説本――自伝や技術書ではなくてOB解説者が書いた解説本のこと――の中では抜群に面白いです。もちろん四半世紀来の落合ファンにして中日ファンだからこそ楽しめたという側面もあったりするのですが、そうした事情を差し引いても、OB解説者が書いた解説本としては出色の出来です。

何が凄いのか? どこが素晴らしいのか? については後日改めて。ともあれ他人の著作の帯にコメントを寄せたのがドアラとフクシ君くらいという落合博満が、帯で「プロにとって、当たり前のことをしているだけ。それが中日の強さ」と“マジメに推薦”していること。そして、中身を読む限りこの推薦が“義理”じゃない――すなわち野球に関しては人一倍厳しい落合が公認した「落合中日」に関する読み物――ってことは確信できました。中日や落合、星野仙一に興味がある野球ファンであればすべからく読むべき本、と思いますね。

2010年10月26日火曜日

元道民だけど……

補選敗北に仙谷氏「あの選挙区は産経の影響力が強いのか」

産経新聞なんて新聞があることは、東京に出てきて初めて知りましたですよ。あと、カツゲンと焼きそば弁当とサンパレスが全国区でないこともね。

てか、産経新聞なんて読売、朝日に比べたら同人誌みたいなものでしょ? いくら政権批判する新聞社が憎たらしいからといって、現実を無視した皮肉をいわれたところでねぇ。しかも、大して気も利いてないし面白くもないし。

2010年10月25日月曜日

辻内を復活させたら大したものだけど

巨人が投手コーチとして川口和久を招聘! 昨日のスポーツ紙が横一線で報じていたくらいだから、90%以上固いハナシなんでしょう。こういう野に埋もれるべきではない人材が表に出てくることはとても嬉しいことだし、コーチとして招聘する球団があるとすれば巨人くらいしかないとも思っていたけど……問題は、川口の教えを体現できそうな素材が「今の巨人」に見当たらないことなんだよなぁ。

内海哲也投手は球界のエースになれる素材の持ち主だけど、投球スタイルは川口のそれとは真逆だし、川口のスタイルを体現できそうな唯一の素材だった辻内崇伸投手はヒジのケガ以降、パッとしないからなぁ。山口鉄也投手は完成品だし、金刃憲人投手は底が見えた感じだしね。

それでも、どこぞのピッチングコーチみたく「コントロールがつかない? だったらサイドスローにすればいいじゃん!」みたいな最低の指導をしない(できない)であろうことは、巨人ファンにとって朗報かもね。てか、川口を呼ぶのはいいんだけど、手っ取り早く投手陣を復活させるためには、斎藤雅樹をクビにするのが最善手だと思うんだけどなぁ。

2010年10月24日日曜日

正直、ナベツネ監督の方が良くないか?

新人と三番にビビって四球。この直後、監督が弱気になっているピッチャーを叱咤するためにマウンドへ行きました――。ここで問題です。次にピッチャーが投げる球種は何でしょうか?

……って、こんなクイズの答えなんてバカでもわかるわな。

満員のナゴヤドームで、唯一人、この答えがわからなかったのが相手の監督で本当に良かった。実際、今年の優勝は一にも二にも監督の差だったしね。冷静に見れば、中日の監督が凄かったというよりは、阪神、巨人の監督が勝手に自滅しただけなんだけど。

てか正直、巨人の監督はナベツネでいいじゃないの? ナベツネなら最初からマーク・クルーン投手を抑えで使わなかっただろうし、絶望的に調子の悪い亀井義行選手も使わなかっただろうし、何より「結局は落合君の方が頭が良かったということだろう」と彼我の監督の差を喝破してたものね。

ともあれ予定通りにCSを突破。あとは日本シリーズだけだ。正直、リーグ優勝チームとのガチンコ対決を見たかったけど、ここで何を言ったところでリーグ3位のチームが出てくるんだからしょうがない。

リーグ優勝チームとしては絶対に負けられない! という無駄なプレッシャーが掛かりそうで凄い心配――「千葉マリンスタジアムの渡辺俊介投手を打ち崩す図」が、どうしても想像できない!――なんだけど、なぁに、こっちには頼れる男、火消しの中の火消しである河原純一投手がいるから大丈夫! と思いたい。

2010年10月23日土曜日

河原sugee! 神! 神! 神!!

野村も脱帽の谷繁元信捕手のリードも凄いけど、それよりも何よりも復活の河原純一投手ですよ! やっぱり頼れる男だった。これぞ本当の火消し。試合途中だけど更新せずにいられない素ン晴らしいピッチングだった。

って、巨人はここまで“元巨人”にいいようにやられてるよなぁ。

追記:2、3、4番をキッチリ抑える。なんか目から変な汁が出てきそうだ。やっぱり投手はコントロールが命だねぇ。

ようやく現状復帰

一カ月前にデータのバックアップをとっておいて本当に良かった。今回は気づいたら全てのプログラムとデータが飛んでたからなぁ。ホント、手の施しようがなかった。

やりかけの仕事が全部吹っ飛んだり、アドレス帳がキレイに消えたりと、結構シャレにならない被害が出たものの、締め切りが週明けだから何とかなるか。って考えないとやってられんわ。「noriの決断」の記事もその3~その5までキレイになくなったしね。

というわけで、メールもいつものアドレスで通じるようになっています。

2010年10月22日金曜日

*TV覚書:洋楽倶楽部80’s(レギュラー第四回)

テーマは「Girls On Video」。ゲストはクリス・ペプラー。

放映されたPVは以下の6本。ニコニコ動画のソースで紹介。

【ニコニコ動画】203 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Olivia Newton John - Physical
・80年代に作られたPVの中で最も有名なPVの一つ。元ネタは知らなくても、「エアロビ」「レオタード」「この曲」と連想する人は相当数いるのでは? これは日本に限ったことではないようで、海の向こうでもそうらしいとのこと。エアロビをパロディにするときには絶対に欠かせない曲だしね。

【ニコニコ動画】SHEILA E.【GLAMOROUS LIFE】1984
・プリンスの愛人1号。シーラEについていえばこの曲しか知らないけどイイ曲。それにしても数多ある女性アーティストのPVの中から敢えてコレをチョイスするとは……いや、好きな曲だからいいんだけど、公共放送としてそれでいいのか? と、ちょっと気になった。このPVとBanglesのPVを見れば、殿下の女性の好みが世界一一本筋が通っていることがわかる。きっとスザンナ・ホフスにもこんな格好をさせたかったんだろう。

【ニコニコ動画】Tina Turner / What's Love Got To Do With It
・Girls枠でいいのか? という疑問はさて置き、ティナ・ターナといえばこの曲。もっとも個人的にはマッドマックス3のテーマとかブライアン・アダムスとのデュエットの印象の方が強かったりするんだけど。

【ニコニコ動画】066 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Nena - 99 Luftballons
・映画『ウォッチメン』で印象的な使われ方をしてたなぁ。上手く説明できないけど、今日放映された曲のなかで、最も80’sくさい曲という印象。

【ニコニコ動画】Bananarama - Venus
・お茶の間洋楽エイティーズ。長山洋子の黒歴史の遺産を敢えて掘り出そうというのか!?(富野セリフ)。きらめくシャンパンライト♪ とソラで歌えるのが悲しい。てか、長山洋子が「量産型荻野目洋子」をやっていたなんて今の人は知らないだろう。LOVEマシーンの元ネタといった方が通りが良いんだろうけど、そういうことは迂闊には言えないんだろうなぁ。黒髪の女はアンドリュー・リッジリー(WHAM!の雰囲気担当)と結婚したんだっけ? 

【ニコニコ動画】067 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Joan Jett The Blackhearts - I Love Rock'n Roll
・アル・ヤンコビック先生の大傑作パロディPVの印象が強くて、オリジナルのPVを見てもニヤニヤしてしまう。まぁ、女性アーティスト特集であれば、絶対に欠かせない曲の一つなんでしょうね。

で、俺のシーナ・イーストンは? ひょっとして会話の中で名前を出しておけばOKってか? シーラEもいいけど、シーナ・イーストンを外しちゃダメだろう! ここで取り上げないということは、次々回以降にあるであろう「アイドル枠」でやるのかも知れないけどね。次回テーマは「感動のバラード」。Reo Speedwagon、Foreignerあたりは鉄板だと思うんだけどなぁ。

2010年10月21日木曜日

G専の皆さまが反逆の叫びを上げています

485 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:29:17.41
1 (二) 脇谷 0 0 0 0 .333 0
2 (一) 亀井 0 0 0 0 .250 0
3 (三) 小笠原 0 0 0 0 .000 0
4 (左) ラミレス 0 0 0 0 .250 0
5 (捕) 阿部 0 0 0 0 .250 0
6 (右) 高橋 0 0 0 0 .000 0
7 (中) 長野 0 0 0 0 .000 0
8 (遊) 古城 0 0 0 0 .250 0
9 (投) 内海 0 0 0 0 - 0

486 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:29:17.95
また亀井スタメンかよもう勝手にしろバカ大将

514 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:30:32.99
亀井のケツって相当しまってるんだろうな

520 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:30:47.35
敗退行為!
亀がホームラン打とうが決勝打打とうが関係ないわい

554 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:33:00.84
昨日の試合でチャンスをことごとくぶっ潰して
途中から亀下げたのは何だったのか

575 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/21(木) 17:34:41.50
無理矢理亀井をラッキーボーイに仕立てあげようとしてるな
そういう役割は矢野なんだって事を気づいて欲しい

651 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/10/21(木) 17:39:22.83
でも、いい加減亀井さん打つかも!

