2013年6月17日月曜日

加藤良三はどうすれば良かったのか?

まずは「違反球」関連のエントリについて。

反発係数の下限と公差について、世に言う0.4134の下限が基準値(=0.01ポイントの公差が認められている)なのか限界値なのかがいまいちハッキリしません。日経や産経の報道によれば、0.4134の下限は基準値なので、11、12年の統一球は「違反球」ではないとしています。もしそうなら、「違反球」関連のエントリは全て誤っているので、確認が取れ次第、関連エントリを訂正します。

で、改めて統一球のハナシ。

加藤良三が統一球を導入したがった理由は、「NPBのレベルを上げ、MLBと対等に戦える体制を作るため」です。

すなわち、「狭い球場&飛ぶボールでパカスカホームランを打つような大味な野球では、ガラパゴス化してしまうではないか! ここは一つ飛ばないボールを導入することにより、打者のレベルアップを促し、NPB全体のレベルアップに繋げよう」みたいな理屈から、敢えて反発係数の下限ギリギリのボールを普及させるべく、これまでバラバラだったボール供給業者を一つにまとめ、そこに低反発球を発注した――ということ。まぁ、本当に本当の理由は『名誉欲』であって、これが90%以上を占めているに違いないんですが、少なくとも残り10%の過半を占めているのは↑のようなポリシーでしょう。

このポリシーについて、手前は基本的に賛成しています。といっても、いいたいこと、突っ込みたいことは山ほどあるんですが、ここでは措いておきます。

さて、統一球の導入が決まり、ボールが供給された。出来たボールは狙い通りの“飛ばないボール”でホームランは激減。あとは各々の打者が技術を磨いてレベルアップするのを待とうじゃないか! と思っていたら、どうやら出来上がってきたボールは、公認野球規則にある反発係数の下限を下回るもので、「違反球」っぽいという報告が上がってきた。

さて、ここで加藤良三はどうすれば良かったのか?

手前が思う最善手は、「速やかに反発係数の見直しを指示する。納入された1年分の統一球は11年シーズン一杯使用する。そして、これらのことを記者会見で公表し、オーナー会議に進退届けを出す」だったと思います。

反発係数の下限が基準値(公差0.01まで認められる)なのであれば、↑の通りで良いでしょう。ただし、反発係数の下限が限界値だったのであれば「違反球」を1シーズン使わせることになるので、その旨も説明した上で、進退届けではなくて辞任を申し出るべきだったでしょう。

が、加藤良三とNPBは、反発係数の下限が基準値であり、出来上がったボールの反発係数が低すぎるといっても公差である0.01以内に収まっているのだから――

「11年、12年シーズンだって違反しているわけじゃない」
「13年シーズンに反発係数を上げるよう指示したが、これだって規定内の“微調整”に過ぎない」
「故に我々は何も悪いことをしてないし、不祥事でも何でもない」
「ただし、事務局長がミズノに隠蔽を指示したのは好ましくなかったので、これは遺憾ですわ」

――という立場をとっています。

ファンに対する説明責任や、反発係数の“微調整”がもたらす甚大な影響も一切考慮していない最悪の一手ですが、ルール違反か否かという視点で見れば、これはこれで筋は通っているといえます。

つまり、反発係数の下限が限界値ではなく基準値だったのであれば、今回の問題は――

①反発係数変更の指示を行うのはコミッショナーの専権事項で良いのか?
②反発係数変更の指示は“微調整”と呼ぶに値するのか?
③これらのことを隠蔽した道義的責任をどうとるのか?

――の3点に絞られます。

すなわち、「1年間、全ての試合で使用する公式球の反発係数変更という大きな決断を、球界の最高意思決定機関であるオーナー会議を経ずに決めて良いのか否か」「11~12年シーズンと、13年シーズンの選手成績には劇的な違いがある。これだけの結果をもたらす指示を、果たして微調整と呼べるのか否か」「全て公認野球規則に則っていたこととはいえ、出入り業者にまで口裏合わせをすることが許されるのか否か」ということです。

というわけで、統一球関連のエントリは、関連する報道が出尽くすのを待つとともに、種々の情報確認をした後、改めて書くことにします。

ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。

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