2012年3月18日日曜日

軍師にとって初めての軍学入門書『日本人が知らない軍事学の常識』

兵頭二十八師の新刊『日本人が知らない軍事学の常識』(草思社)を読みました。といっても、軍師の大作『大日本国防史』よりもテキスト量が多いんじゃないか? というくらいに中身の詰まった内容なので、ナナメ読みしたというのが本当のところです。

で、ザザッと読み終えての感想は、「これでようやく初読者に自信をもって薦められる1冊が出たなぁ」。15年来の兵頭二十八ファンにして、世間一般の平均的な読書好きよりはハッキリと多くの書籍を読んできた経験から言わせてもらうなら、今回の新刊は「兵頭二十八師が初めて上梓した本当の意味での『軍学入門』」です。

15年来の兵頭二十八ファンを公言し、当blogでも軍師について偉そうな能書き(=私家版・兵頭二十八の読み方etc)を垂れているだけに、知り合いや友人から、「都築クンは兵頭二十八って変な名前の人のファンらしいけど、彼の本を読むとしたらどれがいいんだね?」と聞かれることは……なかったりします。まぁこれは一重に手前の不徳――友人や知り合いが笑っちゃうほど少なかったり、酒席やパーティは99%欠席したりする――の致すところだったりするわけですが、それでもまぁ、いつ何時このような問いかけがあってもいいように、自分なりにシミュレートしていることはしているわけです。

具体的には――

・相手が著者の最高傑作が読みたいなら『新訳 戦争論』
・相手がミリオタなら『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』
・相手が歴史好きなら『大日本国防史』
・相手が最近の安全保障に興味があるなら『極東日本のサバイバル武略』
・相手が未来の安全保障に興味があるなら『「自衛隊」無人化計画』
・相手が日本の構造的な問題に興味があるなら『予言 日支宗教戦争』

――という具合に薦めようと考えていました。言葉を換えれば、全くの初読者に対して「これ1冊読んでおけば大丈夫!」という本がなかったのも事実だったりするんですよ。

強いて挙げるなら『日本の防衛力再考』ですが、既に出版されてから20年近く前の本なので、情報が古く、思想もアップグレードされておらず、何より現在の軍師の著作と比べると文章がこなれていないので、初読者には薦めにくい本なんですね。まぁ、軍師の本を5冊以上読破したくらいのファンに対しては、「『新訳 戦争論』出版以前の最高傑作なので、絶対に読むべし!」と、自信を持って薦められるんですが。

で、何が面白いのか? どこが初読者向けなのか? については後日改めて。ともあれ、当blogを見ていて、「都築のヤローは兵頭二十八ってのをゴリ押ししてるようだけど、コイツのどこがいいんだ?」と思っている人は、図書館でいいので新刊に目を通してみてください。早めの確定申告で還付金が振り込まれ、懐がほんのり暖かい人はAmazonでポチってみましょう。多分、後悔することはない! と思います。





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