『おんな太閤記』以来、第一話の視聴を欠かしたことのないNHK大河ドラマのハナシです。30年以上続けている習慣だけに、今年もなんだかんだで継続することに。で、某所で視聴したわけですが……。いいじゃんいいじゃんすげーじゃん! ここ数年で一番良かったんじゃないの? といっても、ここ数年ってのが『平清盛』とか『江』とか『天地人』とか『篤姫』みたいなダメダメなのばっかりだったから、ハードル低すぎってのもあるけど。
以下、とりとめのない感想。
・なんで南北戦争? いや、確かに幕末とダイレクトにつながっているのはわかるけどさ。でもまぁ、ドンパチの見せ場を上乗せしてくれるのであれば全然OK。
・全然アメリカに見えない風景の下、CG感丸出しの撃ち合いはちょっと肩透かしだったけど、冒頭の数分なら十分。クロスオーバーして描かれた会津戦争は、引きのショットが少なかったこともあって、そこそこ迫力があった。
・ただ、主人公が銃を装填するときに一々効果音を鳴らして――オリジンはもちろん『コマンドー』――迫力を水増しする描写は、もういい加減やめてもらいたい。
・OPは……。あ、でもOP明けの日新館のシーンが素晴らしかった。何が素晴らしいってセットの出来と照明。がっつりとお金をかけてしっかりと作ったセットを、いかにも「お金をかけてしっかりと作ったセットを御覧ください」って感じに撮ってるんだけど、そういうあからさまな撮り方に耐え得るセットであるところが凄い。こういうのはヤマダ電機プレゼンツの新春大型時代劇では絶対に真似できないからなぁ。
・あと、山本覚馬の走り方。正しい作法かどうかは別として、ちゃんと「今の走り方とは明らかに違う昔の走り方」(=ナンバ走り)として見せているところが良い。同じ幕末モノでも『翔ぶが如く』なんかでは、西田敏行が普通に軽快に走っていたからね。
・井伊直弼を指して「かもんのかみはいかがか?」と役職で読んで、字幕で「掃部頭」と出るところとか、時代考証に関しては結構がんばってるんじゃないか? ここで「いいどの」とか「なおすけどの」というのが、ここ数十年の時代劇だったから。
・『独眼竜政宗』で弟に切腹を命じるときに「白扇をとらす」ってセリフを言わせたみたいに、「おっ、違う時代の出来事なんだナ」と感じさせる良い時代考証なんじゃないかなぁ。少なくとも、当時の人間が誰一人として言ってなかったであろう“王家”の連呼よりも正しいしセンスも良い。
・第一回は登場人物の紹介がメインで、ストーリーはあってないようなものだから、なんともいえない。役者についての印象は、「松平容保は良い」「子役も“こども店長”より良い」「手前より年上の西島秀俊が、手前より10歳以上若く見える!」ってところか。
・個人的には吉田松陰がいかにも軽薄そうな俳優が演じていて、ちょっと抵抗があった。というか手前の中では「吉田松陰=篠田三郎」なので、誰が演じても抵抗があるんだけどさ。まぁ、NHK的には「従来の吉田松陰像を打ち破る」的な意図かなんかがあるんでしょう(棒)。予告編を見る限り来週は「吉田松陰神妙にしろい!」(ツボイノリオ©)の回なんだろうねぇ。
どのみち来週以降は見ないからどうでもいいことではあるんだけど、このドラマ、戊辰戦争が終わったらどうするんだろう? 残りは兄嫁と学生をいじめ倒すエピソードしかないのに、一体、どこで盛り上げるんだろうか?
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