って今シーズン何回思ったことか・・・

707 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/10/21(木) 17:43:24.81
まあぶっちゃけ、正攻法でナゴドの中日から4勝1敗は無理だし
うっすい確率ながら亀井奇跡の復活を狙うのは博打としては無いとは言えない


でもねーわw

717 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/10/21(木) 17:44:12.45
>>707
いや、思うんだ
亀井が去年の活躍をしたところで
勝てなくね?w

中村紀洋、「noriの決断」:その2

「そんな僕にファームのあるコーチが、『今の打ち方では一軍レベルでは通用せん』と、いきなり言ってきたのです。そこで素直に頭を下げて、そのコーチの言うとおりに変えれば、そのコーチは満足したのかもしれませんが、性格的に、自分が納得できないことに対して素直になれないタイプですから、そのコーチに面と向かって『じゃあ、1回上げてください。一軍バリバリのピッチャーのスピード、キレを見せてください』と言い返しました。さらに『打席に立ってみて、自分の打ち方では無理だとわかれば、そこで考えて対応するのがプロじゃないんですか』とも続けたのです。まさか反論されるとは思っていなかったのでしょう。コーチは怒りで顔を真っ赤にし、『もうお前には教えん!』と一言。僕も『わかりました。自分ひとりでやります』とやり返して“決裂”」
「~~中略~~僕としては、それくらいの覚悟を決めてやらないとこの世界でやっていくのは無理という思いがあったのです」(97~98頁)

高卒一年目、18歳のノリがとった行動だ。<指導拒否>をして成功したバットマンといえば落合博満が筆頭に上げられるだろうが、彼が<指導拒否>をしたのは25歳のときのこと。未成年でありながらここまで言い切ったノリは、ある意味で落合以上の“タマ”だったということだろう。

こうした<指導拒否>は、多くの場合「ヒロイックな行動」としてファンに賞賛されることが多い。また、少なくないファンが落合博満やノリ、イチロー選手のような一握りの選手だけが、<指導拒否>という思い切った一手を打てると思っているようだ。ノリ自身も同じように考えているといっていい。

「そのコーチのことではないですが、実際の話、コーチにフォームをいじられて結局元の勢いのあるボールが投げられなくなったという投手は結構いますし、打者にしてもそれは同じ。一流といわれるような選手には共通する頑固さというか、こだわりがあるもの。逆に、せっかくいい素質を持っていても、素直すぎる選手はやっぱり伸びない人が多い。これは僕の経験からそう思います」(99~100頁)

しかし、<指導拒否>をする選手は決して一握りの選手だけではない。実際には少なくない選手がコーチの言うことに唯々諾々と従わず、自分の腕一本で道を切り拓いているものだ。つまり、<指導拒否>それ自体は、そこまで珍しいものではない。

ではなぜ、落合やノリ、イチロー選手のような一握りの選手の<指導拒否>だけがクローズアップされて、それ以外の選手、OBのそれが目立たないのかといえば、答えは簡単で<指導拒否>をしたもののプロで芽が出ず、マスコミに取り上げられなかったからだ。落合、ノリ、イチロー選手の陰には、コーチの言うことに逆らった結果、チャンスを与えられず、そのままフェードアウトした数多の選手がいるということ。

では、ノリとその他の選手を分けたモノは一体何なのだろうか?
(つづく)

2010年10月20日水曜日

中村紀洋、「noriの決断」:その1

中村紀洋選手(以下、ノリ)が楽天から戦力外通告を受けた。129試合出場で打率.266、HR13、打点64という成績は、FAで入団しクリンアップを期待された選手としては物足りないものだが、そのまま引退するには勿体無い成績でもある。ただし、現状では受け入れてくれそうな球団は見当たらず、そのままフェードアウトしていく可能性も少なくない。

全盛期には5年連続で30本以上のHRを打ち、三冠タイトルも3つ獲得した偉大なバットマンがこのまま引退してしまうのか? そんな思いを抱きながらノリの自伝『noriの決断』を読み返した。

◆目次
・第1章:2005年の決断
・第2章:2002年のFA騒動
・第3章:やっぱり野球が好きだった
・第4章:プロ入り、いてまえ打線の一員へ
・第5章:独自のバッティング技術
・第6章:家族に支えられて
・Nori’s MIND

第1章、第2章は、それぞれ「球団合併→メジャー入り」「巨人、阪神、メッツ、近鉄とのFA交渉」に関する“ノリの事実”を語ったもの。正直、メジャーからの帰還→オリックス退団→エアキャンプ→中日入団→FAで楽天入団――という、当時のイベント以上にドラマチックな野球人生を送ったことを知っている現在となっては、正直、どうでも良い内容だ。

むしろ、こうしたスキャンダルネタ以上に興味深いのは、入団時点では大阪桐蔭の萩原誠よりも遥かに評価が低く(ドラフト4位)、決して将来を嘱望されていたわけではなかったノリが、パリーグを代表するバットマンになるまでの成功の道程を語った「第4章:プロ入り、いてまえ打線の一員へ」の内容だ。そこにはノリがなぜ成功できたのか。 プロで成功するためには何が必要なのかの“ヒントの一端のカケラ”のようなモノが語られている。
(つづく)

追記:前にも書いたけどメジャーなんか行くわけないじゃん。だいたい本人が「オレ、行かねぇから」って口を酸っぱくして言い続けてるんだし。それともダルが鳩山兄みたいな職業的嘘吐きとでも思っているのか? 今年中に必ずメジャーに行くとまで報じたスポニチは誤報の責任を取れよ!

2010年10月19日火曜日

「ガッテン流辛くないとうがらし」はやっぱり辛かった

先日、「ガッテン流辛くないとうがらし」を作ってみてヒドイ目に会ったわけですが、そのとうがらしを料理酒(200ml。アルコール度数15℃)に漬け込んで二日。冷蔵庫から出して、酒を抜いて、キッチンペーパーで水分を拭いて、タッパーに入れて一晩置いておいたモノをさっき齧ってみたのですが……。

やっぱり辛かった。といっても、このあいだのような舌が麻痺するほどの辛さではなくて、フライパンで焼いて辛味を飛ばした豆板醤くらいの辛さでした。お子様に食べさせるのは勧められないものの、辛いモノ好きな人であればいくらでも食べられるくらいの辛さにはなっていると思います。

ここまでやってみて確信したことは「ガッテン流のやり方では、多分、辛さを大幅に抜くことは難しい」ということ。確かに乾燥とうがらしそのままよりは何十%かは辛さは抜けているんでしょう。それでもホワイトリカーに2~3時間程度漬け込んだくらいでは、少なくとも手前のような辛味がニガテな人間――辛いカレー『LEE』は10倍でも厳しく、日本橋の辛いカレー屋さんである「印度風カリーライス」のカレーを完食できなかったくらいの辛さ耐性――には耐えられないくらいの辛さが残ってしまうということ。ホワイトリカー300mlでやってみたり、S&Bの鷹の爪ではなくて他社の乾燥とうがらしでやってみれば結果が違っていたのかも知れませんが、「ホワイトリカーで3時間、料理酒で2日間漬け込んで」も結構辛かったですからね。

これから「ガッテン流辛くないとうがらし」を作ってみよう! と思っている方には、「漬け込んだ後の味見は、慎重に慎重を期すべし」とだけ言っておきます。

2010年10月18日月曜日

「フクシ伝説~うちのとーちゃんは三冠王だぞ!」:その2

落合ファンにとって、同書の一番の目玉は「第4章:落合家父子対談 オレvsボク」。コアなファンなら当然チェックしているであろう、フクシ君のプレイボーイ連載最終回「涙の独占3時間!! ボク×オレ」を採録したものなんですが、最終回では掲載されていなかった落合の知られざるエピソードが完全収録されています。そこで語られている内容は既刊本ではもちろんのこと、恐らくTV、雑誌でもこれまで一切語られてこなかったもので、そのインパクトはかなり大きなものといえましょう。

書籍化にあたって新たに収録されたエピソードには――

・落合は高校時代に殴った奴の顔と名前は全員覚えている。3人いたが今は何をしているかは知らない。

・落合は登校拒否していたときに映画館で時間を潰していたことは良く知られているが、そのほかにも墓地で時間を潰していた。

・大学時代に放浪生活を始めたのは、1年目の7月のとある日、衝動的に寮を飛び出した。体罰は一切なかったが、突然全てがイヤになって。

――などがあるんですが、一番のポイントは「2週間の逃避行での行動」です。逃避行のハナシ自体は、既刊本の中では『なんと言われようとオレ流さ』で最も詳しく語られているんですが……

「野球部とともに大学も辞めたのはいいけれど、行くところもやることもなかった」
「毎日あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。犬を引っ張った西郷さんの銅像をながめながら上野公園で寝たこともあるし、日比谷公園に一泊させてもらったこともある」
「暑い夏の日だったが、後楽園でちょうど都市対抗をやっていた。外野席で朝から一日中見ていて、全ゲームが終わったとき、ヒョッとポケットの中を調べたら、五円しかない」
「後楽園からテクテク歩いたけど、行くあてもなければ、やることもない。で、小一時間歩いてヒョイッと見たら日比谷公園だった。夕方の六時を回っていたと思う」(『なんと言われようとオレ流さ』64頁)

……という具合で、「2週間ものあいだ、無一文でどのように飲み食いし雨露を凌いでいたのか」についてまでは具体的に書かれていませんでした。第4章では、この2週間の逃避行の謎について、かなり踏み込んだことを語っています。

・どのようにして金策したのか?
・どのようにして雨露を凌いだのか?

気になる落合ファンは、是非とも同書を手にとって確かめてみてください。

追記:

◆同書で初めて知ったどうでもいいこと

・フクシ君がガンダムにハマったのは2000年のこと。親友・ナグモ君の強いススメによりハマり、以後、落合もトリコになったとのこと。

・この10月、フクシ君は落合から「本も出ることだし、オマエも家を出ろ」と突然宣告され、自宅から徒歩一分の場所に新居を構えたとのこと。



2010年10月17日日曜日

「フクシ伝説~うちのとーちゃんは三冠王だぞ!」:その1

◆目次
・第1章:学校では教えてくれないフクシ史
・第2章:検証! フクシ伝説
・第3章:「落合福嗣の腹式呼吸」傑作選
・第4章:落合家父子対談 オレvsボク
・第5章:勇気を出して初めての落合記念館
・第6章:秘蔵写真で振り返る フクシアルバム(解説・落合信子)
・第7章:ファミリー人生相談 落合家に訊け!
・第8章:落合家用語の基礎知識 フクペディア

結論から言うと、落合ファンであれば昼飯一食を抜いても買うべき本です。無駄に大物感溢れるフクシ君のコンテンツも素晴らしいんですが、四半世紀来の落合ファンとしては「落合博満が野球以外のことを大々的に喋っている」ことが一番のポイントといえましょう。

落合は基本的にとてもマジメな人間なので、プロ野球選手時代に書いた本では「現役選手として野球のハナシだけを書き」、解説者時代に書いた本では「OBとして野球のハナシだけを書く」ことを徹底しています。なので、既刊本で落合自身が野球以外のことを書いているのは、処女作の『なんと言われようとオレ流さ』しかなく、そこでも野球以外のハナシは刺身のツマ程度しか触れていません。

が、プレイボーイ連載の最終回で――

博満:あれだな、書籍化する時は、オレ、もう一回なんかやってやるよ。
フクシ:もし本が出るなら、もちろん、かぁちゃんも…落合家総動員だよ。

――と言っていた通り、落合&信子夫人が大々的に全面協力。既刊本やTV、雑誌では触れられてこなかったエピソードから人生相談まで、落合が縦横無尽に語りまくっています。なかでも「第7章:ファミリー人生相談 落合家に訊け!」は、典型的な“週刊プレイボーイ宛の人生相談”に、落合家の3人が“揺ぎ無き落合家の価値観”を元に回答しまくるもの。とりわけ落合の回答は、ファンであれば「なるほど」と唸り、よく訓練されたファンであれば「かくあるべし」というもので一々シビれます。ぶっちゃけ落合ファンであれば、この章だけでも¥1000を払う価値があるといっていいでしょう。

2010年10月16日土曜日

「ガッテン流辛くないとうがらし」は死ぬほど辛かった!

