2011年1月6日木曜日

*読書メモ:もしも月が2つあったなら

・太陽から同じ距離を公転している等しい質量の二つの惑星は、衝突しないばかりか近くを通り過ぎることもない。二つの惑星は太陽から見て60度の位置まで動いてくると、それ以上近づくこともなく遠ざかることもない。他の天体の重力によって多少動きを乱されても、同じ軌道に止まる。

・この“反地球”を地球から見ると、常に同じ凸月の形をしている。火星よりも明るいが、金星ほど明るくはない。しかし、金星の暗黒面を見ているときは“反地球”の方が明るい。つまり、双方に知的生命体が生まれれば、双方とも反対側の地球を見ることになる。

・典型的な銀河には数千億の星があり、宇宙には数十億の銀河がある。天の川銀河から天文学的にすぐ隣の惑星――例えばグリーゼ581d。他の恒星の居住可能領域にある惑星――を発見していることから判断すると、宇宙全体には少なくとも1000兆の惑星があると考えられる。

・居住可能な惑星に生命を維持するのに適した何十億もの恒星があり、それらの惑星のうち何百万かは、それらの恒星の適切な軌道を描いて公転しているだろう。そもそも私たちは、必ずしも生命にとってもっとも理想的な惑星に住んでいるわけではない。

「科学は私たちに、たとえ不完全でも、恒星と惑星の生成のプロセスのあらゆる段階の理解を提供してくれるから、居住可能な地球や他の惑星の創造に、神による介入が必要であったと信じる理由はなにもない。同時に、生物学者は生命の起源と進化に必要なすべての段階に狙いを定めている。彼らはその理解において天体物理学者に後れをとっているが、それは生命のほうが恒星や惑星よりもはるかに複雑だからである。にもかかわらず、生命の起源と進化のプロセスも神の介入を必要とすることなく、自然法則に従うことが示されると思う」(335頁)

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