ゲストは村田兆治、牛島和彦、佐々木主浩。
・佐々木:理想のフォークは「野球盤の消える魔球」。真っ直ぐと見分けがつかないで落ちる球。なのでなるべく回転をつけて、最後まで真っ直ぐと見分けがつかなくなるようにして投げた。
・村田:俺のフォークは三振を取る球。わかってても打てない、速くて真っ直ぐ落ちる球が理想。
・牛島:ボールが届く前にバットを振らせる。タイミングを外すことを考えていた。二人の真っ直ぐは150km/hオーバーの速い球だけど、自分はMAX143km/hしか出なかった。だから威力のあるフォームから緩い球を投げるように、いろいろと工夫した。
・佐々木:カウントを取るのもフォークだった。回転をつけるので基本は縫い目に指をかけていた。
・牛島:小さな手でフォークを投げるためにストレッチをしていたら、関節が外れるようになった。クルーンはこれを見て「気持ち悪ッ!」と逃げたくらい(実際、映像のインパクトはかなりのもの)。
・村田:フォークはフォームのクセが盗まれやすい球。力が入るので腱や筋肉、握りでバレてしまう。だからバックスイングの途中で握りを変え、ノーサインで投げていた。
・牛島、佐々木:それぞれバックスイングの途中で握りを変える秘技を披露。
・谷繁元信選手(ビデオ出演):佐々木のフォークの落差は感覚的にこのくらい(ほぼ座高と同じ長さを両手で示す)。
・袴田英利(ビデオ出演):ノーサインでフォークとストレートを取り分けるため、村田と組むときはミットの綿を抜いていた。こうすることで落ちる球を握りやすくするため。だから受けるときはとても痛かった。防御率のタイトルがかかっているときにホームランを打たれた後、ベンチで村田に「こんな球を要求しやがって!」と怒られたことも。
・佐々木:古田敦也のようにミットの扱いが上手い捕手だと、逆にフォークを投げ込むのが心配になる。秋元宏作と組んでいたのは、彼が身体を張って止めるタイプで安心感があったから。谷繁選手もミットの扱いが上手い捕手だが、彼には「秋元はアゴでも止めていたぞ」と言って奮起を促した。
・佐々木:配球の基本は低めの真っ直ぐと、同じコースから落とすフォーク。高めの真っ直ぐを基本にはしない。
・牛島:それは佐々木と同じ。低めに集めるとバッターがどんどん踏み込んでくるが、そういうときにはカーブを投げて腰を引かせていた。
・村田:フォークは決め球で、一打席に一球しか投げない。なので、基本はインコースの真っ直ぐでファールを打たせて、フォークで三振を取るという配球。
その後、最新のピッチングマシンでの佐々木のフォークの再現や質問コーナーなどがあったものの面白くなかったので割愛。語られているエピソード自体は書籍や雑誌で散々既出のものだったりするが、映像のインパクト(とくに「牛島の指」と1987年9月1日の対南海戦での門田博光の打席!)は凄いものだった。録っておいて良かった。
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