超えた!食べるラー油 とうがらし辛さ抜く健康美味ワザ

上記オンエアを見て、早速近所のスーパーで宝酒造のホワイトリカー「果実酒の季節」(200ml。アルコール度数35℃)と鷹の爪(8g×2)をゲット。種と胎座を抜いた鷹の爪(この作業がかなり面倒)を3時間漬け込んでみました。漬け込み時間を1時間多くしているのは、公式の作り方よりもホワイトリカーが100ml少なかったため。で、水洗いした唐辛子を一口かじってみたんだけど……。

辛い! 死ぬほど辛い!! 舌が麻痺するくらい辛かった!!!

何でなんだろう? あ、ホワイトリカーのパッケージに「トウガラシの利用方法」が載ってるじゃん。

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200mlカップのご利用方法

トウガラシ:乾燥アカトウガラシ15gを密閉容器に入れホワイトタカラ200mlを注ぎ一ヶ月漬け込みます。イタリア料理のスパイスに最適。

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……2時間じゃなくて1カ月じゃねぇか!

でもなぁ、NHKって報道ではウソばっかりつくけど、スポーツ中継とためしてガッテンではウソをつかないはずだよなぁ。だったら手前の作り方が悪かったんだろうなぁ。で、何が悪かったんだろうか?

と、ひとしきり知恵のない頭をひねってみて出した結論が、「トウガラシの“内側”にある“粘り”を水洗いした後、キッチンペーパーできれいに拭えばいいんじゃね?」というもの。で、実際にこのような処理を施したトウガラシを齧ってみたら……。

やっぱり辛い!

いや、最初に齧ったヤツよりはマイルドになったのは確かだけど、それでも柿の種よりも遥かに辛いことは確か。どうやら「2~3時間程度の漬け込み時間」「漬け込んだトウガラシの内側を徹底洗浄」「少しでも残っている胎座を丁寧に拭い去る」くらいでは、辛さを完全に屈服させることはできなさそうな感じです。

公式サイトには「※とうがらしの辛さは、個体差が大きいため、(1)(1)~(3)で辛さが残る場合は、ふたの付いた容器にホワイトリカー100mlと(3)のとうがらしを入れ、3~5分振ると良い」とありますが、このくらいのことで辛さを抜けるものなのか? 正直、疑問を持ったので、現在、料理酒(200ml。アルコール度数15℃)に一晩漬け込みなおしているところです。これで辛さが抜けてくれればいいんだけどなぁ。

2010年10月15日金曜日

* TV覚書:洋楽倶楽部80’s(レギュラー第三回)

テーマは「Heavy Metal 80’s」。ゲストは伊藤政則。

放映されたPVは以下の6本。ニコニコ動画のソースで紹介。

【ニコニコ動画】DEF LEPPARD - Photograph
・これがMTVでヘビーローテーションになったからこそ、後のHR/HMブームに繋がったというけど、日本でMTVが放映された頃には時代遅れになっていたんだよなぁ。どっちかというと「Hysteria」の一連の曲(海女下痢で♪とか)の方が馴染みがあるし。ビデオは本当に安い(背景が書き割り!)けど、曲のパワーは凄い。

【ニコニコ動画】魔力の刻印 (The Number Of The Beast) - IRON MAIDEN
・「エディ」が出てくるということで、この選曲なんでしょう。カッコ良さ重視なら「The trooper」「Aces High」の二択だものね。

【ニコニコ動画】OZZY OSBOURNE【BARK AT THE MOON】1983
・PVは初見。本当に酷い内容だけど、スターレス高嶋の言うとおり「オジーだから許される世界」なんでしょう。一番の聴きどころであるラスト近くの速弾き直前で終わったのは、ちょっと残念。

【ニコニコ動画】RATT - Round And Round【PV】
・知名度からいってMötley Crüeしかないだろうと思っていたけど、RATTだったねぇ。しかも、予想通りの選曲。やっぱり「LAメタル=RATT」という構図は、「春天のトウカイテイオー&メジロマックイーンくらいに鉄板」ってことだね!

【ニコニコ動画】【高音質】Van Halen - Panama
・前に「Jump」を取り上げていたからないだろうなぁ。この枠はNight Ranger(曲は「Rock In America」)だろう――と、予想していたけど見事に外れました。ともあれ、この曲は“ダイヤモンドデイヴ”にしか歌うことが許されない曲でしょ。90年代の落ちぶれたデイヴではダメだし、サミー・ヘイガーでもダメ。ゲイリー・シェローン? 論外!(Extremeは大大大好きだけど)

【ニコニコ動画】【80'sHits】Guns N' Roses - Sweet child O' Mine
・締めはGNR。NWOBHM、LAメタルときてアンダーグラウンドの逆襲ということで。スラッシュメタル勢はMetallicaですらPVがなかったから取り上げようがなかったんでしょう。GNRでは一番好きな曲だけど、PVは曲のカットが酷いからなぁ。

Judas Priest、Mötley Crüe、あと、Twisted SisterかQuiet Riotのどっちかは絶対に取り上げると思ったんだけどなぁ。Iron Maiden、RATT、Van Halenは、ここら辺のバンドと競合して勝ち残ったってことなんでしょう。でもまぁ、NWOBHM→LAメタル→アンダーグラウンドという流れから80年代のHR/HMシーンを振り返ってみよう――という番組の構成はよく練られていたし、何よりあんな短い時間で的確かつわかりやすい解説をしていた伊藤政則の話芸が凄かった。好きなジャンルということを差し引いても、3回の中では際立って完成度の高い回だったと思います。

さて、来週は「Girls on Video」だ。ティファニー、デビー・ギブソンの二大巨頭は鉄板なんでしょう(取り上げなかったら暴動モノだ)。あと、Heartが選ばれるか否かも気になる。少女って柄じゃないけどEurythmicsのアニー姐さんも取り上げて欲しいなぁ。

追記:公式サイトを見たら、ジョーン・ジェットとかを取り上げるとか。そういうことね。ティファニー、デビー・ギブソンは「アイドル枠」ってことか。それはそれで納得できたから良し。

2010年10月14日木曜日

今夜の洋楽倶楽部80’sで絶対に取り上げられなさそうな曲

ゲストが伊藤政則、番組終了後にゲスト対談完全版を公式サイトで公開と聞いていても立ってもいられずにニコ動&ようつべ巡り。で、絶対に取り上げてくれないだろうけど、取り上げてくれたら狂喜乱舞しそうな曲を選んでみました。

【ニコニコ動画】MOTORHEAD/ACE OF SPADES
・超メジャーな曲だけど、こういう大御所アーティスト枠はJudas PriestやIron Maiden、AC/DCあたりが優先されるんでしょう。

【ニコニコ動画】You're In Love / RATT
・手前の中でLAメタルといえば良くも悪くもRATTで、RATTで一番好きな曲といえばコレです。でも、LAメタル枠であればMötley Crüeが優先されるんだろうし、仮にRATTが取り上げられるとしてもメジャーな「Round And Round」になるんでしょう。

【ニコニコ動画】Friday Night / VANDENBERG
・これは絶対に取り上げられないだろうけど、バカっぽくて80年代っぽくて元気が出て良い曲ですよ。ギターソロもバカテクではないけど印象的。後追いで聴いたけどホントに好きなバンドだったなぁ。

【ニコニコ動画】L.A. GUNS - Rip And Tear【PV】
・リアルタイムで聴いていたときは、Guns N' Rosesよりこっちの方が好きだったんだけどね。フィリップ・ルイスの下手で安っぽい歌声は、久しぶりに聴くとたまらんね。

【ニコニコ動画】Bad English - When I See You Smile [PV]
・一応、静かな曲も入れておかなきゃということで。いわゆる“スーパーバンド”ブームの頂点で結成されたバンドだけど、この曲以外は微妙。翌年のDamn Yankeesの方がメンツもクオリティも凄かったし。バラード枠なら、他にも取り上げるべき曲があるだろうから、ここまでは手が回らんでしょう。

【ニコニコ動画】【PV 1Mbps】Skid Row - Youth Gone Wild
・ここで紹介した6曲の中で最も取り上げられる確率が高いであろう曲。これからも続く番組の中でSkid Rowを取り上げるタイミングがあるとすれば、ココしかないものね。でも、仮にSkid Rowにスポットが当たったとしても、多分、取り上げられるのは「I Remember You」だったりするんだろうなぁ。

<絶版兵頭本>紹介@『戦記が語る日本陸軍』(掲載コラム):その3

◆「烈風があったなら…」~戦後もっとも支持された虚構
・奥宮・堀越共著『零戦』が戦後の日本人に与えたインパクトはあまりに大きい。「日本はあれ以外に何をしようが結局アメリカには勝てなかったのか?」という素朴で根本的な疑念に、技術的に権威ある論拠を揃えて応えた随一の書だったから。

・堀越は「MK9A」エンジンを早く制式選定していれば、「烈風」がマリアナ海戦までに実用化されF6Fにも勝てた――という自画自賛を展開した。この神話は、初版から40年経った今日でも戦記小説などで再生産されている。

・内燃機関の機械工作上の困難は、大はピストン、小は排気弁や噴射ポンプなどが「高温高圧を封じ込めると同時に摺動する」ことを要求される点にある。このため接合部では緊度(プラスの公差)はあってならず、遊隙(マイナスの公差)は限りなくゼロに近くしなければならない。

・日本のエンジン工場では、熟練ヤスリ工が細工物のように手仕上げしていくために、高精度を求めるほど生産性と精度が低下していった。単能精密工作機械を並べ、婦女子を使いながら互換性のあるエンジン部品を大量生産していたアメリカとは、同日の談ではなかった。

・「MK9A」のような2000馬力級のエンジンは、それまでの公差数ミクロンから更に1~2桁精度を向上させる必要があった。これは熟練ヤスリ工でも無理な話。試製「MK9A」は、試運転と開放検査と研磨を繰り返してようやく完成したモノ。一方、昭和16年に完成していた「誉」エンジンは、「疾風」「紫電改」の量産が始まると開放検査を省略して大量生産された。

・2000馬力級エンジンの生産にあたって開放検査工程を省略するのは、ほとんど暴挙。「疾風」が実施部隊で調子が出なかったのも当然。結局、「MK9A」は8機の「烈風」試作機体のため2基しか作れなかった。大量生産などできるはずもなかったのだ。

・部品の製造公差を上げられない日本が、アメリカと航空戦争を戦うためには「火星」エンジンのようなシリンダー圧そのものは「栄」エンジンと大差ない大径大馬力エンジンか、致命的な摺動部品が少なく蒸気タービンと同じように開放検査を省略できる可能性があったターボジェットエンジンに賭けてみるしかなかっただろう。

・東京帝大から三菱重工に進んだ昭和の超技術エリートの堀越に、小卒の職工が油まみれになってヤスリをかけていた工場の実装など、まるで視野になかったとして怪しむに足りない。

◆旧軍航空隊が活躍する戦後マンガ
・「海軍パイロット=カッコイイ」というステレオタイプは、戦前には既に軍国少年のあいだで定着していた。優秀なパイロットは得難いため、海軍航空隊が陸軍や連合艦隊以上に広報を重視していたためだ。

