Amazonで11/17発売っていうから、「17日に配送されるんだろうナ」と思っていたら、なぜか配送予定日が11/19で、「それじゃぁ書店で買ったほうが良かろうに」と思って予約をキャンセルして、17日に近所の書店行ったら「19日に入荷するんですよ」と言われて、Amazonで予約し直そうとしたら配送予定日が11/21になってしまったので、最寄の基幹駅近くの大型書店に問い合わせてみたら「18日の15:00には店頭に並びますよ」と教えてもらったので、言葉通りに昨日15:00に来店してゲットしてきましたよ!
というわけで、落合博満の最新刊『采配』(ダイヤモンド社)をザザッとナナメ読みしました。
◆目次
・1章:「自分で育つ人」になる
・2章:勝つということ
・3章:どうやって才能を育て、伸ばすのか
・4章:本物のリーダーとは
・5章:常勝チームの作り方
・6章:次世代リーダーの見つけ方、育て方
ファーストインプレッションは、「これって『コーチング』のver2.0だよね?」。実際、『コーチング』と同じ出版社、同じ体裁なので、落合と編集者(横尾弘一氏)が、『コーチング』の正統なアップデート版として書いてやろう! と意識していたことは間違いないはず。ただしその内容は、監督経験を経ての思考の変化を中心に多くの点でアップデートされているので、手前みたいに『コーチング』を30回以上読み直している(通読ではなく目を通すだけなら多分100回以上)ような、ダイハードな落合ファンにとっても必読モノの内容であることは間違いありません。
どこがアップデートされているのか? については、後日改めて書くつもりです。以下は、ナナメ読みして思いついたとりとめのない感想です(以下、敬称略)――
・荒木に対する「心は技術で補える」のハナシは「『心技体』ではなく『体技心』」という1節で取り上げている。
「実際、ドラゴンズにも同じような症状を抱えている選手はいたが、私はその選手にこう告げた」
「『じゃあ、投げられないから試合に出ませんと言っているんだな』」
「すると、『試合には出られますが、正確な送球ができないとチームにも迷惑がかかるので』と返してくる。まさに『自分がミスした場合の理由がイップスなのだ』と予防線を張っているわけで、技術の未熟さに対する不安が投げられない原因だと私は解釈した」
「『試合に出る以上、どんなミスでも自己責任だ。ミスするのが嫌なら練習して技術を磨け』」
「イップスを治すには、技術を身につけて自信を得るしかないと、私は確信している」(36頁)
・川崎憲次郎に対しては「一人の選手への采配で、チーム全体の空気が変わる」という1節を丸々使って取り上げている。その采配の意図については、断片的に語られていたけど、その真意について包み隠さず語っているのを読んで、不覚にもウルっときた。
・結局、いまのチームの土台を築いたのは「2/1の紅白戦」「04年の優勝」であり、突き詰めれば「川崎憲次郎の復活プロジェクト」にあったということか?
・04年の秋季キャンプに山本昌や川上を連れて行った意図も、この本で初めて明かしている。で、この真実を知ってしまうと、「来年以降のドラゴンズには決して黄金時代が訪れないのだろうなぁ……」という思いも“揺るぎなき確信”に変わってしまった。
・個人的に胸熱になったのは、「できる・できない、両方がわかるリーダーになれ」の1節。
「『毎シーズンAクラス(3位以上)に入れるチームを作ることができた要因は何ですか?』」
「そう問われた時、私が唯一はっきりと答えられるのは『選手時代に下積みを経験し、なおかつトップに立ったこともあるから』である」(202頁)
・手前が池山隆寛の指導者としての可能性を論じたときに、落合の言葉を借りて同じような主張を書いたけど(池山隆寛、「ブンブン丸の『野村野球』伝道」:その1を参照のこと)、落合自身、このことを監督になって改めて確信したことを知って、ちょっと胸が熱くなった。
・現役選手では森野、岩瀬に対する言及が多い。とりわけ岩瀬がどれだけ特別な存在なのかを随所で熱く語っているところにグッときた。
・若手の使い方、世代交代の進め方、レギュラーへの接し方など、落合の考え方を改めて読むにつけ、「やっぱり原辰徳とは、埋めがたい能力の差があるのだなぁ」ということを痛感。確かに原は名監督だと思うけど、落合には及ばないのでは? 坂本の使い方(案の定、今年になって伸び悩んだ)や小笠原への処遇を見るにつけ、こう思わざるを得ない。
・どうやら今年の状態を見る限り、平田はT-岡田よりも息の長い選手になりそうだし、堂上弟も、プロ野球生活のトータルで見れば坂本を追い抜く可能性は十分に残されているように思えるもの。
――このペースで書いていたら本当にキリがなくなるので、とりあえずこの辺で打ち止め。控えめにいっても、全プロ野球ファン必読の書だと思いますよ。
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