2010年10月3日日曜日

ニッカンと報知はイイ仕事をしてます

優勝翌日のスポーツ紙に掲載された手記のメモ。サンスポがないって? あそこは中日(というか落合)の敵だからね。買っては見たけど一面がロッテで、優勝特集は2~3面で手記もなしという手抜きっぷり。そんなに阪神が好きかね?

◆浅尾拓也投手:手記(ニッカン)

・去年は目の前で巨人に優勝を決められ、CSでも僕が打たれて負けた。その夜は悔しくて眠れなかった。今年こそはという思いが今まで以上に強い1年だった。

・今年は自分でも出来すぎなくらい。これだけ投げ続けられたのはブルペンでの投球数を減らせたから。去年までは肩を作るまでに1回で17~18球、2~3回目も10球以上投げていた。それを今年は1回で13球、2回目以降を5~6球にした。この10球ほどの違いが1年間積み重なった結果、肩への負担が大きく軽くなった。

・今年はシーズン通して中継ぎを任されたので、連投もあったし興奮してすぐ眠れないときもあった。ゆっくり眠れるようになったのは、眠るペースをつかんだここ1ヶ月くらい。

◆落合福嗣:手記(ニッカン)

・今年は正直、優勝は難しいと思っていた。今年の元旦は「禁酒」を約束。この前はガンダム断ち。何かを成し遂げるためには何かを断ってからというし。

・それにしても見事に飲まなかった。家族で食事に行くときはタクシーだったけど、今年はとーちゃんが運転する車。僕の誕生日もお茶を飲んでいた。もちろん家族もあわせたけど。

・今年は家の中が大変だった。かーちゃんが「なんで、ここで勝てないの!」って何度も叫んでいた。体調を崩したこともあった。とーちゃんは冷静に「大丈夫だって」ってかーちゃんをなだめていた。

・とーちゃんは試合が終わって家に帰ってくると、必ず僕の部屋に入ってくる。「きょうはブランコが久々に打ったわ」「きょうはマサが完封しちゃったよ~」とか言いながら。言葉を交わさない日はないよ。

・小さい頃はとーちゃんがすごく遠い存在に思えた。休日に動物園に連れて行ってもらってもマスコミが鈴なりでついてくる。そのせいでとーちゃんが見えなくなった。僕にとってマスコミは敵だったから、いらずらしたりもした。

・でも今は家族のきずなというものがわかる。今年は家族内で「龍馬伝」ごっこが流行った。食事の時、僕が「まっこと、飯はまだかのう」って土佐弁で振ると、とーちゃんが「坂本君、もう少し待てば、くるんじゃから」って長州なまりで返す。そして最後にかーちゃんが「坂本はん、桂はん、米が炊けたでごわす!」と薩摩弁で締める。家の中で薩長同盟が結ばれていたよ。

◆吉見一起投手:手記(スポニチ)

・今年はしんどいシーズンだった。春季キャンプから調子が上がらなかったし、常に次へのキッカケを探る登板ばかりだった。

・その中で12勝。去年より4つ星を落としたが、今年の方が価値は高いと考えている。理由は2つある。一つは巨人戦で5勝1敗と勝ち越したこと。もう一つはマエケンと投げ合ったこと。

・マエケンは現在、唯一意識する投手。オープン戦で見たときは一言「凄かった」。今年は4回投げ合って2勝2敗。投げ合うのは一番きつかった。でも、持っている力以上のものを出させてくれて楽しかった。

・その分、登板後の疲れは半端じゃなかった。ワガママを言えば2日間休みが欲しかった。

・開幕投手を務め周囲からは「エース」と呼ばれることもあったが、自分ではそう思っていない。

◆落合信子:手記(スポニチ)

・今年は猛暑だったがウチは休みがオールスター休みの2日だけ。私が「休ませてあげたら」と横から口出ししたら「下手は練習量、練習するしかない」と言い切られた。いま考えると、それが最後のラストスパートにつながった気がします。

・家の中でも格闘があった。福嗣が「父ちゃん、オレも雑誌で書いたりしているけど、モノ言わないと、話さないと相手に伝わらないよ」と言ってくれた。凄く感謝している。「今年は監督よく話す」と言われたらうれしい。

・一番印象に残っているのは、試合後、室内で打ち込んでいる選手を見に行く姿。選手が気づいても気づかなくてもいなくても、必ずドアを開けて練習を見ていた。目に余るようだよ大きな声が飛んだ。「おまえ、そこはな、待て」といきなり指導が始まり、選手はうれしいけど怖いって感じ。

・その姿は息子にモノを言うオヤジサンのようだったから、今年は「オヤジさん」と呼ぶことにした。選手一人一人のオヤジってわけ。

・現役時代は私の誕生日に必ずホームランを打ってくれたけど、今年のプレゼントは暴言を吐いて退場! 「何て言ったのよ」と聞いたら「おまえも退場だって言ってやった」だって。あきれましたね。オヤジがガキになっているじゃないの!