・昭和10年代生まれの少年たちが戦後成人して作家になると、世相におもねりつつも自分の中でイメージ豊富な海軍航空隊を活躍させずにはいられなかった。彼らには陸軍航空隊の知識は「加藤隼戦闘隊」くらいしかなく。「陸軍=暗愚。連合艦隊=閉鎖的」という大衆側のイメージも定着していたため、カッコいいキャラを自在に展開できるのは海軍航空隊モノに限られていたという事情もあった。

・昭和27年に日本占領が終わると、貸本業界で絵物語という形で復古。60年安保闘争は保守サイドからの強い反発を招き、出版業界では戦争モノを大々的に取り上げるようになった。大手には検閲恐怖症が残っていたためか、最初に手がけたのは中小規模の秋田書店や少年画報社だった。

・貝塚ひろしの「ゼロ戦レッド」を皮切りに類似作品が頻出。辻はやとの「0戦はやと」は海軍航空隊モノの黄金パターンを確立した。つまり、単純なキャラの主人公が米軍相手に大暴れして、最後に唐突に特攻戦死することで「好戦的じゃありません」とPTA向けに挨拶するようなパターン。

・この黄金パターンからいち早く脱却したのは松本零士。主人公はコンプリケイテドなキャラでことに敵愾心が希薄に描かれる一方、メカの描写は正確・精密で、航空機や狙撃銃そのものがキャラクターの地位に昇格したようなもの。フィクションとしては邪道かも知れないが、これが左翼の攻撃から安全な戦争マンガ技法の一つの範となった。

◆日本の戦争映画が娯楽にならない理由
・南方に孤立している暴れ者揃いの航空隊に若い隊長がやってくる。最初は部下の反発を買うが、次第に統率を確立していく……というプロットは、旧軍航空隊を書いたマンガで必ずといっていいほど使われるパターン。

・そのルーツは日本の戦争映画にあり、さらに遡るとパクリ元である戦前のハリウッド映画にいきついてしまう。戦前に成人していた日本の映画人が、戦後、ハリウッド映画を参考にしないと娯楽作品が作れなかったのは、いささか情けない。

・しかも、ハリウッド製の戦争娯楽映画のテーマは「暴力」なのに、それを真似た日本の映画のテーマはなぜか「死」にすりかわっている。その理由は、戦史を自分なりに研究しようとせず、戦争のコンテクストや旧軍人の評価について自分なりの見解がないのに、戦後教育で「太平洋戦争史観」だけは脳移植されている日本の映画人が、よってたかって内容にチェックを入れたためだろう。GHQ恩賜の「太平洋戦争史観」を奉唱する限り、戦争フィクションのテーマは「死」にしかなりえないのだ。

・昭和56年の「連合艦隊」で、実名非難のタブーがなくなり南雲、栗田も愚将として描かれた。これがヒットしたことで、この時期、戦争映画の製作が相次いだ。しかし、表現上の制約(実名忌避など)がなくなっているにも関わらず、「死のテーマ」の反芻は相変わらずだった。日本の戦争映画は、昭和フタケタ生まれの貧乏漫画家たちの想像力を未だに超えられないでいる。

◆ 「if戦記」と「近未来戦」小説ブーム<1>
・米ソの大量報復核戦略は、小説の想像力を遥かに超えてしまった。核戦争のリアリズムが誰にも掴めぬまま『渚にて』のような悲観的なSFも書かれた。戦術核を駆使した近未来戦小説の書き手は、欧米でも育たなかった。

・ところが69年に中ソ核戦争の危機が過ぎ、相互確証破壊態勢を確立すると、核兵器は使えない兵器だという認識が広まる。結果、78年には『第三次世界大戦 1985年8月』が公刊される。

・同書は、核兵器が使えない状況を設定し、欧州における空陸の戦闘を通常兵器だけを使って展開させた点がミソ。これならば、軍人にもよくわからない核戦争のディテールを活写してみせる作業を避けられる。

・このコロンブスの卵に、日本の大衆ジャーナリズムが飛びついた。ソ連軍が佐渡島に橋頭堡を築き、新潟から東京を衝く、という荒唐無稽な軍事シミュレーション小説『ソ連軍日本上陸! 第三次世界大戦・日本篇』はこうして書かれた。

・こんな小説でも一般読者の軍事知識が皆無に近かったため、刺激性は十分あって中ヒットとなった。その後、矢継ぎ早に同工異曲の作品が数人の著者の手で上梓された。これらの作品はハケットの作品にディテールでも筆力でも及ばす、2年ほどで飽きられた。

・しかし、この「近未来戦」小説ブームの終わりとともに始まる80年代は、やがて来る「if戦記」ジャンル確立の下地が用意された10年でもあった。このあいだに、マニアックな資料がメディアから提供され、兵器・戦史オタクが増え、スケールモデラーが現れた。

・これらの震源地は『ホビー・ジャパン』。同誌の版元はヘックスで兵棋を動かすボードシミュレーションを輸入し、普及を図った。これらのゲームはPCに移植され、『大戦略』『信長の野望』を生む。

・ほとんどの戦史オタクは、二次~三次資料に依存し、自ら一次資料にトルク向きは全くなかった。しかし彼らは、伊藤正徳が定着させた単純な「海軍賛歌」史観からいち早く抜け出した。最新の二次~三次資料を踏まえていない安易な「if戦記」にそっぽを向くという点で、彼ら戦史オタクの存在も、兵器オタク同様に、「if戦記」の書き手をふるいわけする作用を果たした。

◆ 「if戦記」と「近未来戦」小説ブーム<2>
・71年、高木彬光は『連合艦隊ついに勝つ ミッドウェーからレイテ海戦まで』を上梓した。ストーリーは“戦史オタク”の雑誌記者が、日本艦隊の旗艦にタイムスリップし、“お告げ”によって海戦の結果を逆転させてしまうが、個々の海戦に勝っても大局は覆らず、主人公は歴史を変えることを諦める――というもの。

・「if戦記」の嚆矢だが、「タイムスリップした主人公に歴史を変えさせてはいけない」というオーソドックスなSFの約束事にとらわれていた。これは『戦国自衛隊』『ファイナル・カウントダウン』も同様。

・この“お約束”を打ち破って、同じ作家が架空戦記だけでメシが喰えるようにしたのが「パラレルワールド」という舶来概念の導入。試行錯誤の末にスタイルが確立され、ようやく「if戦記」は全盛を迎える。

・ブームの原因は単純。日本の大衆は、知れば知るほど先の大戦の経過に不満を募らせ、日本の映画やテレビがその憤懣を解消してくれないことにフラストレーションを鬱積させていたからだ。この「if戦記」ブームで強気になった版元は、現実世界の紛争に自衛隊が巻き込まれる「近未来戦」小説をも刊行し始めた。











2010年10月13日水曜日

<絶版兵頭本>紹介@『戦記が語る日本陸軍』(掲載コラム):その2

◆誤訳戦記とホンダの空冷エンジン
・本田宗一郎は、バイクからクルマへビジネスを拡大する際、空冷エンジンに固執した。反対する部下を言いくるめるための理屈が「ドイツの戦車部隊は空冷だったから、ロンメルは大活躍できた」というもの。

・最初から空冷でいくと決めていたため持論の補強に用いたに過ぎないだろうが、繰り返し言っているうちに真実と思い込んだ節がある。

・もちろんドイツ軍の戦車は、空冷ではなく水冷四サイクルのガソリンエンジンだった。空冷が使われていたのはイタリア軍の戦車とアメリカ軍の軽戦車のみで、お世辞にも活躍したとはいい難い。では、本田の信じた「ドイツ戦車は空冷エンジン」というハナシはどこから来たのか?

・ロンメルが活躍した北アフリカの戦いはイギリス軍にとって最後の光輝といえるものだった。だからこそイギリス人史家は、この戦いをドラマチックに取り上げた。

・さて、イギリスは工業大国だったが自動車産業はアメリカの後塵を拝していた。対独開戦前までのイギリスの戦車は、水冷エンジンの冷却がうまくいかず苦労していた。一方、ドイツの戦車は水冷エンジンの放熱問題で全く悩んでいないように見えた。

・これに感銘を受けたイギリス人は、「ドイツの戦車は<クーリングシステム>が優れていた」と筆を揃えて賞賛した。<ラジエター>といわず<クーリングシステム>といったのは、イギリスでは専門家が一般向けの本を書くときには、できるだけ「学界用語」を避けるという慣習があるため(アメリカとは全く逆の現象)。

・昭和30年代には、こうしたイギリス人の北アフリカ戦史が和訳される。その際、<クーリングシステム>とあるところが<クーラー>と訳されることが多かった。このため当時の読者には「ドイツの戦車にはエアコンがついていて、乗員は涼しく戦闘できた」と勘違いしている人が少なくない。

・若き本田宗一郎は、この<クーラー>を、空冷エンジンの送風機の誤訳だと深読みしたのではなかったか? <ラジエター>と正確に訳されていたら、ホンダのクルマは最初から水冷路線となって、日本の自動車産業の構図も少しは変化していたかもしれない。

◆輸入できなかった“正統派”戦略論
・マハンはクラウゼビッツ理論から刺激を受け、『戦争論』を海上にあてはめるところから出発して、遂に現代海洋戦略論の祖という名声を獲得した。日本海軍は秋山真之を通じてマハン理論を受け入れたが、マハン理論の背景にはクラウゼヴィッツだけでなく、大英帝国史やローマ帝国史があり、それらをひっくるめた各国別の地政学が完成しつつあることまでは、研究が及ばなかった。

・「公海の内水化」「分割して統治せよ」「二方面作戦を避けよ」といった知恵は、全て古代ローマ人が書き残した教え。英国もソ連もこの最も古い準則に従って行動しようとしたに過ぎない。これを踏まえていなかったからこそ、日本の軍部は列強の次の言ってを最後まで読み間違った。

・欧米人は第一次大戦の結果から軍事理論体系の反省(『戦争論』の再評価)を試み、その混乱の中からリデルハートが「間接的アプローチ論」を生み出す。これは『孫子』のあまり精緻ではないテキストからダイレクトに影響を受けたものだった。

・日本の陸海軍は、第一次大戦後も『戦争論』の再評価をせず、その下流にあたる戦術、戦技についての悩みを深めたようだ。そしてどういうわけか、明治生まれの海軍人において、禅の世界への傾倒が非常に目立った。

・山路一善などは禅の公案をタイトルにした『隻手の声』という本を上梓したほど。これはアラブの古諺「人は片手で拍手することはできない」をそのまま翻訳したもの。他の公案も深い意味はない。およそ軍人がのめりこむような問題ではなかった。

◆戦後の軍歌はなぜつまらないか
・膠着語の自然な口語では、文末が用言で終わることが多い。この用言止めを使って詩を作り曲をつけようとすると、メロディの一フレーズが終わる相当前から、フレーズにあてられている詩の行末(一文の意味)が聴く側に推定されてしまう。詩文の与える感動と旋律の与える情動が一致せず、感作力が薄まってしまうのだ。

