・映画「ジョン・カーター」、史上最大の赤字作になる可能性
まず第一点。タイトルは『火星のプリンセス』でいいじゃん。え? 舞台は火星じゃなくて惑星バルスームであって、火星に火星人がいないことは明らかなんだから原作のように「火星=バルスーム」でハナシを進められないって? 細けぇことはいいんだよ。原作は丁度100年前に出版されたものなんだし。イイワケとしてジョン・カーターについて、「妄想癖を持つオッサン」である可能性を示唆するような描写――たとえばキューブリック版『シャイニング』のジャック・トランスみたいな描写――を混ぜておけばいいんだし。
第二点。役者が弱いよ。こういう映画こそ、主人公にしてもヒロインにしても“ド”がつくほどのメジャー処を連れてこないと。とりわけデジャー・ソリスは、最低限『トロイ』(04年)のヘレン(=ダイアン・クルーガー)程度の「誰が見てもまぁ美人だと感じる」ラインよりは上の美人じゃないと。
第三点。緑色人はダメなアバターみたいなCGヒューマノイドじゃなくて、単に緑色のメイクをした役者(『Wicked』のエルフィーみたいの)にCGで腕2本足したようなんでいいんだよ! そもそも舞台が火星であるだけで、やってることは古典的なチャンバラ活劇なんだから。人間同士がチャンバラをやらないでどうする!
正直、このニュースを見るまでアノ傑作SF冒険小説『火星のプリンセス』が実写映画化されているなんて夢にも思わなかったんだけど、予告編をチラッと見るだけで↑のようなことを書かずにはいられなくなるほどのダメ臭がプンプン漂ってきて……。まぁ、手前にとってのオールタイムワースト1映画である『デビルマン』よりは間違いなく面白いんだろうけど、原作の陵辱度という点ではどっこいどっこいかもなぁ。
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