2011年3月23日水曜日

いまこそ読まれるべき本、「マンガで読む たった一人のテロ対策」

◆目次
・第1章:爆弾テロに備えろ!―身近な危険を察知せよ!―
・第2章:BC兵器から身を守れ!―触れるな・嗅ぐな・留まるな―
・第3章:死の灰から逃れろ!―最悪のテロから身を守る3原則―
・第4章:サバイバルを楽しもう!―効率的な日常装備と備蓄法―
・第5章:サバイバルも体力だ!―痩せた狼で生き残れ!―
・第6章:応急処置をマスターする!―ファーストエイドの基本―

古参の兵頭ファンにはお馴染みの漫画家・小松直之氏が前書きと奥付以外の全てのページでマンガを担当している『マンガで読む たった一人のテロ対策』(平山隆一・文、小松直之・画。並木書房)。前書きに「本書は、爆発物・生物兵器・化学兵器・核兵器などの攻撃に対し、私たち一般市民がどのように身を守ったらようのか、できるだけ具体的な対策手段をコミックでまとめたものです」(1頁)とある通り、都市で出会う様々なバッドイベントへの対処法について、マンガを使って具体的に解説したサバイバル本です。

シュンジ君(痩せメガネのミリオタ。ボケ)、ユウコちゃん(シュンジの姉。しっかり者。ツッコミ)、カズヒロおじさん(特殊部隊出。セキュリティの専門家。先生)の3人が様々なテロの現場でいかにして生き残るか? をNHK教育の番組のように解説する手際の良さもさることながら、何よりも素晴らしいのは「必要な情報の取捨選択と具体性」です。

他のサバイバル本のように、「カッコつけるため」の情報は一切ありません。脂質ゼロ、実際に役に立つことしか書いていないところが、この本の凄みです。ある意味、レシピ本とか節税アドバイス本に匹敵するくらい、「買ってすぐに役に立つ」という類の本といえましょう。

なので、その内容には言わずもがなのことも少なくありませんが、専門家でなければ指摘できないことも数多くあります。少なくとも手前は――

・頭上をカバンなどでガードする際には、必ず手の甲を上に向ける
・カバンと頭のあいだは5センチほど空けておく
・熱さの確認は指の外側(ツメのある方)で
・予告電話に対してバカにしたような口調で話さない

――ということを、この本の第1章を読むまで知りませんでした。

昨今話題になっている原発問題(放射性物質への対処法)も、第3章でミッチリと解説しています。これを読むと「原発事故も大変だけど、ま、何とかやりようはあるわな」と思えてきます。ここで書かれていることをわきまえていれば、少なくとも2chや夕刊紙に書かれているようなデマには踊らされずに済むことでしょう。その意味でも、同書は今こそ読まれるべき本だと思いますね。

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