・英語(欧印語)ではこの問題は起こらない。口語でも文語でもたいてい文末に体言や名詞句がくる。フレーズと詩の区切りが“同時弾着”になるので、歌の持つ感作力がより大きくなる。加えて英語では、どんなに不出来な詩でも、緩急強弱さまざまな音符・調子に乗せて歌いやすいという点で、他の欧印語を圧倒する自在性がある。

・日本語の歌でこれに迫ろうとするためには、二つのアプローチがあろう。一つはテンポを非常にゆっくりにすること。もう一つは意図的に体言止めを多用した文語で詩を作ること。しかし、明治以降、世の中万事スピーディになると、地唄や小唄のテンポで唱歌や軍歌をつくつことはとうてい不可能になった。そこで唱歌や軍歌には体言止めの文語が多用された。

・この手法は、戦後、演歌や初期の左翼運動歌に短期間引き継がれたが、70年代安保終了後急速に消えていった。

◆ビジネス書のタイトルが示す“日本型組織論”の盲点<1>
・戦時中、兵器増産に追われた軍工廠は、米国の科学的管理手法を必死で研究した。戦後になると米国式経営管理ソフトの直輸入が図られた。

・米国では企業経営者が戦時に軍の指揮官に横滑りしたり、平時にはその逆の転身も普通に見られ、本来軍用であるハード、ソフトも経営管理に応用されている。

・60年代以降は、米国経営学の直輸入に対する疑念や日本式経営の再評価の機運が反映され始める。と同時に、日本の企業風土にマッチした経営学のヒントを、日本古来の兵法や旧軍参謀システムの中に見出そうとするビジネス書も出てくる。

・このトレンドを大爆発させたのが山崎豊子の長編小説『不毛地帯』。この連載が始まると、早くも「参謀」というキーワードを取り込んだタイトルのビジネス書が出始める。ビジネス書ではないが、中公新書の『ドイツ参謀本部』(渡部昇一著)もタイムリーに上梓された。

・小説の第一部が完結した昭和51年以降は、毎年一冊以上は必ず「参謀」絡みのタイトルを持つビジネス書が出版されるようになる。また、「参謀」ブームに便乗するように、日本古来の兵法をタイトルに謳うビジネス書も点数を増していった。

・70年代末から80年代末にかけては、日本経済の躍進と米国経済の低迷のコントラストがハッキリとしたため、日本的経営を再評価するタイトルが頻出する。バブル絶頂期を迎え、かつての米国流組織経営に学ぼうという姿勢は、日本型組織の自画自賛にすっかり置き換わる。これは“不毛地帯の勝利”というべき現象だろう。

・『不毛地帯』は主人公が社内に強力な参謀組織を構築。ワンマン経営を終わらせ、旧陸軍流組織のVサインをもって完結する。しかし、山崎豊子は旧軍にも現代の大企業にも、日本人のつくっている組織には独特な共通点があり、この共通点が米国流組織との競争では対抗不能の弱点にもなり得ることには注意を向けなかった。

◆ビジネス書のタイトルが示す“日本型組織論”の盲点<2>
・日本軍は米軍に敗れた。これは日本軍の組織のソフトウェアが、米軍のそれに敗れたということ。しかし、戦後のおびただしいビジネス書は、ついぞその両者のソフトウェアの本質が何かを抉り出すことはなかった。

・旧軍を貫いていたのは、「非家族組織における“養老”の風習」だった。これは戦後の日本企業にも丸々生き残っている。しかし、それを指摘することはビジネス書のユーザーである経営者を怒らせただけだったし、日本文化の否定というラディカルな結論にもなって、論者の人格的中庸が疑われる危険があっただろう。

・一方、米軍の組織の本質は「マニュアル」にある。アメリカのリーダーたちは、良いマニュアルを策定することで、大勢の弱卒を有能な強兵と同じように行動させる。

・良いマニュアルを策定するためには、部下以上の洞察力と言語能力が必要。「できる者」が自分の獲得した秘術を科学的に分析したうえで、「できない者」の立場にたって説明する必要がある。

・こうした良いマニュアルの威力は絶大。だから、米国の組織はマニュアルを策定できる才能を見出し、リーダーとして処遇して力量を発揮させる。

・ところが日本では、部下や後輩が上司や先輩をサポートするのは当然という考え方で、社会組織の全てが動いている。儒教圏の中国、韓国でも、血族でもない限りここまではしない。それが当然視される「非家族組織における“養老”の風習」は、儒教圏でも日本だけの組織文化。

・部下の上司に対する“養老”が与件となっていると、上司が部下をよりよく働かせるために、良いマニュアルを策定する必要がない。だから言語能力も評価されず伸びることはない。こういうわけで日本では、首相や司令官や参謀は、部下にとって言語的に“idiot”でも務まるのだ。

・ことほどさように「養老組織」と「マニュアル組織」は水と油。「養老組織」である日本企業が「マニュアル組織」を摂取することなど、はじめからできることはなかった。零戦、大和といった既存技術の延長線上での極端化でしか武器の開発を進められなかったのは、高級参謀の頭に染み付いているが故にことさら説明をしないですむものだから。

・多くの日本人は、自己のマニュアル策定能力の不足を自覚するがゆえに、ナンバーワンになることを恐れている。そこで、トップの次に位置し、トップから相談された課題を一所懸命に答解してみせるだけで全組織から有能と認めてもらえるポジション――という勝手な「参謀」像を抱いている。

・日本はそもそも米国の科学技術力に敗北したのか? それ以前に各級リーダーの言語能力において、日本人は米国人に完敗していたのではないか? そして、いまもなお米国人に負け続けているのではないか。中卒後、ただちに大学受験ができるような“学制破壊”でもしないかぎり、この言語能力の差は永遠に埋まらないように思われる。

2010年10月12日火曜日

<絶版兵頭本>紹介@『戦記が語る日本陸軍』(掲載コラム):その1

●基本データ
・書名:『戦記が語る日本陸軍』
・著者:宗像和広
・発行:銀河出版
・初版発行:96年5月15日

●目次
◆第一章:総合戦史を読む
◆第二章:日本陸軍の大要を読む
◆第三章:個別戦記を読む
◆第四章:兵科・戦術を読む
◆第五章:米英側から読む
◆第六章:軍閥・軍人を読む
◆第七章:支那事変を読む
◆第八章:陸軍航空を読む
◆第九章:陸軍兵器を読む
◆第十章:海軍その他を読む

●兵頭二十八コラムの見出し
◆誤訳戦記とホンダの空冷エンジン(29p)
◆「烈風があったなら…」~戦後もっとも支持された虚構(41~43p)
◆旧軍航空隊が活躍する戦後マンガ(72~76p)
◆日本の戦争映画が娯楽にならない理由(90~94p)
◆輸入できなかった“正統派”戦略論(122p)
◆戦後の軍歌はなぜつまらないか(140p)
◆「if戦記」と「近未来戦」小説ブーム<1>(153~155p)
◆「if戦記」と「近未来戦」小説ブーム<2>(172~173p)
◆ビジネス書のタイトルが示す“日本型組織論”の盲点<1>(192~194p)
◆ビジネス書のタイトルが示す“日本型組織論”の盲点<2>(207~209p)

――陸軍兵器本でコンビを組んでいた宗像和広氏の著書。兵頭師は章末のコラムを担当している。なお同書の内容は、「本書は日本陸軍に関する軍制・戦史・兵器解説の中から主なものを選び出し、そのダイジェストないしは成立過程を紹介するもの」(3頁)とあるように、岩波新書から洋書までを幅広く紹介したもの。巻末の戦記・戦史一覧(1945~1995年までに発刊された1100点超の書籍タイトルを網羅)も素晴らしい。

2010年10月11日月曜日

ネガるくらいでちょうどいい

V逸&連敗終戦も…渡辺監督「辞めるのは無責任」

確かに言うとおりだけど、9月下旬から今日までの結果は、「ソフトバンクやロッテの急伸」ではなくて「西武の失速」によって必然的に生起されたものでしょ。渡辺久信監督には酷かも知れないけど、今日の不甲斐ない結果は一に監督の責任だと思うのですよ。確かに中継ぎ陣があまりにもダメだったのは確かだけど、それだって「そのときに調子の良い投手を酷使して壊す」ことを続けてきた采配の結果であってね。だからこそ小野寺力投手や工藤公康投手を使わざるを得なかったわけだし。工藤投手の二敗がなければ余裕で優勝できていたわけだから。

秋季キャンプ以降から大久保博元コーチを欠き、黒江透修を追い出したことで腕利きのベテランコーチからそっぽを向かれるなかで、どうやってチームを立て直していくのか? CSの惨敗でチームの士気が底に落ちたなかで、先行きは暗いんじゃないかなぁ……。

と、厳しいことをいうのは、こういうふざけたことを言ってたからですよ。「Vやねん!」もそうだけど、“フラグ”を立てると回収されるもんなんだねぇ。やっぱりネガつくらいでちょうどいいわ。

2010年10月10日日曜日

総統閣下シリーズで一番共感しました

【ニコニコ動画】総統閣下がCivilization5の販売方法についてお怒りのようです

公式βテスターザマァm9(^Д^) とか思って余裕ぶっこいていたらコレだよorz。それにしてもさすがヨシフは総統閣下と違って抜け目がない。ま、いまのPCはスペックが全然足りてないから拡張パックが出たときに参入すればいいや。それまではFall from Heaven 2でもやってよっと。



2010年10月9日土曜日

週刊新潮はホントに落合が嫌いなんだなぁ

立ち読みですが、要旨は以下の通り。

~~~~~~~~~~~~~~~

タイトル:川相中日2軍監督はスポーツ新聞で自分のクビを知った

①川相コーチと落合監督はここ1年口もきいていない。
②落合中日にとって二軍コーチは閑職。川相はそこに追いやられた。
③原因は野球観の違い。クールな落合と熱血な川相はソリが合わなかった。
④川相はファンサービスにも積極的。落合は違う。そんな川相の姿勢に落合はカチンと来た。
⑤結果、川相はフロントから「すでに読んだと思うが」とスポーツ紙を提示されクビを言われた。
⑥楽しそうなビールかけの陰で、オレ流の陰湿な支配が続いているのだ。

~~~~~~~~~~~~~~~

①、⑤については知りえる立場にないので何ともいえない。世間一般に流布している“落合のイメージ”というフィルターを通せば「さもありなん」といえることは確か。

②については完全に事実誤認。落合中日における二軍監督ほど重要なポストはない。初代の佐藤道夫は落合ファンであれば知らぬもののいない“恩人”だし、二代目の辻発彦は現在ヘッドコーチを務めている。川相が二軍コーチになった当時は、「次のヘッドコーチか、他球団で監督させるための布石か」と思われていた。落合が一軍以上に二軍を重要視していることは類書(既刊の著書ほとんど)でもさんざん指摘している。新潮の言う「二軍監督=閑職」は完全な間違い。

③は正直噴飯モノ。落合が見かけによらず熱血なのは、少しでも野球を見ていれば誰でもわかりそうなこと。ただ、“燃える男”を演じるほど恥知らずではなくて、鉄拳を振るうほど人でなしじゃないだけだ。きっと新潮の記者は、まともに野球をみたことがないか、アンチ落合のスポーツ紙記者からの又聞きで記事を構成したのだろう。だいたい本当に関係が悪かったらビールかけで一緒にはしゃぐわけないじゃないか。

