2013年4月8日月曜日

読書記録:科学本3冊と啓発本20冊

●5万年前 このとき人類の壮大な旅が始まった(ニコラス・ウェイド著。イースト・プレス)

遺伝子モノのノンフィクション。人類の祖先や人種、言葉の進化、宗教の成りたちなど、あらゆる事象をヒトゲノム解析の結果に紐づけて説明している本。この手の科学本の中では格段にわかりやすいが、その分、説明不足、根拠不足でもあるわけで……。あくまでも「楽しい読み物」として読むべき本なのだろう。



●背信の科学者たち(ウィリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド著。講談社ブルーバックス)

科学者による論文の捏造、データの改ざんといった「ミスコンダクト」について、実際の事例を挙げながら歴史的経緯と構造的問題について徹底的に掘り下げている。プトレマイオス(盗用)、ガリレオ、ニュートン、メンデル(データ改ざん)と、偉大な先人も不正行為を働いていたが、現代の科学者も全く例外ではない。科学者が職業人であり、かすみを食べて生きているわけではない以上、こうした事象は延々と起こり続けるのだろう。83年の本だが、内容は全く古びていない。個人的には全く知らなかった「アルサブティ事件」の詳細を知ることができたのが収穫。



●予想どおりに不合理(ダン・アリエリー著。早川書房)

評判通りに面白い読み物。マーケティング本やビジネス本を100冊読むより、この本を流し読みした方が遥かにためになる。書かれていること全てについて、キッチリ実験しているところが良い。また、実験の内容も非常に面白い。といっても、各々の結論が、あまりにも“予想通り”すぎるので、実験のプロセスについては、もう少し詳しく知りたかった。ただし、その辺を詳しく書くと、リーダビリティが一気に損なわれてしまうからなぁ。



●啓発本20冊

とある事情から読む必要に迫られ、ブックオフにて2100円で購入。これまでの人生で一度も手にとったことのない本を読む。感想は全体、個別とも割愛。どうやっても悪口になっちゃうのでね。ただ、全ての本で、「著者の実績(ウソ、誇張アリ)だけを根拠にした言い切り」と「箴言っぽい何かの羅列」があったことは興味深かった。少なくとも自分にとっては、これらの啓発本よりも、『新約聖書』を読む方が面白いしためになることが理解できた。

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