2011年11月30日水曜日

野村克也×落合博満対談(TBS『S★1』より):その1

YouTubeに動画が上がっていたので早速視聴。以下、私家版メモです。

野村:優勝争いでのクビ通告。あのときの正直な気持ちは?
落合:ある意味楽になった。負けたら終わるんだろうと。8年前になったときに現場のことは全部やれといわれたが、クビを知った後は、「これで来年のことは考えなくてもいいんだ。野球の勝ち負けだけ集中すればいいんだ」と楽になった。
野村:オレはCSの直前にクビを言われた。
落合:こっちはシーズン中だもの。
野村:オレはやけっぱちでやってたけど、どういう気持ちだったの?
落合:進退問題で波風立てたくなかったから選手には一切言ってない。球団にも選手に言うことを止めさせた。
野村:オレは正直、全くやる気がなかった。勝手にせいと。そこは人間の違いだなぁ。エライよ。
落合:それはね、一本にまとめたのはヘッドコーチなの。モリシゲが「ど~せ辞めるなら笑って辞めよう。勝って辞めよう」といったことを、オレがいないときに言ったみたい。それでなきゃあそこまでまとまらなかったと思う。
野村:そういうコーチはオレには一人もいなかった(笑)。
落合:残念でしたねぇ(笑)。
野村:日本シリーズの誤算はどうだった? オレの予想はソフトバンクで当たったんだけど。
落合:普通に考えりゃソフトバンクでしょ。(予想も)4勝1敗、4連勝が大半占めてたでしょ? 4勝2敗のシナリオしか考えてなかった。
野村:終わって後悔はあるのか?
落合:もし勝つのであれば4戦目でしょうね。ホールトンが投げた試合。あれは絶対に獲らなきゃいけない試合だった。あそこで計算間違えたっていうのが……6回かな、無死2、3塁になって和田の打席。「頼むから四球だけはやめてくれ」と思っていた。そしたら四球で出ちゃったでしょ。「うわ、これだけはだめや」って思ってたの。これで流れ止まったと。
野村:うん。
落合:周りの人はアノ四球を「いい四球を選んだ」というけど、(オレは)「頼むから内野ゴロでいいから一点とってくれ」と。そういう教育を8年間ずっとやってきたから。無死満塁になったら内野のゲッツーでいいから一点とってくれと。一点とったら二死で3塁にランナーが残る。次のバッターがどれだけ楽かと。次に点の入る確率はもの凄く高くなるの。ところが無死満塁で最初の打者が内野フライ打つか三振すると点数ってなかなか入らない。だからあそこだけは、一点負けているケースで「頼むからショートゴロでいいから打ってくれ」と。そしたら最悪の四球。「うわ、これは手を打ちづらくなったな」と。

――やっぱり4戦目は勝つつもりだったのね。“無死満塁のピンチ”は“落合中日”ではよくあることだったので、手前は「井端三振→小山憤死」が勝負を分けたポイントだったと思っていたんですが……。

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