④は、二軍では川相就任前からやっていた。

⑥についてはお里が知れるというか……要するにお前コレが言いたいだけちゃうか、と。

川相昌弘コーチの退任については、事実関係が全くわからなかったのでここまで言及してきませんでしたが、このニュースを聞いてまず思いついたのは「川相、鉄拳振るっちゃったのか?」ということ。落合博満が中日監督に就任して以来、最大のタブーは「選手への鉄拳」だから、川相が突然退任するとしたらコレしかないのかなぁ……と思っていました。

が、夕刊フジの江尻記者の記事を読んで、勃然と思いついたのが、「ああ、球団主導での立浪禅譲のお膳立てってことか!」というモノ。落合後にリリーフする可能性のある存在を消して得するのは、落合本人じゃなくて立浪を擁立したい反落合派のフロントだものね――。

なんてことは、落合ファンの妄想であって、こういう妄想を書き連ねるのはどうだろうか? と思って今日まで自制してたんだけど、新潮があまりに下衆な記事(多分、裏づけ取材をほとんどしていない。実際、当人のコメントはゼロだもの!)を上梓してきやがったもんだから、ついカッとなって書き連ねました。もちろん反省してません。

2010年10月8日金曜日

*TV覚書:洋楽倶楽部80’s(レギュラー第二回)

テーマは「洋楽HITS! From Movies」。ゲストはシャーリー富岡。

放映されたPVは以下の6本。ニコニコ動画のソースで紹介。

【ニコニコ動画】299 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Ray Parker Jr. - Ghostbusters
・ネオンの使い方が80年代っぽい。ものすごく単純なフレーズの繰り返ししかない曲だからこそ印象に残るものなのか? 四半世紀経ってもビル・マーレイの雰囲気や容姿がほとんど変わっていないことに感心する。

【ニコニコ動画】083 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Kenny Loggins - Footloose
・サントラの出来の良さと映画の出来の悪さの乖離が凄かった。この曲なら「Never」「Almost Paradise」の方が好きだけど、前者は「お茶の間~」のコーナーと被り、後者は最後の曲と被るために不可だったのだろうか。なお、ビデオの内容は映画と同様に、悶絶するほど恥ずかしいモノ。

【ニコニコ動画】Arthur's Theme (Best That You Can Do) ニューヨーク・シティ・セレナーデ
・この曲は「CMで使われていたなぁ」という印象しかない。手前の中での位置づけは「第三の男」のテーマと同じ。

【ニコニコ動画】Psychedelic Furs - Pretty in Pink
・取り上げてくれればいいナ、とは思っていたものの、「フラッシュダンス」や「ビバリーヒルズコップ」などを抑えて取り上げられるとまでは思っていなかったので、これは嬉しい驚き。ジョン・ヒューズ作品について語りだしたら止まらなくなるので自重するけど、最高傑作が「恋しくて」であることだけはココで強調させていただきますですよ。もちろん異論は認めません!

【ニコニコ動画】Michael Fortunati - Give Me Up
・「お茶の間エイティーズ」。Ba-Be(ショートカットとクロマティのコンビ)がカバーしていたということで。ユーロビートの元祖にして、2010年現在の邦楽シーンを席巻し続けている曲。エイベックスの曲なんて、このコード進行ばっかりだものね。そりゃみんな同じように聞こえるわけだ。

【ニコニコ動画】[PV]Berlin - Take My Breath Away
・あまりにも有名な曲なので特にコメントなし。ただ、当時の中学校では冬にフライトジャケットを新調した奴がクラスに3~4人くらいはいました。

次回はHeavy Metal 80’s! こりゃ夜更かししてもみなきゃいかんね。

2010年10月7日木曜日

社会主義者ってホント、度し難いね

仙谷氏「こんにゃくゼリーの形と硬さ」を政治主導で決定へ

国民の生活をコントロールするのがそんなに楽しいのか?
箸の上げ下げみたいなことまで口出ししないと満足できないのか?

「円高や尖閣や景気対策やらから逃げてマンナンライフをいじめる暇はあるのか」とか「パンや餅の方が死亡者、死亡率とも高いだろ」とか言わずもがなのことは言いません。でもね、これをやって票になると本気で思ってんの? まともな頭があれば、自分の不注意で子どもを死なせたバカな親――全くの当て推量だけど、炎天下の駐車場の車内に子どもを置き去りにしてパチンコに行くバカな親よりも圧倒的に少数でしょ?――の票よりも、つまらんことを一々規制することを嫌う有権者の方が遥かに多いってことがわかりそうなもんだけどね。

「国民の一挙手一投足をコントロールしないと気がすまない社会主義者と、規制を増やすことで省益を拡大することを第一義に活動している木っ端役人ってのは、カレーライスと福神漬けくらいに相性がいいものなんだから、本気で『政治主導』を求めているのなら民主党だけはない!」って、政権交代が現実味を帯びてきた頃から言い続けてきたんだけど、こんなちんまりした問題にまで官房長官が直々に出てくるとまでは想像してませんでしたよ。こいつらにあと3年も政治を続けさせたら、その頃にはゴミ箱の中身までチェックされるような息苦しい国になってるんじゃないかなぁ。

追記:ところで星野仙一はホントに楽天監督のオファーを受けるのか? 島野育夫を欠く中でここまでリスキーなハナシにスッと乗ってくるものなのかなぁ。まぁ、楽天球団についていえば田中将大投手――早く国内FA権を獲って日ハムに来てくれ! いつもはケチな日ハムも、北海道史上最高のヒーローを獲得するためには金に糸目はつけないと思うぞ――にしか興味はないので誰が監督になってもいいんですが……。まぁ、星野とはいろいろと因縁のある人が多い(原、岡田、落合etc)ので、楽しみと言えば楽しみなんですけどね。

2010年10月6日水曜日

探していたアノ曲

いやはやgoogle先生って本当に凄いわ。
このあいだ仕事先で四半世紀前の昼メロ『華の嵐』のハナシで盛り上がったんですよ。

「やっぱり“ごきげんよう”やりましたか?」
「やりましたね」
「あの頃の高木美保……というか柳子になら1億円払ってもお願いしたいですよ」
「その前にそれだけの現生を用意できませんけどね」

――と、仕事そっちのけで熱くなる中で、ハナシは必然的に「嵐三部作」(『愛の嵐』『華の嵐』『夏の嵐』)にまで広がっていったわけです。で、最後の最後で、「そういえば『愛の嵐』のあの切ないOP曲って誰の曲だっけ?」というところで曲名が出てこなくて、消化不良のままでは気持ち悪いということで、出先のPCでgoogle先生を頼ったところ……。

「愛の嵐」「op」で検索したら最上位に該当Youtube動画があるんだものなぁ。

ドラマ 愛の嵐オープニング 下成佐登子 Mrs.メランコリー

「ウハァー、コレだ! コレ!」
「そう! ♪女には最初の恋がふるさと~」
「『愛の嵐』はこれが聞きたくて見てたものなぁ」
「『華の嵐』のクルクル回るOPもいいけど、やっぱりこっちの方がいいわ!」

と大団円。10年前ならTV局に伝手がなければできなかったことが、いまでは数万円の端末(PCなりiPadなり)があれば誰でもどこでもできるんだものなぁ。なんというか生まれて初めて自分が“未来世界”を生きているのだなぁ、ということを実感しましたよ。

2010年10月5日火曜日

<絶版兵頭本>紹介@『並べてみりゃ分る 第二次大戦の空軍戦力』:その2

◆第二次大戦前の軍用機
・今回の企画は第二次大戦機の1/72模型を並べながら論ずるというもの。

◆大戦間のフランス機
・戦間期に双発爆撃機が多いのは「流行」。ドウエ理論に触発されて自ら防御できる装甲と武装を持つ爆撃機を作るようになる。ドウエは旋回機銃の威力を過大評価していた。
・フランスの防空思想は「偵察機中心主義」。フランス防衛の主力は陸軍、その陸軍のために隣国の動員&集結状況を探って知らせるのが第一任務とされていた。

◆イリューシン4と一式陸攻
・日本海軍の航空隊は、案外ソ連軍機に影響を受けていて、仮想的のアメリカ軍機はほとんど眼中になかったのでは? という仮説。むしろ日本陸軍の方がアメリカ空軍を意識していた。
・イリューシン4は長距離を飛行して雷撃ができた。まさに日本海軍が求めていたコンセプトそのもの。試作機であるDB-3の初飛行は37年、改善型のイリューシン4は39年完成。日本海軍が一式陸攻の設計指示を出したのが39年。九六式陸攻の魚雷型と一式陸攻の葉巻型とは飛躍がありすぎる(一方、イリューシン4とは側面図がそっくり)というのも状況証拠の一つ。

◆Me109
・「メッサーシュミット109は、中学校の世界史の教科書に載せていい唯一の戦闘機。その絶頂期は、1938年のチェコ併合です。ヒトラーには数百機のMe109があった。チェンバレンにはまだ6機のスピットファイアしかなかった。フランスにはマジノ線しかなかった。だから英仏はミュンヘンで宥和するしかなかった。こんな『戦果』をあげた戦闘機は、歴史上、他にありません」(22頁)
・Me109は第一次大戦の当然の結論。レッドバロンでさえ最後は落とされた。格闘戦で少しでも損耗すれば連合軍の数には勝てない。少数機で押し切るためには一撃離脱に徹するしかない。こうした戦訓からMe109が生まれた。

◆戦間期の中国大陸
・日本機の武装が弱装なのは「バネ」を自製できなかったから。自動火器の「バネ」は究極の特殊鋼なので、戦前の日本には小さくて強力なものが造れなかった。
・日本のパイロットが格闘戦にこだわったのは、平時の操縦性の良さを欲したという隠れた本音があるのでは? 重くて速い飛行機が強いのはわかりきっていたけど、平時の訓練で着陸するときに壊してしまう可能性が高い。これを嫌っていたのではないか。

◆日本陸軍の重爆とアメリカ陸軍の重爆
・貧乏で多くの機体を調達できない日本が出した結論は、「ドウエ理論の半分である1t爆弾を積む飛行機にして、その代わり出撃回数を増やそう」というもの。これが世界一ダメな爆撃機を生むことになった。
・航空撃滅戦は第一撃が勝負。第一波が戻っている間に、相手は体制を立て直しているから第二波を掛けるのは単にやられに行くだけ。
・だからこそ、ドイツみたいに搭載量を重視して第一撃に全てを賭けるべきだった。航続力の要求はないのだから、日本にも十分造れたはずだ。

◆ドイツの双発爆撃機
・39年の東方電撃戦は「動員奇襲」。旧来の爆撃機では敵国の鉄道網を確実に破壊することは不可能だったが、スツーカが初めて可能にした。鉄道網を寸断して敵の動員を遅らせて勝ったのがポーランド戦。
・宣伝でいうほど空地は協力していないのではないか? FMボイスで空地交信できたのはアメリカだけで、ドイツはずっとAMだった。

