2012年11月18日日曜日

『glee』シーズン3を完走しての感想:その1

・面白いドラマを視聴したのであれば、どんなに長くたって完走なんて言葉は使いませんよ。シーズン1~10、240話弱で後半に行くほど尻すぼみ気味だった『Smallville』でさえ、視聴し終えて「やっと完走した」とは思わなかったもの。

・つまりその、『glee』のシーズン3について言えば、最後まで見終わってのファーストインプレッションが「ハァ、ようやく完走した。これで途中で手を止めてた仕事に着手できるナ」だったということ。正直、満足感よりも「最後まで見る」という義務を果たしたという気持ちの方が大きかった。

・といっても、面白くなかったわけでは全然ない。個人的にはシーズン2よりも明らかに楽しかった。これは全篇通してもそうだし、個々のエピソードについてもそうだし、個々のミュージカルシーンについても。

・それでも、完走という思いが先に立ってしまったのは、シーズン通して一貫した“芯”がなく、全体に行き当たりばったりでハナシが展開しているように見えてしまい、見ているうちにテンションがダダ下がりになったため。

・ep1は、典型的なアメドラのep1らしく、「シーズン通してハナシを転がすための伏線」を盛り沢山に張ったものの、その伏線のうち3割くらいは2~3話のうちに回収され、3割くらいはほったらしにされ、残りはなかったことにされてしまってねぇ……。全部の伏線を上手に転がしていけば、本当に面白いドラマになるはずだったのに、どうしてこうなった? と。

・個人的に一番残念だったのは、新キャラ・シュガーの取り扱い。「音痴のアスペ」という“飛び道具”を、全国優勝目指して森西武のごとく勝ちに徹しようとしているニュー・ディレクションズがどのように受け入れるのか? この“飛び道具”を勝負の世界に持ち込むにあたって、シュースター先生はどのような決断を下すのか?

・ep1を見れば誰だって↑のようなベタな展開を期待するのに、結局はep3か4くらい(?)のところで、メルセデスに「あんたは後ろで踊ってりゃいいの」と言われて、最後まで後ろで踊っているだけという……。そんなんなら最初から出すな! それでいて、ライバルのボーカルアドレナリンにああいう“飛び道具”を出すってのはどういうことよ?

・みたいな感じで、ep1の伏線(=シーズン通して転がすハナシであり、全体構想)が全然活かされていないうえ、ところどころで唐突に出てくる深刻な問題――恐らく視聴者の興味喚起か、時事ニュースに感化された製作者の問題提起を目的としたもの――も、しばらくたったら結構簡単に片付いたりして、「これ、絶対に思いつきで脚本に書いたよね」と、見透かしたくなくても見透かさざるを得なくなってしまうという悪循環。

・シーズン2全篇よりも遥かに面白かったep1を視聴して、最高に盛り上がっていた期待を大いに裏切られた――という気持ちもあって、シーズン3に対してはちょっと辛い見方しかできないかなぁ。ともあれ文句はここまで。



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