連続テレビ小説の最高傑作『ちりとてちん』が、NHK衛生ハイビジョンで4月4日から再放送されるとのこと。
復活した番組HP
悪いことはいいません。もし見たことがなければ、この機会に見たほうがいいです。NHKはどうしょうもない放送局だと思うけど、これとか『独眼流政宗』とかを作ったりするから侮れないんだよなぁ。
連続テレビ小説は『ハイカラさん』以降、ほとんど見ているけど、多くの場合は初めの一週間(酷いときは初回)でリタイアしている。理由はいろいろある。いつものパターンだったり(耐え忍ぶ女、姑、イケメンが織り成すソープオペラ的展開)、登場人物の行動原理がさっぱりわからなかったり(例:『天花』)、出演者の演技があまりに酷かったり……と。まぁ、ほとんどの作品は見るに値しないものと判断しているってことです。良いドラマってのは、最初の5分及び初回だけで人の心を掴むものだし。
で、そんな傲慢な視聴者である手前が、最初から最後まで欠かさず見たのが『ちゅらさん』と『ちりとてちん』(『おしん』『ひらり』『ふたりっ子』は何回か見逃した)であり、最初から最後まで録画して、完全版DVDまで購入したのが『ちりとてちん』なわけです(完全版DVDの売上は『おしん』を超えて過去最高だったとか)。
そんな『ちりとてちん』の感想やダイジェストを簡潔にまとめるのは、ちょっと難しい。どんな話なのか? どれほど面白いのか? については、全国各地にいる熱狂的なファンのblogを読んだり、Amazonの完全版DVDのレビューをナナメ読みしてください。
そのうえで、あえて一つだけ言うなら、「1回15分、週6日で半年間見続ける」という特殊なフォーマットに最適化された、ただ一つのドラマ――ってことでしょうかね。
『ちゅらさん』を始め、いくつかの作品は面白く鑑賞したんだけど、これらの作品は「総集編」(2時間×3本~5本)にしても面白さが失われないものだった。これは言葉を換えると、38時間近くに渡る遠大なドラマを簡単に濃縮できるってことであり、1回(15分)ごとに見れば冗長なドラマってことでもある。
一方、『ちりとてちん』は、1回(15分)の密度がカルピスの原液以上に濃厚で、完成度も高い。「総集編」にしてもドラマの持つ面白さ、醍醐味がちっとも伝わらないのだ(実際、『ちりとてちん』の「総集編」は、ただ愁嘆場だけを集めた酷いものだった)。いうなれば安易な濃縮を許さないってことであり、「1回(15分)が、他のドラマの総集編一本分に換算できるほど内容の詰まったドラマ」ってことだ。
・伝統の継承という大テーマという縦軸と、コンプレックス、挫折、恋、嫉妬、笑い、涙……etcといった横軸、そこにちりばめられた“しょうもない人物”とで織り成す重層的なドラマ!
・登場人物の名前、小道具、何気ないセリフに表情、流れていた曲……ありとあらゆるところに伏線があり、その99%が最終回までにキッチリ回収されることのカタルシス!
・森本健成アナウンサーが、8:30のニュースの冒頭で「明日の最終回もお楽しみに」と空前絶後のアドリブをかました!
・和久井映見のおかぁちゃん!
ホント、書いてくとキリがないんでここで打ち止めにするけど、『ちりとてちん』ってのは、大の男をこれだけ狂わせる“何か”があるドラマってことです。
おまけ
「ちりとてちん」ひたすら予告編(1 of 2)
「ちりとてちん」ひたすら予告編(2 of 2)
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