◆零式艦上戦闘機
・昭和17年、菊池寛が陸軍航空隊の幹部にインタビューしたところによると、「歩兵は100人いれば長が能無しでも100人分の働きはするが、航空隊は長がダメだと戦果ゼロ」とのこと。
・南方での緒戦でイギリスのパイロットだけはオーストラリアに逃げずに最後まで空襲を仕掛けてきた。日本の爆撃隊なら高射砲弾が炸裂する空域からは一刻も早く逃げようとするのに、かれらは何時間も粘っていた。

◆隼
・緒戦で陸軍は空軍の援護距離を超えて侵攻作戦をしない冷静さがあった。しかし、海軍がソロモンで航空消耗戦を勝手にやったとき、「南東方面作戦はやめるべき」と主張していた大本営参謀の久門中佐が事故死してから歯止めがきかなくなったようだ。
・航空機の進出限界を念頭におけば、インパール作戦も距離的には無謀とはいえなかった。ただし、その頃にはラバウルとニューギニアで陸軍航空戦力をドブに捨てていたために実施不可能になっていた。

◆ワイルドキャット
・日本海軍の航空部隊の命令系統は、下士官をパイロットにしたことで破壊されていた。兵学校出の未熟な士官が編隊長になっても、いざ上空に上がったら部下の下士官パイロットは命令をきかない。実質リーダーが不在なので、文字通り烏合の衆。統一指揮された米軍に勝てたら、その方がおかしい。
・当時の海軍航空隊の下士官が元気なのは、普段でも陸軍よりメシの良い海軍で、航空増加食を食べた上、覚醒剤を打たれて飛んでいたから。

◆紫電と紫電改日米の戦略任務機
・貧乏国の戦闘機は、機体も訓練も一撃離脱に徹するしかなかった。絶対に補充がきかないんだから。少飛くらいじゃ本気度が足りない。小学生をモロに乗せる「小飛」くらいをつくってようやくアメリカと戦えた。疎開させたって空襲で子どもは殺されるんだから。
・英国教導団のセンピル大佐が大正11年に帰英した後の講演で、「日本のパイロットはエンジン音が危険を告げているときに何の行動も取ろうとしない。危機を五感で感じて臨機に対処できない」と報告している。こういう日本人の鈍感さは終戦まで続いている。ミッドウェイで負けたのも海軍人がみんな百姓だったからとしか言いようがない。

◆日米の戦略任務機
・九二式重爆は「フィリピン・ボマー」。台湾からフィリピンの米軍航空基地を奇襲するために作られた。そうでなかったら陸軍が4発重爆を作る必要はなかった。ソ連の航空基地は黒龍江の向こう岸にあるんだから。

――以上、兵頭二十八師の発言を中心に紹介。他の三氏の発言もとても面白いのですが(スピットファイアへの酷評、陸上機と艦載機の違い、液冷機と機首の太さとの相関関係etc)、あくまでも<絶版兵頭本>という観点からの紹介のため、敢えて取り上げていません。

2010年10月4日月曜日

<絶版兵頭本>紹介@『並べてみりゃ分る 第二次大戦の空軍戦力』:その1

●基本データ
・書名:『並べてみりゃ分る 第二次大戦の空軍戦力』
・著者:宗像和広/三貴雅智/小松直之/兵頭二十八
・企画・編集:兵頭二十八
・発行:銀河出版
・初版発行:97年7月25日

●中見出し
◆第二次大戦前の軍用機
◆大戦間のフランス機
◆大戦前夜のソ連機
◆イリューシン4と一式陸攻
◆対ソ援助機
◆スペイン内戦の両陣営機
◆ソ芬戦争
◆大戦前のイギリス機
◆レーサー機
◆スピットファイア
◆イタリアの液冷戦闘機とMe109
◆Me109
◆戦間期の中国大陸
◆B-10
◆日本陸軍の重爆とアメリカ陸軍の重爆
◆イギリスの4発重爆
◆ドイツの夜間戦闘機
◆「1000馬力エンジン」搭載機
◆練習機
◆枢軸国の飛行艇
◆日本海軍の陸上攻撃機
◆各国の輸送機
◆ツヴィリンク
◆ドイツの双発爆撃機
◆零式三座水上偵察機とキングフィッシャー
◆グラスホッパー、シュトルヒ、零式観測機
◆ドイツの陸上偵察機
◆各国のオートジャイロ
◆グラマン・スカイロケットとウェストランド・ワールウィンド
◆Me110と屠龍
◆モスキート、屠龍、P-38、一〇〇式司偵、Yak-4
◆対戦車攻撃機
◆艦上攻撃機
◆ドントレスと九九艦爆
◆彗星
◆零式艦上戦闘機
◆日本の水上戦闘機
◆隼
◆P-35とRe2000
◆鍾馗、雷電、P-39
◆サンダーボルト
◆ムスタング
◆P-40、F-8F、B-26
◆飛燕と五式戦
◆Fw190、五式戦、疾風
◆ワイルドキャット
◆コルセア
◆コメートと秋水
◆Me262
◆紫電と紫電改
◆日米の戦略任務機
◆対B-29迎撃機
◆日独の特殊攻撃機
◆ミステールと桜花
◆プッシャー式高速機
◆大戦末期ドイツの試作機
◆烈風
◆日本の末期の試作機
≪附録≫旧日本陸海軍の航空機搭載爆弾メモ

――久しぶりの晴天で本の虫干しをしているうちに、「野球本を紹介するのもいいけど、<絶版兵頭本>を読書メモとして紹介するのもいいんじゃね?」と思い立ち見切り発車でスタート。まずは入手しにくくWebにも情報の上がっていない本から紹介することにします。というわけで一回目は「ロープウェイ本」と並んでamazonで高値安定している「空軍機本」です。なお、当blogでの読書メモは、あくまでも「手前が面白いと思った内容を乱暴に要約して箇条書きで紹介する」というものなので、その旨ご承知置きください。

2010年10月3日日曜日

ニッカンと報知はイイ仕事をしてます

優勝翌日のスポーツ紙に掲載された手記のメモ。サンスポがないって? あそこは中日(というか落合)の敵だからね。買っては見たけど一面がロッテで、優勝特集は2~3面で手記もなしという手抜きっぷり。そんなに阪神が好きかね?

◆浅尾拓也投手:手記(ニッカン)

・去年は目の前で巨人に優勝を決められ、CSでも僕が打たれて負けた。その夜は悔しくて眠れなかった。今年こそはという思いが今まで以上に強い1年だった。

・今年は自分でも出来すぎなくらい。これだけ投げ続けられたのはブルペンでの投球数を減らせたから。去年までは肩を作るまでに1回で17~18球、2~3回目も10球以上投げていた。それを今年は1回で13球、2回目以降を5~6球にした。この10球ほどの違いが1年間積み重なった結果、肩への負担が大きく軽くなった。

・今年はシーズン通して中継ぎを任されたので、連投もあったし興奮してすぐ眠れないときもあった。ゆっくり眠れるようになったのは、眠るペースをつかんだここ1ヶ月くらい。

◆落合福嗣:手記(ニッカン)

・今年は正直、優勝は難しいと思っていた。今年の元旦は「禁酒」を約束。この前はガンダム断ち。何かを成し遂げるためには何かを断ってからというし。

・それにしても見事に飲まなかった。家族で食事に行くときはタクシーだったけど、今年はとーちゃんが運転する車。僕の誕生日もお茶を飲んでいた。もちろん家族もあわせたけど。

・今年は家の中が大変だった。かーちゃんが「なんで、ここで勝てないの!」って何度も叫んでいた。体調を崩したこともあった。とーちゃんは冷静に「大丈夫だって」ってかーちゃんをなだめていた。

・とーちゃんは試合が終わって家に帰ってくると、必ず僕の部屋に入ってくる。「きょうはブランコが久々に打ったわ」「きょうはマサが完封しちゃったよ~」とか言いながら。言葉を交わさない日はないよ。

・小さい頃はとーちゃんがすごく遠い存在に思えた。休日に動物園に連れて行ってもらってもマスコミが鈴なりでついてくる。そのせいでとーちゃんが見えなくなった。僕にとってマスコミは敵だったから、いらずらしたりもした。

・でも今は家族のきずなというものがわかる。今年は家族内で「龍馬伝」ごっこが流行った。食事の時、僕が「まっこと、飯はまだかのう」って土佐弁で振ると、とーちゃんが「坂本君、もう少し待てば、くるんじゃから」って長州なまりで返す。そして最後にかーちゃんが「坂本はん、桂はん、米が炊けたでごわす!」と薩摩弁で締める。家の中で薩長同盟が結ばれていたよ。

◆吉見一起投手:手記(スポニチ)

・今年はしんどいシーズンだった。春季キャンプから調子が上がらなかったし、常に次へのキッカケを探る登板ばかりだった。

・その中で12勝。去年より4つ星を落としたが、今年の方が価値は高いと考えている。理由は2つある。一つは巨人戦で5勝1敗と勝ち越したこと。もう一つはマエケンと投げ合ったこと。

・マエケンは現在、唯一意識する投手。オープン戦で見たときは一言「凄かった」。今年は4回投げ合って2勝2敗。投げ合うのは一番きつかった。でも、持っている力以上のものを出させてくれて楽しかった。

・その分、登板後の疲れは半端じゃなかった。ワガママを言えば2日間休みが欲しかった。

・開幕投手を務め周囲からは「エース」と呼ばれることもあったが、自分ではそう思っていない。

◆落合信子:手記(スポニチ)

・今年は猛暑だったがウチは休みがオールスター休みの2日だけ。私が「休ませてあげたら」と横から口出ししたら「下手は練習量、練習するしかない」と言い切られた。いま考えると、それが最後のラストスパートにつながった気がします。

・家の中でも格闘があった。福嗣が「父ちゃん、オレも雑誌で書いたりしているけど、モノ言わないと、話さないと相手に伝わらないよ」と言ってくれた。凄く感謝している。「今年は監督よく話す」と言われたらうれしい。

・一番印象に残っているのは、試合後、室内で打ち込んでいる選手を見に行く姿。選手が気づいても気づかなくてもいなくても、必ずドアを開けて練習を見ていた。目に余るようだよ大きな声が飛んだ。「おまえ、そこはな、待て」といきなり指導が始まり、選手はうれしいけど怖いって感じ。

・その姿は息子にモノを言うオヤジサンのようだったから、今年は「オヤジさん」と呼ぶことにした。選手一人一人のオヤジってわけ。

・現役時代は私の誕生日に必ずホームランを打ってくれたけど、今年のプレゼントは暴言を吐いて退場! 「何て言ったのよ」と聞いたら「おまえも退場だって言ってやった」だって。あきれましたね。オヤジがガキになっているじゃないの!

