2013年1月19日土曜日

*読書メモ:2100年の科学ライフ(その1)

◆目次
・はじめに――来る100年を予言する
・1.コンピュータの未来――心が物を支配する
・2.人工知能の未来――機械の進歩
・3.医療の未来――完璧以上
・4.ナノテクノロジー――無から万物?
・5.エネルギーの未来――恒星からのエネルギー
・6.宇宙旅行の未来――星々へ向かって
・7.富の未来――勝者と敗者
・8.人類の未来――惑星文明
・9.二一〇〇年のある日

・今までに調べられた全ての生物――酵母菌、クモ、昆虫、ウサギ、犬、最近ではサル――で、摂取カロリーを30%以上減らすことにより、寿命を30%延ばせるという現象が確認されている。カロリー制限は、延命効果が保証されている“唯一”の手段。動物界のほぼ全体で繰り返し追試され、必ず成功しているから。最近までカロリー制限の研究結果が出ていなかったのは主要な種ではヒトを含む霊長類だけだった。元々長生きだったからだ。

・2009年、アカゲザルに対するカロリー制限の研究結果が明らかになった。20年にわたりカロリー制限されたサルは、糖尿病やガン、心臓病などに罹りにくくなった。総じて、通常の食事を与えられた仲間よりも健康だった。

・「穴居人の原理」。遺伝子と化石の証拠によれば、われわれとそっくりの見かけをした現生人類が10万年以上前にアフリカに現れたことを示しているが、以後、人類の脳や人格が大きく代わったという証拠は見つかっていない。

・その時代の誰かを連れてきて、風呂に入れて毛を剃り、三つ揃いのスーツを着せてウォール街に立たせたら、身体的には他の人間と全く区別できないだろう。ならば、われわれの望み、夢、人格、欲求は、この先10万年はきっと変わらないだろう。また穴居人だった祖先と同じような考え方をしているに違いない。

・問題は、現代のテクノロジーと原始的な欲求との軋轢があるところでは、必ず原始的な欲求が勝っているということ。それが「穴居人の原理」。例えば、穴居人は常に「獲物の証拠」を要求した。逃した獲物を自慢してもダメなのだ。逃した獲物のハナシをするより、獲ったばかりの動物を手にしているほうが良いに決まっている。今の我々も、資料というと必ず、プリントアウトしたコピーを欲しがる。モニターの中の文字では満足できず、不必要なときでもメールやレポートを印刷してしまう。だからオフィスのペーパーレス化は完全に実現していない。

・また、我々の祖先はいつでも直接会いたがった。そうすれば他人と親密になり、表に出ない感情を読み取ったりしやすくなるからだ。だから無人の街は現実にはならない。たとえば部下を慎重に評価したい上司が、オンラインで部下を評価するだろうか? 直接会えば、仕草を読み、無意識にさらけ出している貴重な情報が得られる。サルに近い祖先も、発話を産み出す何万年も前に、ほとんど仕草だけで思考や感情を伝えていた。

・我々は捕食者の子孫でもある。だから他者を観察したがり、何時間もテレビの前に座って仲間の愉快な振る舞いを飽かずに眺める。しかし、自分が他人に見られていると気づくと、途端に落ち着かなくなる。科学者の評価によれば、われわれは見知らぬ人に4秒以上見つめられると落ち着かない気分になるという。およそ10秒経つと、気分を害して敵意を抱く。最初のテレビ電話が失敗に終わったのはこのためだ。

・超遠心分離法よりも安価にウランを精製できる可能性を持つレーザー濃縮法は、2006年、オーストラリアで実現。2008年、GE日立ニュークリア・エナジー社は、2012年までにノースカロライナ州ウィルミントンに最初の商用レーザー濃縮施設を建造する計画を発表した。今後数年で、濃縮ウランのコストは大幅に下るだろう。なにしろウラン燃料にかかるコストの30%は濃縮プロセスにあるのだから。

――特に興味を覚えたところをアトランダムに抽出してメモ。正直、全ての内容をあまさず紹介したいくらい超絶面白い本。

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