昨日から読み始めている兵頭二十八師の新刊『大日本国防史』。貧乏な自営業という職業的特権を活かして一気読み……と、行きたいところなんですが、289pというボリュームであるにも関わらずミッシリ詰まった内容なのでナナメ読みができない&貧乏ながらもそこまでヒマでもない――という状況にあるため、未だ最後まで通読していません。
なので感想についても、「読み終えてから頭を整理し直して書こう」と思っていたんですが、チマチマ読んでいるうちに書きたいことがムラムラと溢れてきて、「通読する前にリアルタイムで感じたことをメモしておくのも無駄じゃないかも」と思いなおし、以下、途中まで読んで思ったことをつらつら書いてみることにします。
・これって要するに『小説・天皇の歴史』? というか情景描写や心理描写、会話描写がないから『物語・天皇の歴史』か。
・歴史小説と講談社学術文庫の中間っぽい感じかなぁ。
・原典は『二千五百年史』(竹越與三郎著)ってことだけど、これに軍師が調べ、洞察した史実を盛り込んだってことなんだろう。
・つまるところ、「兵頭二十八が語る天皇戦記」というのが、一番しっくりくるかも。
・日本神話を巡る軍師の解釈(対支那政策)はとても腑に落ちるハナシ。
・神武東遷→闕史八代→大国主神→日本武尊を、現代的に読み解くところは本当に面白い。
・ただ、通説、異説、最新の学説とも微妙に違っていたりするので、度々ページをめくる手が止まるんだよなぁ。
・藤原仲麻呂の評価が高いことにビックリ。彼の評価については井沢元彦説(これ以外についてはほとんど信じていないけど)に引きずられていた面があったかも。
・平清盛の“大戦略”については、「本当にそこまで考えていたのか?」というのが最初の印象。ただ、これも俗流歴史観――手前の源平歴史観の90%くらいは吉川英司の最高傑作『新平家物語』に影響されている――に引きずられているのかも。
・源範頼の失敗と源義経の成功の理由が、「三光作戦」(苛烈な現地徴発)にあるという指摘にはヒザを叩きまくり。
・それが後々の没落に繋がってるしなぁ。これまで読んだどの本よりも源義経の軍事的才能について、最も合理的に説明しているような気がする。
とりあえず今日はここまで。源平時代でコレなら、太平記~戦国時代はどんだけ面白いんだか! と胸熱しながらチマチマ読むことにします。
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