2014年2月12日水曜日

『ゴシップガール』のチラ裏:ダンとは相容れないブレアのキャラ

ブレアのことを都会人の中の都会人っていったけど、実のところブレアは、UESにおいてトップクラスのセレブというわけじゃない。作中におけるトップクラスのセレブは、大富豪・ローズ家の一員であるセリーナ、バス産業の御曹司であるチャック、名門政治家一族・アーチボルト家の後継者であるネイトの3人しかいない。

セリーナは、当初の設定でこそ「大富豪との結婚を繰り返して金持ちに成り上がったリリーの娘」だったけど、この設定は、「父親がハーバード大卒(シーズン3で出てくる実父・ウィリアムはコロンビア大卒)」という設定とともに闇に葬られ、シーズン2以降は、「アメリカ屈指の大富豪であるローズ家の当主・シシーの孫娘」に書き換えられた。ローズ家の資産がどれくらいかはわからないけど、シーズン2でガブリエルの詐欺を弁済したり、ブレア曰く、「ルーファスがリリーと結婚したら、ジェニーはあんたたち全員合わせたより金持ちになるのよ」というハナシを前提とすれば、少なくとも数十億ドル以上の資産はあるんだろう。

チャックについて言えば、「マンハッタンの半分を掌中に収めるバス産業」の御曹司なので、こちらも半端ない富豪であることは間違いない。ネイトの一族であるアーチボルト家は150年前に炭鉱を見つけて一財を成した高祖父以降、州知事、下院議員などを輩出している政治家一族なので、セリーナやチャックのような大富豪ではないものの、社会的ステータスは極めて高い。

で、ブレアに話を戻すとだね、ウォルドーフ家ってのは、母親のエレノアが一代で築いたアパレルブランド「エレノア・ウォルドーフ・デザイン」しかない成り上がりの富豪なわけ。ブランドの知名度自体は、マーク・ジェイコブスに勝るとも劣らない設定だけど、決して儲けまくっているわけじゃない。実際、スーパーに商品を卸すハナシを蹴っているし、業界への影響力も限定的――ブレアのインターン先(=ファッション誌)を紹介できなかった――なので、その総資産は、恐らくユニクロの柳井(=8000億円)には遠く及ばないはず。ビジネス規模から考えれば、数億ドルもあれば御の字だと思うのよ。

つまり何がいいたいのかというと、作中においてブレアは「メインキャストの中で最も貧相なセレブであり、そのことがコンプレックスになっている」ってこと。だいたい親友であるセリーナが、生まれながらの勝ち組で、かつルックスとスタイルも完璧で愛嬌もあるってという「セレブの中のセレブ」だもの。

だからこそブレアが人生で目指しているのは、「プリンセスになるという夢」か「Powerful Woman(=有力者。ヒラリー・クリントンやインドラ・ノーイみたいな“世界屈指の影響力を持つ女性”のこと)になるという目標」を実現することで、セリーナ以下のUESの面々に逆転勝利することであって、これに向けてガリ勉もすれば、策略も駆使すれば、公子や公爵のことも頑張って好きになる努力をするわけ。で、この人生の夢と目標を阻むのが、「チャック・バスの恋人になるという抑えがたい欲望」なんだけど、ここではハナシが違うので割愛しますですよ。

ともあれブレアは、ハイクラスなセレブに憧れ、コンプレックスを抱いているが故に、「自分こそが真のUESの住人であり、セレブなのだ」という自負心は誰よりも強烈に持っているんであって、だからこそ誰よりも都会人の中の都会人であろうとしているのね。

そんなUESの権化であるブレアは、決して田舎者のダンを認められないのよ。それに作品のテーマである、「田舎者が都会人になろうとあがくハナシ」を前提に考えれば、ダンがブレアと恋人同士になった時点で、田舎者が都会人の中の都会人から認められたってことになるわけで、その時点で作品として終了ってことになる。

えっ? ダンはセレブの中のセレブであるセリーナと付き合ってるじゃんって?

セリーナは、「都会人でありたくない都会人」であって、UESの嫌なところを忌み嫌うキャラでしょ? だからこそ田舎者にも偏見は持たず、ダンとも別け隔てなく付き合っているわけ。なのでダンがセリーナと付き合ったとしても、それがそのまま田舎者が都会人に認められたってことにはならないんじゃねぇかと。要するに、外形的には「変わり者の都会人が田舎者と付き合った」ってことであって例外ってこと。
(つづく)

ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。

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