2011年7月18日月曜日

落×駒:スウェーと体重移動に違いはあるのか?(その1)

*以下、特に断りがない場合は、駒田徳広の言葉は『問いただす“間違いだらけ”の打撃指導』(ベースボール・マガジン社)』、落合博満の言葉は『落合博満の超野球学・バッティングの理屈①』(ベースボール・マガジン社)からの引用です。なお、上記書籍からの引用部分の末尾には(駒・●頁)、(落・●頁)と表記します。

<軸足回転打法>が限りなく嘘くさいといっても、バッティングにおける軸足の位置づけが重要であることに変わりはありません。ではなぜ、軸足が重要なのか? 『落合博満の超野球学・バッティングの理屈①』から「“軸足の使い方”を徹底的に考える」の章より、その要旨を抜粋してみます。

・私は現役時代から、バッティングにおいて技術的にどこかが崩れた場合、その原因はすべて軸足の使い方が悪くなっているからだと分析していた。現役当時から現在まで、周囲が期待する成績に届かず苦労している選手の99%は、軸足に問題を抱えている。


・軸足の使い方が悪い、もしくは悪くなると、下半身の使い方も崩れ、結果として上半身の動きも崩れてくる。グリップの位置やタイミングの取り方を修正しても応急処置にしかならない。


・最近のほとんどの選手、また調子を崩している選手は、体を投手寄りに動かしながら打ちにいく。このような前方へのスウェーにより、体と一緒に腕も出てきてしまうため、100%の力でボールを叩けない。すなわちパワーをロスしてしまう。


・スウェーの原因はいくつかある。一つは結果が出ないため打ち気に逸り、ボールを迎えにいってしまうこと。もう一つは下半身が弱い、あるいは故障などで力がかけられないため、体が早く開くこと。


・こうした体の先走りを抑制するためには、常に軸足の使い方を意識すべきだ。
(落・56~61頁)

本文は図解と写真を使って念入りに説明しているのですが、全ての引用するのでは長い&引用の範囲を超えることが懸念されるので、ここでは重要と思われる部分のみを読書メモ風に抜粋しました。

さて、手前は落合が説明する“軸足の使い方”の勘所は、「スイングに合わせて前方にスウェーするのは良くない」ということであると理解しています。

落合は、この悪癖を直すためには――

時には、「捕手寄りの足一本で立ってやろう」とするなど、極端すぎるくらいに体重を捕手寄りに残して打ってみることも必要だ。私にも経験があるが、自分ではそれこそ捕手寄りに体を倒すくらいの意識を持っても、それでようやく本来の構えに戻る程度。打撃投手に印象を尋ねてみると、「調子の悪い打者は、体がこちらに向かってくるように見える」といっていた。
(落・62頁)

――という思い切った修正法も必要なのだとも主張しています。

では、バッティングの“諸悪の根源”にも見える「球を迎えにいく=スイング時の前方へのスウェー」について、駒田はどのように考えているのでしょうか?
(つづく)

落合博満の超野球学〈1〉バッティングの理屈(注:Amazonリンク)

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