2013年3月8日金曜日

いまの日本に閉塞感を感じるのも仕方がない?

昨日、YouTubeで邦楽ヒットのPVをつらつら見ているうちに、タイトルのようなことを思いつく。

どういうわけか? まずは今から半世紀ほど前、ナウなヤングにバカウケしていたこの曲を聞いてみてくださいよ。

・1960年、潮来笠/橋幸夫

グループサウンズはこの6~7年後のことで、当時はまだ影も形もなかった。もう少しモダンな感じなところでいえば水原弘あたりなんだろうけど、ともあれ、当時の若者はこれを聞いて喜んでいたわけですよ。

で、彼に続いて御三家がデビューし、グループ・サウンズが流行り、新御三家が出てきてニューミュージックを経て25年。バブル黎明期までに日本の音楽シーンはここまで進化した。進歩じゃなくて、あくまでも進化ね、進化。

・1985年、Romanticが止まらない/C-C-B

チェッカーズの方がメジャーだったけど、ようするに髪を立てて楽器を演奏するようなのが流行っていたと。この2年後にはTMネットワークが台頭してきて、5年後にはビーイング系が全盛期を迎え、ほぼ現在の音楽シーンの骨格が出来上がってくる。で、27年後のヒット曲がこれ。

・2012年、真夏のSound good!/AKB48

Google先生に「2012年 ヒット曲 ランキング」と聞き、売上枚数が一番の曲を選んでみたけど、トップ10はAKB48と嵐しかなかったので、多分、どれを選んでも同じようなものだったんだろう。C-C-Bと比べて進化したとは言い難い気が……。ちなみに手前は↑の曲を、今回初めて聞きました。

こうして改めて振り返ってみると、70年代に産まれた手前は、まだまだ日本が面白くなっていく過程をリアルタイムで経験できていたのだなぁ、と。ゆとり世代以降の子にしてみれば、「物心ついてからJ-POPといえば浜崎あゆみ」みたいなことになっているわけだから、ソレに比べれば随分幸せだったのかも。

『潮来笠』から『Romanticが止まらない』までの、停滞とは一切無縁な大進化から、一転して停滞が続くという傾向は、音楽に限らず文化全般――例えばTVゲームでいえば、ファミコン→スーファミ→PSという大進化ではなくて、PS→PS2→PS3という進化しか経験していない――に通じることで、こういった文化的に停滞状況にある現下の状況を鑑みると、「うん、確かにいまの日本に閉塞感を感じるのも残当」と言わざるを得ないのだろうなぁ。

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