2012年5月10日木曜日

『宮本武蔵‐双剣に馳せる夢‐』を見てたまげた理由

このあいだDVDをレンタルして視聴した『宮本武蔵‐双剣に馳せる夢‐』。「いろんな意味で凄い代物」「良く訓練された兵頭二十八ファンであれば必見」という感想を残しましたが、一体、何が凄いのか? といえば、「全編是、兵頭二十八説に乗っかった映画」だったからですよ。

いえね、PCのDVDドライブに入れたときは、「押井守の原案・脚本の宮本武蔵モノねぇ。手前的なクライマックスであるところの“一乗寺下り松の決斗”はどんな感じで描かれてるのかナァ」くらいの期待値だったんですよ。

で、実際に見てみたら宮本武蔵の虚像を剥ぐドキュメンタリータッチのアニメ映画ってことで、「なるほど決闘シーンには期待せずに、『押井守が語る“オレの武蔵”』を味わえってことね」と了解して、1.5倍速で見続けていたらですね、押井守氏を模した侍装束のCGキャラが出てきて薀蓄を語りだしてきたわけです。

その薀蓄曰く、「武士とは何者だったのか? これを知る前に、まず西欧の騎士について知っておく必要がある」とのこと。これを受けてコミカライズされた再現VTR風CGアニメで語られ内容というのが――

・騎士のイメージ=装甲、馬、紋章。これらは「騎士は死なない」という特権を意味する。
・十字軍の時代、騎士は捕虜になっても身代金を払って生還していた。
・紋章は身代金を払う能力があるという戦場でのサイン。騎乗しない兵士は容赦なく殺された。

――てなものなんです。ここまで一通り見たところで、「これってどっかで読んだことあるよなぁ……ってもしかして軍師の論考じゃねぇかな、これ」と直観。等速再生に戻して最後まで見続けた後、おもむろに本棚を漁り、軍師の著作や『武道通信』のバックナンバーをパラパラとめくって見たわけですよ。

で、『あたらしい武士道』と『ヤーボー丼』を読み返して思ったのが、「これって軍師のパク……いや、剽……、いや盗……、いや引き写……。いやいや偶然似てしまうってこともあるし、海外の文献とかから引用してきたものかも知れないから、滅多なことはいえねぇよな」ってこと。

『宮本武蔵‐双剣に馳せる夢‐』で語られている薀蓄の、どこがどのくらいどの程度まで軍師の説に似ているのか? については、是非、DVDをレンタルするなりAmazonでポチるなりして確認してみてください。明日以降しばらくは、映画の薀蓄と軍師の説とを対照するための「確認用のテンプレート」となる『あたらしい武士道』と『ヤーボー丼』の読書メモ(薀蓄の該当部分)をアップロードします。





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