2011年3月29日火曜日

原発事故は“お雇い外国人”に任せるしかないか

東京電力、フランスに支援要請 福島原発事故で自力解決断念か

なんだか、前に書いたようにフランス任せってことになるのかね?

10年以上前のことだけど、兵頭二十八師がどこかのセミナー(演題は『兵器が語る近代日本史』だったか?)で、「日本の技術は最先端! なんて言われてるけど、それ違うから。基幹部分の技術(例えば巨大エンジンのタービンシャフトなど)は欧米に大きく遅れてるんだって。明治時代からカタチは真似ても、真髄は身に付けてないのさ!」というような趣旨のハナシをしていた記憶があるんだけど、これって原子力発電所のハナシにそのまま当てはまるよなぁ。

まぁ、原発についていえば、現代の科学水準では「一回マズイ事態になれば、ちょっと手がつけられなくなる」というのは古今東西同じだけど、「素早く原因を究明する」「あらゆる危険事象に対して正しい処置をする」「そもそもマズイ事態にならないようにメンテナンスをする」ことにおいて、日本は他の原発先進国に比べて明らかに劣っているとしか思えないもの。40年前から“お雇い外国人”に任せて、少しずつ技術を身に付けておけば……といっても後の祭りか。

「今回の件で痛い目を見たんだから、原発止めてエコな生活しようぜ!」みたいなことを言う人も増えてきてますが、日本経済のエンジンである首都圏で電気が足りてないってことは、産業全体を奈落の底に突き落とすってことでね。「エコな生活」どころか、生活水準がガクンと下がって「エコな生活どころじゃなくなる」ってのが本当のところでしょ。水力、地熱、風力、波力、太陽……etcといった代替エネルギーが、現時点ではあらゆる点で火力or原子力に遠く及ばないってことは、兵頭二十八師の『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』にある通りで、この期に及んで一所懸命、「太陽エネルギーが~」とか言ってる人は、広瀬隆氏――『赤い楯』とかを読んでも本気で信用している人は、宇野正美を信じている人を笑えないと思います――と同じくらいの信用度しかないといっていいんでしょう。

というわけで、政府は、原発問題をフランス電力公社なりIAEAなりの「東電&原子力保安院以外の専門家集団」に丸投げして、まずは被災地の救援にありったけのリソースを投入し、あまったリソースで新たな電力供給体制の中長期計画を提示――例えば、休眠中の原発を可及的速やかにフル稼働させるとともに、首都圏に火力発電所を増築するといった具合。もっと良いアイディアがあれば、それもバンバン盛り込む――して、「夏は停電するかも知れん。でも、彼岸までには絶対に停電しない体制をつくるから安心してネ」というメッセージを出すべきじゃないの? 

昨日までの官房長官の会見を見る限り「原発9割、被災地1割」って感じでしょ? これってどう考えてもおかしいと思うんだけどなぁ。



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