2010年5月11日火曜日

「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」を読みました

テリー伊藤氏の新刊『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』を読みました。テリー伊藤氏にはさして興味はないけど、こんなタイトルの本を書かれたら、四半世紀来の落合ファンとしては買わざるを得ないでしょう。というわけで、発売日の昨日、近所の本屋でジャンプの立ち読み後(バクマン。の大展開に胸を躍らせた後)、購入しましたよ。

で、ザッと読んでみたのですが、一読後の感想は、「あぁ、いつものテリー本」。つまるところ、好きな対象をいろんな角度から賞賛しつくした後、対象の生き方と自分の境遇を重ね合わせながら、「だから、こういう風になろうぜ!」と説教する本ということであり、同氏の長嶋本、王本、ダメ監督本と同じパターンってことです。

なもんだから、アンチ落合の人は、多分3行も読めばアレルギーが出て読みすすめられなくなるはず。なんせ、四半世紀来の落合ファンである手前でも、読んでて背中がこそばゆくなるくらいなんだから。

それでも落合に関する知られざるエピソードが満載! ってことなら読む価値もあるんだけど、結構、いろんなところで書かれていることしか載ってないんだよなぁ。

個人的に初めて知ったエピソードは以下の通りです。

「あそこで岩瀬が打たれて負けたらしょうがない。逆に山井が続投して負けたら、あのシリーズは落としていたと思う。うちの連中は、全員、そう思っていたよ」(167頁)
*07年日本シリーズの第5戦。8回までパーフェクトピッチングをしていた山井大介投手から岩瀬仁紀投手に交代した理由について。大筋では既存媒体で話されていたことばかりだけど、「選手全員が交代を是と思っていた」と語っていたことは初耳。

「落合博満がタイトルをはじめて獲ったころ、彼は上がった年俸で1台の車を買った」
「ところが、落合が買ったのは国産車で、なんとそれを改造して装甲車のようにしてしまった。ドアを分厚くして、タイヤもガラスもほかのパーツも、できうるかぎりに頑丈なつくりに改造していた」
「つまり、たとえ車がぶつかってもケガをしないように、どう見ても装甲車にしか見えないような自家用車を注文して、それに乗っていたのだ」(171頁)
*落合の自著には書かれていないエピソード。もしかしたら他の媒体で書かれていて、それなりに有名なエピソードなのかも知れないけど、個人的には初耳だった。

残りのエピソードは、既刊本か横尾弘一氏の『落合戦記』に載っているものでした。ただ、落合らしいエピソードを話の中で上手に拾い上げているので、落合のことを全く知らない人には、良いガイドブックになるかも知れませんね。週刊文春の記名記事の長編版(週刊ポストや週刊現代より少しだけ高級っぽい感じ)という趣の本なので、通勤通学の電車内で読むには最適の一冊ってとこでしょうか。落合マニア以外で落合のことに興味を持っている人にはオススメです。



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