・あの時は、私の後ろのファンの声に救われた。「監督、間違っていないぞー」と言ってくれた。それを聞いてこの場は動いちゃいけないぞと思った。オヤジが退場なら、おふくろがいるしかない。スタンドの席で微動だにしなかった。

◆和田一浩選手:手記(トーチュウ)

・小さい頃から中日に優勝してほしいと思ってきて、その一員になって優勝できた。しかも僕の場合、FAでここに来た。移籍して08、09年と優勝できなかったから、肩の荷が下りたという思いもある。

・8月10日の横浜戦での自打球で左足が折れた。でも、不思議と休もうとは思わなかった。落合監督から全員に「プロテクターをつけろ」と言われながら、つけていなかった。意地というか立場が立場だから。それにこの年になると残りの試合は限られてくる。出られるなら出たいと思っていた。

・落合監督のもとでケガに対する考え方が変わった。伊東勤監督からも痛いのカユイのは言うなと言われていたが、いまの立場になってその意味がわかるようになった。レギュラーを張っている人は痛いそぶりも見せてはいけない。それだけで周囲に影響するから。落合監督のもとで痛みの限界が伸びた。ようは気持ちの持ちよう。

・中日に来て良かったことが3つある。一つは落合監督との出会い。数え切れないほど教わって技術が伸びた。あのまま西武にいたら技術は伸びていなかったかもしれない。

・もう一つは試合前のダッシュ。チーム全体でやっていることだが、その重要性を学んだ。走っておかないと試合で動けない。足がどんどん衰えていく。西武時代は試合のために体力を残す、という考え方だった。でも、走らないと試合で走れない。西武が悪いというわけではなく、新しい経験がプラスになった。最後の一つは熱い名古屋のファン。

◆井上一樹:手記(トーチュウ)

・びっくりしたのは大島と松井佑。新人なのに本当によくついてきてくれた。それだけじゃなく、そこからもう一段上のレベルまで見せてくれた。

・大島は打てなくても落ち込んでいる姿を見せなかった。野本にしても剛裕にしても、落ち込んだときは「この世の終わり」という顔をするのに。能天気なのかクールを装っているのかわからないけど、それもアイツのいいところかもしれない。

・大島と松井佑には周りも触発されたのではないか。彼らの加入で若い連中の競争意識が高まった。

・その一人は野本だろう。7月末のこと。普段は遠征先の宿舎で選手を教えることはないけど、ある夜、「みてほしい」と電話が掛かってきた。「だったら明日の朝、駐車場に来い」と返した。翌日の午前中、駐車場で野本のスイングに付き合った。そういうのはオレ、大歓迎だ。

・監督からは「野本をなんとかしろ」と言われていた。ほとんどマンツーマンで教えていた。だからこそ、打ててないときに打った3号ホームランは自分のホームランのように嬉しかった。

・剛裕も一所懸命やっていた。オレが現役のときはアイツの視線をいつも感じていた。ピュアな男で、他の選手が違う練習をするとじっと見ていて、いいものを取り入れようとする。打席では集中し過ぎるくらいだから、もう少し肩の力を抜けといってるくらい。

・逆に「集中しろよ」って言うタイプは藤井。他の人間よりも良くも悪くも目立つ。レギュラーを取るだけの力が十分あるからこそ、もうふた皮くらいむけて欲しい。

◆森野将彦選手:手記(報知)

・今年特に意識したのは巨人戦での成績(.316)。去年は巨人の先発を打てず(.239)チームも負け越し。その要因は僕にある。

・初球でも打てると思った球を打ちに行くことに徹した。だから今年の巨人戦は早いカウントから打ち、投球数も少ないはず。内容の悪い凡打を怖がらず、攻めた結果がいい方に出た。

・監督の観察眼の鋭さには驚かされる。普通、プレー中に打球を追えば、ボールから遠いところの野手は視界から消える。でも、監督は9人のプレーが全部見えている。例えば、僕が打席にいるとき。「お前、ヒットゾーンはあそこが広いのに、なんで打てねえんだ」と。

・そういう目を持っているけど野球にはオーソドックス。大事な場面で変に動きたがる監督もいるけど、軸がぶれない。

・選手会長になって、ファンの目を意識した。強いチームであり続けているのにお客さんが減っているのは、完全にマンネリを感じているから。成績を残しているのにオールスター戦のファン投票での選出がゼロなんてありえない。満員のドームでプレイしたい。その危機感はすごくある。

◆森繁和:インタビュー(報知)

・浅尾は最初から先発タイプじゃないと思っていた。でも、本人は先発をやりたいって言ってたし、練習も一所懸命やる。じゃあ開幕投手をやらせてあげますよと。だめならすぐ中継ぎに戻そうと。

・高橋がやられていたのは長距離砲なんだ。ポイントを前でさばく打者に打たれるのは、ベースの近くで変化するボールがなかったから。そのために今でも厳しい練習をさせてるんだよ。

・俺がいるうちはもう2人とも先発に戻すことはないよ。

・計算できるのはチェンと吉見の2人だけ。最悪のことを想定するけど、2人の次がいなくなったら計算が成り立たない。

・ローテーションで回れる投手を、平日の火、水、木と週末の金、土、日のどっちかで必ずローテとして投げさせた。日曜日に投げてるのが調子が悪くなれば、下で土日に投げたのを上げてくればいい。

・開幕前の計算では74勝まで作った。でも、CSは75~78勝、優勝争いは78~80勝がライン。プラスアルファは思った以上に中継ぎが勝ったこと。

・ホームなら浅尾、高橋、岩瀬をつぎ込んで相手より先に動ける。打線が1点取れば1点を守る野球、2点ならそれを守る野球をずっとやってきたから。でも、ビジターではそんな展開にさせてくれない。我慢しても、結局は向こうのサヨナラ勝ちを待つだけになる。

・ヤクルトの前後(の日程)には阪神、巨人があるんだから。吉見とチェンを、中5日で前倒ししたり、どっちかに投げさせた。だからヤクルトに負けることは何とも思っていない。計算上のこと。

・俺はまだ上を見てるよ。チェンと吉見クラスをもう2人作れば、こんなに楽なことはない。

追記:渋谷のど真ん中で街宣右翼じゃない人々のデモ。報道しない自由(笑)。

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