2010年9月21日火曜日

でも“アジア的解決”だけは勘弁な

Q――練馬区の畑から大根を獲らんとする怪しい車にパトカーが停車命令を出したら、逆にぶつけられてしまいました。パトカーは実力で車を停車させ、運転手の不逞中国人を逮捕しました。不逞中国人はこれからどうなるのでしょうか?

A――警察の取調べを受け、起訴され、裁判を受けることになります。

いま話題の漁船衝突事件は本質的に↑と同じことで、現在までの日本政府の対応は極めて常識的で真っ当なものでしょう。尖閣諸島だろうがベヨネーズ列岩だろうが皇居広場だろうが、日本の領土であることには全く変わりはないわけだから。そこで法を破った者は日本人だろうがトンガ人だろうが中国人だろうが日本の法律に服さなきゃならんわけでね。

まさか民主党政権になってから対中問題で自民党政権よりも原理原則を貫くとは思いもよらなかったけど、日本の法律に従って粛々と手続きを進め続けるのであれば、それはそれで大変良いことだと思いますよ。こういうことはあまり認めたくないものだけど、これまでの自民党政権(小泉首相を除く)では、ほぼ全ての案件でなし崩し的に“アジア的解決”をしていたわけだから。

で、これで戦争になったらどうするかって?

いや、この危機はアメリカと防衛省にとって慈雨みたいなものでしょ。

大国(笑)である中国が粋がっていることを奇貨にして防衛予算だって増やせるし、在日米軍にしても存在意義を主張しやすいものね。正直、もっと煽れ、もっと本気で来い! って願ってるんじゃないかなぁ。仮に戦争になったところで、海上自衛隊にしてみれば中国海軍の威容なんてものは、風俗嬢が一見の客に言う「まぁご立派」くらいにしか思ってないだろうし。怖いのは核ミサイルだけだけど、それを打つときは中共が滅ぶ日なわけでね。

こうした事態をいたずらに惹起させないためには、現地に兵隊を張り付かせておけばいいだけの話だ。

兵頭二十八師も別冊正論Extra.13で「米軍は、自衛戦闘が発生していない外国の領域にわざわざ出張して進駐軍を追い払うようなマネはしない(例外は、そこがクウェートのような一大産油地域であった場合だ)。北方領土や竹島を考えると分かりやすいだろう。あるいは自衛戦闘を最初からしないでいったん敵による占領を黙認した形ができたら、そこへあとから自衛隊が攻め込んだとしても、米国政府には『それは自衛戦闘ではない』と裁量する自由があり、必ずしも米軍をして日本軍を後援させる義務はないのである」(229頁)と書いているように、駐留軍がいれば中共が軍事的冒険をすることは決してないでしょ。

それをずーっと怠ってきたってことは、「適当に危機を煽っておいて、それを理由に省益を確保しようなんて考えてるんじゃないか?」って陰謀論を唱えたくなるくらいのサボタージュだものね。自民党政権がこういうことをやったらマスコミが黙ってないけど、社会主義政権である民主党政権であればマスコミの風当たりもだいぶ弱いから、これを機会に自衛隊にキチンと仕事(=国境線近くの離島に兵力を貼り付ける)をさせたらいいんじゃないかなぁ。もし、本当にこれが実現したとしたら、その一点だけで「政権交代にも少なからず良いことがあった」って思えるかも知れない。少なくとも現時点では政権交代して良かったことなんて何一つなかったわけだから。

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