2011年10月21日金曜日

東京スポーツに見る、敗戦ガッツポーズ事件

落合博満が中日監督に就任して以来、スポーツマスコミの中では最も“落合中日”を深く取材し、数多の謎の真相に迫ってきた東京スポーツ。10月20日付の20面で例の敗戦ガッツポーズ事件について、西村傭平カメラマンによる「握手拒否」の決定的瞬間をとらえた写真と、霞上誠次記者の渾身の記名記事で深く切り込んでいます。以下、同記事の抜粋です。

・0-4と敗れた9月18日の巨人戦(東京ドーム)試合終了直後の“事件”が、その発端だった。(中略)意気消沈して裏方さんらが帰り支度をしていた時のことだ。何と坂井社長がガッツポーズをしていたという。

・信じられないような目撃情報はナインの間に広がった。そして「ふざけるな!! チームが負けて喜ぶ社長なんてどこの世界にいるんだ。ありえないよ。優勝しなくてもいい、と思っている社長の思い通りにはさせない! 絶対に優勝してやる!」と一致団結。そこから5連勝を飾り、首位・ヤクルトとのゲーム差を1.5に縮めた。

・連勝が5で止まった9月25日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)の試合後に“事件”が再発。敗戦直後に坂井社長をベンチから何人かの選手が凝視していたところ、今度はバッチリとガッツポーズが繰り出されるところを“現行犯”で目撃したのだ。

で、この報道をそのままにしないのが東スポの素晴らしいところ。10月21日付の2面で矢野要記者が坂井球団社長に直撃。怒りの反論を引き出しています。以下、坂井球団社長のコメントの抜粋です。

・(都築注~敗戦ガッツポーズについて)「そんな記憶は全くない。うそだと思うなら、うそ発見器にかけてもらってもいい」
・「そういう噂がベンチで広がっていることを僕はつい先日まで知らなかった」
・(都築注~敗戦ガッツポーズについて)「するわけがないというのが自分の気持ち。名古屋で生まれて名古屋で育って昭和29年のVパレードに行って、中日新聞に入り、四十何年間勤めてドラゴンズに来た人間だから。自分のメンタリティとしてするはずがない。仮にしたのなら覚えていると思う。本当に記憶がないんだよ。こちらにとっては、一方的。うそだと思うなら、うそ発見器にかけてもらってもいい」
・(都築注~複数の選手、チーム関係者が証言していることについて)「痴漢みたいなもんかな。『やっていない』って言っても周りが『やった』って言えば痴漢になっちゃう。それに似てるかな。かつての警察はそれで痴漢だと認定することが多かった」
・「(それがガッツポーズなのか)なんだかわからないじゃないか。人が歩いてりゃ、手も動くし、足も動くじゃない。どんな動作がそうだったかわからないでしょ」
・「してないことの証明はできないんだ」
・「『こういうことがなかった』というのは悪魔の証明と言って、できないんです。例えば犯罪行為があったかどうかは割合わかりやすい。例えば人がケガをしたとか。でも、犯罪行為がなかった証明が非常に難しい」

敗戦ガッツポーズと痴漢を並べて、同じ“冤罪”として相対化しようとハナシをズラしていますが、皆さん、騙されちゃぁいけませんよ。

痴漢は「男性であれば誰もが犯人となる可能性があるものですが、敗戦ガッツポーズは「古今東西、球団代表という立場の人間であれば誰もが犯人となる可能性がないものですから。

だってそうでしょう? 広島カープでも高橋ユニオンズでもサンフランシスコフォーティナイナーズでもマンチェスターユナイテッドでも、自分のチームが負けてガッツポーズする球団社長なんているわけないんだから。男であれば誰でも犯人と目される可能性のある痴漢とは全っ然違うんですよ。

でね、このように「犯人と目される可能性がほぼゼロ」という公的な立場についていながら、身内から「こいつやったんじゃね?」と思われている時点でアウトってことですよ。実際、「(それがガッツポーズなのか)なんだかわからないじゃないか」というような紛らわしい動作が、敗戦ガッツポーズに結び付けられて考えられるくらいに理不尽なこと――天王山直前の退任発表。連勝中のコーチ解任発表etc――をしてきたのは間違いないことなんだしね。だからビールかけで↓のようになるんだよ(笑)。

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