2014年2月14日金曜日

『ゴシップガール』のチラ裏:交際まで1シーズン超かける気概

ダン×ブレアのどのシーンがいいとか、どこにグッとくるとかいうハナシは、書いても詮のないことなので割愛しますですよ。ただ、作品のテーマと造形されたキャラクターの相性から、絶対に相容れないはずの二人をくっつけるため、製作者サイドが要した努力については、一言以上いいたい。てか、べた褒めしたい。

やっぱりねぇ、いの一番に褒めたいのは、二人の関係を恋人同士にするために、じっくりと時間をかけたこと。これが素晴らしい。ダン×ブレアが完全に恋人になるまでに要した時間は、話数にして――S4E11のドライブからS5E17でブレアがダンと呼んでキスするまで――実に29エピソード。事実上の布石であるS3E17から数えれば、丸々2シーズンくらいかけてくっつけてるのよ。

海外ドラマでカップルがくっつく場合って、多くの場合は、ケーブルTV製作の四半期13エピソードのドラマなら3~4エピソード、ネットワーク製作の半年24エピソードのドラマでも6~7エピソードくらい掛かるものなのね。もちろん例外はあるよ。でも21世紀以降、展開の早いドラマがトレンドになっていることを考えれば、あるカップルを成立させるために丸々1シーズンかけるケースってのはほとんどないはず。

翻ってダン×ブレアは、S4E11で初めて長時間二人きり――コネチカットへのドライブ旅行。劇中では全く触れられていないけれど、片道2時間近くのドライブ中、絶対に映画や美術についてのハナシをしなかったわけがない。で、このお喋りこそが二人が急接近する一番の理由であるはず、と脳内補完――にして、そこから6エピソードかけて初キス。その後は18エピソードかけて、ダンが片思いで身を焦がすところと、ブレアが少しづつダンを信頼していく過程を見せて、そこからさらに5エピソードかけてカップルを成立させるという念の入れようだもの。

しかも、シーズン3まで無頓着だったダンへの呼びかけ方も、シーズン4からは「ハンフリー」に統一。そうやって30エピソード近くに渡って「ハンフリー」と呼ばせた上で、S5E17で「ダン」と言いながらキスさせる心憎さ! 時間をかければいいってものじゃないけど、少なくとも絶対に相容れないはずの二人がなぜ恋人同士になったのか? について、その過程を丁寧に見せているところは他のドラマにはない、フレッシュかつ優れている点ですよ。

もっとも、その過程でかなり無理矢理な超展開があったりするんだけどさ。でもね、結果として成立したカップルが織りなす、甘ったるくてカワイイ名シーンの数々を目にしてしまえば、超展開もご都合主義もどうだっていいじゃん! と全面降伏するしかないもの。

実際、ダン×ブレアのいちゃつきシーンは、どれをとっても珠玉の出来なので、オススメのシーンを挙げろと言われたら、「そりゃ全部ッス」としか答えようがない。でもまぁ、強いて一つだけ挙げるならコレかなぁ。

The Movie Date

なんつーか文系インドア派の男の子ならば、死ぬまでに一度は経験してみたい甘酸っぱいシチュエーションですよ。……って『ローズマリーの赤ちゃん』についてしっかり突っ込みが入れられるほど映画の知識があって、かつ美人で金持ちで意味のある会話を成立させられる女なんて、空想の世界にしかいないわね。
(つづく)

ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。

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