江川:今年は日本一になれると思っていたのか?
落合:思っていた。
江川:異議あり! 落合さんは非常にノーマルな野球をやられる。勝てると踏んでいたのであれば、第1戦に吉見を先発させたのではないか?
落合:7戦までいったらダメと思っていた。
江川:僕は逆に考えていた。7戦までいけば勝てると思っていた。
落合:勝つなら6戦までなの。CSの最後の1試合が余計だった。吉見を中3日でいったでしょ? あれで全て狂った。疲れが抜けるのかなと。最終的に吉見が(日本シリーズ初戦の登板が)無理だということで、無理だったらチェンで行こうと決めたんだと思う。CSで3勝2敗になったときに、ゲームは2つできるわけだ。やるほうにしてみれば、チャンスは2度作っとかなきゃいけない。吉見で勝つ可能性も100%ではない。だったら勝てる順番から投げさせたほうがいいのではないかという発想なんだと思う。
江川:発想なんだろうと思うということは……。
落合:オレはピッチャー決めてないから。
江川:森さんに任せていると。
落合:全て任せてる。一切ピッチャーのことは触ってない。
江川:試合まで今日の先発を知らない?
落合:知らない。
江川:森さんに絶対の信頼を置けるのはわかりますが、バッターとピッチャーのかみあいってあるじゃないですか。
落合:どうせウチは点数とらないのはわかってるじゃない。
江川:バッターはあまり打てないと。
落合:誰も信用してない。打てるわけないなぁって。あとはピッチャーがんばれって(笑)。最終的に簡単だったのは、「一番ピッチャーはなに嫌がるの?」って聞いたら、「ランナーをセカンドに背負うのがイヤですねぇ。一本で帰ってきたり、エラー一個で下手したらホームまできますから。1塁にいるときとは多少違います」って言うから、だったら何が何でもセカンドまで送っちゃえと。そのなかに5~6回に1回帰ってきたら1点取れるだろう。オレも長いこと野球やったけど、1試合に8~9回もバントのサインを出す試合を経験するというか、自分でやらせるとは思ってなかった。でも、それをしなかったら勝てない。
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