・あの時は、私の後ろのファンの声に救われた。「監督、間違っていないぞー」と言ってくれた。それを聞いてこの場は動いちゃいけないぞと思った。オヤジが退場なら、おふくろがいるしかない。スタンドの席で微動だにしなかった。

◆和田一浩選手:手記(トーチュウ)

・小さい頃から中日に優勝してほしいと思ってきて、その一員になって優勝できた。しかも僕の場合、FAでここに来た。移籍して08、09年と優勝できなかったから、肩の荷が下りたという思いもある。

・8月10日の横浜戦での自打球で左足が折れた。でも、不思議と休もうとは思わなかった。落合監督から全員に「プロテクターをつけろ」と言われながら、つけていなかった。意地というか立場が立場だから。それにこの年になると残りの試合は限られてくる。出られるなら出たいと思っていた。

・落合監督のもとでケガに対する考え方が変わった。伊東勤監督からも痛いのカユイのは言うなと言われていたが、いまの立場になってその意味がわかるようになった。レギュラーを張っている人は痛いそぶりも見せてはいけない。それだけで周囲に影響するから。落合監督のもとで痛みの限界が伸びた。ようは気持ちの持ちよう。

・中日に来て良かったことが3つある。一つは落合監督との出会い。数え切れないほど教わって技術が伸びた。あのまま西武にいたら技術は伸びていなかったかもしれない。

・もう一つは試合前のダッシュ。チーム全体でやっていることだが、その重要性を学んだ。走っておかないと試合で動けない。足がどんどん衰えていく。西武時代は試合のために体力を残す、という考え方だった。でも、走らないと試合で走れない。西武が悪いというわけではなく、新しい経験がプラスになった。最後の一つは熱い名古屋のファン。

◆井上一樹:手記(トーチュウ)

・びっくりしたのは大島と松井佑。新人なのに本当によくついてきてくれた。それだけじゃなく、そこからもう一段上のレベルまで見せてくれた。

・大島は打てなくても落ち込んでいる姿を見せなかった。野本にしても剛裕にしても、落ち込んだときは「この世の終わり」という顔をするのに。能天気なのかクールを装っているのかわからないけど、それもアイツのいいところかもしれない。

・大島と松井佑には周りも触発されたのではないか。彼らの加入で若い連中の競争意識が高まった。

・その一人は野本だろう。7月末のこと。普段は遠征先の宿舎で選手を教えることはないけど、ある夜、「みてほしい」と電話が掛かってきた。「だったら明日の朝、駐車場に来い」と返した。翌日の午前中、駐車場で野本のスイングに付き合った。そういうのはオレ、大歓迎だ。

・監督からは「野本をなんとかしろ」と言われていた。ほとんどマンツーマンで教えていた。だからこそ、打ててないときに打った3号ホームランは自分のホームランのように嬉しかった。

・剛裕も一所懸命やっていた。オレが現役のときはアイツの視線をいつも感じていた。ピュアな男で、他の選手が違う練習をするとじっと見ていて、いいものを取り入れようとする。打席では集中し過ぎるくらいだから、もう少し肩の力を抜けといってるくらい。

・逆に「集中しろよ」って言うタイプは藤井。他の人間よりも良くも悪くも目立つ。レギュラーを取るだけの力が十分あるからこそ、もうふた皮くらいむけて欲しい。

◆森野将彦選手:手記(報知)

・今年特に意識したのは巨人戦での成績(.316)。去年は巨人の先発を打てず(.239)チームも負け越し。その要因は僕にある。

・初球でも打てると思った球を打ちに行くことに徹した。だから今年の巨人戦は早いカウントから打ち、投球数も少ないはず。内容の悪い凡打を怖がらず、攻めた結果がいい方に出た。

・監督の観察眼の鋭さには驚かされる。普通、プレー中に打球を追えば、ボールから遠いところの野手は視界から消える。でも、監督は9人のプレーが全部見えている。例えば、僕が打席にいるとき。「お前、ヒットゾーンはあそこが広いのに、なんで打てねえんだ」と。

・そういう目を持っているけど野球にはオーソドックス。大事な場面で変に動きたがる監督もいるけど、軸がぶれない。

・選手会長になって、ファンの目を意識した。強いチームであり続けているのにお客さんが減っているのは、完全にマンネリを感じているから。成績を残しているのにオールスター戦のファン投票での選出がゼロなんてありえない。満員のドームでプレイしたい。その危機感はすごくある。

◆森繁和:インタビュー(報知)

・浅尾は最初から先発タイプじゃないと思っていた。でも、本人は先発をやりたいって言ってたし、練習も一所懸命やる。じゃあ開幕投手をやらせてあげますよと。だめならすぐ中継ぎに戻そうと。

・高橋がやられていたのは長距離砲なんだ。ポイントを前でさばく打者に打たれるのは、ベースの近くで変化するボールがなかったから。そのために今でも厳しい練習をさせてるんだよ。

・俺がいるうちはもう2人とも先発に戻すことはないよ。

・計算できるのはチェンと吉見の2人だけ。最悪のことを想定するけど、2人の次がいなくなったら計算が成り立たない。

・ローテーションで回れる投手を、平日の火、水、木と週末の金、土、日のどっちかで必ずローテとして投げさせた。日曜日に投げてるのが調子が悪くなれば、下で土日に投げたのを上げてくればいい。

・開幕前の計算では74勝まで作った。でも、CSは75~78勝、優勝争いは78~80勝がライン。プラスアルファは思った以上に中継ぎが勝ったこと。

・ホームなら浅尾、高橋、岩瀬をつぎ込んで相手より先に動ける。打線が1点取れば1点を守る野球、2点ならそれを守る野球をずっとやってきたから。でも、ビジターではそんな展開にさせてくれない。我慢しても、結局は向こうのサヨナラ勝ちを待つだけになる。

・ヤクルトの前後(の日程)には阪神、巨人があるんだから。吉見とチェンを、中5日で前倒ししたり、どっちかに投げさせた。だからヤクルトに負けることは何とも思っていない。計算上のこと。

・俺はまだ上を見てるよ。チェンと吉見クラスをもう2人作れば、こんなに楽なことはない。

追記:渋谷のど真ん中で街宣右翼じゃない人々のデモ。報道しない自由(笑)。

2010年10月2日土曜日

やりましたー!

球団史上8回の優勝のうち3回。それも67年で3回。V率5割。どこからどう見ても名将だろ! てか、阪神は最終戦前に負けんじゃねぇよ! ホームでヤクルトを叩きのめしてから喜びを味わいたかったのにぃ!

と、浮かれ気分で2chを見ていて気になる書き込みを発見。

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109:神様仏様名無し様 :2010/10/01(金) 20:59:05 ID:YI97J9pm
中日の試合が無い日に阪神が敗れて優勝が決まったのは1954年と同じ
リーグ優勝と日本一の同年達成をした1954年と同じ
これは56年ぶりの快挙の暗示か

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中日が優勝したときには政変や大事件が起きる――というジンクスがあったけど、04年に落合博満が中日監督になってからは関係ないんじゃね? と思いつつ、「今年日本一になったら落合中日にとって初めての『完全優勝』かぁ」と、感慨にふけりながらNHKで落合の優勝会見を見ていたら、いきなり「前特捜部長ら逮捕」のテロップが入って急遽中継打ち切りって……。

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19 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/10/01(金) 22:04:13.23
NHKマジで死ね

22 名前:E ◆CD48/U2Nn. [sage] 投稿日:2010/10/01(金) 22:04:16.
マジふざけんな('A`)

26 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:04:17.
まだ5分ある(`・ω・´)

35 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/10/01(金) 22:04:22.14
検察トップに中日ファンがいないことは分かった。

57 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:04:31.21
優勝さらわれた大阪地検のせめてもの抵抗やなwwwww

65 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2010/10/01(金) 22:04:36.41
映像打ち切ってまでやらんよな普通ww
ここのスタッフほんと中日嫌いみたいだわ

292 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:06:46.40
NHKのぶった切りで逆に盛り上がるD専wwwwwwwwwww
さすが我が軍はよく訓練されておるわwwww

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一緒に祝勝会をしていたD専ファンも手前も一瞬、ぶちぎれ金剛状態になるもののすぐに諦観の境地に達するところはネガが基本なドラファンってところか。ともあえとにかく嬉しい。今日のスポーツ紙は全部買わないとなぁ。

2010年10月1日金曜日

*TV覚書:洋楽倶楽部80’s(レギュラー第一回)

テーマは「80年代にブレイク! 今も現役」。ゲストはジョン・カビラ。全体の流れは前回放送とほぼ同じ。いわゆる正統進化ってやつか。

放映されたPVは以下の6本。ニコニコ動画のソースで紹介。

【ニコニコ動画】《High Quality》懐メロ80's洋楽動画 Madonna - Borderline
・ファーストアルバムの曲なら『Lucky Star』との二択だったんだろうけど、こっちの方が味わいがあるわね。ところで手前は予てから「初期マドンナ=安達祐実相似説」というものを唱えているのだけど、いまのところほとんどの人から賛同をいただいていない。この二人、似てると思うんだけどなぁ。

【ニコニコ動画】005 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Bon Jovi - Livin' On A Prayer
・昔、Joe Lynn Turnerが「冒頭のリフはオレの『Get Tough』のパクリだ!」っていってたけど確かにソックリ。それはそれとして「白黒PV」をMTVに定着させた(ハシリはWHAM!の『Everything She Wants』だろうけど)功労者。わかっちゃいるけど「白黒→カラー」の流れはいま見てもカッコイイ。

【ニコニコ動画】《High Quality》懐メロ80's洋楽動画 U2 - New Years Day
・PVは初めて見た。U2にはほとんど興味がなかったからなぁ。一々戦争の記録フィルムを挟んでおくところがあざといけど、こういう“社会派風”に見せるところが商売上手なのだろう。

【ニコニコ動画】The Police - 「Every Breath You Take」
・これのパクリと散々言われたJohn Waiteの『Missing You』の方が好き。ていうか、Stingを取り上げるならやっぱりソロを取り上げるべきだろう。『If You Love Somebody Set Them Free』なんかモロに80年代っぽい感じなのに。

【ニコニコ動画】103 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Bonnie Tyler - Holding Out For A Hero
・日本のお茶の間に浸透していた洋楽――ということで、スクールウォーズのテーマ。このPVは当時から死ぬほどダサかった。何というかカッコ悪いを通り越してカッコいいを通り越してカッコ悪い! という感じ。無駄に劇的なピアノで煽りに煽りまくるジム・スタインマンの曲はカッコいいんだけどねぇ。

【ニコニコ動画】286 高画質、高音質で見る洋楽名曲選 Journey - Open Arms
・フィリピンのクラブで80年代洋楽カバーを歌っていたArnel Pinedaを加入させて現役を続けているということで。それにしてもSteve Perryの声は本当、“キング・オブ・産業ロック”だね。この声の正統な後継者はKevin Chalfantだと、そんな風に考えていた時期が俺にもありました(The Stormの『Eye of the Storm』は大傑作!!)。

次回は映画音楽か。「フットルース」「フラッシュダンス」あたりは鉄板なんだろうなぁ。あと、向こうの結婚式の定番となっている「マネキン」のテーマ(『Nothing´s Gonna Stop Us Now』)とかもありそうだ。