2012年6月4日月曜日

メールで休みの連絡をするのはOKか?

最近、こういうハナシを聞くことが多くなったので、ちょっと思うところを。

もちろん「有給休暇を取得する際には、該当日の2週間前に休暇届を書き、上司のハンコを貰う」みたいな内規がある会社で、有給休暇を申請する際にメールで連絡を済ませてしまうのはNGでしょう。といっても、誰にだってアクシデントはあるもの。突然、40度近い熱が出たり、入院必至の交通事故に遭ったり、親族に不幸があったりした場合は、当日10:00に絶対外せないプレゼンがあったとしても休まざるを得ないものです。

そういった場合、手前のようなおっさんは、電話で哀願調を装いながら――当然、電話口では頭下げまくり。「TV電話じゃないのに意味がないのでは?」という人は甘い。頭を下げながら喋ると自然と哀願調に心がこもるものなのだ――なくなく休まざるを得ない事情をくだくだと告げ、相手に「もういい! 休め、休め太郎(aa略)」と言わせた後、スミマセンを連呼しつつ電話を切ったものでした。

ようするに、「出勤できないアクシデントがあったので休みます」という、口頭であれば数秒、メールであれば1行のことを伝えるために、3~5分に渡って「休みたくないけど休まざるを得ないことに悔しがり、かつ、会社の皆々さまに迷惑をかけて痛恨の極みと心を痛めているオレ」という“演技”をしていたわけですよ。もちろん、これが“演技”であるってことは、上司だってまるっとお見通しです。上司にしても手前と同じ立場の時には、「休めてラッキー!」と小躍りしながら同じような“演技”をしていたのに違いないわけですから。

双方納得づくで“演技”の交換をすることは、ある意味、葬式と似たようなものです。つまり、「突然死ぬ親族or友人」という、受け容れがたいけど受け容れざるを得ないアクシデントを受け容れる為には、坊主を使った数日に渡る厳粛な<儀式>(=葬式)が必要であるように、「突然休暇を取る社員」という、受け容れがたいけど受け容れざるを得ないアクシデントを受け容れる為には、電話を使った数分に渡る哀願調の演技という<儀式>が必要ということ。

と、ここまで掘り下げた上でタイトルの件に戻るなら、穏当な結論としては「上司が“演技”を求めている以上、バカバカしくても<儀式>をやっておくのが良い」となるでしょう。ただ、日本虚礼廃止連合会の事務局長を務めるほど、虚礼というものを嫌っている手前としては、「この<儀式>だって虚礼なんだから、やめちまえ! メール一本で要件が伝わるなら十分じゃねぇか」と思いますけどね。

このように書くと、「いや、メールではダメだ! 直接言葉を交わしてこそ意味がある」みたいな反論も出てくるのでしょう。こうした意見については……と書いていくと、大変長いエントリになってしまいそうなので、続きは後日改めて。

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