以下、昨日に引き続き『smallville』シーズン9の超絶ネタバレをかますので、これから『smallville』を見ようと思っている方は、そのままブラウザの「戻る」をクリックされることをオススメします。
なぜアリアは、赤い太陽のない世界でもスーパーパワーを発揮できたのか? について考える前に、昨日までのハナシについて簡単に整理しておきましょう。
◆時間軸A=「ep1:SAVIOR」の時間軸。この時点でゾッド少佐は“再誕”したばかり。<ゾッドタワー>のアイディアは片鱗もない。クラーク・ケントはスーパーパワーを使い一人自警団をやっている。
◆時間軸B=「ep9:PANDORA」の時間軸であり、もう一つの未来。<ゾッドタワー>が完成し、赤い太陽が照りつけている。カンダー人はスーパーパワーを使いまくり、クラーク・ケントはただの人になっている。
◆赤い太陽=カンダー人にとってのスーパーパワーの源。これがなくなるとスーパーパワーを失う。
◆クラークの血=カンダー人の体内に一滴でも入れば、永続的にスーパーパワーを獲得できる。
時間軸Bのアリアにとってのスーパーパワーの源は、言うまでもなく赤い太陽です。いかなカンダー人でも、黄色い太陽の下ではただの人であるということは、<ゾッドタワー>の機能が停止して黄色い太陽に変わった途端、スーパーパワーを失ってしまったゾッド少佐の描写を見れば明らかです。加えてこの描写は、スーパーパワーが“充電”できる類のモノでもないということも明らかにしています。
つまり、時間軸Bでスーパーパワーを発揮していたアリアとて、時間軸Aに来た途端、ただの人になってしまうってことです(もっといえば、<ゾッドタワー>が停止し、ゾッド少佐がスーパーパワーを失っているなかで、アリアだけが弾丸よりも速いスピードでレジオンリングを触りにきたってこと自体不合理なんですが、とりあえず措いておきます)。
ではなぜ、時間軸Bのアリアは時間軸Aでスーパーパワーを発揮できたのか?
シーズン9で語られている事実から考えられる可能性は、「クラーク・ケントの血を体内に取り入れた」ってことしかあり得ません。しかし、時間軸Bのアリアがクラーク・ケントの血を体内に取り入れることはあり得ないんですよ。
そもそも、クラーク・ケントの血がカンダー人のスーパーパワーを復活させるという秘密が明らかになったのは、「ep14:CONSPIRACY」でのこと。ゾッド少佐が命を落としてしまったときに、これを助けるべくクラーク・ケントが自らの血を彼の傷口に流し込み、生き返らせた後のことです。生き返ったゾッド少佐は、自らがスーパーパワーを得たことを確認し、その原因がクラーク・ケントの血にあったことに気づき、「ep17:UPGRADE」のラストで自らの血を仲間に分け与えます。これにより“再誕”した多くのカンダー人がスーパーパワーを取り戻します。
ですが、このエピソードはあくまでも時間軸Aの延長にあるハナシであって、<ゾッドタワー>がクラーク・ケントに破壊された後――つまり、時間軸Bという未来がなくなった後――のことです。しかも、時間軸Aのアリアは「ep13:PERSUASION」でゾッド少佐に殺されています。つまり、二重の意味でアリアが永続的なスーパーパワーを持つことはあり得ないってことです。
さて、このアリアを巡るスーパーパワーの問題が、ストーリーと全然関係のないハナシであれば、例のごとく「薄目で見て」ですね、「まぁ、初っ端から“女忍者”が大活躍すればカッコいいし、それでいいんじゃね」で済ませていたと思います。が、この問題は、ストーリーと全然関係ないどころか、シーズン9のテーマの根幹を左右しちゃったりしているわけですよ。
(つづく)
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