2013年5月14日火曜日

読書記録:GW期間中に読んだもの

いろいろあったけど、すでに図書館に返したりしていてタイトルすら忘れてしまっているものがあって、おお、もう……。

●新世界より(貴志祐介著。講談社文庫)

ブックオフの値引きチケットで購入。『すばらしい新世界』というか『ザ・ギバー』に近いディストピアを舞台にした革命話。一気読みするくらいには面白かった。



●悪の教典(貴志祐介著。文春文庫)

ツタヤで借りた漫画版が面白かったので、原作上下巻をブックオフにて210円で購入。これって現代版の『蘇る金狼』だね。ということは、朝倉哲也はサイコパスだったってことなのだな――と、勝手に納得。



●野球にときめいて―王貞治、半生を語る(王貞治著。中央公論新社)

再読。語り下ろしだけに、内容は案外薄い。早すぎた引退について大いに悔いを残している――曰く、「できるなら自分の人生を書き換えたいくらい」 今にして思えば、単なる不調を40歳という年齢に責任転嫁していたとのこと――ことと、巨人監督時代の壮大な愚痴は面白い。



追記:長嶋と王を間違えてたorz

●野茂英雄―日米の野球をどう変えたか(ロバート・ホワイティング著。PHP新書)

野茂の伝記というよりは、野茂以降の日本人大リーガーの評伝という感じ。著者の本はだいたい楽しく読んでいたが、この本に限って言えば、そこかしこに著者の偏見が露骨に出ていて、読後感が実に不快だった。MLBとNPBの実力に差異がなくなりつつあると言いながら、「(都築注:張本曰く)『日本野球には、ガイジン監督なんか必要ないんですよ』 日本球界の前方に、新たな障壁が待ち受けているのは明らかだ」(262頁)と説くが、著者のアタマの中には、「優れた日本人監督がMLBチームに招聘される」という仮定は一切ないのだろう。NPBの閉鎖性、日本人の差別を言い立てながら、自身(=アメリカ人)の持つナチュラルな差別意識を無視したモノ言いは、実に不快。



●恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた(ピーター・D・ウォード著。文藝春秋)

タイトルだけ辛うじて覚えていた。進化を巡る科学本で、酸素濃度の濃淡で進化の方向性が決まるという仮説を大々的に説いている。ただし、過去の酸素濃度の測定方法は“眉唾モノ”と思った。



●シシド―小説・日活撮影所(宍戸錠著。角川文庫)

GW中に読んだ本では、以下に紹介する本と並んで面白かった。品の良い暴露本という感じ。「ニューフェイス時代」から「石原裕次郎、スキーで大ケガ」までのハナシ。一番読みたかった「殺しの烙印」のエピソードは次巻(完結編)ということね。



で、GW中から今日まで読み続けている(現時点で4巻途中)のが、海音寺潮五郎の『西郷隆盛』。図書館でいつもは見ない小説の棚を覗いてみたら、朝日新聞社の新装版が並んでいて狂喜乱舞。西郷隆盛の伝記及び小説にはあまり良いものがない――というのが手前の持論だったけど、薩摩出身の歴史小説の大家にして西郷信者である著者の書く“史伝”を読んだ結果、手のひらをおもいっきり返してしまった。尊敬する人は? との問いに、「とりあえず西郷隆盛」と答えるくらいに西郷が好きで、西郷を評価している手前にとっては、これまでに読んだあらゆる西郷関係の本のなかで一番面白く読めている。

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