「契約社会なんだけど、ときには会社員のような扱いをして。本来ありえない扱いが存在している。何が一番ベストか。いまの球界のあり方は正力松太郎さんが目指した野球界か聞いてみたいな」
昨年、10月25日の中日スポーツに掲載された落合博満中日監督のコメントだ。
会社員のような本来ありえない扱いって何だって? 名指しこそしてないけど、イ・ビョンギュ選手(ビョン様)の契約ことに違いありません(>_<)。
韓国プロ野球で首位打者1回、最多安打4回獲得。10年間の通算打率.312。「赤兎馬」と称された5ツールプレイヤーとして、鉄壁の外野陣の一翼を担っていたアレックス・オチョアと入れ替わる形で入団した外野手――というのが、06年末におけるビョン様の評判だった。
しかし、シーズンが始まってみると、打てない、走れない、守れない逆5ツールプレイヤーとしての本領を発揮。なのに何故か毎日毎日スタメンを張り、チャンスに回ってきては凡退。中日スポーツ解説者の木俣達彦に「案の定である」という名言を吐かせた。
実際、ビョン様を使うと負けるんだ、これが。
・李炳圭 スタメン
07年 63勝 57敗 1分 貯金 6 勝率.525
08年 51勝 51敗 3分 貯金 0 勝率.500
09年 14勝 13敗 貯金 1 勝率.519
合計 128勝121敗 4分 貯金 7 勝率.514
・李炳圭 非スタメン
07年 15勝 7敗 1分 貯金 8 勝率.682
08年 20勝 17敗 2分 貯金 3 勝率.541
09年 67勝 49敗 1分 貯金18 勝率.578
合計 102勝 73敗 4分 貯金29 勝率.583
(2ch、李炳圭スレより引用)
昨年も勝負どころの8月に突然1軍に上がってきて、散々使われて「案の定」だった。あれがなければ優勝できたとはいわないけど、彼の代わりに若手を引き上げていればねぇ。まぁ、若手についていえば、ビョン様をぶっちぎるだけの実力を見せられなかったとも言えるので、そう強く言い募るつもりはないけど。でもねぇ……。
このように打てない守れない外国人選手がなぜ使い続けられたのか? 例えば近年では巨人のダン・ミセリ、ゲーブ・キャプラー選手、阪神のケビン・メンチ選手など、明らかにダメな選手は早々に二軍に幽閉されるか解雇されるものだ。
ダメっぷりでは彼らに勝るとも劣らないビョン様が、なぜ入団から2年に渡って規定打席をクリアし、3年目も――ベテランで伸びシロがなく、かつ日本野球に慣れているにも関わらずダメなのに――たびたび使われていたのか? ってか、そもそも球団史上最高レベルの外国人選手だったタイロン・ウッズですら単年契約で、二冠王となったトニ・ブランコ選手でもようやく2年契約(単年契約だと確実に巨人か阪神に引き抜かれていた)なのに、日本でプレーしたことのないビョン様が3年契約ってのがおかしな話なんだけど。
「規定打席をクリアしないと韓国から放映権料が入ってこないんだよ」
「あれか、松井秀喜選手を使わないとNHKが大リーグに放映権料を払わないってやつ」
「そうそうそれ。1年目で二軍に落としたとき、落合監督の下に球団首脳が詰め寄ったっていうし」
「そういえば突然1番を打ったりしたのも、規定打席をクリアさせるためか……」
中日もビョン様も契約内容を一切口外していないので、真相は闇の中。冒頭の落合監督の言葉は、このへんの微妙な事情について精一杯説明したものなんじゃないでしょうかね。
ともあれ“大きな足枷”はなくなった。アライバのコンバートとか中田賢一投手、朝倉健太投手の出遅れとかディオニス・セサル選手が攻守ともにヤバそうだとか、いろいろ心配ごとはあるけど、「ビョン様がいない」っていう最高の補強をしたんだから。今年はいいとこいくでしょ。ええ。
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