このあいだから見始めた韓国ドラマ『第5共和国』ですが、前言撤回。これはおもしろいです! ただし、見る人を結構選ぶドラマでしょうね。以下に当てはまる人は、見て損はないと断言します。
・『仁義なき戦い・代理戦争』『エリザベス(1998)』『小説吉田学校』みたいな権力を巡る群像劇には目がない
・銃、装甲車、戦車が出てくると無条件でワクワクする。
・全斗煥、盧泰愚、金泳三、金大中についてある程度の知識がある。
・冷戦をリアルタイムで経験している。
・かつて日本のマスコミが北朝鮮を賞賛し、朴正煕~全斗煥時代の韓国をボロクソに叩いていたことを知っている。
言葉を換えれば、以上の点に一つも当てはまらない人は、見るだけ無駄でしょう。脚本は良く練られていますが、演技は大げさだし、セットはチャチだし(CIA地下基地の造作はウルトラマンタロウのZAT基地よりショボイ)、戦闘シーンも戦隊モノレベルなので、ただ漫然と見ているだけでは「アクの強いオッサンたちが怒鳴りあったり、戦争ごっこをしているだけのドラマ」にしか見えず、ちっとも面白くないと思います。
手前は上記5つ全部に当てはまっているので、もうズブズブにハマリました。正直、朴正煕暗殺事件を扱った1~3話は「それは、どうだろうか?」と思って見ていたのですが、4話からスタートした粛軍クーデター以降は、文字通り血みどろの権力闘争(策謀、決断、裏切り、流血の目白押し!)でお腹一杯。世間では「菅vs小沢の一騎打ち」が話題になっていますが、そういう政局バナシをですね、銃と装甲車と戦車を駆使してガチで人殺しをしながら繰り広げるドラマなもんですから、面白くないわけがないんですよ。
とりあえず10巻、20話(光州事件終結~国家保衛立法会議設立)までぶっ通しで見たのですが、ファーストインプレッションは「とにかく殴ること、殺すことに躊躇しない奴らだなぁ」ということ。拷問――タオルを顔にかけてからヤカンで水をぶっかける拷問にシビれました――や鎮圧のシーンでは老若男女一切差別せず警棒でぶん殴り、デモ隊にも容赦なく射撃。クーデターでは一時間前まで友軍だった同胞にも一切躊躇せず発砲する……と、とにかく血の気の多さがリアルに描かれていることに感心しました。
朴正煕暗殺事件や光州事件の解釈や軍事独裁に対する厳しい見方など、いろいろと言いたい事はあるのですが、とにかく見所の多いドラマであることは間違いありません。韓流にも良いものがあるのだということを再認識しました。
追記:このドラマを見るまで、手前が唯一認めていた韓流は「korean drummer rocks out」だけです。
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