2011年3月11日金曜日

J・J・エイブラムスがやりたかったこと:その2

以下、『ALIAS』と現在、第3シーズン絶賛放送中の『FRINGE』についてガンガンネタバレしますので、ご承知置きください。



J・J・エイブラムス製作の『ALIAS』と『FRINGE』の共通点について、思いついた点をちょっと箇条書きにしてみると――

・婚約者を殺された美人エージェントが、復讐&謎解きのために奔走する
・“捜査”のカギを握る“ツール”を作るのは、変人の技術者
・“捜査”を進めていくなかで、ハンサムな相棒と恋仲になる
・復讐&謎解きの過程で見えてくる巨大な陰謀と謎の組織
・陰謀のカギを握るのは主人公。実は幼い頃に特殊な実験の被験者となった結果、特別な能力を身につけ、世界の命運を握る存在へと成長していたのだった!

――という感じになります。

まぁ、基本的なストーリーラインと主要キャラクターの設定はほとんど一緒なわけですが、それよりも何よりも一緒なのは、<コピー人間>を使っての、「オレがアイツでアイツがオレで」ごっこですよ。

『ALIAS』では、遺伝子操作により人間を複製する「ヘリックス計画」の産物として、何人かのコピーエージェントが出てきましたが、「舞台が現代なのであまり無茶な科学考証はできない」「裏切り上等のスパイモノで<コピー人間>が出てきたら、それだけで最終兵器になる」という足枷のおかげで、そこまで大活躍したわけではありませんでした。

が、『FRINGE』では、「フリンジ科学という“超科学”が日常的にあるので無茶な科学考証も全然OK!」「裏切り上等じゃない人間ドラマに比重を置くことで、<コピー人間>を出すことによるサスペンス色を効果的に打ち出せる」と、ハナから<コピー人間>ありきの設定にすることで、本当にやりたかったことであろう「オレがアイツでアイツがオレで」ごっこを大展開したのだなぁということですよ。

いま、『FRINGE』は本国でシーズン3の15話まで放映――シーズン2最終話のクリフハンガーは本当に凄くてヒドかったけど、『ALIAS』ではアノくらいは序の口――されていますが、8話までの展開は文字通り「オレがアイツでアイツがオレで」ごっこで、いろんな意味で面白かったですからね。シーズン2でシェイプシフターが出てきたときには、「それは、どうだろうか?」と思ったけど、ここまで突き抜けてくれたら逆にアリですよ。

とまぁ、つらつらと書いてきた『ALIAS』ですが、シーズン1後半からシーズン2前半まではアクション活劇として無類に面白いですし、何よりゲストで出てくるレナ・オリン――アノ怪作『蜘蛛女』の女殺し屋にして五十路の美熟女。メリッサ・ジョージ、レイチェル・ニコルズといった美人女優も出てくるものの、個人的には彼女こそ全話通して一番の美人と認定――が本当に素晴らしい!

というわけで、レナ・オリンが全篇に渡って大活躍するシーズン2は一見の価値アリ! と断言しますよ。





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